鏡の中の少女

  • 集英社
3.83
  • (31)
  • (36)
  • (47)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 311
感想 : 39
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087601282

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ダンスの先生に認められたいという一心でダイエットを始めた少女のお話でした。

    神経性拒食症(以下拒食症)と診断された彼女は初めはなかなか自分のこだわりが捨てきれず、通院しなくなってしまうこと、食べたふりをして嘔吐してしまう場面も見られていました。

    しかし、この作中ではそんな彼女がシャーマンと出会い、心を開いていく様子がありありと描かれていました。

    改めてこの病気は、拒食症と診断された本人の頭がおかしいわけでもなく、その人だけの精神の問題でもなく、家族や友人などのその人を取り囲む環境の要因すべてが絡まりあって引き起こされるものなのだと思いました。

    私自身も生活の中で自分のこだわり、ルールが強い方で、作中でも何度も出てきていた、フランチェスカ(ケサ)の「怖い」という言葉がよくわかるような気がしました。
    これは誰でもあることかもしれませんがふっと漠然とした不安に襲われることがとても怖くてたまらない時があります。

    私は今、看護学生として色々な患者様と関わらせていただいていますが、心に不安を抱える人を少しでも安心させられるようにフランチェスカのような思いを抱えている方もいるのだと言うことを忘れてはならないなと思いました。

  • 実際に関わりを持つものとして、共感できるところが多い。
    シャーマン先生の言葉はどれも暖かく、実践的です。
    借り物でしたが、購入を検討します。

  • 自分の過去と重なってフラッシュバックして涙が止まらなかった。強烈な一書だと思う。こういう家族になってはいけない。このご時世の生きにくさも感じる。

  • バレエをもっと上手になってプロのダンサーになりたいと、レッスンをつけてくれるマダムにほめられたいという一心でダンサーとしての痩せた体型になろうとダイエットを始め、次第に拒食症へと落ち込んでいく少女の物語。
    あまり小説的ではなく、拒食に陥った少女の一例をわかりやすいストーリーに乗せて綴られている。
    根本的な原因はやはり家族関係であるという分析なんだけど、末っ子がこうなるっていうのはなかなか珍しいことかなと思う。

    私は長女だからフランチェスカの気持ちというか家族内での状況はよく理解できた。異常に手のかかる兄弟もいたし。

  • フィクションだけどリアル。
    小さなとげで身を守ろうとするバラのような女の子が悲しい。

  • 拒食症、過食症、リストカットなどの現場を良く知り良く理解する大人・レベンクロン。この人の小説は一読の価値があります。壮絶な内容が、すごく受け入れ易く書いてある。続編の『鏡の中の孤独』も是非。

  • 私も摂食障害なので共感できるところもあり、勉強になるところもありでした。
    拒食の描写が生々しいです。
    ケサのように、相性の良い医師に出会えると良いですね。

  • 若い頃、私のことを拒食症だと騒ぎ立てる母親に対して、自分が病気じゃないことを確認するために読んだ本。

  •  ブックオフで百五円で購入しました。
     摂食障害。拒食症といわれる症状を生きる糧と思ってしまった女の子のお話でした。
     褒められたい、見てもらいたいと思うがゆえに過激なダイエットに走り、それが拒食症へと繋がってしまう。

  • 「拒食症」
    ただ単に、やせたいという単純な理由だけではなかった。

    その背景には、色々な少女の悩みがあった。

    考えさせられました。

全39件中 1 - 10件を表示

杵渕幸子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヘルマン ヘッセ
宮部 みゆき
スティーブン・レ...
谷崎潤一郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×