老いぼれグリンゴ (ラテンアメリカの文学) (集英社文庫)

制作 : 安藤 哲行 
  • 集英社
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本棚登録 : 37
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087602388

作品紹介・あらすじ

革命騒ぎの最中、グリンゴ爺さんは死に方を求めて、ハリエットは家庭教師としてメキシコにやってきた。ふたりが出会うのは革命派の若き将軍トマス・アローヨと彼につき従う丸顔の女。メキシコ革命の戦塵のなかに消息を絶った,『悪魔の辞典』の作者アンブローズ・ビアスの最期の謎を、アメリカ人女性と革命軍士官の愛憎劇をおり混ぜながら描く。メキシコの作家フエンテスのアメリカ批判の書。

感想・レビュー・書評

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  • 読むきっかけ・期待:ビアスのその後を扱ったものとして紹介されていたから。南米文学強化中だったから。古本屋落穂拾い。
    感想:南米らしく(汗と埃と家畜の)においたつような文章。キャラクターは典型的で、装置として動いている。革命・ナショナリズムに対しての作者の思想を体現するものとして作られていると感じた。

  • ずんと突かれるような力強さがある。読みを止めて書きつけておきたくなるような文章とも遭遇する。
    革命期メキシコを舞台に、死に場所を求めて戦場へやってきたアメリカ人(グリンゴ)をめぐる物語。いわゆる「ブンガク的手法(つまり読みにくくする工夫)」が全編を覆っているため、読者を選ぶ気はする。

  • フエンテスらしい多声的で時間を行き来する語りは楽しめたけれど、主要登場人物のかみ合わなさがあまり面白くなかった。意図的にかみ合わなくしてあって、アメリカよメキシコを判断するな、共に生きろっていうことなんだろうけど、「ああそういう意図で書いてるんですものね」って思ってしまった。これが現時点で唯一文庫化されている、代表作だと言われている長編作品なことが不満。他にもっと面白いのがあるのに。

    ハリエットとアローヨがそれぞれの国を体現するという役目のためか、いささか類型的というか生身の人間の持つ意外さを見せないというか。ハリエットはいいこちゃんぶる割にやりたいことはきっちりやってのけ、アローヨは動物的に美しいけれど視野が狭くて辻褄が合わないやつという設定から抜け出さない。グリンゴ爺さんは実在の人物がベースだから一段階人間らしいけれど、やはり予定通りという印象の死を迎えてしまうのだ。ハリエットにぽおっとしちゃって、まだ死ぬ気なくないか?という感じだったのに。葛藤して右往左往してくれよ、という気持ち。

    そんな感じでメインの3人がいまいちだったかわりというわけではないけれど、脇役はいい味出してた。情熱的な耐える女たちとシンプルで明るい目をした男たち。彼らがメインの「アメリカ批判の物語」が読みたかった。

  • 視点がめまぐるしく変わったり、たとえや、関係詞が複雑で難解な作品だった。<ひとり彼女は坐り、思い返す>とあるので、1人の視点から振り返っているはずなのに…。独特の世界観というのだろう。メキシコという土地、インディオ、ラテン、対米感情。ぼくは彼らの価値観であったり、カルチャーは知らないから、わかりにくい部分もあったのだけど、汗と埃っぽい土臭い雰囲気。決して、あっさりではないけれど湿気を感じないカラッカラした感じ。どろっとした憎しみ。背負ったものは複雑で重いものだろうけど、定まった、あるいは自分で決めた運命に抗おうとする葛藤のようなものと常に闘った男の記録といった印象。見てくれのいい死体になりたいというのは自分の最期の終わり方だけでなく、死後の姿まで美しく、というので髭を剃る。死期を悟る気持ちというのはどんなものなのだろう。勇敢とはなんなのだろう。難しい。

  • なんとか最後まで読み切ったけど、恐ろしく何一つわからなかった…。米国を批判しているのだという説もあるけど、別に二人のグリンゴが何か批判されるようなことをしでかすわけではない。二つの国の相違は描かれるけど。二人はメキシコを理解してから去ったのだ。最後に出てくるマスコミとは違って。

  • (小説/映画化作品)革命騒ぎの最中、グリンゴ爺さんは死に方を求めて、ハリエットは家庭教師としてメキシコにやってきた。ふたりが出会うのは革命派の若き将軍トマス・アローヨと彼につき従う丸顔の女。メキシコ革命の戦塵のなかに消息を絶った,『悪魔の辞典』の作者アンブローズ・ビアスの最期の謎を、アメリカ人女性と革命軍士官の愛憎劇をおり混ぜながら描く。

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