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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784087602456
みんなの感想まとめ
多様なスタイルで構成された作品集は、リリカルな要素から幻想的な物語、さらには詩的な表現まで幅広い魅力を提供します。各作品は独自の味わいを持ち、特に心に残るリリカルな作品が印象的です。増補改訂版には著名...
感想・レビュー・書評
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日曜日の深夜にとあるきっかけで手に取ったラテンアメリカ作家のアンソロジー。さわりだけでもと捲り始めた最初の一編、パチューコの「砂漠の戦い」がわたしの琴線にぴたりと触れてきた。本当に素晴らしかった。一気に読んだ一回目。ゆっくり読みたい、ともう一度読み始めた二回目を中盤まで読んだところで、もう3:30。流石にまずいか、と本を閉じて横になる。目を瞑りながら別の二つの短編を思い出す。デニス・ジョンソンの「海の乙女の惜しみなさ」とデイヴィッド・ベニオフの「幸せの裸足の少女」。あるテーマで選書したこともある特別な二篇。そこにこの短編も加えたいと思った。
消えることにない過去の後悔と悔恨。そのなかに大切にしまってあった忘れたくない美しい思い出。時と真実、振り返ることの残酷さ。それらを描いた美しい短編小説たち。わたしにもあるそれらを思い、布団のなかで少し悶える。そこまでもまたひとつの物語。そんな話をしたい人のことも思う。喜びと哀しみ。この瞬間も大切にとっておきたい。
月曜日も朝もいつだって憂鬱だけれど、今日は少しだけ気分が良かった。雲の合間に青空も見えていた。昨夜から続く物語とこの空をわたしはどんな気持ちで思い出すことになるだろうか。人生は、まだ続く。昨夜のエモーションを引きずりながら、そんなことも書き残しておきたいと思ったのだった。
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「そして、自分に言い聞かせた。この瞬間の思い出をこのままそっとしまっておこう。いまあるものはどんなものでも、絶対に同じままであるはずがないのだから。いつか、まるではるか先史時代のできごとのように思うことになるのだ。すっかりしまっておこう。きょう、ぼくはマリアーナに恋したのだから。」
ホセ・エミリオ・パチェーコ『砂漠の戦い』
「心の底からかぎりない幸福感に満たされ、ただひたすら何かに感謝したくなる瞬間というのが人生はあるものだ。そういうことが起こると、人はもうそのときからノスタルジーにひたる。その瞬間をスクラップブックに収めようとする。」
ーデイヴィッド・ベニオフ『幸せの裸足の少女』
「君も、私のように、宇宙の謎に目配せされるという奇妙な瞬間をひとつずつ集めて、魂のなかにリスのようにしまっておくだろうか。たとえば、バスローブを着て房飾りのついたローファーをはき、自分の住む地区から遠くまで歩いていって、閉まった店がずらりと並ぶところにさしかかり、ショーウィンドウにかすかに映る自分の姿に向かって近づいていくと、その上に言葉がある。「空(スカイ)とセロリ」。もっと近づいてみると、「スキーと自転車店(サイクレリー)」だと分かる。」
ーデニス・ジョンソン「海の乙女の惜しみなさ」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ラテアメのマジリアでは、ない。
むしろ序盤ーリリカル、中盤ーガーリーあるいは幻想小説、終盤ーポエジイあるいはマジリア、と区画整理されたアンソロジー。
そしてどれも良作。そう、リリカルな作品のほうが、実は心に残りそうなのだ。
増補改訂版では、シルビーナ・オカンポ「鏡の前のコルネリア」→カルロス・フエンテス「二人のエレーナ」らしい。 -
オクタビオ・パスの「青い目の花束」だけが突出して素敵で、あとはいまいち入り込めなかったなー。リョサはイメージ全く違った。リョサはやはり長編が良いです。
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パチェーコの砂漠の戦いとバルガス=リョサの子犬たち。映画を観ているように南米の空気、生活感が伝わってくる。アメリカだけどアメリカじゃない。パスの白は通して読むというよりぱっと開いて目に飛び込む文字を感じる方がいい。アストゥリアスのグアテマラ伝説集は岩波文庫版で読む。
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最初の2人(パチェーコとリョサ)が面白かった。あとの3人は…。「砂漠の戦い」は解説を読んでみて、そういえばこれを原作にした映画を見た事があるのを突然思い出した。
出身国も作家としてのタイプも違うのに、なぜこの5人の組みで編もうという企画が出たのか、ちょっと解せない。3人目のカサーレスの奥さんの作品は、痛い。こんな女はありえないよ、絶対男が書いてると思ったら女だったし(しかもカサーレスの奥さんだと)。 -
どういうチョイスか分からないが、リョサ、オカンポ、アストゥリアス、パチェコ、パスの5人のアンソロジー。
以下、各作品について感想
「砂漠の戦い」(ホセ・エミリオ・パチェコ)
友人の母に恋してしまった少年の葛藤。「自然なものは憎悪だけといった世界では、恋はひとつの病なのだ」。世界は誰にとっても自分が認識できるようにしか存在しないということなのか。★★★★
「小犬たち」(マリオ・バルガス=リョサ)
幼少期に犬に性器を噛み切られた青年が、成長していくにつれさまざまな苦悩に直面する。のちに『ラ・カテドラルでの対話』で実践される、会話だけで繰り広げられる物語は、それでいてなぜか青年たちの心理を浮き彫りにするようで巧いとしかいいようがない。★★★★
「鏡の前のコルネリア」(シルビーナ・オカンポ)
鏡に映る自分と自分の妄想(あるいは幽霊)と会話し続ける女。どうもオカンポの作品は馴染めない・・・と思っていたが、他人or幽霊が登場したあたりからはなかなかおもしろく読めた。主人公の女性は完全にプッツンきてますな。★★★
「白」(オクタビオ・パス)
実験的な詩。すんません、時間ある時にもう一度じっくり読みます(苦笑)★★★
「青い目の花束」(オクタビオ・パス)
何だろう、ちょっとしたホラー?ぞっとするわな。★★★
「見知らぬ二人への手紙」(オクタビオ・パス)
連環的というか・・・。これまたよく理解できなかった。残念。★★★
「グアテマラ伝説集」(M.A.アストゥリアス)
これを読むのは二度目だけど、やっぱり読みづらいというか馴染みにくい。個人的には。★★
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