海を見たことがなかった少年 モンドほか子供たちの物語 (集英社文庫(海外))

  • 集英社 (1995年6月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784087602685

作品紹介・あらすじ

さざ波がまばゆい南仏ニースの海辺。いつの間にかどこからか来て、知らぬ間に旅立ってしまったモンド…。子どもたちのいる風景をみずみずしい感性で描く素敵な物語8編。

みんなの感想まとめ

子どもたちが自然の中で自分だけの居場所を見つけ、世俗から離れて過ごす姿を描いた短編集は、浮世離れした雰囲気と美しい風景描写が特徴です。物語は、子どもたちが神話の世界に入り込む過程を追い、最後に世俗に戻...

感想・レビュー・書評

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  •  子どもたちが、自分だけの居場所を自然の中に見つけ、世間擦れを知らずに世俗的なことから離れて日々を過ごす物語。
     風景描写が細かく、美しい文章も相成り、一貫して浮世離れした雰囲気の短編集だった。全てにおいて、子どもが俗世間を抜け出し神話の世界に入っていき、最後には世俗に戻るか神話に留まるかという構造であったが、それぞれの事柄に説得力があり、読んでいて引き込まれていった。
     個人的には、「リュラビー」と「牧童たち」が好きだった。
     「リュラビー」は、主人公のリュラビーが家出をし学校にも行かずにお気に入りの場所で海と空を眺めて過ごす物語。最終的には自分の海や空での発見を好きな先生に報告するために学校に戻るが、その過程で校長先生がリュラビーが家出をした理由を勝手に憶測し母の病気や彼氏ができたからを挙げ、リュラビーはそのいずれをも否定するが聞き入れてもらえないシーンがある。大人が子どもを自分の理解できる枠に当てはめようとすることの身勝手さや見当外れさが浮き彫りにされていた。
     「牧童たち」は砂漠で家畜を放牧して暮らしている子どもたちと、砂漠で迷っていた都会の少年が思いがけず一緒に暮らすようになる物語。牧童たちは、ただ生活をしているだけだが、都会の少年には見るもの見るものが魅力的だった。そのため、最後の最後に、都会の少年の理想と牧童の生活がぶつかり、別れていく過程が、根っこの違いや変われなさを示しており、切ない読後感だった。

  • 主人公のモンド。
    この本を読むと、なんて、美しい響きだろうと思うようになるのです。

    モンド、、、風のように、とある町にやってきて去っていってしまう。

    周りは、彼のことがおそらく理解できない。もしくは、とても、愛する。

    彼自身は、とても孤独で、かつ、そのことを彼自身は、知らないのだ。

    だから、風になれる。

    最後にのこされた、こ、と、ば。

    おそらく、その風がすぐにでも、さらいにきて、
    あとかたもなく消えてしまう。

  • ずいぶん前に読んだのに、未だにあの、無中になって読みふけった充実感がからだのどこかに残っている。
    友人にも読んで欲しくて貸してそのまま返ってこず、古本屋で見つけては何度か買った。

  • 美しい。

  • ノーベル文学賞とは思わず手に取った。
    詩を読んでいるような感覚になる美しい物語。別世界に連れて行ってくれる。

  • 原題 MONDO ET AUTRES HISTOIRES

    モンド、リュラビー、ジョン、ジュバ、ダニエル、アリア、プティト・クロワ、ガスパール。

    彼らがどう世界を感じ、どう受け止めるかが、とっても新鮮な短篇集。
    なんだろう?馴染みのないロケーションが多いのに、子供の主観というのをさておいても、どの話も感性に寄り添ってくる気がする。
    詩のような文体だからかな。感覚をリセットされるってのが近いかも。

  • 100ページで挫折。

  • 感想はブログにて。
    「夢想としてまるで絵のような風景をみる」
    http://mihiromer.hatenablog.com/entry/2016/08/25/222353

    「束の間の越境」
    http://mihiromer.hatenablog.com/entry/2016/08/27/183251

  • レポートのため読んだ作品。情景描写は素晴らしかったけど、全くストーリー性がなく、退屈だった。

  • 15/10/24、神保町・三省堂古書館で購入(古書)。

  • なかなか読み進まなかったけど、読後の印象は良好。

  • モンドの話は良かった

  • こどもたちと彼らのお気に入りの場所の短編集。

    こどもたちの視点で見える、海、空、山・・・
    新鮮な、美しい自然を瑞々しい描写で神秘的に描いています。
    それらは大人が忘れてしまった感性。

    最後にほとんどのこどもたちが現実の大人が構築した社会へと引き戻されてしまいます。
    だからと言って、こういうこども時代の体験が貴重なものであることは否定できない。

    「モンド」、「アザラン」、「牧童たち」が特にお気に入り。

  • 翻訳が悪いのか元の文章が複雑なのか、日本語が良く分からなくて挫折しそうになったお話が何本かありました!

  • 2008年、ノーベル文学賞受賞。
    wikipedia → http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%82%AA
    ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ(Jean-Marie Gustave Le Clézio、1940年4月13日 - )は、フランス出身の小説家。1963年、『調書』でデビュー。

  • 収録されている「モンド」の映画をかなり昔に見てとても可愛くて好きだったので、原作読んでみたかったんですよね。川本三郎氏の解説が適切すぎて、もう全部そこに集約されてるので自分では感想書く気にならないです(笑)。彷徨する子供たち。個人的には「アザラン」がなんだか妙に好きでした。

  • 現実への執着が薄い少年少女たちの話。
    短編で、一人一人違うエピソード。

    現実から飛び出して、また戻ってくる話もあれば、帰らずにそこで暮らす話も。

    例えば、海は、釣りしたり、ダイビングしたり、なにか目的もって行く海じゃなくて。
    ただ眺めて感じるってことに重きを置くような。

    運転手さん、このままどこか遠くへって心境。

    向こう側の世界。

    『私も海が好きだ』
    って台詞良すぎだ。

    自然の表現が独特。

    感じる旅がしたい。

  • なんかわかったようなわからなかったような。翻訳のせいなのかそれともこれがこのノーベル賞作家の書き方なのか。子どもは海が好きだ、というのはよくわかるが、それと思春期は難しい、ということがどう関係するのかは理解が難しい。がこの作家はそれをこともなげにやってしまっている、と読んだ。

  • 2010.12.14読了

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著者プロフィール

1935–1989年。東京生まれ。学習院大学文学部教授。国際哲学コレージュでは連絡会員を務め、デリダはその死を悼み、著書『アポリア』を捧げた。著書に、『余白とその余白または幹のない接木』(小沢書店、1974)、『砂の顔』(小沢書店、1975)、『他者と[しての]忘却:メタフォール メタモルフォーズ』(筑摩書房、1986)、『文手箱』(書肆 風の薔薇、1986)、『ファミリー・ロマンス:テクスト・コンテクスト・プレ(–)テクスト』(小沢書店、1988)などがあり、訳書に、個人訳『ロートレアモン伯爵 イジドール・デュカス全集』(白水社、1989)、ブランショ『最後の人/期待 忘却』(白水社、1971)、フーコー『レーモン・ルーセル』(法政大学出版局、1975)、ドゥルーズ=ガタリ『千のプラトー:資本主義と分裂症』(共訳、河出文庫、2010)、ル・クレジオ『物質的恍惚』(岩波文庫、2010)などがある。

「2016年 『翻訳そして/あるいはパフォーマティヴ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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