ナイロビの蜂 下 (集英社文庫)

制作 : 加賀山 卓朗 
  • 集英社
3.36
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本棚登録 : 163
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087604511

作品紹介・あらすじ

美しい若妻テッサは、死の直前まで、熱心に救援活動をしていた。ジャスティンは生前の行動を克明に追うことから事件の全貌を解明しようと決意する。それはテッサの問題に、彼自身が向き合うことだった-第三世界に対する医薬品供与の恐るべき実態、官僚と多国籍企業の癒着、それを告発するNGO。いったい世界はどうなっているのか。冒険小説の巨匠ル・カレの到達点ともいうべき最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • スパイ小説の大家である作者が、冷戦後の世界を舞台に2000年代に書いた国際謀略小説。冷戦後の世界の謀略の舞台はアフリカはケニアであった。映画化されヒロインのレイチェル・ワイズはアカデミー助演女優賞を受賞している。けっこうお気に入りの女優さん、美人だけど個性的な風貌、「ハムナプトラ」とかコメディエンヌっぽい役が印象に残るが、この役はそのような色ではない、映画観てないので判断できぬが本人の気合充実していたのだろう、魅力に富むヒロインであった。

    冒頭でヒロインはいきなり死体となってる、しかもレイプされた惨殺体。残された夫、昼行灯の外交官が妻の足跡を辿り、死の真相を追うのが本筋。実際に起きた事件を下敷きにしているらしいが、作品の出来に関わらず読むに疲れた。これは自分にとっての「海外作品のジレンマ」である。

    さすがは大家の作品らしく、描写は細かく、会話もジョークも散りばめた洒脱な世界なのだろう、しかしながら原語で読めない自分にとって、その洒脱が研ぎ澄まされればされるほど翻訳がわかりずらくなっていく。翻訳者の苦労も察するに余りある、それほど緻密で計算された文体なのだろう。

    ということで読了には時間を要した、話が動き始めるまでが長かった、主人公が行き着いた真相も、いまいちハッキリ釈然としない、そしてラストが厳しい、切ないというより、これこそリアルを感じさせて恐ろしい幕引きであった。

    映画になりやすい物語だと思う、ラストはアレンジされてると思うのだが…いつか見てみようと思う。ちなみにレイチェル・ワイズの最高シーンは「スターリングラード」で見せた真っ白なお尻である、と思うのだが、このナイロビはどうなのかな~?

  • 1

  • ミステリ

  • アフリカだけではないと思うが、とかく英国情報部あるいは英国外務省が絡む物語は、構成員の複雑性が絡み合い、ストーリーが乗り出すまでの我慢の時間が長い。それだけ綿密に構成を組んでいるということではあると思うが。
    任地国の構成、派遣国の構成、組織の人間関係、登場人物の立場や利害関係....複雑過ぎる。逆にいうとここまで複雑な構造が近場では見当たらないのかも。

  • 殺害された妻にまつわる謎を追い始めた旅は、いつの間にかスパイ小説らしくなって抜け目のない緊張感をはらむものに。様々な人物の思惑や心情を入りまじえながら、着々と真相に近づいていく様は、他のル・カレの作品よりもいくらか読みやすくなっています。
    ジャスティンの精神的な成長も面白くて、特にパーティーが開かれている最中にウッドロウを呼び出し、彼の前にあえて姿を現すシーンには思わず興奮させられます。

    ル・カレの小説である以上、その結末は、一個人の力で世界は簡単に変わるものではないという冷淡な現実を映し出してきます。それでも、集団の圧力に最後まで屈せず、亡き妻との絆を守り抜いた一人の男の姿は忘れられないものです。

  • よかった

  • 実話をもとにして、しかもスイスの製薬会社・・と聞いて、かなり興味深く呼んでいた。最後の最後で悪が勝るところが現実的というか・・

  • しんどかったです。なんだか意地になった最後まで読みましたが、面白くなかったです。登場人物が多すぎて訳が分かりません。とにかくしんどかった感想です。残念。

  • 巻末の著者覚書が2000年の日付になっているのだが、ル・カレがこんな時代にもまだ長編を書いていたのが驚きである。児玉清の「寝ても覚めても本の虫」で絶賛されていたので本作を知ったのだが、なかなか読み応えのある作品であった。スマイリーものとは趣を異にしていて、重厚であり、同時に非常に虚しさを覚える内容であった。読後感は決してよいとは言えないけれど、ある種の魂の救済も物語ではあると思う。

  • 救いがなくて悲しい。
    面白いのは面白い。
    話は長い。
    結局、事実は分かりようがないという話なのか。
    もう読みたくない。

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