風の影 上 (集英社文庫)

制作 : 木村 裕美 
  • 集英社
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本棚登録 : 1297
レビュー : 194
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087605082

感想・レビュー・書評

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  • 2010.4.9読了。1945年のバルセロナを舞台にして、古本屋の父に連れられ、少年は一冊の本「風の影」と出会う。もう誰の記憶にもない本、時の流れとともに失われた本が最後にいきつく秘密の場所「忘れられた本の墓場」で。

    そこに初めて来た人間は必ず一冊の本を選び、それを一生守らなければいけない。自分が本を選び、また本が自分を選ぶ。

    少年は、その本と、作者をめぐる壮大な謎を追っていくのだけれど、特に冒頭部分は本好きにはたまらぬ展開。自分が、今まで本と出会ってきた喜びを、読みながら再体験できる。

    そしてまた、少年の淡い恋心や裏切り、失望、期待といった大きく揺れ動く感情をなぞりながら、謎が徐々に深まっていくのがまた面白い。

    下巻の展開が楽しみ。

  • バルセロナが舞台の小説

  • 忘れられた本の墓場 コレラ鷲みたいな顔の小柄な男 組合ギルド 話の構成がロシア人形マトリョーシカのよう カテドラル大聖堂 秘密というのは、それを守る人間の価値に値する 机上の空論 時代錯誤アナクロニズム キリスト文明の揺籃の地 アナーキス無政府主義者 アクセント抑揚のないラテン語で ロックフォール青黴チーズ 洗練された趣味を持つ人だった 軽佻浮薄な無学の娘を育てつつある自分の教授ぶり 文体の神秘に身をまかせるという悦び 共産主義者コミュニスト 自身の淡い投影、孤独や喪失の反響 隠された怨恨の世界 姪のクララ 生涯のかたきメネシス 性衝動が原因だという 色欲の罪 ただいま失業中の元役人 独裁者フランコ 腸詰チョリソ 不吉な門番ケルベロス 結核 流暢に話せない フェルマーの最終定理 メシア救世主 この世の終わりアンチクリスト トマスの発明品 磔刑たつけいの十字架 凌辱的な行為 ベアトリス 女っていうのは、本当は、自分で心に思い描いていることや、宣言することとは反対のことを望んでいるんだって。つまりね、よく考えれば、それほど手に負えないものでもない。だって男は、いまさら言うまでもないが、女と違って、逆に生殖器や消化器のいいなりなんですからねえ マグマの如く燃え滾るリビドー性衝動 ムラータ混血女性 「フェルミン、あなたって詩人ですね」 オルテガ派 実用主義 ドンファン 誠実な女 幸せな女 フメロ刑事のブラックリスト スグス キューバ葉巻のモンテクリスト 教会のミサビジネス 潮は何時も戻ってくる 進化もへったくれもあったもんじゃない。まともに物を考えることのできる人ひとりのために、私は、九匹のオラウータンと闘わなきゃならんのです。 アバンチュール情事 偽善のまぐさ桶 自分のゲームがはっきり見え始めるか、もう完全に投げ出しちまってるかのどっちかなんだ。 三つ子の胤をおとしてやって、神様みたいな顔してる 本は鏡と同じだよ。自分の心の中にあるものは、本を読まなきゃ見えない 武器製造の追い風に乗って 死ぬことに意味を見出した 守衛の息子ハビエル 頭のない体 片キンのラモン 新陳代謝が速い 我々ぐらいの歳になるとねえ、血液は、体の軟らかい部分に流れるよりも、ちゃんと頭の方に流れて行くんです。 よく言うよ! 人生なんて、あっというまに過ぎちまう。特に、生きるに値する時期は尚更ですよ。神父さんの言ったことをきいたでしょ。光陰矢の如しですからね。 運命はね、いつも道の曲がり角にいるんです。 哲学的金言 穢れない 庇護の祈り 豪華絢爛たる建物の数々 鉄鋼王アンドリュー・カーネギー ラスプーチン はじめて女性の服を脱がせる経験に比較できるものはない 奇跡は一度しか起こらない

  • スペインはバルセロナが舞台の、ミステリーというかファンタジーというか、まあ位置づけは難しいですけども、ちょっとダークでゴシックな匂いがする世界観。冒頭では主人公ダニエルがまだ10歳の少年ということもあり、古書店を営む父親に連れられて「忘れられた本の墓場」から彼が1冊の本「風の影」を手にするくだりまでは、ハリーポッター的な少年の冒険譚をイメージしちゃってたんですけども、物語が進んで彼が成長するにつれ、そんな可愛らしいファンタジーではないことが判明してきます。「風の影」の作者であるフリアン・カラックスについてダニエルが調べていくにつれ、過去の愛憎劇や悲劇が明らかになってゆき、ダニエルもまたその悲劇の愛憎の渦に巻き込まれていってしまう。

  • スペインはバルセロナが舞台の本をめぐる奇妙なお話

    まだ話の全容は掴めないけど先が気になる終わり方

    下巻は今日から読む

  • なかなか陰鬱な雰囲気とゴシックホラー的要素を持つ作品です。
    この手の小説は好みが分かれるかもしれません。
    上巻は割とゆったりとした展開です。
    まとまった感想は下巻で。

  • 下巻に書きます。

  • ダニエルは父に連れて行かれた本の墓場で、小説「風の影」に出会う。
    作者リアン・カラックスの過去を探し求める中、
    それを執拗に追う者も現れ、徐々に謎が深まっていく・・・

    訳書独特の読みにくさもなく、すんなりと読めるのは、
    37もの国々で訳された実績のなせる技でもあろう。

    上巻は来る下巻に向けての大きなプロローグ。
    どんな結末に至るのかは皆目見当が付かない。
    恐らく全ての謎が明かされる下巻に期待。

  • 「忘れられた本の墓場」で見つけた世界に一冊しか残っていない本にまつわる謎という紹介文にひかれて読み始めたのだが…。
    主人公が十歳の少年というので、児童文学かと思って読みはじめると、開幕早々にキスシーンが現れ、その後も性的な仄めかしやら、くすぐりが結構出てくる。今頃の子どもはこれくらいでは驚かないだろうとは思いつつも、違和感が残る。
    そこで、ああこれは大人向きのミステリなんだ、と納得したのだったが…。
    それにしては、出てくる人物が、あまりにも類型化されていて、悪役は徹底的に悪く描かれ、主人公を助けるワトソン役はどこまでも善人として描かれているのに少し鼻じらむ思いが残った。
    呪われた館やら塗り込められた部屋の中に隠された棺やらという、ポオやゴシック・ロマンを思わせる設定には事欠かないのだが、1945年という時代設定にやや無理があるのか、スペイン内戦というあまりにもリアルな背景が邪魔して、雰囲気の中に入り込めない。
    ここは、もっと整理して、社会派でいくか幻想小説派でいくかしぼってもらった方が読者としては有り難かった。
    『風の影』という本を書いた作家フリアン・カラックスと主人公のダニエルが二重写しになって奇妙に交錯する運命を辿るという設定は面白いのだが、歌舞伎の花川戸助六、実は曽我の吾郎というのと同じで、あまりにも御都合主義的な人物相互の関係がスペイン内戦という深刻な背景と齟齬をきたしている。
    世界中でベストセラーになっているというのだから、それなりに面白いにはちがいないのだろうが、オペラ座の怪人風の登場人物といい、サービス過剰で、せっかくの素材を充分に活かしきれなかったのではないか。
    バルセロナの地下にある「忘れられた本の墓場」という迷宮めいたイメージだけはすてがたいものがあるだけに惜しい気がする。『ダヴィンチ・コード』ファンにはお勧めかも知れない。

  • 読みやすいし内容もつまらなくないのに何故か集中して読み進められなかった。割と単調な感じ。
    でも訳者さんが良かったのか、ところどころの文章の表現が惹かれる部分があったからそれは良かったかな。下巻も読む。

  • 出た当初から評判がものすごくよかったし、今年出た続編の「天使のゲーム」もミステリのベスト10などで選ばれているしで、これは読まねば!と思ったのだけれど……。な、なぜかなかなか読み進まなかった……。徹夜本とか書いてあるのに。ミステリっていうよりファンタジーみたいな。児童文学みたいな。本の墓場、とかっていうのも、わたしはあんまり言われてるほどロマンを感じないなあ……。

  • スペインという風土がキャンパスになっている。最後の着地点がまだ見えてこない。世界に1冊だけの自分が護るべき本との出会いから物語は始まる。

  • 2012.9.17読了。

  • 最初恋愛小説かと思った。

  • スペイン、バルセロナ。行ったことはないけれど、私の中では陽光まばゆい明るい、と言うイメージだ。
    でもこの小説の舞台のバルセロナは、霧深かったり、深夜、早朝の薄暗いイメージ。
    ひとりの少年が、古書店の父親に連れて行かれた「忘れられた本の墓場」で見つけた一冊の本から始まる長い長い物語。
    少年の成長と共に、謎の作家にまつわる事柄が明らかになっていく。

  • まだまだは謎は深まるばかり。上巻ではられた伏せんが下巻でどう回収されるのかに期待です。
    二十世紀中ごろのバルセロナに想いを馳せて。。。

  • 下巻の盛り上がりに期待したい、下積みの上巻。
    1945年のバルセロナ。霧深い夏の朝、古本屋のダニエル少年は父親に連れて行かれた「忘れられた本の墓場」で『風の影』に出遭った。
    謎の作家フリアン・カラックスの隠された過去を追う内にダニエルは自らのカラックスの過去とに奇妙な類似を感じていた。
    カラックスの隠された過去への探求は少年の精神をも成長させる。

    ひんやりと霧が漂うような古びた街の描写や、震えが伝わるような激しい嵐や、不穏漂う狂人の描写には背筋が震える。

    翻訳が古めかしい。
    内容はともかくとして、この時代を描く小説はこんあに下品で卑しい表現を並べ立てるのか不可解に思う。想像しがたいが、一部のきらびやかな者たちを除けば実際、そういう吹き溜まりのような者たちが多かったのかもしれない。
    下劣なシーンは果たしてこの展開に必要なのか。不要に思え、それだけは苦痛だ。

  • 上・下巻。面白かったけれど、1回読めばいいかな、という本。かなり大きな広告が出ていたので、それにつられちゃいました。

    (図書館で借りた本)

  • 面白かったです。本好きの人は、グッとくる箇所が多々あると思う。
    しかし、何でみんなが色々なことに、色々とこだわるのか理解できなかったです。

  • 1945年のバルセロナ。霧深い夏の朝、ダニエル少年は父親に連れて行かれた「忘れられた本の墓場」で出遭った『風の影』に深く感動する。謎の作家フリアン・カラックスの隠された過去の探求は、内戦に傷ついた都市の記憶を甦らせるとともに、愛と憎悪に満ちた物語の中で少年の精神を成長させる…。17言語、37カ国で翻訳出版され、世界中の読者から熱い支持を得ている本格歴史、恋愛、冒険ミステリー。
    (裏表紙紹介文より)

    ***

    ブクログ談話室、「主人公が本好き」トピで紹介されていたので気になって読んでみました。
    紹介文にある通り、歴史要素あり、恋愛あり、ミステリーあり、そしてサスペンスや海外小説としての魅力などがたっぷり詰まっています。

    主人公ダニエルが「風の影」の作者フリアン・カラックスについて色々と調べていく物語で、その過程でダニエル自身の恋愛や友情にも色々なことが生じていきます。
    上巻では色々なことがちょっとずつ明らかになっていきました。
    フリアンの過去に何があったのか。
    なぜ彼の本はその存在を消されようとしているのか。
    主人公ダニエルはどうなるのか。
    下巻がとても楽しみです。

    上述の通り色んなことが少しずつ見えてくるので、混乱してしまう部分もあり、それゆえ読むのに少し時間がかかってしまいました。。。
    人物一覧と年表が欲しいです…というか、自分で作りながら読むと楽しいかもしれません。

  • 上下を読んだ感想。

    実は、なかなか読み進まなかった。
    2週間くらい持ち歩いてしまった…。
    「ミステリー」というふれこみに惹かれて買ったけど、
    ファンタジーじゃないの?と。
    登場人物の名前が全く覚えられなくて、
    場面の人物関係がなかなかイメージ出来ずに苦労しました。
    でも、上巻終わりに向かってペースがすすみ、
    いいところで下巻へ。
    下巻は一気に読み終わりました。
    結局ミステリーとは思わなかったんだけど、
    映画を見ているように描写がイメージできる、エンターテイメント小説だと思った。
    下巻は、巻頭の人物説明をじっくり読んで臨んだので、
    止まることなく読めた(笑)

    本当に映画化したら面白いんじゃないかな〜?
    ちょっとグロくなりそうだけど。

  • イラスト / 岡本 三紀夫
    装丁 / 米谷 耕二
    原題 / "LA SOMBRA DEL VIENTO"(2001)

  • 上巻掛けて舞台設定をつくりプロローグ完了という感じがする。
    しかし本の墓場は魅力的な設定だ。本好きならば夢見る場所すぎる。

    凝縮された登場人物に、濃厚な設定という感じです。
    たしかに上巻くらい掛けてゆっくり説明しないと理解できないかもしれない。

  • スペインに行きたくなった。

  • 『忘れられた本の墓場』で出逢った運命の本。設定はとても好き。でも、読み進むのに時間がかかってしまった。

  • 上巻は、様々な人物が漫然と登場するので、話の流れについていくのが少々辛い。でも、情景描写が素晴らしく、バルセロナの街の空気や音、そして匂いまでが伝わってくる。

  • 本格派ミステリーロマン、らしいです。

    確かに、ミステリーではあるんですが、私にはなんだかまわりくどく感じました。

    また、ロマンというだけあって、ファンタジーチックな部分も多々あり、ファンタジーが苦手な私にはいまひとつ気にいりませんでし。

  • すっごい久々に翻訳本を読みました。
    あたし基本的には読まないんですけど。
    上下巻読み応えあり。
    スペインが舞台の話。
    「風の影」という本とその作者「フリアン・カラックス」の秘密を追うというストーリー。

    スリルあり、どんでんあり、官能ありとおもしろかったです。
    友人に薦められて読んだのだけど、私は途中からちょっと展開が読めちゃった。期待しすぎちゃったかも。

    ちなみにスペイン語を勉強してる友達がいて、所々のお店の名前に教えてもらった単語がでてきたので、なんか別の意味で楽しめました。

    翻訳本はやっぱり違うね。

  • おもろそう

カルロス・ルイス・サフォンの作品

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