風の影 上 (集英社文庫)

制作 : 木村 裕美 
  • 集英社
3.82
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本棚登録 : 1298
レビュー : 194
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087605082

感想・レビュー・書評

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  • 2006年時点で37か国語で翻訳出版された本作品は、特にヨーロッパ各国で話題になり500万部を超えるベストセラー作品。
    実は本書を読み始めて100頁くらいで退屈すぎて一度読むのをやめました。
    この本が、なぜこれほど絶賛されているのかわからないまま。
    そこで、訳者のあとがきを読み、いくつかの書評に目を通すうちに、下巻のヌリアの手記あたりから本書の種明かしが始まることを知り、とりあえずそこだけ読んで、それでも面白くなければ作品との相性が悪いんだろうと諦めることにしようと・・そして結局全編を、後ろから読むことになりました。
    上巻で躓きそうになった私のような読者は、我慢して下巻まで読破してほしいことを切に願います。

    小説では2種類の人間が出てきます、誰かのために尽くそうとする多くの善人と、誰かの足を引っ張ろうとする極悪人。
    そして、一人の巨悪の前では、多くの善人の無力な様がスペイン内戦という時代背景を絡めながら展開されますが、なんといっても本書の魅力はよく考え抜かれた構想です。この着想を37歳の作家が成しえたという点でも驚きです。

    翻訳者について、書評では賛否両論が散見され、確かに所々言葉としておかしな箇所がありましたが、全体的にはそれほど悪くない読みやすい日本語訳だったと思います。

  • 「本を読む者にとって、生まれてはじめてほんとうに心にとどいた本ほど、深い痕跡を残すものはない。はじめて心にうかんだあの映像、忘れた過去においてきたと思っていたあのことばのよいんは、永遠にぼくらのうちに生き、心の奥深くに「城」を彫りきざむ。そしてーその先の人生で何冊本を読もうが、どれだけ広い世界を発見しようが、どれほど多くを学び、また、どれほど多くを忘れようが関係なくーぼくたちは、かならずそこに帰って行くのだ。」
    「この無限にひろがる墓場のなかで、ぼくがまったくの偶然から、一冊の知らない本の内側にすべてをつつみこむほどの宇宙を発見したとしても、いっぽうでは、数えきれないほどの書物が、誰に開拓されることもなく永遠に忘れ去られていく。放置された何千万というページ、宇宙や持ち主を失った無数の魂に、ぼくはかこまれているような気がした。そんな本のぺーじたちが、暗黒の大洋に沈んでいくあいだに、この壁のむこうに息づく世界は、日々「記憶」を失っているのだ。自分でも気づかないうちに、しかも忘れれば忘れるほどよけいに賢くなったかのように感じながら。」

    スペイン発の本が売れるってすごいんじゃないか、と思って購入。
    少し不思議で次々に現れる謎は読者をあきさせない。
    バルセロナに行ってみたくなる一冊。あと、スペイン内戦時のこととかも知っているとより楽しいと思う。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「次々に現れる謎は読者をあきさせない。」
      本に纏わる話だと聞いて読み始めたら、面白過ぎて途中で止められなかった!
      しかし続編の「天使のゲーム...
      「次々に現れる謎は読者をあきさせない。」
      本に纏わる話だと聞いて読み始めたら、面白過ぎて途中で止められなかった!
      しかし続編の「天使のゲーム」は積んである、早く読まなきゃ。。。
      2013/05/21
  • バルセロナ旅行中に読んだ思い出の本! 2010/07

  • michiさんリコメンド。

    まだ上巻なのでいろいろ謎ばかり。
    下巻期待age.

  • マイミクさんの推薦で手にした一冊。

    上巻を読了。
    バラバラだった糸が絡みあってきた。

    全体のレビューは下巻を読んでから。

  • おもしろい!ミステリーとしても、青春ものとしてもおもしろい!あと、本好きならなおおもしろい!!

  • 感想は下巻に

  • 下巻にて

  • バルセロナに住む少年が1冊の本を通して、その本の過去を探求しながら精神的に成長していくお話。

    タイトルに惹かれて読んでみたが、展開がとても気になって、かなり一気に読んでしまった感じ。

    バルセロナの街の描写も細かく書かれていたり、所々で紹介される文学の本なども読みたくなったりして、楽しめた。バルセロナ、行ってみたくなる。

    登場人物が一人一人個性をしっかり持っているので、とっても多く出てくる割に、あまり迷わないのも、しっかりと人物描写してあるからかな。描写の仕方がうまいので飽きがこなく、しっかり人物像を頭に描けて、あまり迷わなくてすむ。

    「忘れられた本の墓場」と言う図書館の設定もミステリアスで面白い。

  • 誰からも忘れられてしまった本が集められた場所で、少年が出会った本。そこから始まる少年の成長と本の作者の謎を追う物語。本好きとしてはこの設定だけでなにか共犯者めいた気持ちになってしまって、わくわくしながら読んだ。出てくる人たちがみんな一癖あって目が離せないのだけれど、静かで優しいお父さんがいい! このお父さんのためにもハッピーエンドに持っていってくれダニエル!という気持ち。

    バルセロナが舞台なので、スペインも楽しめるミステリ。実在のカフェなんかも出てきます。

  • 古本屋の息子として生まれたダニエルと、彼が見つけた本の作者フリアンの人生が交錯するミステリー。
    ダニエルより、脇役の、特にフェルミンが目立ち、たまに主役を忘れてしまう。

    途中で、不幸な最期を予期させる伏線があるが、一応のハッピーエンドに終わり、歴史が繰り返さない事を伝えるのが目的か?

    近年読んだミステリーでは、ミレニアムに次ぐおもしろさ。

  • 「忘れられた本の墓場」でダニエルは1冊の本に出会う。虜になったダニエルはその本の作家をもっと知ろうとするが、謎に包まれていた。さらには正体不明の男や刑事部長が邪魔をする。
    冒険と恋愛を含んだミステリ。ダニエルや父親のキャラクターが魅力的で、とても面白い。下巻が楽しみ。

  • 1冊の古い本の出会いから始まるストーリー。
    ダニエルの淡い恋心や風景の描写など、読んでいるだけで
    映画のワンシーンを思い起こさせるような文章が心地よい。
    過去と現在、出会う人物がすべて繋がっているようで、
    下巻も楽しみ。

  • フリアン・カラックスの小説「風の影」を巡って物語は動き出す。
    過去と現在を巡る展開は複雑だが、精緻に積み上げた
    ストーリーにとても満足。スペインの風景が目に浮かぶようだ。

  • 過去のフリアンと現在のダニエル。二人が物語(本)を媒介に二重写しになって不思議な風景を見せる。ダニエルのお父さんが素敵だ。

  • 本についてのミステリー、舞台はバルセロナ。かなり好きな要素満載なんだが、タイトルと表紙絵がイマイチでなかなか触手が動かなかったが、海外出張のお伴にしてみたところ、予想以外におもしろく、ぐんぐん読めた。
    が、なんというか、ヨーロッパ風のシドニー・シェルダン的というか。実は読み始めてすぐ、謎の男の正体は想像がついてしまっていたし、最後のいろいろな種明かしが故人による手記っていう手法もなんとなくどうかなー…みたいな。ともあれ、続編も気になるので読んでみようかな、という気にはなった。

  • フリアンの過去とダニエルの今が、後半シンクロし始めて下巻が楽しみに
    本好きにはお勧めです。

    フェルミン・ロメロ・デ・トーレス最高!

  • 初カルロス・ルイス。特に大きな事件が起きるわけでもなく、年単位で主人公のが描かれている。かといって単調な訳では決してなく、幼少期に手にした一冊の本と、その作者をめぐる謎がどんどん深まっていく。下巻で、果たしてどのような展開を見せるのかがとても楽しみです。

  • スペイン・バルセロナを舞台にしたミステリー?小説?
    ミステリーだとしたら、いまのところかなり伏線が張られています。

    過去をたどっていくストーリーですが、かなり惹きつけられます。
    下巻を早速読もうと思います。

  • 2011.3にバルセロナへ行く前、飛行機やあいまの時間にスペインの世界に浸ろう!
    と思って持っていったものの、、、ちょっとしか読めず。

    いま、1年越しにやっと上巻読み終わりました。

    読み始めは風景描写になじめなくて 頑張って読む、という感じだったけど
    どんどん恋愛、ミステリー、途中から出てきた登場人物の過去などなど、
    気になる要素満載でした。
    いろんな本と並行して読んでいたのでときどき話がわからなくなったり(笑)

    下巻でいろんなネタがどう繋がっていくのか、すごく気になる。
    その前に学校の課題やらを読まなくちゃならないのが苦痛・・・

    映画化とか、しないのかな???

  • 『忘れられた本の墓場』なんて聞いただけでゾクゾクしますね!本の秘密を追って成長していく少年。下巻に続く!

  • 小説のジャンルは全くの別物だが、
    色相がスチームパンクと近似であるような気がする。
    ディケンズ何かもそうかも知れない。
    じっくりと読ませる多ジャンル(ノンジャンル)なストーリーの面白さと、
    「本と読書好き」の為の仕掛け、現在と追い求める過去の類似の平行感。
    終盤近くのヌリアの回想は読み応えがあった。
    その後の展開に、やや強引な感があったのが残念。
    世界中で翻訳多数、ベストセラーらしいが、
    日本では読むのは一部の人だけだろう、きっと。

  • 感想は下巻で。

  • 非常に良かった。
    長い話だけど、文章が際立って良いし
    訳もうまいんだろうな。

  • 登場人物の名前にこれだれだっけ?多いです(笑)グーグルアース使いイメージを浮かばせながら、スパニッシュギターのBGM・・・どんどんはまっていきます。さぁ下巻だー

  • あまり翻訳ものって好きじゃないんだけど、
    これは面白かった
    おかげで貴重な2連休がつぶれて台無しだこのやろう

    この本を読んで確信したけど、
    どうやら「本」にまつわる小説が好きみたいです。
    本を読んでるのに、本を読みたい衝動にかられる感覚。
    このなんとも言えない感覚が気持ちいい。

  • 前半はちょっとテンポが遅く、なかなか話にのめりこめなかったが、後半はフリアンとダニエルが気になり一気に読めてしまった。

  • ・真冬の静かな夜に外の気配を感じながら読む本

  • ヨーロッパ的と言うべきなのでしょうか、重厚で真っ当な、いかにも「物語の王道を行く」という感じの小説です。読みながら、何故かフォレットの「大聖堂」を思い出していました。時代も主題もまったく違うけど、どこか似た雰囲気が漂ってきます。
    失われた本と作家の探求の物語に、過去と現在の恋物語が重なり、重層的な構造です。登場人物はやや誇張感があるのが欠点ですが、脇役であるフェルミン(自治政府のスパイだったが内戦でホームレスに落ちぶれた。その後主人公ダニエルと出会い、彼の父親の古本屋で働きながら、彼とともに謎の作家の過去を探求するドンファン)の薀蓄など、色々読み応えがあります。
    ただ、何故かグイグイと引き込まれる所までは行きませんでした。まあ、このあたりは読み手(私)の体調・精神状態に寄る所もあるので、何ともいえませんが。

  • 少年期の成長をつづる穏やかにして壮絶な物語の始まり、といったところですかね。さすが上巻。いいとこで終わってやがるっ!
    幼いころに連れて行かれた<本の墓場>でであった一冊の本「風の影」。本との出遭いは人生を変える、を感じる一冊。
    初恋と失恋、かけがえのない友人との出会い。思春期の父との確執。
    よくある物語の中で「風の影」の著者とその本にまつわる秘密について追いかけていくと、不思議と自分の境遇に重なっていることがわかってくる。一体この本の著者は何者なのか。追い迫る顔のない男の目的、その正体は・・・?謎は解明されていくようで一層深まる。
    ベアとの関係も今後どうなっていくのか気になります。下巻の謎解きと結末に期待!!

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