風の影 下 (集英社文庫)

制作 : 木村 裕美 
  • 集英社
3.89
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  • (14)
  • (7)
本棚登録 : 1003
レビュー : 139
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087605099

作品紹介・あらすじ

謎の作家フリアン・カラックスの過去が明らかになるにつれて、ダニエルの身に危険が迫る。一方、彼は作家の生涯と自分の現在との不思議な照応に気づいていくのだが…。ガウディ、ミロ、ダリなど幾多の天才児たちを産んだカタルーニャの首都バルセロナの魂の奥深くを巡る冒険の行方には、思いがけない結末が待っている。文学と読書愛好家への熱いオマージュを捧げる本格ミステリーロマン。

感想・レビュー・書評

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  • ダニエルとフリアンの人生が重なるにつれ、そしてフリアンの悲しい人生が明らかにされるにつれ、これがどう収束していくのか不安になっていった。でも読み終わって、こんなふうに他人の人生に救われることもあるだろうと思うと、幸せな気持ちがこみ上げてくる。最後に『光がバルセロナにもどってきた』という一文があって、たしかに本を読んでいるあいだ私たちも闇の中をさまよっていて、それは暗い歴史の残像でもあったけれど、ようやく光が見えたんだな、と納得した。闇を歩いているあいだ、ずいぶんフェルミンに助けられた気がする。

  • 運命を変える特別な本。
    そうとは知らず少年ダニエルは手にした1冊から、純粋な好奇心で作者フリアン・カラックスの人生を辿り始める。初恋、友情、父への反抗…サイドに綴られる青くほろ苦いダニエルの物語も、フリアンの本を市場から消そうとしている不気味な男の出現により徐々に謎めく闇に覆われる。殺されていた作家、閉ざされた屋敷、忍び寄る影…フリアンの過去とダニエルの現在が交差する先に待つ結末とは。

    「忘れられた本の墓場」シリーズ第1作目。小説の舞台はスペイン内戦と共和国政府崩壊後にゆれるバルセロナ。当時の人々の混迷と対立による残酷な粛清…歴史に無知な私にも文面からその底知れぬ暗澹さが伝わってきてぞっとする。それでいてユーモア溢れる登場人物達が生き生きと描かれていて!暗く物悲しくも陽気なバルセロナの空気が何とも言えず魅力的。ちりばめられた比喩表現も絶妙。読み進めるごとに少年から青年へ危ういながら成長していくダニエルとシンクロし、彼と共に一喜一憂しながらフリアンをめぐる冒険に一気に読んでしまった。おもしろい!!

    電子書籍が普及する昨今、それでも図書館や本屋がなくならない理由。並ぶ紙の本にだけある魅力とは何か。ダニエルに語る父の言葉の中にその答えを見つけ思わず心打たれた。

  • いやー。よかったです。
    ミステリー超大作。世界各国で人気なサフォン作品。
    あまり期待しすぎずに読み始めたけど、下巻入ってからもうノンストップ。
    仕事中とか次の展開が気になってソワソワしてしまいました。

    登場人物が多すぎて覚えるのが大変でしたが(特にカタカナだったし)、
    どれもこの作品を作る上で欠かせない要素であったことは間違いない。
    上下巻長いよーと思ってたけど、些細なことが最後までキーとなっていたりして。
    本当に最後までドキドキしていました。

    日本でいうと、宮部みゆきの『英雄の書』に似てる感じがするかな。
    ひとりの少年の成長物語。その中での別れと出会い。

    サフォン作品、これからまた読みたい!

  • 内戦の影が徐々に迫りくる、バルセロナの描写に息苦しさを覚えた。

    過去に生きていた人々と、現在を生きる人々の思惑が交わり、悲劇的な結末に向かっていくスピードは、エロスとタナトスに彩られ、カタルシスを感じずにはいられない。

    一冊の本に巡り会ったことから、少年の人生は大きく変わっていったけれど、本にはそんな力があることを、思い出させてくれる物語だった。

    難点は翻訳か?誰が話している台詞かわからなくなるところが多々あった。誰もが同じ口調なので、登場人物それぞれの性格を反映させてくれるとありがたいなあ。

    本作品は、たった一冊で、ミステリ・恋愛・ホラー・サスペンス・冒険といろいろ味わえる。とてもコストパフォーマンスの高い小説だ。

  • 1

  • michiさんリコメンド

    翻訳物の小説は実はそれほど読まないけど、この2分冊の長編はけっこう集中して楽しく読めた。物語としてうまく出来ていると思う。

    歴史に疎いのでバルセロナの内戦あたりがいまひとつピンとこなかったけど。。。(汗

  • 原書名:La sombra del viento

  • 上下巻合わせて800ページ超の大作を読了。

    「歴史、恋愛、冒険ミステリー」という惹句は
    おおげさでもなんでもなく、本当だった。
    上巻でバラバラだった糸が一気に絡んでいく
    下巻の展開は圧巻。

    いつも長編は海外出張の機内用に取っておく
    んだけれど、今回は待ち切れずに手に取って
    しまった。
    でも、やっぱり機内で一気読みした方が面白さ
    は倍増したかも。

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