- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087605204
感想・レビュー・書評
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ダイアン・デヴィッドソンの大人気「クッキング・ママシリーズ」の第13作目。
主人公はゴルディロックス・ケータリングを経営する、ケータラーのゴルディ。
再婚した刑事の夫と、一人息子のアーチと3人で暮らしています。
今回からは新たに、アーチの腹違いの弟ガスが登場し、兄貴代わりでゴルディのアシスタントのジュリアンも含めて、3兄弟のふれあいも微笑ましいです。
今度の被害者はゴルディ一家の近所に暮らす20歳の女性。
ゴルディのクライアントの弁護士事務所に勤める、パラリーガル志望の女の子でした。
彼女の母親に事件の解決を依頼されたゴルディは、弁護士たちやその家族の秘密を暴いていきます。
今回の被害者は貧しい家庭に育った野心家の女性で、彼女の家族は福祉的な助けを受けつつ生活をしています。
そんな家族の抱える劣等感や孤立感も丁寧に描かれている点が興味深かったです。
近所に暮らすゴルディは、娘を失った家族に食事の差し入れをしたり、カウンセラーの手配をしたりと気を配ります。
「ご近所だから」と自然に助け合う精神がすごいなと思いました。
血のつながりや年齢にこだわらない、「拡大家族」の考え方が素敵です。
ミステリ部分は動機の解明が中心なので、謎解き要素はやや薄め。人間ドラマが読みどころです。
今回はジュリアンとキッチンに立つシーンも多く、二人がそれぞれに競い合うように料理を作るシーンが楽しかったです。
あと個人的には、作中に出てくる「料理絵画」を実際に見てみたいと思いました。どんな感じの絵なんだろ。
◇おすすめポイント
・貧しい家庭の細部を丁寧に描いている
・「拡大家族」を実践するゴルディの姿
・ジュリアンとゴルディの料理シーン
◇こんな方におすすめ!
・食べ物の描写がとにかく好き
・家族の形について考えることがある
・食べ物をモチーフにしたアートに興味がある詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
死体を見つけるのはいつものことでも、
何の前触れもなく弁護士事務所のオフィスで
いきない死体につまづいてしまうとは、
ゴルディもかわいそうに。
しかも、このシリーズに幾度か登場した
お隣さんの娘とあっては、
かつて恋人だったジュリアンほどではないが、
ショックだった。
車の運転には四苦八苦しているものの、
アーチが異母弟ガスと仲良くやっていて良かった。
とうとうホールフーズが登場したのには笑えた。