狼王ロボ シートン動物記 (集英社文庫)

制作 : 藤原 英司 
  • 集英社
3.77
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本棚登録 : 232
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087605563

感想・レビュー・書評

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  • 文字のポイント数が大きく非常に読みやすい本でしたね。シートンによるイラストも生き生きとした動物の姿を見事に描き出していて素晴らしい限り。
    私の子供の頃のヒーローはファーブルとシートンで、小学校2年生の頃にシートン動物記は読んでいたのですが、久しぶりに読んでみると・・・内容をすっかり忘れていました。
    本作には4つの物語が収録されていますが、この中で覚えていたのは表題作「狼王ロボ」のみ。やっぱりロボは印象深いですね。

  • 人でも動物でも「死ぬ」っていうのはやっぱり悲しいことですね。ブランカが死んで、その時のロボの気持ちとか、妻を殺された雄ジカとか・・・もう切なかったです。

  • 表題作を知ったのは小学生の頃。記憶にはあったが興味はなかった。が、ある時、懐かしさから本書を購入。初めて読むシートン動物記は、想像していた生態学ではなく、博物学と言える筆致で当初は戸惑った。生業として狩猟をする訳ではないシートンが、野生生物の命を絶つことに罪悪感を抱いていることを感じさせる文章。訳者も解説で反動物園・水族館を標榜している。その気持ちは分からないではない。多くの人は、他の動植物の命を貰って生きている。しかし、多くの人は命のやり取りから遠く離れた場所で生きているのだという思いに駆られた。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    人間の仕掛ける罠を嘲笑うかのように逃れて、コランポー一帯の牧場を荒らしまわる狼王ロボ。しかしロボにも弱点があった…。自然の尊厳と脅威を体現したかのような狼の物語の表題作以外に、孤独な森の王者となった熊の生涯を描いた「灰色グマの伝記」、小さな妖精「カンガルーネズミ」、威厳に充ちたシカを狩猟する少年の物語「サンドヒルの雄ジカ」を収録する。

    【キーワード】
    文庫・動物・狼



    +++1

  • 飼われているものとは違う、野生ならでは動物たちの生きざま。
    気高さ、知恵、生命力。
    非情さを含め、それらを通して、自然に対する畏敬に包まれた4編。
    実際にこういう動物たちと出会えたならば、なんて貴重で幸せな瞬間だろうとうらやましく思いつつ読了。

    シートン氏の描いた絵も多く掲載。

  • 表題の狼王ロボの他、様々なアメリカの野性動物が出てきます。
    シートン自らが関わった動物だけでなく、恐らく取材して?描かれたものもあるようです。実は柳広司さんのシートン探偵記つながりで、久々に、しかも初めて大人向け(笑)の本で読みました。素晴らしい作品です。図書館では、なんと地下書庫保管になってきました。勿体ない、いや、保管してあることに有り難かったというべきですね。感謝。

  • 2009年12月27日読了。

    「シートン動物記」昔読んだような記憶はあるけど、内容をちっとも覚えてなかった。
    狼王ロボだけ読めればそれで良かったけど、他の話にもついハマってしまった。ロボの他に好きになったのは「灰色グマの伝記」グリズリーのワーブ。可愛くて孤独でそれでも強く逞しい大グマに成長していく過程が興味深い。

    この話の主人公はみんな動物だけど、それぞれの生活があり、個性があり、生きていくための信念がある。人間以上に情が深いところもある。

    最近描いた漫画は、そういうのを踏まえてというわけじゃないけど、かなり参考にさせていただきました。ロボだけじゃなく、他の話ももっと早く読んでおくべきだったかも。

  • シートン(藤原英司訳)『シートン動物記・狼王ロボ』集英社文庫,2008年
    アーネスト・トンプソン・シートン(1860-1946)は英国生まれ、父親は商船会社の社長だったが、家業が傾き、カナダに移住、家族はそうでもなかったが、10男(!)のアーネストだけは大の動物好きだった。幼いころから絵の才能があったらしく、ロンドンとパリで絵を学ぶ。長じて博物学者になり、カナダ政府からハドソン湾の調査に抜擢されたが、知らせが来たのは自分で計画した調査旅行中だったので、行かなかった。野生動物を直接観察し、Wild Animals I Have Known,1898で一躍、動物文学の騎手となる。動物学者がシートンをウソつき呼ばわりしたらしいが、シートンの野生動物の観察法を知って、かぶとをぬぎ、自分の名がついた賞を贈ったそうである。ネイティブアメリカンの自然に対する知恵の豊かさににも敬意をいだいており、作品のなかにもそれがみられる。アメリカの国立公園をつくったルーズベルト(セオドア)もシートンの知り合いで、シートンが描いたオオカミの絵を買っている。シートンはボーイ・スカウトの創設者でもある。要するに自然保護運動の先駆けである。幼いころ、ヒバリをたすけたが、家の中でヒバリをはなしたら急上昇して天井に頭をぶつけて死んでしまった。この経験から野生動物の生き方を尊重する自然保護を提起している。
    本書は「狼王ロボ」「灰色グマの伝記」「カンガルーネズミ」「サンドヒルの雄ジカ」の四篇をふくむ。
    「狼王ロボ」は家畜を襲うオオカミの話である。ロボはものすごく頭がよくて、賞金目当てにロボを「駆除」にくる人間の策略をつぎつぎと突破していく。猟犬による探索やワナや毒もロボを殺せない。ロボたちの群れは自分たちで殺したものしか食べない。シートンも金属の臭いがつかないように骨のナイフでエサをつくったりして、毒やワナをしかけるが、すべてロボにみやぶられる。毒の入った肉をいっかしょにあつめ、嘲笑うかのように糞をかけておいたりするのだ。シートンはロボのつれあいであるブランカに標的をさだめる。ブランカをオトリにする手もあったが、シートンはそれをとらなかった。だが、ロボはブランカの遺骸のもとに戻ってきて、とらえられてしまう。最後はとても感動的だ。代表作にふさわしい。

    「灰色グマの伝記」はグリズリーの主観でかかれたクマの一代記、母熊を銃でなくしたウープが、人間にとって凶悪な熊になっていくようすがクマの主観で丁寧にかかれ、ライバル熊の謀略によって身を滅ぼしていくところは哀愁をさそう。

    「カンガルーネズミ」は荒野にいきる小さな動物カンガルーネズミの知恵を書いている。小さな動物がいかにすばらしい知恵で自分の巣をつくっているかという点には感嘆を禁じ得ない。大型獣に巣を潰されないように葉のとがった植物の地下に巣をつくり、九ヶ所のいりぐちから巣にアクセスできるが、内部は迷路のようになっていて、カンガルーネズミのつくった地下通路で迷ったサラマンダーが巣の中からでてくる。食料貯蔵庫にあたるものもあり、中心の寝床の周りにはとげのある植物がつめこんである周到さである。巣をでるときは迷路を変更して、「カギ」をかけてからでていくのである。家の前の地面をホウキで掃いて、足跡を追うという簡単な観察法だが、おどろくほど詳細な観察になっている。

    「サンドヒルの雄ジカ」は狩猟好きのヤンが何年もかけて追い詰めたシカを最後に撃たない話である。「ブッタが悟ったこと」をヤンも悟り、シカと自分が兄弟であると思うのである。シカは遊びでジャンプして高さ2メートル、全速で逃げるときの跳躍は一回で7メートルにも及ぶ。じつに堂々たる動物であることがよくわかる。また、逃げながら自分の足跡を古い足跡につなげ、狩人をまくやり方などシカの知能についても書かれている。ヤンはネイティブ・アメリカンと友になり、狩猟の方法も学ぶ。雪原についた足跡の凍結の度合いで、どれくらい前にそこにいたかが分かるそうである。達人になると、足跡で獲物の体調までわかるそうだ。

    全編、とても感動的な話であった。子どもだけでなく、大人が読んでも十分おもしろいと思う。

  • 小学校の入学祝に祖父が贈ってくれたのは、シートン動物記全巻。その思い出の作品中でも最も好きなのが、狼王ロボと、だく足の野生馬だ。
    新たに買い直して再読すると、ロボはもちろん魅力あふれる絶対君主だったが、一番心に染みたのは[灰色熊の伝記]だった。年取ったな…

  • 子供の頃にも読んでましたが、改めて今読んでも十分面白いです。特に「灰色グマ~」は白戸三平の漫画版を擦り切れるほど読んでたので懐かしくてたまらなかった。(あの漫画ドコいったんだろ…)
    大人と子供、どっちにも読んで欲しいなぁ。

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