ブーリン家の姉妹 3 宮廷の愛人 上 (集英社文庫)

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レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087606102

作品紹介・あらすじ

1558年、アン・ブーリンの娘エリザベスが念願のイングランド女王に即位する。国の安定を求めて国内外の権力者との結婚を進言する国務長官ウィリアム・セシルをよそに、エリザベスは幼なじみで国賊の汚名を被るロバート・ダドリーに夢中だった。ダドリーもまた、貞淑な妻エイミーをないがしろにし、宮廷に入り浸る。恐ろしいほど激しい人間関係を描いた、史実に基づく壮絶な物語。待望の人気シリーズ第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 「ブーリン家の姉妹」シリーズ3作目、ということになるのですね。
    アン・ブーリンの娘であるエリザベスが、若き女王になってからの話。
    このあたりの時代が好きなので、詳しく描かれているのは嬉しい。

    1558年、エリザベスが女王に即位し、祝福されます。
    異母姉のメアリー女王が没するまで、プロテスタントの迫害があり、国は混乱していたから。
    今度はカトリックの肩身が狭くなる番だが、エリザベスは宥和政策を取ってバランスを取ろうとします。
    女王は他国の王家と婚姻して、有意義な同盟を結ばなくてはならないのですが‥

    幼馴染の寵臣ロバート・ダドリーを主馬頭に任命し、宮廷の催しを任せます。
    ロバートの父はかって宰相でしたが大逆罪で処刑され、ロバートもしばらくはロンドン塔に投獄されていた身。釈放されても仕事がないままでした。
    それでも、エリザベス自身よりも宮廷で暮らした時期が長く、儀礼に通じていたというのが面白い。
    どう振る舞ったらいいかわからないエリザベスにしきたりを教え、巧みにイメージアップを図っていくのです。

    ロバートには若くして結婚した妻のエイミーがいるのですが、農場暮らしが好きで宮廷が嫌いという女性なので、都には出てこないまま。
    互いに見た目で恋をして結婚してしまったこの夫婦が、いかに合わないかがありありと描かれていて、よくわかり、なんとも言えない気持ちに。
    離婚が難しい時代の辛さというか。この時代でも不可能ではなかったので、エイミーは別れたほうが良かったのにね、というか。
    (ロバートの場合、もしも、16歳で結婚しちゃわなかったら、父の謀反にもっと加担させられて命を落としただろうと思うと、ナンですが)

    前の作品に比べると、命がけの危険が続く重さが薄れている分、読みやすいかも。
    この作者はどうも、メアリー女王のほうが好きなんだなというところが微妙ですね(笑)

  • ブーリン家の姉妹3上巻。
    この巻、面白くて一気に読んでしまった!1,2巻も面白かったが、常に緊張感、というか、主要人物があっけなく処刑されていく暗さがつきまとい、重苦しい気分で読んでいたが、エリザベスが女王になり、1,2巻ほどは切迫感がなくなって明るい気持ちで読めたせいかも?
    翻訳の良さも影響してるかな。洋書読んでるという感じがしなかった。
    エリザベス女王の時代をロバート・ダドリー目線で読ませる。時々、妻エイミー目線あり。早く下巻を読みたい。あまりの面白さに他の事が一切ストップしている(汗)

  • 1558年~1560年のイングランド女王エリザベス一世の時代の話。
    エリザベス女王は結婚して世継ぎの子をもうけないといけないのに、家臣のロバート・ダドリーに夢中になってしまう。
    国政をあやうくする恋に、宮廷の人々や国民たちが不安につつまれる。
    ロバート・ダドリーの権力欲の強さと、エリザベス女王の女心の弱さがよく描かれている。
    自由に恋愛や結婚や離婚のできない時代の男女の様子は気の毒な気がした。
    このシリーズは読みだすと止まらない。

  • これだけ読んでもストレスなしで読めると思いますが全作順番に通しで読むと尚面白いと思います。アン・ブーリンの娘エリザベスと前作でロンドン塔に幽閉されていたロバート・ダドリーとの関係(史実!)を軸に、宮廷の野心と愛憎が丁寧に描かれていて相変わらず読み応えたっぷりでした。ダドリーの妻エイミー、エリザベスの忠臣セシルなど、周囲の人物の書き込みも見事。

  • 上下巻合わせて。下巻の後半からやっと状況が動き出し、ピリピリした雰囲気が面白くなってくる。それまでは、裏がなさそうであるようでやっぱりない人たちがぐだぐだ言っているだけで、どろどろさもなく退屈。エリザベス、ロバート・ダドリー、エイミーともに鬱陶しくて、ウィリアム・セシルがいなければ読むに堪えなかったかも。

  • *上下巻合わせての感想です。

     グレゴリーによるチューダー朝ものを『ブーリン家の姉妹』『愛憎の王冠』と読み継いできたけれどこれはいまいち。利己的で怒りっぽい人物ばかりなのはいつものことですが、前二作にあった強いテーマ性が、今作には見出せませんでした(少なくともわたしには)。もしかすると一人称小説じゃなくなったからかもしれない。これまであったテーマというのが、女性の自立とか、自分にとって大切なものを見つけることとか、概してフェミニズム的なものだったので、女主人公に一人称で語らせるのが向いていたのでしょう。今作のテーマとして一つあったのはイングランドにおける宗教改革だと思いますが、それもいまいち胸に迫らず。
     主要人物が誰一人として魅力的じゃなかったんですよね…エイミーは純粋だけれどそのぶん愚直で「空気が読めない」タイプ、エリザベスはただの気分屋なあばずれだし、ダドリーは美貌と野心しかない愚か者、セシルですら表向きは物静かな賢者を気取っていても内心はぐちぐちと粘着質な陰謀家といった風情で。わたしがチューダー朝の人物に夢を見がちなことは承知ですし、ダドリーやエイミーに関してはまあこれでもいいんだけれど、エリザベスとセシルにはもう少し傑物然としたところを見せてほしいものです。
     「ブーリン家の姉妹」シリーズとして読んでよかったと思った唯一の点は、レティス(レティシア)・ノールズがメアリー・ブーリンの孫だという認識をもてたことですね。続刊が出たとしても読むかどうか迷います。

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