母をお願い (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 170
感想 : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087606294

作品紹介・あらすじ

駅で行方不明になった母。目撃情報からは母らしき人物の哀れな姿も浮かびあがるが、それ以上の手がかりはつかめない。家族は当たり前のように母から注がれていた愛情と、自分の人生にかまけて母を二の次にしていたことに気づき、母の不在によって初めてその存在の大きさに思い至る。長兄と長女、夫、失踪した母親自身の視線から再生されるそれぞれの人生と無垢の愛。韓国初の世界的ベストセラー小説、ついに日本へ。

感想・レビュー・書評

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  •  この本を読むともれなく、自分自身が日常生活で無意識のうちに自分の母をないがしろにしていることにハッと気が付いて精神的に深いダメージを負うことができる。母が存命である私がそうなんだから、すでに母を亡くしてしまった人には本当に堪えると思う。
     〈母の失踪〉という誰もの感情をゆさぶる主題なのに、お涙ちょうだいになっていないところがパーフェクト。夫と成人したふたりの子供がたんたんと語る生前の母との出来事が、母の満たされなかった人生を浮かび上がらせる。
     ただ、エピローグを入れなかったほうが、ぐっと余韻のある作品になったと思う。こんなにいい本なのに、エピローグでいっきに宗教的になってしまったところだけが残念。しかし、120%おすすめできる本です。

  • 「母さん(オンマ)の行方が分からなくなって一週間目だ…」
    ソウルの駅で、父から離れていなくなってしまった老いた母。
    見つからない母。
    娘は、息子は、夫は、そして母自身も、「母」を振り返りはじめ、思い出が渦巻となる中で母は永遠に刻まれていく…

    娘、息子、夫、母自身、それぞれの視点が「ある手法」により見事に転換されており、まずはそのウマさに脱帽。
    この手法により、すべての読者は「他人事の物語」ではなく「自分自身につきつけられた物語」として読み進めることになります。
    おぼれるほど「母」と向き合うことになる一冊です。

    ただし、ここまで饒舌なエピローグは必要だったのでしょうか。
    ダメ押しのように最後の最後まで言葉を塗りこめていくのは国民性?
    全体を俯瞰すると、あえて書かないことの余韻も必要だったように思われるのでした。
    (そう思うのも国民性?)

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99486639

  • 圧倒的な子どもたちへの贈与。子どもたちからは何も受け取らない。しかし、子どもたちには自分のような生き方は望ましい。という強いメッセージがありました。そして子どもたちに会うために父母二人で上京したソウル駅で忽然と母だけ消えて、行方知れずのまま話が終わる。死に際さえ子どもたちに見せない。何かにたとえようのないこの母の印象が残りました。

  • 子供達5人がご飯を夢中で食べている様子を見たら、これ以上の幸せがどこにあろうよと思ったという一文に共感。

  • 文が読みにくくて嫌になったので、結果(お母さんがどうなったか)のみ拾い読みして終了。
    読みにくいのは、元々の文章のテンポなのか、訳者が原文を忠実に訳したせいかわからないけど(多分両方)、世界的ベストセラー?という感想だった。
    「あなたは」を連発することによって、普遍的なテーマだと訴え、他の章で第三者的な視点を入れる手法。
    けれど「私(の家)もこうかも」と読中読後考えるより、「やな家族だな(うちは違う)」と思ってしまい、感情移入は出来なかった。
    読んでよかった点を、強いて上げれば、昔の韓国って文盲の人割といるらしい(特に田舎)と聞いていたけど、今でも上の年代はそうなのね、というのがわかったことくらい。
    ここの家のお母さんは違うけど、自分は学校行かせてもらえなかったと諦めずに、リベンジで子供が勉強する時に簡単な読み書きは一緒に覚えた、という人も多いんじゃないかな。(時代のせいだけにして欲しくない)

  • 読み終えてしばらく、体に満ちたものを零したくなくて動けなかった。
    一生に一冊、この小説を読めればいいんじゃないか、そんな気さえした。
    雑踏の中でいなくなってしまった母。
    その母を探すうちに露わになっていく、母への愛情、尊敬、軽蔑、後ろめたさ。
    全く異なる家族の話だけれど、自分の内側を見せつけられているようだった。
    そして「母」という偶像からの解放。
    最後の一文が、ずっと胸の奥で響き続けている。

  • 韓国の作家による本。
    翻訳されてるからか、ちょっと読みずらい感があった。

    どうしてオンマがいなくなったのか最後まで分からなかったけど、母を大事にしなくちゃってすごく思った。
    私が産まれたときから母は母だったけど、母にも少女時代や娘時代があったんだし、夢は何だったのかな?
    母の夢を叶えてあげたいな。

  • NHKのハングル講座で紹介されて読みました。
    母の思いを読んでもわかるし、娘の思いを読んでもわかる。
    ただ、お互いが相手を思う言葉を持っていたけど、言えなかった、できなかった。
    それがいなくなってから気がつくという、誰にでもある話だと思う。

  • 「そろそろおいとましますね」
    この台詞が全てをあらわしているかと思います。
    小説も素晴しいけれど、訳もまたすばらしい。
    通勤途中で読んだのが最大の失敗でした。もう涙がでてとまらない><
    ホームシックになる人が続出するのでは?

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