スノーマン 上 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087606744

作品紹介・あらすじ

オスロに初雪が降った日、一人の女性が姿を消し、彼女のスカーフを首に巻いた雪だるまが残されていた。捜査を担当するハリー・ホーレ警部は未解決の女性失踪事件が多すぎることに気づく…。ノルウェーを代表するミステリー作家の登場。

感想・レビュー・書評

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  • 身も心も寒くなる、北欧ミステリー。
    感想は下巻で。

  • ハリー・ホーレ刑事シリーズ(翻訳)6作目。

    もはやハリーの「息子」といっても良い、
    元恋人ラケルの息子オルグがまた危ない目に遭う。
    今回は助からないのかとはらはらしたが、
    彼がハリーのある流儀を守っていて、
    それで命が助ったのには胸が熱くなった。

    新しく女性刑事が赴任してくる。
    彼女を組み入れた小さな班で、
    女性が失踪した事件を調べ始めたが、
    その失踪事件はスノーマン、雪だるまががからんだ連続殺人へと発展していく。

    行方不明の元警察官が容疑者の一人だったが、
    ハリーと新人刑事がその死体を見つけ、
    次の容疑者の医者もカーリング場で死体で見つかる…。

    (下巻へ続く)

  • 「ジョー・ネスボ」の長篇ミステリ作品『スノーマン(原題:Snomannen,英語題:The Snowman)』を読みました。

    ノルウェーの元サッカー選手で小説家兼ミュージシャンである「ジョー・ネスボ」の作品… 北欧ミステリは11月に読んだ「エーリク・ヴァレア」の『7人目の子』以来、ノルウェー作家の作品は2月に読んだ「アンネ・ホルト」の『凍える街』以来ですね。

    -----story-------------
    〈上〉
    オスロにその年の初雪が降った日、一人の女性が姿を消した。
    彼女のスカーフを首に巻いた雪だるまが残されていた。
    捜査に着手した「ハリー・ホーレ警部」は、この10年間で、女性が失踪したまま未解決の事案が、明らかに多すぎることに気づく。
    そして、「ハリー」に届いた謎めいた手紙には“雪だるま”という署名があった…。
    全世界でシリーズ累計2000万部、ノルウェーを代表するミステリー作家の傑作。

    〈下〉
    “雪だるま”事件は連続殺人の様相を呈していた。
    また、10年前に起きた警官失踪が、事件に関係していることも明らかとなる。
    捜査班の前には、次々と容疑者が浮かぶが、真犯人はあざ笑うかのように先回りし、やがて、その魔手は、「ハリー」の身辺にも迫る…。
    アルコール依存症と闘いながら捜査に打ち込む、陰影に富む主人公と、癖のある同僚警官たち。
    30カ国以上で出版されている傑作警察小説。
    -----------------------

    本作品は刑事「ハリー・ホーレ」を主人公とした推理小説シリーズの第7作目で、2007年に発表された作品… ノルウェー書店賞やノルウェー・ブッククラブ賞を受賞しており、本国では人気のシリーズのようですね、、、

    登場人物が多いうえに覚えにくい名前なので、これは誰だったっけ?と思いながら読むことが多かったですが… アルコール依存症でアウトロー、陰があり癖があるものの、どこか魅力のある主人公の「ハリー・ホーレ」が、想像を絶する真相を解明して行く展開が愉しめました。


     ■第一部
      ・1 雪だるま(スノーマン) 一九八〇年十一月五日 水曜日
      ・2 小石の目 一日目 二〇〇四年十一月二日
      ・3 コチニール 一日目
      ・4 失踪 二日目
      ・5 トーテム・ポール 一九九二年十一月四日
      ・6 携帯電話 二日目
      ・7 隠れた数字 三日目
      ・8 白鳥の首 三日目
      ・9 穴 三日目
     ■第二部
      ・10 チョーク 四日目
      ・11 デスマスク 四日目
      ・12 会話(ザ・カンバセーション) 七日目
      ・13 紙 八日目
      ・14 ベルゲン 九日目
     ■第三部
      ・15 8 九日目
      ・16 カーリング 十日目
      ・17 いい知らせ 十四日目
      ・18 視界 十五日目
      ・19 テレビ 十六日目
      ・20 サングラス 十七日目
      ・21 待合室 十八日目
      ・22 一致 十八日目
      ・23 モザイク 十九日目
      ・24 トゥウンバ 十九日目
      ・25 締切り 二十日目
      ・26 静寂 二十日目
      ・27 発端 二十日目
      ・28 病気 二十日目
      ・29 催眠ガス 二十日目
      ・30 スケープゴート 二十日目
      ・31 南極 二十一日目
      ・32 タンク 二十一日目
     ■第五部
      ・33 雪だるま(スノーマン) 一九八〇年十一月五日 水曜日
      ・34 サイレン 二十一日目
      ・35 怪物(モンスター) 二十一日目
      ・36 塔(タワー) 二十一日目
      ・37 お父さん 二十二日目
      ・38 白鳥 二〇〇四年十二月

     ■訳者あとがき 戸田裕之

    オスロで初雪が降った日に一人の女性が姿を消す… オスロ警察の刑事「ハリー・ホーレ」は、新米刑事で相棒の「カトリーネ・ブラット」と操作に乗り出す、、、

    ありきたりの失踪事件かと思われたが、同様の事件が起こり、姿を消した女性たちには既婚者で子どもがいるという共通点があった… 調査を進めるうちに、過去にも類似の未解決事件があることが判明し、「ハリー」は、その過去の事件と今回の連続失踪事件とに関連性があるのではないかと疑いを持つ。

    やがて失踪した女性たちの死体が見つかり始めるが、その現場には“雪だるま”が残されており、殺人方法も猟奇的だった… 最初に疑われた形成外科医の「イーダル・ヴェトレセン」は自殺し、行方不明となった女性「ビルテ・ベッケル」の夫「フィリープ・ベッケル」や、行方不明となった女性と性的な関係を持っていた<リベラル>発行人の「アルヴァ・ステープ」が容疑者として浮かぶが、犯人ではないことが判明し、、、

    「フィリープ・ベッケル」を銃殺しようとした態度や、「アルヴァ・ステープ」を自宅で暴行して追い詰めようとした「ハリー」の相棒「カトリーネ・ブラット」を疑わざるを得なくなる… この後のクライマックスまでの怒涛の展開は、ホントに面白かったですね。

    真犯人は、意外と身近なところにいたんですよねぇ… そして、「ハリー」の元恋人「ラケル・ファウケ」と、その息子「オレグ」が生命の危機に晒され、「ハリー」はハリウッドスターのような大活躍で二人を救出、、、

    指を失ったり、「マティアス・ルン=ヘルゲセン」と手錠で繋がれたまま、ホルメンコーレンのスキージャンプ台から宙吊りになったりと、困難を乗り越えて、無事に犯人逮捕… このあたりは、エンターテイメント作品として愉しめました。

    それにしても、哀しいのは犯行の動機… 自分が父親の子ではなく、母親と不倫相手の子で、不倫相手からの遺伝でランシング病という難病を持って生まれたことを知った日に、自動車事故に見せかけて母親を殺し、その後も、夫とは別な男性との子どもを、夫と子どもを欺き、夫と自分の子どもとして育てている母親を狙う、、、

    本作によると北欧の子どもの20%は、父親の子ではないらしい… 背景となっている、この数字の真偽は判りませんが、本当だとすると、ちょっと怖いなぁ。

    刑事「ハリー・ホーレ」シリーズ… 他の作品も読みたくなりましたね。




    以下、主な登場人物です。

    「ハリー・ホーレ」
     オスロ警察警部

    「カトリーネ・ブラット」
     オスロ警察の新人刑事

    「マグヌス・スカッレ」
     オスロ警察刑事
     
    「ビョルン・ホルム」
     オスロ警察鑑識課員

    「グンナル・ハーゲン」
     オスロ警察刑事部長

    「アルヴァ・ステープ」
     <リベラル>発行人

    「イーダル・ヴェトレセン」
     形成外科医

    「ラケル・ファウケ」
     ハリーの昔の恋人

    「オレグ」
     ラケルの息子

    「マティアス・ルン=ヘルゲセン」
     ラケルの現在の恋人

    「ビルテ・ベッケル」
     フィリープの妻

    「フィリープ・ベッケル」
     ビルテの夫

    「ヨーナス」
     ベッケルの息子

    「シルヴィア・オッテルセン」
     ロルフの妻
     
    「ロルフ・オッテルセン」
     シルヴィアの夫

    「エンマ」と「オルガ」
     オッテルセンの双子の娘

    「エーリ・クヴァーレ」
     アンドレアスの妻

    「アンドレアス・クヴァーレ」
     エーリの夫

    「トリグヴェ」
     クヴァーレの息子

    「カミッラ・ルッシウス」
     エーリクの妻

    「エーリク・ルッシウス」
     カミッラの夫

    「ゲルト・ラフトー」
     ベルゲン警察警部

    「クヌート・ミッレル=ニルセン」
     ベルゲン警察刑事部長

    「トレスコー」
     ハリーの幼馴染み

  • ノルウェー発の<ハリー・ホーレ刑事>シリーズの第七作目。先ずは第一作目を読むつもりだったが、あまり評価が宜しくないので、初邦訳作である本書から。登場人物一覧が表表紙の折り返し部分にしか記載されておらず、カバーをかけられない不親切な装丁をさて置いても、余計な情報が多い割に状況説明の足りない独り善がりな文章に大苦戦。場面や視点が切り替わる毎に章を区切ってくれないと読み難くて敵わないな。女性連続失踪事件に関与する<スノーマン>の手掛かりを上巻では全く掴めていないが、この調子だと下巻は期待よりも不安の方が大きい。

  • 1月30日読了。図書館。

  • 友人のススメで、珍しいノルウェーのミステリ作家を見つけた。
    まずデビュー作の「ザ・バット」から「ネメシス」とこの「スノーマン」を読んだ。
    「バット」はハリー・ホーレ刑事シリーズの第一作。二年に一作のペースで発表している人気シリーズだそうだが、これは10作目。
    1作目、3作目、4作目と作品が翻訳されているが、シリーズなのに続けて出ていない。

    この作品でも同僚がなくなっているがそのあたりのいきさつは良く分からない。

    「スノーマン」を昨夜読み終わったので新鮮なうちにメモをしておこう。
    先に読んだものは忙しい時で一気に読むことが出来なかった。

    だがどの作品も最近読んだものの中では話の作りが重層であり、その分登場人物も多く、世相も反映され事件の解決までの、時間の流れもあきさせない構成だった。
    ノルウェーという国を理解する上で少しの手がかりを得ることも出来た。

    北欧のミステリは面白い。といっても人気作家全てに通じているとは全くいえないけれど、デンマークの「ユッシ・エーズラ・オールスン」の「特捜部Q] スウェーデンの「ヘニング・マンケル」「スティーグ・ラーソン」アイスランドのインドリダソンなど読み出すととまらない作家がいる。
    このジョー・ネスボも北欧つながりの話の中で紹介され、即本屋さんにいった。


    まずオスロの雪の日、女性が失踪した。雪だるまの首にその女性のスカーフがまかれていた。
    ハリー・ホーレは調べていくうちに、不審な失踪事件が多いことに気がつく。ベルゲン署から来たカトリーネ・ブラッドを相棒にして調べ始める。
    彼の元に、スノーマンという書名のある手紙が来た。
    失踪した女性の死体が次々に見つかり始め、連続殺人として捜査を始める。現場には雪だるまが置かれていた。

    ハリーはアルコール依存症の過去があり立ち直ろうとしている。殺人事件を解決するのに一人で捜査するのを好み、同僚ともあまり馴染まない。だが、過去に協力して事件を解決した仲間からは、内面の温かさから今でも親しまれて協力されることが多い。
    過去に分かれた女性がいてまだそれを引きずっている。息子からは慕われる典型的なヒーロー型の刑事で、憎めない。
    相棒のブラッドはややエキセントリックであり、彼女は謎が多く、ハリーは何か割り切れない気持ちを持っている。

    そして事件の謎はカトリーネ・ブラッドから解けていく。

    殺人方法は猟奇的で残酷、快楽殺人のようで何か深い意味も感じさせる。ハリーは核心に迫ったと思えば犯人の術中にはまり、わき道を探し続けていて、振り回される。彼女までも狙われ、自分も射程に入っているのに気がつく。

    犯人探しもありながら、殺された女性たちの生活も挿入され、それがじわじわと核心に近づいていく語り口は、非常に巧妙で面白い。

    前半は、事件の経緯や、現場の血なまぐさい描写でいささかリズム感にかけるが、一つの山を越えてからの犯人との対決のくだりは、一気に解決に向かい、読むスピードも上がる。

    じわじわとすすむ主人公の人生観なども加えたミステリではない、だが事件を捜査するというスリルと、作者任せではあるが謎解きの過程で浮かび上がってくる犯人の殺人動機が、手段の奇怪さに比べて人間的であり、ハリーの捨て身の捜査にも力が入る。


    出版作が全て翻訳されているわけではないのがちょっと淋しいが、人気作だけを読ませるのも出版業としては仕方がないことかも知れない。

    どれも1刷で重版されていないし、このミスで「アレックス」を煽って読まされたことを思えば、こちらは比べればさらによく出来た作品だと思う。

  • 話が複線的に進み、内容が深まらないまま突如場面が変わったりする。登場人物が多く名前が似ているのですんなり頭に入っていかない。翻訳に問題があるのだろうか。

  • おもしろかった~。
    3作連続で当たりなんてめずらしい。
    「30カ国以上で出版されている傑作警察小説」の宣伝文句もだてじゃない。

    ただ、本作はシリーズ7作目ならしい。
    ということはシリーズの中でも出来のいいものを選んで訳されたはずで、ほかのレベルはどうなのかな。

    主人公ハリーは一匹狼警官の中では極端ではないほう。
    サブキャラの部下カトリーネがちょいキレキャラでいい味だしてる。
    彼女は本作以降コンスタントに出てくるのかな?

    内容はー、ま、いっか。
    ノルウェーではめずらしいシリアルキラー、そんなとこ。
    ややフーダニット。

  • 評判のシリーズ。
    う~ん、ノルウェーの人名、地名になじみがないからごっちゃになって大変。

  • 北欧ミステリーということで読んでみました。
    ストーリーは二転三転して、犯人だと思われる人達が二転三転していくので、結構面白く読み進めました。

    しかし、サイコパスの心理は理解できず、どうしても殺人の動機にシンパシーを感じることができなかったのが、自分にはちょっと残念でした。

    しかし、クライマックスは、ハラハラドキドキして一気に読んでしまいました。

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