スノーマン 下 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087606751

作品紹介・あらすじ

〈雪だるま〉事件は連続殺人の様相を! 真犯人は捜査班をあざ笑うかのように先回りし、やがて魔手はハリーの身辺にも迫る…。アルコール依存症と闘いながら捜査に挑む主人公、癖のある同僚たち。警察小説の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • なんだろ、こういう書き方のミステリは初めてのような気がする。
    終盤のサスペンスはたまらない。

  • ハリー・ホーレ警部シリーズ7作目らしい。2004年ノルウェーのオスロが舞台。連続して女性が殺害されたり失踪したりする事件が発生し、主人公が事件を追っていくうちに1992年の事件との関連が出てきて繋がっていく。。という話。現場に雪だるまがあることから犯人はスノーマンと名付けられる。
    疑いのある容疑者が次々と出てきて、引っ張るなあと思いながら読んだ。最後の100ページが一番おもしろくて、中盤の部分の中だるみを解消してくれる。主人公が犯人にたどりついた最終的な結論が少々説明不足だと感じた。

  • (上巻より)

    遺伝的な病気がきっかけで自分の出生の秘密を知り復讐へと発展する、
    という同じような話を比較的最近読んだ気がするので、
    そこらへんは予想の範囲だった。
    とはいえ、前作からの登場人物が重要な役割を果たしたり、
    新しく登場した女性刑事が容疑者になったりと、
    それぞれの存在にほんのりとした違和感を感じさせながらも
    予想外の展開で面白かった。
    シリーズの中で最初に翻訳されただけのことはある。

    新しい刑事部長がハリーをかばって辞表を書きかけたのも驚きだったが、
    かつてのハリーの庇護者であった上司が、
    亡くなっていたのにはショックを受けた。
    普通に引退させるのではだめだったのだろうか。
    個人的に世話になっていた心理学者は病気になっているし。
    そして、ハリーの部屋のカビを除去してくれた
    少々不気味な男は今後再び登場しそうな雰囲気だったが、どうだろう。

  • 「ジョー・ネスボ」の長篇ミステリ作品『スノーマン(原題:Snomannen,英語題:The Snowman)』を読みました。

    ノルウェーの元サッカー選手で小説家兼ミュージシャンである「ジョー・ネスボ」の作品… 北欧ミステリは11月に読んだ「エーリク・ヴァレア」の『7人目の子』以来、ノルウェー作家の作品は2月に読んだ「アンネ・ホルト」の『凍える街』以来ですね。

    -----story-------------
    〈上〉
    オスロにその年の初雪が降った日、一人の女性が姿を消した。
    彼女のスカーフを首に巻いた雪だるまが残されていた。
    捜査に着手した「ハリー・ホーレ警部」は、この10年間で、女性が失踪したまま未解決の事案が、明らかに多すぎることに気づく。
    そして、「ハリー」に届いた謎めいた手紙には“雪だるま”という署名があった…。
    全世界でシリーズ累計2000万部、ノルウェーを代表するミステリー作家の傑作。

    〈下〉
    “雪だるま”事件は連続殺人の様相を呈していた。
    また、10年前に起きた警官失踪が、事件に関係していることも明らかとなる。
    捜査班の前には、次々と容疑者が浮かぶが、真犯人はあざ笑うかのように先回りし、やがて、その魔手は、「ハリー」の身辺にも迫る…。
    アルコール依存症と闘いながら捜査に打ち込む、陰影に富む主人公と、癖のある同僚警官たち。
    30カ国以上で出版されている傑作警察小説。
    -----------------------

    本作品は刑事「ハリー・ホーレ」を主人公とした推理小説シリーズの第7作目で、2007年に発表された作品… ノルウェー書店賞やノルウェー・ブッククラブ賞を受賞しており、本国では人気のシリーズのようですね、、、

    登場人物が多いうえに覚えにくい名前なので、これは誰だったっけ?と思いながら読むことが多かったですが… アルコール依存症でアウトロー、陰があり癖があるものの、どこか魅力のある主人公の「ハリー・ホーレ」が、想像を絶する真相を解明して行く展開が愉しめました。


     ■第一部
      ・1 雪だるま(スノーマン) 一九八〇年十一月五日 水曜日
      ・2 小石の目 一日目 二〇〇四年十一月二日
      ・3 コチニール 一日目
      ・4 失踪 二日目
      ・5 トーテム・ポール 一九九二年十一月四日
      ・6 携帯電話 二日目
      ・7 隠れた数字 三日目
      ・8 白鳥の首 三日目
      ・9 穴 三日目
     ■第二部
      ・10 チョーク 四日目
      ・11 デスマスク 四日目
      ・12 会話(ザ・カンバセーション) 七日目
      ・13 紙 八日目
      ・14 ベルゲン 九日目
     ■第三部
      ・15 8 九日目
      ・16 カーリング 十日目
      ・17 いい知らせ 十四日目
      ・18 視界 十五日目
      ・19 テレビ 十六日目
      ・20 サングラス 十七日目
      ・21 待合室 十八日目
      ・22 一致 十八日目
      ・23 モザイク 十九日目
      ・24 トゥウンバ 十九日目
      ・25 締切り 二十日目
      ・26 静寂 二十日目
      ・27 発端 二十日目
      ・28 病気 二十日目
      ・29 催眠ガス 二十日目
      ・30 スケープゴート 二十日目
      ・31 南極 二十一日目
      ・32 タンク 二十一日目
     ■第五部
      ・33 雪だるま(スノーマン) 一九八〇年十一月五日 水曜日
      ・34 サイレン 二十一日目
      ・35 怪物(モンスター) 二十一日目
      ・36 塔(タワー) 二十一日目
      ・37 お父さん 二十二日目
      ・38 白鳥 二〇〇四年十二月

     ■訳者あとがき 戸田裕之

    オスロで初雪が降った日に一人の女性が姿を消す… オスロ警察の刑事「ハリー・ホーレ」は、新米刑事で相棒の「カトリーネ・ブラット」と操作に乗り出す、、、

    ありきたりの失踪事件かと思われたが、同様の事件が起こり、姿を消した女性たちには既婚者で子どもがいるという共通点があった… 調査を進めるうちに、過去にも類似の未解決事件があることが判明し、「ハリー」は、その過去の事件と今回の連続失踪事件とに関連性があるのではないかと疑いを持つ。

    やがて失踪した女性たちの死体が見つかり始めるが、その現場には“雪だるま”が残されており、殺人方法も猟奇的だった… 最初に疑われた形成外科医の「イーダル・ヴェトレセン」は自殺し、行方不明となった女性「ビルテ・ベッケル」の夫「フィリープ・ベッケル」や、行方不明となった女性と性的な関係を持っていた<リベラル>発行人の「アルヴァ・ステープ」が容疑者として浮かぶが、犯人ではないことが判明し、、、

    「フィリープ・ベッケル」を銃殺しようとした態度や、「アルヴァ・ステープ」を自宅で暴行して追い詰めようとした「ハリー」の相棒「カトリーネ・ブラット」を疑わざるを得なくなる… この後のクライマックスまでの怒涛の展開は、ホントに面白かったですね。

    真犯人は、意外と身近なところにいたんですよねぇ… そして、「ハリー」の元恋人「ラケル・ファウケ」と、その息子「オレグ」が生命の危機に晒され、「ハリー」はハリウッドスターのような大活躍で二人を救出、、、

    指を失ったり、「マティアス・ルン=ヘルゲセン」と手錠で繋がれたまま、ホルメンコーレンのスキージャンプ台から宙吊りになったりと、困難を乗り越えて、無事に犯人逮捕… このあたりは、エンターテイメント作品として愉しめました。

    それにしても、哀しいのは犯行の動機… 自分が父親の子ではなく、母親と不倫相手の子で、不倫相手からの遺伝でランシング病という難病を持って生まれたことを知った日に、自動車事故に見せかけて母親を殺し、その後も、夫とは別な男性との子どもを、夫と子どもを欺き、夫と自分の子どもとして育てている母親を狙う、、、

    本作によると北欧の子どもの20%は、父親の子ではないらしい… 背景となっている、この数字の真偽は判りませんが、本当だとすると、ちょっと怖いなぁ。

    刑事「ハリー・ホーレ」シリーズ… 他の作品も読みたくなりましたね。




    以下、主な登場人物です。

    「ハリー・ホーレ」
     オスロ警察警部

    「カトリーネ・ブラット」
     オスロ警察の新人刑事

    「マグヌス・スカッレ」
     オスロ警察刑事
     
    「ビョルン・ホルム」
     オスロ警察鑑識課員

    「グンナル・ハーゲン」
     オスロ警察刑事部長

    「アルヴァ・ステープ」
     <リベラル>発行人

    「イーダル・ヴェトレセン」
     形成外科医

    「ラケル・ファウケ」
     ハリーの昔の恋人

    「オレグ」
     ラケルの息子

    「マティアス・ルン=ヘルゲセン」
     ラケルの現在の恋人

    「ビルテ・ベッケル」
     フィリープの妻

    「フィリープ・ベッケル」
     ビルテの夫

    「ヨーナス」
     ベッケルの息子

    「シルヴィア・オッテルセン」
     ロルフの妻
     
    「ロルフ・オッテルセン」
     シルヴィアの夫

    「エンマ」と「オルガ」
     オッテルセンの双子の娘

    「エーリ・クヴァーレ」
     アンドレアスの妻

    「アンドレアス・クヴァーレ」
     エーリの夫

    「トリグヴェ」
     クヴァーレの息子

    「カミッラ・ルッシウス」
     エーリクの妻

    「エーリク・ルッシウス」
     カミッラの夫

    「ゲルト・ラフトー」
     ベルゲン警察警部

    「クヌート・ミッレル=ニルセン」
     ベルゲン警察刑事部長

    「トレスコー」
     ハリーの幼馴染み

  • ちょっと犯人探しに無理があるように感じたが、飽きさせないテンポで読み進むことができた。

  • スローペースな上巻と打って代わり、下巻に入って物語が一気に動き出すが、展開が二転三転する割に技巧性が感じられない筋書きで、終盤は勢い任せの力技で押し切った印象が強く残る。とりわけ、犯行の経緯を全て犯人の独白で済ませてしまうのはミステリーの謎解きとして安易過ぎやしないか。あとがきにて訳者が『様々な要素が作品を重層化させている』という私見を述べているが、その不純物の数々が物語のテンポ感や緊迫感を刮ぎ落としている様に思えて仕方ない。第37章での父子の会話は実に感動的だが、それ以外に惹かれる部分を見出せなかった。

  • 3月10日読了。図書館。

  • 二転、三転で先が気になり、どんどん読めた。
    しかし動機のあまりの身勝手さに心が冷えた。
    シリーズの途中から訳すのって、長いシリーズミステリーなんかでは割とあるの…?
    読んでいて、あれこれ絶対前があるぞ?と思って調べたら、7作目じゃん!そこから訳す?!
    確かに読むのに支障はないのだけど、そこまでの展開んっ重大なネタバレがされてしまっているし、主人公が初っ端から精神的にボロボロなのもちょっと戸惑ったなぁ…。

  • 時流に乗る北欧ミステリ。中でもノルウェーの俊英ネスボの人気は高く、順調に翻訳出版が続いている「幸福な作家」の一人だ。本国ではロックミュージシャンを兼ねているらしく、勢いのままに突っ走る独特のリズム/熱気に溢れた文体は、バックボーンに根差すものなのだろう。ただ、構成の緻密さには欠け、破綻すれすれとなる危うさも抱えていると感じた。
    本作はオスロ市警察の刑事ハリー・ホーレシリーズ、2007年発表の第7弾。雪に覆われた街で女性を狙う殺人鬼が出没する。過去10年間にわたり未解決となっていた失踪事件との関連性も浮上。いったい何人が犠牲となったのかも不明で、事態は混沌の様相を呈した。不遜にも殺人者は現場近くに不気味な雪だるまを残すことで存在を誇示し、警察を挑発する。「スノー・マン」の意味するものとは何か。凍てついた街の闇へと潜り込んでいったホーレ自身だったが、やがて窮地に追い込まれていく。

    下地は警察小説だが、一匹狼的な主人公と謎解きを重視したマイクル・コナリーのボッシュシリーズに近い肌触りで、ハードボイルドのテイストが強い。独特の呼称を持つ登場人物が多く、カットバックの手法もこなれていないため、多少混乱する。プロットは練り込まれており、連続殺人の真相を巡り二転三転する展開は刺激的だが、ホーレ以外にインパクトを与える登場人物がいない。もう少しケレン味を加えれば、完成度はより高くなったはずだ。

  • 北欧ミステリーということで読んでみました。
    ストーリーは二転三転して、犯人だと思われる人達が二転三転していくので、結構面白く読み進めました。

    しかし、サイコパスの心理は理解できず、どうしても殺人の動機にシンパシーを感じることができなかったのが、自分にはちょっと残念でした。

    しかし、クライマックスは、ハラハラドキドキして一気に読んでしまいました。

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