ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂 (集英社文庫)

  • 集英社 (2018年5月18日発売)
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本棚登録 : 200
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087607505

作品紹介・あらすじ

アメリカ東部に暮らした初めての日本人、ジョン万次郎。いじめや差別に負けずに生き抜いた少年の史実に基づく物語。アメリカで大反響を呼び、日本でも読書コンクールの課題図書となった本の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 基本知識として、ジョン・万次郎という人物は土佐の漁師で遭難して、アメリカの船に救助されアメリカで暮らすことになり、英語をマスターして幕末の幕府とペリーとの通訳をしたということくらいの知識はあったが、どういう人物で当時のアメリカの状況や万次郎がどう受け入れられ、日本に戻ることになる状況、そして戻ったあとの状況など全く知らなかった。それが一挙にわかる本である。
    14歳で遭難して23歳で帰国、薩摩、長崎で牢獄生活の末26歳でようやく帰郷する。27歳の時にペリー来航、幕府直参の侍となり通訳、その後勝海舟、福沢諭吉と共に咸臨丸に通訳として乗船しアメリカに再度渡ることになるというのが史実。
    この小説では主に14歳時の遭難、19歳までのアメリカでの生活の詳細と22歳でアメリカを出るまでの葛藤、そして26歳で帰郷した時の様子を描いている。いづれも史実に基づく小説なので興味ある感慨深い展開に心が引き込まれる。

  • アメリカにたどり着いた初の日本人、ジョン万次郎についての伝記的小説。
    ほぼ史実に基づいて描かれており、アメリカでもジョン万次郎が好印象な人物だったことが分かる。
    好奇心の高さと勇気で人生を切り開き、幕府の要人として鎖国を終わらせることに貢献したというのは何ともドラマチックである。
    もし、ジョン万次郎がいなければ日本の開国はもっと遅れていたのかもしれない。

    あとがきにある通り、強運の持ち主だったことは間違いないが、それ以上にチャンスをものにする力を備えていたのだろう。

    最近、私は海外に語学研修に行き、
    フィリピンやマレーシアとの文化の違い、言葉で伝えることの難しさを体感してきたが、万次郎の経験は当時からすれば比するものではあるまい。
    世界を変える手助けをするどころか日本を変えた重要人物。
    世界を知り日本に世界を広めたことはおそらく何事にも代えがたい功績であろう。

    今の言葉で言えば彼は間違いなくグローバルパースンであり、ダイバーシティアンドインクルージョンに理解のある人物だったと言えるだろう。
    仕事でもプライベートでもその生き様は模範としたい。

  • 先ず、この本を外国人が書き、その翻訳を読んでいることが面白い。この当時のアメリカに連れて行かれることは、UFOにさらわれるか、タイムスリップするくらいの経験だったでしょう。まさに数奇な運命。そして、ついに家路につくシーンは、これまでの長かった旅路のさまざまな体験と思いから、こみ上げて来るものがありました。

  • とにかく強運だった事は間違い無いが、それは結果の一部に過ぎず、その運を引き寄せたのは彼自身の人当たりの良さや好奇心と柔軟さ・臨機応変さがあってこそ、彼は多くの人から信用され協力され、生きる事が出来たのではないかと感じた。
    予期せぬ事態に流されつつもしっかりと状況を読み、目まぐるしい時代や環境の変化に戸惑いつつも最善を尽くす、その姿勢はいつの時代のどんな場所にあっても必要。
    現代においてはもっと認知されるべき偉人と思うが、捕鯨船上やアメリカ生活が主だった生涯であるが故に、大河ドラマになる事はまず無いだろうとも思う。
    鎖国がとうに過去の事になった今でも、人種差別問題は過去の事にはなっていないし、「魔法は終わってしまったが、仕事ははじまったばかりだった」というくだりは映画「ズートピア」を思い起こさせる。
    ズートピアと同じく本書も、著者が児童文学作家だけあり大変分かりやすく読みやすい文体なので、子供達も含めて多くの人に勧められる一冊。

  • 図書館のYAの棚から手に取った本。
    外国の作家がジョン万次郎のストーリーを綴ったことにびっくり!

    著者にとってこれは初めての小説であったらしく、そしてこの本は数々の文学賞を受賞したらしい。
    日本人が一人も住んでいないアメリカでの生活を選んだ少年の話。
    歴史の名脇役というか、誰もがペリー来航のくだりで一度は名前を聞いたことがあるジョン万次郎。
    驚くほど彼の波乱万丈な歴史を忠実に小説化している。
    彼の瑞々しい感性や好奇心や勇気が折々胸を打つ。

    「地図は…招待状のようです」
    「読めないけれど"みにこい"と書いてあるんだと思います」

  • 面白かった!もっと色々知りたい。アメリカ人によって書かれたという所も大変興味深い。

  • 自分が犯したミスを取り戻すために母親に内緒で漁に出た。しかし、不幸にも漁船が難破し漂流する羽目になる。普通なら絶望し死を覚悟するような状況でも彼は諦めなかった。すると、たまたま通りかかったアメリカ籍の漁船に助けられる。万次郎と漁に出た仲間はアメリカ人のことを野蛮だと決めつけ言葉を学ぼうとせずに、恐れ続けた。
    一方彼は少しずつ積極的に言葉を習得していき船長に認められ彼の養子にまでなった。それからは鯨を取ることに専念したり、アメリカについてからは学校で航海術を勉強したり、農場経営を手伝ったり、さらには金を稼ぐためにゴールドラッシュ目当てに行ったり、行動した。その結果、日本に帰国してから彼の経験と能力が評価されペリーが来航したときには将軍から名前を与えられ補佐するように依頼された。農民の子が。

    リスクを冒すことは恐怖感を覚えるのが普通である。彼の同僚のように。でも、それではありふれた結果しか得られない。

    万次郎のように、リスクを積極的に取り他者と違う道を意図的に進むことによって、何かを成し遂げられるんではないだろうか。

  • 面白かったー! 坂本龍馬も話を聞きに行ったという、ジョン万次郎 社会の教科書にも出て来たジョン万次郎 有名だけど、数行の情報しか知らなかったから、こんな思いで、こんな風に生き抜いてきたんだなぁーと、感慨も。

  • 20歳若い10代前半の時に読みたかった素晴らしい冒険ストーリー。

  • 人と違う行動をすると批判が伴う。
    現代においてもそれは同じことで、日本人はその意識がより強い。
    結局のところ行動することへの嫉妬だと思う。
    この物語の主人公ジョン万次郎も日本人で初めてアメリカに上陸し、おそらく日本人で初めて世界を知った人物である。それには周りからの激しい批判、差別があった。ジョン万次郎はそれを乗り越え、見事当日では前例のない船乗りから武士への転身を果たした。
    やはり成功するには、それ相応のリスクを取る必要がある。それが出来ない人に成功はない。

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