アルパートンの天使たち (集英社文庫(海外))

  • 集英社 (2024年11月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (752ページ) / ISBN・EAN: 9784087607949

作品紹介・あらすじ

18年前に起きたカルト教団《アルパートンの天使》集団自殺事件の謎……犯罪ノンフィクション作家がつかんだ、衝撃の真相とは!?

みんなの感想まとめ

多様な資料を駆使した構成が印象的なこの作品は、過去のカルト教団による集団自殺事件を追う犯罪ノンフィクション作家の視点から描かれています。登場人物が多く、時系列を追うのが難しい場面もありますが、慣れるに...

感想・レビュー・書評

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  • 超★5 地の文が一切ない!ノンフィクション作家を疑似体験できるミステリー #アルパートンの天使たち

    ■あらすじ
    犯罪ノンフィクション作家のアマンダは、18年前のカルト集団が犯した殺人事件の取材を行っていた。カルト集団「アルパートンの天使たち」の大天使ガブリエルは逮捕されていていたが、事件に巻き込まれた少年少女2名と新生児1名は行方不明になっており、真相は明かさらないままだった。

    アマンダは当時の関係者に聞き込みを続けるうち、つじつまが合わない事実が浮かび上がってくる。過剰に隠蔽された事件の真相とは…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    超★5 おもろい!

    地の文が一切ない、全編メッセンジャーのやり取りやドキュメントだけで進行する小説です。何がスゴイって、自分がノンフィクション作家になったかのような疑似体験ができるんですよ!

    前作『ポピーのためにできること』も同様の形式でしたね。小児がんの子どもを助けるための活動を端から見つつ、登場人物の隠された背景を描いている部分が読みどころでした。本作は過去の事件を書籍化するために作家が取材しながら事件を紐解いていくというストーリーです。

    やっぱり一番に惹かれるのは、メッセンジャーやドキュメント形式の表現ってところでしょう。ほとんどアマンダが軸になって関係者とのやり取りが進行するのですが、これが面白いんすよ。

    仕事仲間や友人とのチャットは、本音丸出しの絵文字使いまくりでニヤニヤしちゃう。また取材の書き起こしでは、アマンダが情報を引き出そうとしている駆け引きの妙が楽しすぎるの。よく考えると警察や探偵が聞き込みやってるのと同じなんだけど、切り口が違うだけでこんなにもなんでこんなにも好奇心をそそられるのか。

    そしてアマンダが最高すぎるんです。仕事好きで真面目ではあるんだけど、それ以上にずる賢くて負けず嫌い。自分に正直に生きて気持ちいいんですよね、輝いてるから自然に周りに人が集まってきちゃう。でも近づきすぎるとパワーを吸い取られちゃったりする。いるいるー、こういう人。

    ライバル作家のオリヴァーも愛せるんです。アマンダと似た者同士なんだけど、性根の部分が違うんすよね。アマンダと関わりを持つことによって、彼はどう変化していくのか。ここも本作ならではの魅力が詰まってる。

    ノンフィクション作家の裏側が見えて興味深かったですね。ただ事件を取材するだけでは本にならず、どうやって読者の心を掴むのか、独自の強みがなくてならない。ライバル作家や出版社とのやり取りもやたら現実的で勉強になりました。

    さてミステリーとしての謎解きですよ。取材のやり取りで得られる情報が少ないし、むしろズレた情報ばかりが乱立して脳みそが混乱してくる。それでも取材を進めるうち、重要人物にも会えるようになり、様々なヒントが提示されるんです。徐々に推理を考察していくんですが… 全く想像してなかった真相でビビりました。

    結末も味わい深すぎですよね。これまで取材してきた膨大な記録、それを興味津々で読んできた私。すっかり世界観に没入してしまったからこそ、奇妙な選択に不快感でいっぱいになる。私は何がそんなに楽しかったんだろうかと…

    今回もインパクトのある作品でしたね、ミステリー好きには必読の一冊だと思いました。

    ■私とこの物語の対話
    人間の邪悪さってのは、自分ひとりの行動に収まらず、周りの人たちもかどわかしていく。特殊詐欺は無くならず、さらに狂暴化しているの社会ですが、どうすれば日本は浄化されるんでしょうか。少なくとも未来のある少年少女を巻き込むような事件はあってはならないです。

    • 松子さん
      あきさん、こんにちは!
      自分がノンフィクション作家になったような疑似体験ができる…、ななななんて、魅力的な本なんですか!akiさんのレビュー...
      あきさん、こんにちは!
      自分がノンフィクション作家になったような疑似体験ができる…、ななななんて、魅力的な本なんですか!akiさんのレビューすごく楽しかった!
      時間みつけて、買いに行きます
      ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
      2024/12/27
    • autumn522akiさん
      松子さん、こんちわー!お元気でした?
      お褒めいただきありがとうございます、ホントそうなのよ。
      かなり衝撃的な作品ですよ、ぜひ楽しんでくだ...
      松子さん、こんちわー!お元気でした?
      お褒めいただきありがとうございます、ホントそうなのよ。
      かなり衝撃的な作品ですよ、ぜひ楽しんでください~
      2024/12/27
  • ほぼメール、書簡形式で綴られ、地の文が一切ない奇作『ポピーのためにできること』が記憶に新しいジャニス・ハレット第二弾。

    今回は前回よりもだいぶ読みやすい。
    相変わらず地の文はないが、メールや書簡のような一方向的な語りの占める割合は低く、メッセージングアプリでのやりとりやインタビューの文字起こしの体をとった双方向の会話が主体なので、戯曲を読んだばかりの自分的には現代風戯曲のように感じた。
    ジョセフ・ノックスの『トゥルー・クライム・ストーリー』に寄った感じ。

    18年前に発生したカルト信者達が起こした集団自殺事件。
    当時、危うく被害を免れた赤ちゃんが成年になるタイミングの今をきっかけに、新たな切り口で事件を追った犯罪ノンフィクションを手掛けようとする主人公のアマンダ。
    知人友人、そのつてを辿った関係者たち、連絡先のわかる参考になりそうな人々、手当たり次第に接触し、インタビューを行い赤ちゃんの行方を追うが。。。

    食い違う証言、ことごとく表面的な発言としてしかわからないアマンダの心情、断続的場面転換の連続。
    行間を読み想像を膨らませていくのが読みどころか。

    アマンダの強引さ、したたかさと執着っぷりにやや反感を感じ、本来だったら主人公に共感できないということで没入感を損なう弊害になりそうなところ、形式上少し遠い存在であることがそれを和らげている気がする。

    次第に公表されている内容とは異なる真実がありそうな予感を携えつつ、迎える転換点は中々。
    ちょっと腑に落ちない点はあるにせよ、うまく違う解を混ぜ込ませたなという力作。

    このミス2026年版海外編第8位。

  • ドキュメンタリー形式の小説

    カルト教団の謎の死
    関係者達のやり取り色々な見せ方の文体でよりドキュメンタリーぽく見える

    終盤は確かに面白かったが、そこまでが無駄に長かった・・・。

  • 殆どをワッツアップやメールのやり取りで構成された記録映画の様な小説。新たな試みで面白いが、登場人物の多さ等で時系列を追うのがやっと。中程迄は読み難かったが慣れたのか後半はわかりやすかった。

  • 「ポピーのためにできること」の作者、ジャニス・ハレットの本邦二作目。好みのストーリーだったので「ポピー…」を飛ばして今作から読んでみた。

    18年前にカルト教団の中で起こった陰惨な事件「アルパートンの天使たち」。その事件録を作るために、作家のアマンダは関係者たちへインタビューを行うが、超常現象としか考えられないことや、関係者たちの証言の違い、果てはインタビューを行った関係者の死亡事故があり。。。

    いわゆる、証言や証拠書類だけで構成される作品。ジョセフ・ノックスの「トゥルー・クライム・ストーリー」もだが、この形式の小説はほぼ登場人物の会話だけでできているため、厚さの割に非常に早く読める。
    ホラー要素、サスペンス要素、ミステリ要素があり、特にホラー要素が強めで、着地点が最後の最後まで読めない。

    連続して読むには辛い形式の作品だが、たまに読みたくなるのも事実。作者のジャニス・ハレットはこの形式の作品しかないようなので、次作もぜひ出版してほしい。

  • Author Interview: Janice Hallett
    https://www.manonwogahn.com/author-interview-janice-hallett/

    The Mysterious Case of the Alperton Angels by Janice Hallett review – on the trail of a cult | Fiction | The Guardian
    https://www.theguardian.com/books/2023/jan/26/the-mysterious-case-of-the-alperton-angels-by-janice-hallett-review-on-the-trail-of-a-cult

    Janice Hallett(@janice.hallett) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/janice.hallett/?locale=ja-JP&hl=en

    アルパートンの天使たち/ジャニス・ハレット/山田 蘭 | 集英社 ― SHUEISHA ―
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-760794-9

  • 前作『ポピーのためにできること』と同様、地の文や直接の会話はなく、インタビューの文字起こしやメールなどの資料から成るミステリ。
    冒頭に、この資料を公開して通報するか、封印し続けるかを読者に問いかけているのが良かった、読後に私の手にあったらどうするだろうと真剣に悩まずにいられない。

  • 登場人物が多いし、資料か膨大で読むのに乗ってくるまで時間がかかった。
    半分くらいからどんどん面白くなり、続きが気になって止まらなくなった。
    カルト教団の偏執的な事件ではなく、真相がまさかの誘拐事件だったとは!
    赤ちゃんもまさかだし、びっくりした。
    色んな要因が重なり、不思議な事件となったとは恐れ入った。
    シンを殺したのは、ホリーたちってことなんだよね?
    アマンダがあんなラストを迎えるとは思いもしなかった。
    オリヴァーがどんどんスピリチュアルな方へ行くのにどー決着をつけるんだろう思ったら、まさかのアマンダの復讐かぁ。
    2人にどんな過去があるのかと思ったら、オリヴァー本当に最低。
    アマンダの強引で自信過剰な態度に、引いてたけど、色々判明したら納得できたし、頑張ってきたんだなと、オリヴァーの件も自分で決着をつけて正義の人だった。

  • ・あらすじ
    ロンドンが舞台。
    2003年に起こったカルト教団〈アルパートンの天使〉信者による集団自殺事件。
    そこで生き残ったのは17歳の少年少女、教団の指導者、乳児の4人だった。
    それから18年後、逮捕された指導者以外の3人の行方は杳として知れないままだった。
    ノンフィクション作家であるアマンダベイリーは未だ謎の多いこの事件に関しての本を書くために当時の関係者たちへのインタビューや、現地調査を開始する。
    そこから浮かび上がる事件の真相とは?

    ・感想
    この手の地の文がなく資料とか会話、記録のみで展開する作品好き。
    前作のポピー〜も楽しめたから本作も期待してたけど期待通り面白かった!
    からくり、真相や結末もたのしめた。
    登場人物がとても多いので「これは一体誰だったっけ?」ってなるのは仕方ない…。

    意図的に誤魔化して隠蔽している情報と思い込みで修正された記憶が混在し、序盤は混沌としてるけどその暗中模索な感じも楽しい。
    でも、真相のネタバレがいろんな情報を組み上げて判明するという感じじゃなかったのは惜しかった気もする。
    結局シナリオだけ読めば判明した訳だし…。

    最後に読者への呼びかけもあったけど、この真相なら私だったら見なかったことにして隠蔽する!

  • 犯罪ノンフィクション作家のアマンダが過去に起きたカルト教団集団自殺「アルパートンの天使事件」の謎を追う。
    地文はなく、アマンダが集めた証拠や証言、チャットでの会話記録、SNSやニュースの記事など様々な資料をもとに事件を追っていく。
    読んでいて自分もアマンダと共に事件を追体験しているような気分になるのが面白い。
    証言者の食い違いや一緒に事件を追っていた同じく作家のオリヴァーの変貌、次々起こる事件の真相に関わる者の死など目が離せない展開が続く。
    伏線回収は見事!スッキリしたーと思ったら衝撃のラストが待ってました

  •  18年前にロンドン北西部で起きたカルト教団『アルパートンの天使』信者達の集団自殺事件に隠された不都合の真相を一人の女性犯罪ノンフィクション作家が捜査する全編書簡とメールで構成された風変わりな作品で、彼女の取材記録やメールのやり取りで発覚する新事実や虚偽の情報が交錯するなかで訪れた結末は恐ろしく生々しいものだった。

  • メール文やチャット文で構成されているので読みやすいかと思いきや、前半は外濠を埋めるばかりでなかなか核心に近づかず、読むのに難儀した。中ほど過ぎからようやく展開が早まる。

  • 膨大な資料を読むって感じ。小説というよりは、報告書を読んでいる感覚なんだけれど、最終的にはあぁ!なるほどね!となります。登場人物が多すぎるので、正直なところ途中でわけわからなくなる。

  • 面白かった。
    メールやチャット、音声の書き起こし、小説や脚本の一部がまとめられている形式。
    その分、どれが情報として大事なのかわかりにくかったが、最後まで読めば全部必要だったなと感じる。

    途中からほんとにオカルトありきなのか?と疑うようになったので、最後の種明かしが面白かった。しかし、毎朝の電話はもうちょっと伏線欲しかったな。説明が唐突に感じたけど、前フリあったけ?読み落としでるかも。

    真相については、なぜ赤ん坊が必要だったのか?を考えるとしっくりくる。しかし、ストーリーとしてはそこらへんがぼかされていてうまかった。なぜ?よりも赤ん坊は誰?どこへ行ったのか?をアマンダが追っているので、読者もそっちに気をとられる。うまい。

    真相を守るための死人が多い。ガブリエルより悪質では?そこらへんの断罪は感じなかったけど。エリーも結局は口をつぐむことにして、記録だけ残した結論。
    委ねられてもなあって感じ。

  • 凝ってるけど、仕掛けは予想通り。

  • 18年前にカルト教団が起こした「アルパートンの天使」事件。そこでは反キリストとされ殺害されようとした乳児と、それを助けた少年少女が保護された。一方で「天使」たちは一人を残して全員が死亡、事件の全貌は謎に包まれている。渦中の乳児が成人年齢になったであろうことから、この事件を題材に書こうとするノンフィクション作家のアマンダが各所から集めた取材記録で綴られたミステリ。
    前作「ポピーのためにできること」と同じく、今回も多数の取材記録やメール、チャットで物語は綴られていきます。「アルパートンの天使事件」とはどのようなものだったのか、それはその記録の中で徐々に読者に知らされていくのですが。しかしその記録や証言が正しいとも限りません。そしてアマンダとライバルともいえるオリヴァーとの関係にも謎めいたものが……。過去の事件だけでなく現在でも不審な死があり、「真相」に近づくにつれ危険な雰囲気も強まってきます。食い違う証言、時系列の大きな齟齬、それを理解しようとしてスピリチュアルな考えに頼る者が出てきたりするのも何だか怖い。フィクションでありながら、ノンフィクションを読んでいるような不気味な心地になっていくのも魅力の一つです。

  • 評価: ⭐︎⭐︎⭐︎(1回読んで満足)
    ストーリーや登場人物は魅力的でした。ただ、取材記録を通じて物語が展開するため、必要以上に複雑だと感じました。ドラマのような映像の方がこの作品には合っていそうです。

  • CL 2025.6.22-2025.6.26
    前作同様地の文が一切なく、メール、チャット、音声ファイルの文字起こし、小説や脚本の引用で構成されている。
    登場人物が多く混乱するところもあり、700頁超えで読みにくいところもありだけど、カルト教団集団自殺の事件がこんな結末になるとは。

  • 前作のメールの文面もとても好きだったし、今回の取材記録という形もかなり好み。大量のカタカナ名前に初めは混乱しまくり、名前が一致してくると今度は内容が食い違う。
    真相は衝撃だけど、ラストのインパクトが上回る。取り返しのつかないミスに気づいた時のような嫌なドキドキ(とても褒めてる)。前作でも真相を上回る「イヤミス」要素だったけど、その路線が得意なんだろうか。いい方向だと思うので続けてほしい。

  • とにかく冗長。不要な情報が多すぎて、ページの無駄感が。

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