ユリシーズ 1 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (698ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087610048

作品紹介・あらすじ

ダブリン、1904年6月16日。私立学校の臨時教師スティーヴンは、22歳、作家を志している。浜辺を散策した後、新聞社へ。同じ頃、新聞の広告を取る外交員ブルームの一日も始まる。38歳、ユダヤ人。妻モリーの朝食を準備した後、知人の葬儀に参列し、新聞社へ。二人はまだ出会わない。スティーヴンは酒場へ繰り出し、ブルームは広告の資料を調べるため国立図書館へ向かう。時刻は午後1時。

感想・レビュー・書評

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  • 読書会に申し込んでしまったのですが、読み終われない_| ̄|○ので、「読めませんでしたーー」で参加します…。

    ★の数が少ないのは、私が理解していないからです(´・ω・`)
    というか、粗筋を追うのが精一杯だったんだが…、これを「読み終わった」と言っていいのか、私。
    なお、アイルランド島は、1801年1月1日から1922年12月6日までグレートブリテン及びアイルランド連合王国の植民地だった。

    1904年6月16日の、ダブリンの出来事。
    主要人物は、若手教師スティーブン・ディーダラス、中年広告取りのレオポルド・ブルーム、など。
    彼らの一日の行動、思考、街の様子、出会った人々などが書かれる。
    各章の題名はギリシア神話『オデュッセイア』から取られている。
    日本で出ている翻訳は、 高松 雄一 、 丸谷 才一、 永川 玲二の共訳のものと、柳瀬尚紀のものが出ている。柳瀬さん版は御本人のご逝去により全18挿話うち12挿話まで。柳瀬さんは他にもユリシーズエッセイのようなものを書いている。

    まずは集英社全3巻の1巻を借りてみた。
    この集英社版は、各挿話の最初に主要人物やその章の粗筋、ギリシア神話との繋がりが書かれ、本文の下の部分には事細かに訳注や解説が出ている。

    しかしこれでは読書会までに読み終わらない(/-ω-)/と分かったので、この1巻を読んだあとは色々寄り道することにした。
    ということで、こちらの1巻を読んだあとは、柳瀬さん版、柳瀬さんのユリシーズエッセイ、主要人物であるスティーブン・ディーダラスの若い頃を書いた「若き芸術家の肖像」、さらに「ダブリン市民」へと寄り道し、ユリシーズ2巻3巻に戻ろうかなーと思ってます。

    ※※追記※※
    スティーブンの幼少期からユリシーズの数年前までの心の動き「若い芸術家の肖像」
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4087610330

    ユリシーズの写真「ユリシーズのダブリン」
    スティーブンが住んでいる塔も出ています。
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4309202578

    ユリシーズエッセイ「ユリシーズ航海記」
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4309025854
    【第1部】
    『第1挿話 テレマコフ』1904年6月16日
    午前8時。
    挿話の題名は、オデッセウスの息子の名前。
    ❏スティーブン・ディーダラス
     学校を卒業し、数人の仲間たちと塔で暮らしている。作家希望だが今は学校で詩を教える教師。
     この「塔」の写真はこちらに載っていました。軍事施設跡のようですね。
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4309202578

     カトリックへの信仰を失っている。イエズス会派。最近母親を亡くした。父親に対して含む所があるらしい。
     最近母を亡くした。それについて父親に責任があると思っているのかな??自分は母の教え(カトリック?)を叶えられず、母の魂は地獄にはないよね…と心配になっている。
     「ユリシーズ」以前のスティーブンのことは、「若き芸術家の肖像」に書かれているらしい。こちも読まなきゃな。
    ❏バック・マリガン
     スティーブンと塔で共同生活している医学生。明るくスティーブンをおちょくる。たまにスティーブンは本気で怒っている。
     読書会で、マリガンはトレインスポッティングのシック・ボーイだ!という意見がありました。
    ❏ヘインズ 
     バック・マリガンが招いた学生。スティーブンは不信感を持っている?
     読書会で出た話「ヘインズはイギリス人で、アイルランド独立に関しても他人事。つまりアイルランド生まれでイギリス国籍のスティーブンたちからしたら宗主国イギリスのインテリ野郎め!ということかな?」
    ❏”イアーゴー”とは「ヤコブ」のことだと訳注で知った。
    ❏みんなで朝食を食べ、泳ぎに行き、スティーブンは職場の学校へ行く。

    『第2挿話 ネストル』午前10時
    章の題名は、トロイ戦争のギリシア側の高齢の将軍
    ❏スティーブンは、学校で少年たちに詩を教えている。
    ❏学校のディージー校長はユダヤ人嫌いで、スティーブンにユダヤ人や歴史の談義を交わす。
    ❏スティーブンは、ディージー校長に、新聞に論文を載せたいから持っていってほしいと依頼される。
    ❏”ウルスラ”の英語名は「アーシュラ」だったと訳注で知った。

    『第3挿話 プロテウス』午前11時
    ❏スティーブンがダブリンに行く道筋で色々考える。海岸を歩きながら色々考える。
     目の前の人々を見て、なんかこの人はこういう人かな、みたいに想像する。
     自分の母のこと、死んだときのことを思い返す。
    ❏記述が「意識の流れ」のため、とりとめのない思考、実際に見えているもの、そこから考えたこと、実際にやったこと、現在のこと、過去のこと、などが漂い合っているので、スティーブンが「この人〇〇かな」と考えてもそれが正しいわけではない。なんか犬がいたということは読み取れた。

    【第2部】
    『第4挿話 カリュプソ』午前8時(時間が戻った!)
    ❏この「ユリシーズ」は、1904年6月16日のダブリンの出来事であり、そのため6月16日は「ブルームの日」と呼ばれるんだそうな。そのミスター・レオポルド・ブルーム登場。
    ❏ブルームはユダヤ系の中年広告取り。父親を自殺で亡くし、息子はまだ幼い頃に亡くなったらしい。娘のミリーは15歳で親戚の家から仕事に通っているようだ。(15歳で働いているのか?勤労学生?)
    ❏妻モリー(マダム・マリアン・トウィーディー)はソプラノ歌手。ブルームは、妻モリーが浮気するつもりだと思っている。今のお相手は興行師のボイラン。
    ❏ボイランはモリーのコンサートの興行をするんだけど、なんか山師っぽい感じに書かれている??今日モリーを訪ねてくる予定で、ブルームはきっとそこで浮気するんだろうなあと思っていて、妻には夕方まで家を開けるよと告げる。
     ん?浮気相手に家を明け渡すの?
    ❏ブルーム夫妻の食事事情。
    ❏ブルームが出かけるのは、友人のディグナムの葬儀に参列するため。

    『第5挿話 食蓮人たち』午前10時
    ❏ブルームは葬儀に向かうが、あちこち立ち寄ったり、おしゃべりしたりする。
    ❏郵便局で女性からの手紙を受け取る。お互い偽名。妻の浮気を疑ってる割には、自分も女性と文通しているのかーー。
    ❏教会だとか薬局だとか、ダブリン市内をフラフラしながら色々考える。
     自殺した父親のことを思い出したりしている。
    ❏競馬が趣味の友人バンダム・ライアンズに会った。
     その時にブルームが「この新聞もういらないからあげるよ(スローアウェイ)」と言ったのをライアンズは「スローアウェイという競走馬が来るぜ」という情報をもらったと勘違いする。ブルームは新聞に出入りしているから知ってると思ったのかな??
    ❏ブルームは、葬儀参列の前に、薬局に行って石鹸を買って、お風呂屋に行った。
     匂いに関して連想したことだとかが書かれてる。

    『第6挿話 ハデス』午前11時
    ❏ブルームは友人のディグナムの葬儀に参列する。
    ❏スティーブン・ディーダラスの父のサイモン・ディーダラス登場。サイモンは陽気な男。
    ❏二人の乗った馬車が、新聞社に向かうスティーブン・ディーダラスとすれ違った。
    ❏サイモン・ディーダラスは、息子のスティーブンがお調子者パック・マリガンとつるんでいるのが気に入らんらしい。
    ❏ブルームは、サイモンとスティーブン父子を見て、自分の自殺した父のこと、幼く死んだ息子のこと、生きている娘のことなどに思いを巡らせる。
    ❏馬車は、興行師ボイランともすれ違う。
    ❏ダブリンでブルームを見かけた人たちは、ソプラノ歌手で華やで浮き名を流すモリーとブルームって釣り合わないよね、だとか思っているらしい。
    ❏墓地でブルームは「マッキントッシュ(雨外套)の男」を目に留める。

    『第7挿話 アイオロス』正午
    ❏ブルームとスティーブンが、それぞれ新聞社に行く。
     ブルームは広告取りの仕事。スティーブンはディージー校長の原稿を届けに来た。
     この二人どういう知り合いだっけ??新聞社内で出会ったんだか出会ってないんだかよくわからない。
    ❏ブルームは、ここで会った人たちといろんな論議を交わす。そのあと酒場に行って論議の続き。
    ❏議論の相手に「JJオモロイ」という弁護士がいて、名前が印象的だった。
    ❏議論の相手にレハネンというスポーツジャーナリスト。競馬の予想もしている。
     競馬の話があちこちで出てくるな。

    『第8挿話 ライストリュゴネス族』午後1時
    ❏ブルームは新聞社から図書館に向かう。ダブリンを歩いているときの意識の流れ。
    ❏知り合いの女性ミセス・ブリーンと立ち話。彼女の旦那が中傷の手紙にムキになってるとか、共通の知り合いであるミセス・マイナ・ビュアフォイ女性が3日感の難産で入院中とか。
     ブルームは、ミセス・ピュアフォイの難産話から、肉体とかのことなどを考える…、だが女の私としては3日の難産!と言われたら「うへえええ」な気持ちしか起きない(´・ω・`) …。

    『第9挿話 スキュレとカリュブディス』午後2時
    ❏ブルームが向かっている図書館には、スティーブンがいた。文学者たちが図書館に行くと聞いて、シェイクスピア論議をするために自分も来たらしい。
    ❏「ハムレット」の物語とシェイクスピア人生の共通点について。豆知識的に「へーーーー」な話がたくさん出てた。
    ❏スティーブンの同居人バック・マリガンが茶々入れる。スティーブンとバック・マリガンって仲良いの悪いの?
    ❏スティーブンと入れ違いに、ブルームが図書館に入る。

    『第10挿話 さまよう岩々』午後3時
    19の断片により、ダブリン市内の通りと市民たちの様子が書かれる(解説より)
    ❏イエズス会士ジョン・コンミー師:スティーブンが少尉年時代に通っていた学校の神父校長先生。司祭館から、所用周りする途中で街の人達とお喋りしたり、施ししたり、これまでのことやこれからについて考えたりする。意識の流れという手法だが<ドン・ジョン・コンミーは過ぎし時代を歩き回った。P380>となっている。
    ❏コーニー・ケラハー:葬儀屋の支配人。警官と「面白い話はあるか?」「ゆうべ、例のやつを見かけました」なんて話をしている。警察の情報屋??
    ❏一本足の水兵:コンミー師から施されたりしながら街を歩いている。
    ❏ディリー、ケイティ、ブーディ、マギーのディーダラス姉妹:スティーブンの妹たち。経済的には窮しているのか??ディーダラス家のことは「若き芸術家の肖像」読まないとわからなさそうだな。みんなで料理を作ったり、ディリーが父親に教科書代をねだるためにでかけたりしている。
    ❏興行師ボイラン:果物屋で買い物しながら店番娘を口説いたり。
    ❏オニール:ブルームが参列したディグナムの葬儀の葬儀屋
    ❏アルミダーノ・アルティフォーニ:音楽教師。スティーブンの教師?スティーブンとの会話。
    ❏ミス・ダン:興行師ボイランの秘書。本を読んで考えたり、電話の取次をしたり。
    ❏ネッド・ランバート:穀物商。親戚は大臣。聖マリア修道院で聖職者との会議??弁護士のJJオモロイと会話。
    ❏トム・ロッチフォード:馬券売り。発明好き。スポーツジャーナリストのレハネンと会話する。どうやらマンホールの底に落ちた作業員を助けたことで”英雄”と言われているらしい。
    ❏レハネン:競馬の予想したり、情報集めながら街を歩く。レオポルド・ブルームを見かける。ブルームは安売り好きだとか、方向性の違うロマンチストみたいに揶揄されている。だがレハネンはブルームを「教養のある万能人間で、芸術家の風情がある」と言う。
    ❏レオポルド・ブルーム:本屋で本を見ながら色々考えたりご主人と会話。このあたりの記載は妙に生々しいというか生臭い感じ。
    ❏ミスタ・カーナン:紅茶商人。酒のことを話す。紅茶は人の心を浮き立たせるが酔わせない、ジンは内蔵を温める。内蔵という言葉から、かつて処刑された反乱者の内蔵の処理のことを思い出す。
    ❏スティーブン・ディーダラス:店のウィンドウを見ながら色々想像したり、妹のディリーと出会ったり。
    ❏サイモン・ディーダラス:カウリー神父や、知り合いたちと立ち話。
    ❏マーティン・カニンガム:裁判所の役人。死んだディグナムの遺児への権利の担当??
    ❏バック・マリガンとヘインズ:茶を飲みながらお喋り?

  • プルーストの『失われた時を求めて』と並ぶ20世紀文学の金字塔だが、難解さはこちらの方が圧倒的に上。何せ本編のページ数に対して脚注がその1/3頁もあるという異常な構成が4巻も続き、その上言葉遊びや語呂合わせ、"ジョイス語"とも呼ばれる翻訳泣かせの技法が縦横無尽に繰り広げられるのだから。プルーストが描いた意識の流れが1点から徐々に拡散していく、紅茶に浸透するミルクの様なものに対して、ジョイスの描くそれは個々の単語が語源や発音から派生し、無数の文脈を同時多発的に発生させる電子回路の様相を帯びている。偉業にして異形。

  • 知的興奮に満ちた作品。

    言葉やしぐさにさまざまな意味が隠されている。
    モダンアートにも似た興奮がある。
    読んでいて、自分の知識や教養の浅さを感じる。それはそれで良いだろう。例えば、名画と言われるものを前にして、その素晴らしさを感じる。それだけでも十分な体験になる。
    もちろんその名画を読み解くことができればより充実した体験になるだろうが、まずは名画の前に立つという経験が必要だ。
    そういう意味で、このユリシーズは素晴らしい体験を与えてくれる本だ。

    最近のエンターテイメントではないが、何とも言えないスリリングな展開だ。日常生活を、こんなにスリリングに描写できる作家がいるとは驚きだ。

    様々な言葉が入り乱れており、わかりにくい。1種の映画的な視覚効果を生んでいる。
    どうしてこんなことができるんだろうか。ジェームスジョイスの腕もあるし、翻訳のうまさもあるのだろう。文章としてのかっこよさがある。
    古典文学を読む価値を感じる。

    ギリシャ神話との対比、もしくは関連についてはあまり気にしないで読んでいる。照合を始めると、読み進められなくなりそうだからだ。訳注も付いているが読んでいない。文章を読む流れを止めたくない。もちろん、訳註を読みながら理解をして進めていくのも良いだろうが、それだとスピードが死んでしまう。
    フィネガンズ・ウェイクで挫折したことがあるので、ユリシーズはとにかく一通り読んでしまいたい。神話とのつながりがわからなくても充分面白い。

    意味のない言葉を羅列しているだけだったら、ユリシーズがこの時代まで、現代まで、生き残ると思えない。生き残っているから素晴らしいと言うわけではないが、何かしらの理由があるはずだ。古典文学と言うものはなぜ現代まで残っているのか。それはそれで1つの疑問ではある。

    自分のような知識の浅い人間にとって、ジョイスを深く理解すると言うのは無理な話で、そこはもう切り捨てて、とにかく読んでみる。そこが大切なところだ。

    正直難解だ、ただし、読む価値があると感じる。読んでいて面白い。今の文学はこういった知的な面白さを与えてくれるものはない。どこか表面的で、ストーリーを追っているだけになっている。その違いがどこに生まれるのかはわからない。血の通った文章とでも言うのだろうか、そういった文章に出会うことが少ない。

    この本は面白い。
    世界が果てしなく広がっている感じがする。
    文章にユーモアがある。この小説は、ユーモアを楽しむのが良いのかもしれない。何しろこの小説に含まれている神話との対応についてはよくわからないのだから。

  • 花男ことブルームはちょっと残念な性癖の持ち主である。あらぬ妄想で頭を一杯にしながらダブリンの街を徘徊する。「ユリシーズ」はオデュッセウスの英語読みでホメロスの『オデュッセウス』をベースにアイルランドの歴史、文化、実在した人物、文学、カトリック、プロテスタント、ギリシア・ローマの文化などなどで肉付けした物語。プルーストと並ぶ20世紀を代表する文学で「無意識的記憶」に対して「妄想の澱み」という感じ。単語から次々と連想が生まれ、会話も韻を踏んだり、懸詞が多様されており、源氏物語や好色一代男とオーバーラップする。

    登場人物が多くて、ミスター・ブルームとスティーブン・ディーダラス(『若き芸術家の肖像』の主人公でジョイスの分身)以外は記号のような感じなのでなかなか頭に入らない。巻末の人名一覧で探しつつ、本文を読み、訳注を読むのでなかなか大変だった。じつはたいしたストーリーではないがとにかく先を読みたくなる「読ませる力」は『百年の孤独』と同じでさすが20世紀の古典という感じだ。とにかく先が読みたい。

    『ダブリンの人々』や『若き芸術家の肖像』に登場する人物が出てくるがほとんど覚えてなかった!シェイクスピアを引用してもじってある部分もほとんど覚えてなかったり…。『神曲』や聖書も同じく。

  • James Joyce(1882-) ダブリンで生まれる

    <ダブリン期:1882-1902>

    父親は酒好きで陽気な機知に富む人で、母は10歳年下で音楽好きの美人だった。父は財産を持っており、ジョイスは6歳にしてイエズス会の名門に入学。ジョイスはスポーツも万能だった。父の失業により学校を辞めなければならない時期もあったが、とりわけ作文の成績が良かった。16歳までに夥しい数の読書に耽り、イプセンに傾倒し始める。この頃というとアイルランド文芸復興運動が盛んだったが、ジョイスはそれらを無視して作品を作ることに専念していた

    <ダブリン脱出期:1902-04>

    ダブリンを出たいという思いからか、パリの医大を目指すようになる。また、6月10日にのちの妻となるノーラ・バークナルと出会いを果たし、16日に初めての逢引きをする。これは『ユリシーズ』において重要な日付となる。

    そして1904年10月にノーラを伴ってダブリンを脱出する。もちろん心がダブリンから離れることは決してない。

    <『ダブリンの市民』『若い芸術家の肖像』の時代:1904-14>

    2人はチューリッヒに到着。この間ジョイスの心にはアイルランドへの郷愁があった。そして『ダブリンの市民』執筆の動機となった。

    <『ユリシーズ』の時代:1914-22>

    ダブリンを出て10年経ってようやく世間が彼の腕を評価し始める。ジョイス一家の暮らしは楽ではなかった。いろいろな人からの資金援助があったが、特にハリエット・ショー・ウィーバーの援助が一家を助けてくれていた。ジョイスの本当の恩人である。『ユリシーズ』の執筆はこの時期にしており、『ユリシーズ』は賛否両論だった。T.S.エリオットは褒め称えたし、V.ウルフは敵対した。

    <晩年:1939-41>

    戦争が始まると一家はチューリッヒに逃げた。到着して間もなく、胃痙攣で彼は倒れて亡くなった

    <ジョイスの作風>
    どんな不潔な題でも平然と書き上げた。人間の排泄行為、セックスなど当時の人が「汚い」と思うものも多く、多くの国で発禁処分を受けたりした。『ユリシーズ』は「神話の下敷きがある神話的手法によって描かれている」とエリオットは指摘して褒めている。

    代表作:『ユリシーズ』『ダブリンの市民たち』『フィネガンの通夜』

  • 3.45/740
    内容(「BOOK」データベースより)
    『ダブリン、1904年6月16日。私立学校の臨時教師スティーヴンは、22歳、作家を志している。浜辺を散策した後、新聞社へ。同じ頃、新聞の広告を取る外交員ブルームの一日も始まる。38歳、ユダヤ人。妻モリーの朝食を準備した後、知人の葬儀に参列し、新聞社へ。二人はまだ出会わない。スティーヴンは酒場へ繰り出し、ブルームは広告の資料を調べるため国立図書館へ向かう。時刻は午後1時。』


    原書名:『Ulysses』
    著者:ジェイムズ・ジョイス(James Joyce)
    訳者:高松 雄一, 丸谷 才一, 永川 玲二
    出版社 : ‎集英社
    文庫 ‏: ‎698ページ(第一巻) 全四巻


    メモ:
    ・20世紀の小説ベスト100(Modern Library )『100 Best Novels - Modern Library』
    ・20世紀の100冊(Le Monde)「Le Monde's 100 Books of the Century」
    ・英語で書かれた小説ベスト100(The Guardian)「the 100 best novels written in english」
    ・死ぬまでに読むべき小説1000冊(The Guardian)「Guardian's 1000 novels everyone must read」
    ・世界文学ベスト100冊(Norwegian Book Clubs)

  • 面白い、けれど前知識がなさすぎて訳注見ても未読の作品ばかりで無知低脳が惜しまれる。これはあらゆる名作を読んだあとに読むべきだったなぁと後悔しつつ、話の展開が気になるので読み進めます。
    バック(色男)マガリンと塔に住むスティーヴンは彼の皮肉な態度に傷つき帰らぬ決意をする。
    ミスタ・ブルームはユダヤ系ハンガリー人。ソプラノ歌手の妻のモリーの次の公演をお膳立てした男と不貞を働くと思いながら家に帰らない。
    19世紀、20世紀のアイルランドの書物だとしたら猥褻とられるだろう内容。聖書や教会も皮肉っているので余計。それが面白いんだけど。アイルランド人だったらとは言わないまでも、イギリス人だったら、せめて欧米人であったらどんなにか楽しめたろうなあ。いやあ翻訳の苦労が偲ばれます。こんだけ言語や文化に依存して遊んでる作品なかろう。ありがたいことだ。

  • 「今自分がどこにいるのか分からない」
    「知覚の知覚を疑う」
    そういう体験をするために人は読むのではないか、とさえ感じられる。

    人間の様態なんて大したことはないのだろうけれど、それでも一つの個体が一つの個体として息をして暮らすということの自明性に影を落とすような…そんなことも思ったり。

    ってちょっと待って!この本について「読む」という言表が正しいのかどうか?


    2巻以降については読むかどうか分かりません。気が向いたら…

  • この本を持っていることを思い出すだけで鬱になれる。

  • 四苦八苦して読んでいたけれど、途中から、感覚がわかってきて、楽しく読む。

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著者プロフィール

1882年アイルランド生まれ。20世紀最高の小説家の一人。意識の流れ、神話、パロディ、造語といった小説技巧を駆使して、ダブリンの人々を描いた。本書のほか『フィネガンズ・ウェイク』『ダブリナーズ』など。

「2016年 『ユリシーズ1-12』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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