ユリシーズ 2 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

  • 集英社
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本棚登録 : 332
感想 : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (738ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087610055

作品紹介・あらすじ

国立図書館の一室で、スティーヴンは、文学者たちを相手に『ハムレット』論を展開する。一方、ブルームは食事をとりながら、モリーの情事を想像して苦悩する。酒場で、ユダヤ人嫌いの「市民」と口論した後、朝スティーヴンが歩いた浜辺にやってきたブルームは、若い娘ガーティの下着に欲情し、モリー、娘ミリーについて、思いをめぐらす。時刻は、午後9時になろうとしている。

感想・レビュー・書評

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  • 難解にして愉快な小説。
    映像的な印象だ。
    人によって登場人物の評価が変わる。

    ガーティ・マクダウエルが登場。美人だそうだが、語り手は信用できない。
    ここではブルームは非常に魅力のある中年男性として描かれており、酒場での評価と正反対だ。酒場では、ブルームは悪党として描かれている。

    様々な表現が繰り広げられる。この知識の量がすごい。作家であるジョイスの語彙力もそうだが、作中の人物であるブルームの語彙力も相当なものだ。ここには何らかのキーワードが含まれているんだろうか。自分にはよくわからない。

    古文調の文章が延々とつづくところもあり、非常に難しい。これがだんだん現代の表現に変わっていく。これは時の流れを示しているのかもしれない。

    ジョイスのユーモアのセンスがすごい。
    歪んだユーモアだ。

  • ジョイスは己の文体を自由自在に変化させる超絶技巧を駆使しつつ、20世紀のダブリンに紀元前の神話オデュッセウスを再構築する。10年にも及ぶ物語を1904年6月16日の18時間に圧縮され、冒険譚の世界は平凡な日常に矮小化される。英雄オデュッセイアの魂はダブリン市内を徘徊し妻の浮気に心悩ます中年オヤジ・ブルームに憑依し、かくして神話の興奮は現代の悲哀と倦怠に置き換えられた。それにしても音楽のピリオドに合わせては屁を捻り、見知らぬ女性のスカートの中に興奮しては野外オナニーをかますブルームさん、相当ゲスいです。

  • 文庫に切り替え。とたんにフィネガン的に難解になる。各章にサマリーがあって、この版は親切でよいです。

  • なんとか読み終わった。
    よく解らないところは飛ばしている。
    あまり好きではない箇所もありつつ、とりあえず読破を目指す。
    でもなんとか読めているのはそれだけ魅力があるのか?
    ダブリンを舞台にした群像劇?
    スティーブンやブルームが当人だけじゃなく他の人の目線からも語られるから、人の多面性が見える。

  • James Joyce(1882-) ダブリンで生まれる

    <ダブリン期:1882-1902>

    父親は酒好きで陽気な機知に富む人で、母は10歳年下で音楽好きの美人だった。父は財産を持っており、ジョイスは6歳にしてイエズス会の名門に入学。ジョイスはスポーツも万能だった。父の失業により学校を辞めなければならない時期もあったが、とりわけ作文の成績が良かった。16歳までに夥しい数の読書に耽り、イプセンに傾倒し始める。この頃というとアイルランド文芸復興運動が盛んだったが、ジョイスはそれらを無視して作品を作ることに専念していた

    <ダブリン脱出期:1902-04>

    ダブリンを出たいという思いからか、パリの医大を目指すようになる。また、6月10日にのちの妻となるノーラ・バークナルと出会いを果たし、16日に初めての逢引きをする。これは『ユリシーズ』において重要な日付となる。

    そして1904年10月にノーラを伴ってダブリンを脱出する。もちろん心がダブリンから離れることは決してない。

    <『ダブリンの市民』『若い芸術家の肖像』の時代:1904-14>

    2人はチューリッヒに到着。この間ジョイスの心にはアイルランドへの郷愁があった。そして『ダブリンの市民』執筆の動機となった。

    <『ユリシーズ』の時代:1914-22>

    ダブリンを出て10年経ってようやく世間が彼の腕を評価し始める。ジョイス一家の暮らしは楽ではなかった。いろいろな人からの資金援助があったが、特にハリエット・ショー・ウィーバーの援助が一家を助けてくれていた。ジョイスの本当の恩人である。『ユリシーズ』の執筆はこの時期にしており、『ユリシーズ』は賛否両論だった。T.S.エリオットは褒め称えたし、V.ウルフは敵対した。

    <晩年:1939-41>

    戦争が始まると一家はチューリッヒに逃げた。到着して間もなく、胃痙攣で彼は倒れて亡くなった

    <ジョイスの作風>
    どんな不潔な題でも平然と書き上げた。人間の排泄行為、セックスなど当時の人が「汚い」と思うものも多く、多くの国で発禁処分を受けたりした。『ユリシーズ』は「神話の下敷きがある神話的手法によって描かれている」とエリオットは指摘して褒めている。

    代表作:『ユリシーズ』『ダブリンの市民たち』『フィネガンの通夜』

  • 多声でもあるが、多層の声が出てくるのが難解さの一因か。また、意識の流れが「一貫」していているというのは、虚構なのか。

    俗悪。美しい表現すらも俗悪を描くためと思われてならない。

    ダブリンの雰囲気は存分に出ている。

    ナウシカアの章は、オデッセウスとの対応が分かりやすかった。

  • 訳:丸谷才一・永川玲二・高松雄一、解説:永川玲二、エッセイ:三浦雅士、原書名:Ulysses(Joyce,James)

  • キュクロプスの、「おれ」が様々なパロディ調で語るの面白すぎ。
    そしてナウシカア、これ、すげーな、外でオナニーは叩かれるだろ‥‥オデュッセイアってそんな物語なのかな?本当に、もとを読む前に読み出してしまったのが悔やまれる。

  • 12 キュクロプスが非常に読みにくかった。この良さがわかる日が来るのか?

  • 教会のお知らせや新聞記事、議会の議事録や女性誌の文体をまねたり、歌の場面では曲っぽくするとか作者のお遊び要素がいっぱい。

    禿山になる→植林しないと→木々の結婚式。招待されたのは日本語で言ったら松子さん、梅子さん... って中学生ですか。
    アイルランドの偉大さを語る「市民」が、起源捏造の南鮮人に見えたのはちょっと笑えた(アイルランドの方はちゃんとした歴史があるけれど)。

    美少女も登場。

    相変わらず各章のあらすじ解説がないと辛い。

    解説でアイルランドとスペインの関係が説明されていて興味深かった。

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著者プロフィール

1882年アイルランド生まれ。20世紀最高の小説家の一人。意識の流れ、神話、パロディ、造語といった小説技巧を駆使して、ダブリンの人々を描いた。本書のほか『フィネガンズ・ウェイク』『ダブリナーズ』など。

「2016年 『ユリシーズ1-12』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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