失われた時を求めて 5 第三篇 ゲルマントの方 1 (集英社文庫 ヘリテージシリーズ P 1-5)
- 集英社 (2006年8月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (736ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087610246
作品紹介・あらすじ
語り手の家族は、パリのゲルマント家の館の一角に引越し、「ゲルマントの方」の扉が徐々に開かれる。ラ・ベルマの演ずる『フェードル』観劇のさいに、ゲルマント公爵夫人を見かけた語り手は、プラトニックな愛情を抱くようになり、夫人に近づくため、同じ一族のサン=ルーを訪ねる。やがてヴィルパリジ夫人のサロンでゲルマント公爵夫人を見かけるが、現実の夫人には、彼女の名前を通して思い描いていた神秘的なものを見出すことができない。
感想・レビュー・書評
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「私」の一家がゲルマント邸内のアパルトマンに引っ越したために、「私」の生活や意識も一気に「ゲルマントの方」に向う。前の巻では中心的に語られていたアルベルチーヌは姿を消し、物語はもっぱら社交界を舞台に展開する。この辺りまで来ると、底流には祖母の問題、そして表層にはロベールとラシェルの問題など様々なものが錯綜してくるようだ。また、当時の社交界の話題の中心はドレフュス事件だったようだが、少数の例外を除いては、ブルジョワや貴族階級の間では反動と反ユダヤ主義が主流をなしており、フランスにおけるこの問題も根が深い。
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2.9
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退屈と思ったが、この辺は、退屈ということで良いらしい。とりあえず我慢して読む。
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家柄、教養など、現代人が忘れてしまった社交界をサバイブするために必要なことがたくさん詰め込まれているような気がした。何かと批判されることが多い飲み会も、サロンの変形したものと考えれば不必要なものでもないのかと思わされた。ラ・ベルマやゲルマント夫人に対する感動、幻滅などは、現代人が有名人に対して持つような印象と何ら変わることがないように思われる。スノビズムなんていうものも、SNSの延長だと考えれば、それほど現代人の感性とかけ離れているようには思われなかった。
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エッセイでベタ褒めされている程はこの物語にのめり込めないので私には読むのが早すぎたのかな‥‥という感想。
同性愛的要素がだんだん明らかになっていくというこれからの展開に期待している腐女子ですが、これまでのサン=ルーによる主人公への行き過ぎみたいに見える親愛?友愛?もすでに萌えます。このおかげで読めるホモ偉大や‥‥ -
いよいよゲルマント一族との絡みが多くなる。
特にゲルマント公爵夫人のサロンに行きたくて仕方ない主人公の策略が微笑ましい。 -
ブルジョワたちだけでなく、貴族たちもスノブだった。
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凡例
はじめに
Ⅰ
訳注
主な情景の索引
系図―ゲルマント一族の人びと
本巻の主な登場人物
エッセイ ゲルマントという主題 鈴村和成
(目次より) -
読みかけ。微妙。もうお付き合いできないかもしれない。