失われた時を求めて 6 第三篇 ゲルマントの方 2 (集英社文庫 ヘリテージシリーズ P 1-6)

  • 集英社
3.80
  • (9)
  • (6)
  • (7)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 99
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (712ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087610253

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2.9

  •  ゲルマント公爵夫人のサロンでの記述が冗長に思われる。この部分は社交界の不毛さを表現しているためか、語り手も言っているようにかなり退屈な部分である。ここで読書を投げ出す人が多いかもしれない。

  • あんなに感じやすい主人公を愛し行動を共にしていた祖母の死を悼む心理描写がなくてさっさとゲルマント公爵夫妻の開くサロンへと舞台が移ってしまい納得いかない気になる。
    憧れのサロンへと入ってみればもう醜悪な会話ばかり延々書かれていてお腹いっぱい。それを突き放した視点から描かれているのは面白かった。
    シャルリュス氏の奇妙に失礼な態度、それに対する主人公のキレ方も面白かったし、2人が今後どうなるのかも伏線としてわくわくさせられます。

    エッセイの「わが友ブロック」はフランス(ヨーロッパ)におけるユダヤ人を日本における朝鮮人に置き換えその偏見を提起するドキッとさせられるものだった。西洋のお話、ではなくこう変換されると我々にも迫ってくる厳しい問題提起に感じます。

  • 「私」はとうとう、当時の社交の中核ともいうべきフォーブール・サン=ジェルマンに出入りするようになる。社交界の話題は、政治、文学や美術をはじめとした芸術全般に及ぶが、なんといっても話題の中心になるのは家系である。ブルジョワ階級の「私」はそのことに疎外感を感じているが、今日的な眼からは、それはあまりにも皮相で馬鹿馬鹿しいものに見える。しかも、そこで重んじられるのは知性よりも才気(エスプリ)なのだ。この世界を「書く」プルーストの執拗さは、彼自身の煩悶にも見えるし、また社交界の凋落寸前の一瞬の煌きにも見える。

  • 凡例
    はじめに

     第1章
     第2章
    訳注
    主な情景の索引
    本巻の主な登場人物
    エッセイ わが友ブロック 四方田犬彦
    (目次より)

全5件中 1 - 5件を表示

マルセル・プルーストの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×