世界99 下

  • 集英社 (2025年3月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784087700015

作品紹介・あらすじ

私たち、ピョコルンに、全部捨てられるようになりましたよね。
性欲を。出産を。育児を。介護を。人生の時間を食いつぶす、あらゆる雑務を。

14年前、「リセット」を経験した人類は混乱の最中にあった。
しかしラロロリン人の考えた「人間リサイクルシステム」がうまく機能し、やがて社会は再生を迎える。
そして49歳になった空子は「クリーンな人」として、美しく優しい世界を生きている。生まれ育った街「クリーン・タウン」の実家に戻り、同級生の白藤遥とその娘・波とともに。
ようやく訪れた穏やかな社会の中心には、さらなる変貌を遂げたピョコルンがいた。

村田沙耶香渾身の大長編、ここに完結。
都合の良い「道具」・ピョコルンを生み出した果てに、人類が到った極地とは――。

【著者略歴】
村田沙耶香(むらた・さやか)
1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年「コンビニ人間」で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』などがある。

みんなの感想まとめ

この作品は、独特なSF的設定を通じて、現代社会の価値観や人間関係の複雑さを描いています。主人公の空子は、49歳になり、同級生たちとの生活を通じて、自身の人生を振り返りながら新たな選択を迫られます。物語...

感想・レビュー・書評

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  • ようこそ、ハッピー・バッド・エンディングへ。

    全編通して村田沙耶香さんの「脳みその中身」がギッチギチ。
    刺激が強い。ハードでスパルタな読書だった。
    これをノーダメージで読める人はいるのだろうか?


    物語的には、下巻は上巻よりもスイングしなかった印象だ。

    感情のない人間ロボット。空虚こそが本質。如月空子の人生の行く末は?
    空子というフィルターを通して見る世界は、なかなかの〇〇だった。
    愛なき世界。
    あるのは、搾取するかされるか。利用するかされるか。

    途中までは細かいことを色々と考えながら読んでいた。
    リセットによる価値観一変って、COVID-19、3.11原発事故、太平洋戦争の敗戦とかだよなぁ、とか。
    あと暗喩としてのピョコルン、ラロロリン的存在は何かとか。
    しかし、私なんぞに村田さんを理解し切ることなど到底不可能でした。

    そして、村田さんの言いたいことは結局コレだと(自分なりに)解釈したあと、細かいことはどうでも良くなった。
    それは、女性からの、この世へのルサンチマン。女性を縛り付けるすべてに対する恨み。

    SF的設定、社会批判、最後まで意味不明な事象などの大量の煙幕により何度も見失いそうになったが、私はそう捉えた。
    これはあくまでも私の解釈であり、人によって受け取り方はかなり違うと思う。というか、違っていて欲しい。


    下巻は読むのにさらなるパワーが必要だった。
    空子の人生の選択とこのエンディング。〇でしか解放されないのは、哀しすぎた。
    しかも救われても、いない。

    ようこそ、ハッピー・バッド・エンディングへ。

    • shintak5555さん
      沙耶香教の信者なので、どんな世界を披露してくれるのか楽しみで楽しみで仕方ないです!
      新作としてリリースされたタイミングで予約リミッター状態...
      沙耶香教の信者なので、どんな世界を披露してくれるのか楽しみで楽しみで仕方ないです!
      新作としてリリースされたタイミングで予約リミッター状態だったので、待ちが長くなってしまってムズムズしています!
      2025/06/15
    • Tomoyukiさん
      かなさん
      ピョコルンとラロロリンは最後まで理解不能でした笑
      かなさんも読了お疲れ様でした
      村田さんの長編は破壊力ありますね〜
      かなさん
      ピョコルンとラロロリンは最後まで理解不能でした笑
      かなさんも読了お疲れ様でした
      村田さんの長編は破壊力ありますね〜
      2025/06/15
    • Tomoyukiさん
      shintak5555さん
      村田さんファンなら満足できると思います
      私はあまり耐性がなかったようで、村田酔いしました笑
      shintak5555さん
      村田さんファンなら満足できると思います
      私はあまり耐性がなかったようで、村田酔いしました笑
      2025/06/15
  •  感想の結論から書くと、自分の物の見方が揺らぐ経験を得られて良かった、となります。
     また、本作全体を把握して感じたことは、世界99のことを描いた作品であることはもちろんですが、(当たり前のことかもしれませんが)主人公 如月空子の人生を綴った作品でもあったなぁ、ということでした。
     皆様が、もし世界99に生きなければならないとしたら、どんな人生を選択したいと思うか、が気になりました。

     ではまず下巻について書く前に、おさらいとして「ピョコルン」と「ラロロリン人」について書きますね。

     「ピョコルン」は、ふわふわとした毛でおおわれた、羊をもっともこもこにした大きな綿毛のような「生き物」で、当初は動物園でしか見られませんでしたが、しだいにペットとなり裕福な家庭で飼われるようになりました。そして人間生活にかかわる諸機能を持つように改良されていきます。毛の色は薄青色や白、茶色がかった色などがあり、見た目の美しさによって大きく価格が異なり、数十万円から一千万円台、さらにその上といった価格で売買されます。

     「ラロロリン人」とは、ある特異なDNAを持つ人のことで、ラロロリンキャリアとも言われます。血統ではなく、突発的に生まれます。検査をすることにより分かります。ラロロリン人は優秀であるとされ、就職・就業に優遇されることにより経済的・社会的に高い地位になる人が多いです。

     そして、物語の主人公は、如月空子(きさらぎ そらこ)さんです。

     下巻の物語の冒頭 第三章では、空子さんは49歳になって登場します。
     上巻末の或る出来事以降、世界は再構築され、10%ぐらいの「恵まれた人」、80%ぐらいの「クリーンな人」、10%ぐらいの「かわいそうな人」で構成される世界となっていました。そして「怒り」や「憎しみ」といった「汚い感情」を持つことは恥ずかしいことだとされていました。

     物語は49歳の空子さんの生活と世界99を描いて進みますが、ある日、ラロロリン人女性の提案(依頼)を受け、空子さんがある決断をしてから物語の結末に向かってカウントダウンをするかのように話のタッチが変わります。
     そして、決断したことが行われる日がだんだん近づいていくのです。。。


    以下、感想の続きです。
     この物語の架空世界には、「社会的分断」「コンプライアンス」「性的搾取」「ジェンダーギャップ」「世代間ギャップ」「各国間格差」などといった現代社会を(デフォルメして)暗示するような設定が出てきて、陽炎の向こう側にユラユラと曲がった現実を見ているような落ち着かない気持ちにさせられました。

     わたしにとっては、本文中の以下の表現が印象的でした。
    「世界は粒子だと思う。いつのまにか吸い込んで、身体の一部になっている。」

     暗示していると思われる各テーマの何を主眼として読むか、「ピョコルン」や「ラロロリン人」の存在は現代社会でなぞらえるとしたら何に当たると考えるか、など幅のある読み方ができそうな作品で、読み方によって異なる解釈が成り立つようにも思いました。皆様なら、どうお読みになるでしょうか?

     分量も質も重たい作品ですが、ぜひご一読いただけましたら、レビューを共有したいと願っています♡


    蛇足
     村田紗耶香さんの作品は翻訳されて、諸外国でも多く読まれているそうです。この物語も翻訳されて各国で出版されることでしょう。長編であることもあり、かなりの衝撃を以って受け入れられるのではないでしょうか。現代社会を揶揄し、世界観を根幹から揺るがされるような作品だと思いますので。。
     村田沙耶香さんが、今後も独自の作品を発表し続けて、その翻訳が世界中に波及したら、、、もしかするといずれはノーベル文学賞受賞ということも。。。?


    〔下巻目次〕
    第三章
    49歳
    *
    *
    *
    *
    40歳
    49歳
    *
    *
    50歳
    *
    *
    *
    *
    第四章
    89歳

    • 2025/09/16
    • モンブランさん

      初めまして。

      「いいね」ありがとうございます。

      彼女の小説は初めて読みました。架空のストーリーだけど、読み進めて行くうちに、現実的に起...

      初めまして。

      「いいね」ありがとうございます。

      彼女の小説は初めて読みました。架空のストーリーだけど、読み進めて行くうちに、現実的に起こり得る私たちの未来の姿じゃないか…と思い、少し怖くなりました。
      2025/09/28
    • みのりんさん
      モンブランさん、初めまして。
       コメントありがとうございます。
       はい、わたしも怖くなりました。
      モンブランさん、初めまして。
       コメントありがとうございます。
       はい、わたしも怖くなりました。
      2025/09/28
  • 上巻の終わり方からして、下巻はラロロリン人殺戮の巻になるかと思っていたら全然そんなことはなく、引き続き気持ち悪い価値観だけど落ち着いてきた世界が描かれる

    上下巻通して主人公の空子は、わたしは他人に合わせて生きているから自分自身は空っぽなの、とよく言ってた

    でも、「色即是空 空即是色」を考えれば、空(すっからかん)=色(ぎゅうぎゅう)だから、他人に合わせることで自分の色んな面を出せていた空子は、自分らしく充実して生きていたと言うこともできる

    変化する世界の中でも固定化された"正しさ"を貫いている白藤さんは、自分らしく生きているように見えるかもしれないけど、生き苦しそう

    本当の自分なんてひとつじゃなくて360度の球体くらい色んな面があるものだと思うから、それを体現している丸っこそうなピョコルン(人間リサイクル生命体)に、空子は最後なったのかもしれない

    参考図書:平野啓一郎著『私とは何か――「個人」から「分人」へ』

    Judging from how the first volume ended, I had expected the second volume to revolve around a massacre against the Larororin people, but that never happened. Instead, it continues to depict a world with disturbing values, though one that has settled into a calmer rhythm.

    Throughout both volumes, the protagonist Sorako often said, "I live by adapting to others, so inside, I am empty."

    However, if we think of the phrase "Form is emptiness, emptiness is form," emptiness (a complete void) equals form (a fullness bursting with life). By adapting to others and revealing different sides of herself, Sorako was, in her own way, living fully and authentically.

    Shirafuji-san, who stubbornly clings to a fixed notion of "rightness" even in a changing world, may appear to be living true to herself, but surely such a life is fraught with hardship.

    True selfhood is not a singular entity; rather, like a sphere with 360 degrees, it has many facets. Perhaps that is why, in the end, Sorako became Pyokorun—the soft, rounded human-recycle life form embodying this multiplicity.

    • ゆうこさん
      びびりーさん、おはようございます!

      昨日の私はまたもや母ルン状態でした(笑)
      パートの遅番から帰ったら、「どこ行っとったん?」と夫に訊かれ...
      びびりーさん、おはようございます!

      昨日の私はまたもや母ルン状態でした(笑)
      パートの遅番から帰ったら、「どこ行っとったん?」と夫に訊かれたので、「仕事や!」と世界②で返事をしてやりました。

      びびりーさんの感想は英語でも書かれているので、かつて英語を勉強していた私にとってめちゃくちゃ刺激になります。
      本ももっと読みたいし、英語も勉強したい…。
      早く母ルンを卒業できるよう頑張ります。
      2025/10/05
    • びびりーさん
      ゆうこさん、おはようございます(^^)

      母るんと世界②続いてますね!
      今度、わたしは母るんかっ!?と突っ込んで夫さんを"???"にしてみて...
      ゆうこさん、おはようございます(^^)

      母るんと世界②続いてますね!
      今度、わたしは母るんかっ!?と突っ込んで夫さんを"???"にしてみてください笑

      ゆうこさんの実生活で活用しているレビューが最高だったので一度コメントさせていただいてたのですが、しばらくしてから見たら自分のコメントがダブって書き込まれていて、あれ?と思ってひとつ消したら全部消えてしまってました(ToT)

      英語の勉強のためにレビュー書き始めたのですが、面白いレビュー読めたり、気になる本を知れたり、ブクログ始めてよかったなあ思う今日このごろです

      コメントありがとうございました!
      2025/10/05
  • 下巻も独特な世界観で進んだ。上巻に引き続き、やっぱり疲れてしまった。苦手な作品だが、確かに惹きつけられる何かがあった。

    • かなさん
      読了お疲れ様でした( ^^) _旦~~
      やっぱ、疲れちゃいましたか…
      ホント、独特すぎる世界観ですもんねぇ^^;
      読了お疲れ様でした( ^^) _旦~~
      やっぱ、疲れちゃいましたか…
      ホント、独特すぎる世界観ですもんねぇ^^;
      2025/08/03
    • ペコさん
      かなさん♪
      そうなんです。また疲れちゃいました(笑)でも、なんだか村田沙耶香さんってどんな方なんだろう?他作品はどんな感じなんだろうと興味津...
      かなさん♪
      そうなんです。また疲れちゃいました(笑)でも、なんだか村田沙耶香さんってどんな方なんだろう?他作品はどんな感じなんだろうと興味津々になりました^o^
      2025/08/03
  • 自分は人間でよかったです(°▽°)

  •  下巻も村田沙耶香さんらしい、不穏な、不穏すぎるストーリーでした!!

     空子は49歳になり、同級生の白藤さんとその娘の波ちゃんと暮らしている。ピョコルンはさらに進化をとげ、家事をこなし遂には出産までできるようになり…差別を受けていたラロロン人は、その高い能力に空子たちのようなクリーンな人から崇め称えらるようになって…。空子は自分の人生を振り返り、ある決断をすることに…。

     というか、上巻は空子自身が、下巻はそれを取り巻くすべてのことが、異質なものというのか、ザワザワする感じを抑えられませんでした。村田沙耶香さんはやっぱり、ぶっ飛んでるわぁ!!上下巻あわせて800ページ越えの超大作ですが、いつもと違う読書時間を持ちたい方におすすめしたいです。

    • かなさん
      Super8さん、おはようございます。
      村田沙耶香さんの作品は、
      独特な世界観でザワザワさせてくれます!
      今日も暑くなりそう、お気をつ...
      Super8さん、おはようございます。
      村田沙耶香さんの作品は、
      独特な世界観でザワザワさせてくれます!
      今日も暑くなりそう、お気をつけてお過ごしくださいね(´▽`*)
      2025/05/21
    • かなさん
      1Q84O1さん
      そうなんです、800ページ越えの超大作!
      でも、面白かったですよ(*^^)v
      1Q84O1さん
      そうなんです、800ページ越えの超大作!
      でも、面白かったですよ(*^^)v
      2025/05/21
    • かなさん
      どんぐりさん、おはようございます。
      私のレビューでなんて(;・∀・)
      何のことかわからないでしょうけど…
      読んだことになるのなら、それ...
      どんぐりさん、おはようございます。
      私のレビューでなんて(;・∀・)
      何のことかわからないでしょうけど…
      読んだことになるのなら、それも嬉しく思います!
      2025/05/21
  • audibleで。

    ✎︎____________

    性格のない"からっぽ"な人間である如月空子。
    彼女は世の中を安全に 楽に生きるための手段として コミュニティごとに様々な人格を使い分けて日々生きていた。
    そしてこの世界で 高級なペットであった"ピョコルン"という存在。
    時代とともにこのピョコルンも様々な能力を持ち変貌していく。
    如月空子の一生を通して、人類の行き着く先を描いた作品。

    ✎︎____________

    ひゃあ〜とてつもなく村田さんだった〜
    想像を超えるディストピア小説。
    今回も ラロロリン人だとかピョコルンだとか、やたら言いたくなるね〜んな存在も出てきて、ほんと唯一無二の世界観だった。

    だけどだいぶ極端ではあったけど、現代社会と切り離せない所もいっぱいあって ほんとに人類の行き着く先はこんな感じじゃないのか?と思ったりもした。
    私も相手によって違う顔だったりするし、きっと誰もが無意識に如月空子なんだろうな。
    そしてその時々で誰もが 加害者になったり、被害者になったりしながら生きてる。

    こないだ たまたまどこかの催事場で「LAVOT」っていうペット型のロボットを見かけた。
    ちょっと遊んだのだけど、めっちゃ可愛くて〜!
    頭の中でこれってピョコルンやんと思った。
    値段を見たら60万以上してビビったけど、結構年配のの方が買っていかれるって言われてた。
    アメリカや中国の富裕層では介護用のロボットを実際に家庭で使ってるって聞いたこともあって、これもピョコルンやんと思った。
    ぶっ飛んだ話だな〜と思ったけど 意外と近未来の姿なのかも知れないな〜。

    面白かったけど、ちょっと気味悪くもあったな(-。-;
    私は下巻でちょっとお腹いっぱいになって失速してしました〜(>_<) ☆3.5くらい



    • mihiroさん
      まきさ〜んᐕ)ノ
      一休さんのレビューで謎だったピョコルンに会ってきました〜笑
      ピョコルン、可愛くて 気持ち悪くて 不気味でした〜( °_° ...
      まきさ〜んᐕ)ノ
      一休さんのレビューで謎だったピョコルンに会ってきました〜笑
      ピョコルン、可愛くて 気持ち悪くて 不気味でした〜( °_° )
      私もいつかピョコルンになるのかな〜。
      いったいピョコルンって何なんだ〜!笑
      村田さんの世界は 独特でぶっ飛んでました。
      今まで出会った事のない読者体験が出来ました笑
      2025/11/15
    • mihiroさん
      ゆきさ〜んᐕ)ノ
      ピョコルン気になるでしょ??笑
      長いのでなかなか疲れますが ぶっ飛んでて面白かったです〜!
      本じゃなくaudibleだった...
      ゆきさ〜んᐕ)ノ
      ピョコルン気になるでしょ??笑
      長いのでなかなか疲れますが ぶっ飛んでて面白かったです〜!
      本じゃなくaudibleだったから まだサクッといけたのかも〜(*-ω-)ゥン
      2025/11/15
    • 1Q84O1さん
      今、Qコルンが人気ですよ!
      一匹どーですか?
      お値段?
      ピンキリですけど売れ筋は30万円台です
      今、Qコルンが人気ですよ!
      一匹どーですか?
      お値段?
      ピンキリですけど売れ筋は30万円台です
      2025/11/15
  • 下巻では、空子は46歳で離婚をして実家で白藤さんと波ちゃんと共同生活をしている。

    若い頃とは違い感情が抜けてしまったような空子は穏やかではあったが、世の中は想像もつかないことになっていた。

    もはや驚きを通り越している。

    あたりまえにピョコルンもいて、家事や妊娠・出産までも…。

    やたらと『恵まれた人』『ラロロリンキャリア』『友情婚姻者』のワードが出てくるが、これが何も不自然じゃないのが怖い。 

    ゆるゆると生きている空子が決断したその先にも納得できないわけではないと感じたことにまた怖さを覚えた。




  • 上巻の衝撃を経て、下巻も勢いそのまま読み終わりました。上巻では物語が描かれている世界に「現実味」が残っていたのに対し、下巻は世界が変容し、さまざまなものが失われていく様子が描かれていた印象です。

    上下巻を通して感じたこととしては、「世界のうねり」とどう向き合うかということです。本作では、「ピョコルン」という架空の生き物が世界に侵食していく過程の中で、倫理観や社会の文化、人の性生活が変容していく様が描かれております。

    本作はあくまでファンタジーなので、多少過激に描かれているのですが、現実世界でもこういううねりが起きる可能性を秘めているのではないかと思います。あくまで私の感想にはなるのですが、現実世界の「AI」が、本作品でいう「ピョコルン」になり得る可能性があるのではないかと思いました。

  • 読み終わってしまった・・・

    とんでもない小説だった。

    男性不在の小説という印象。
    男性らしき下等生物はチラチラ登場するが、僕が知っている男性は全くこの小説には出てこない。

    登場人物だけでなく、読み手も男性を想定されていない、そんな気分にさせられる。

    ・・・と思っていたのだが、そういう下等生物としての性を生きているのに、それに気づいていないだけなのか?とも考えさせられ、かなりブルーになる。

    男の人は、精神状態がとてもよい時に読むことをお勧めします。

    なんか、もっといろいろ感想書きたいんだけど、圧倒的過ぎて書けないや。
    そのうち追記するかもしれません。

    村上春樹さんよりノーベル賞に近い気がする。
    村田さん、時代に超あってるし、鋭過ぎる。

  • 読書備忘録941号(下)。
    ★★★。

    村田教信者として彼女の作品で読めない本は無いと信じてた!
    これ読んだけど、読めない!
    村田さんの脳みそは私を置き去りにしてバージョンアップされてしまったようだ。

    この作品、粗筋備忘は意味をなさない。
    なのでキーワード備忘を。
    ★ちょっとだけネタバレ含む★

    主人公だけはご紹介。
    如月空子。名前の如く空っぽなんですね。結局。
    それが楽なんです。
    彼女の10歳、14歳、20歳、35歳、49歳(途中に40歳)、50歳、89歳を描く。
    人間として50歳まで。その先は・・・。

    物語は、彼女の生活圏(クリーン・タウン!これって、しろいろの街・・・だよね!まさに!)において、日々女性は男に搾取されている、蔑まされているということから始まる。
    そして彼女のアイデンティティがテーマの重要なポイント。
    乱暴に言えば、彼女にはアイデンティティが無い。「呼応」という特技。
    接する相手やコミュニティの特質に応じて「呼応」する。相手に合わせて虚構の性格を作る訳だ。
    それを空子は、世界①、世界②、世界③・・・、と名付け使い分ける。
    そして気付いた。自分には何もないと。
    それが世界99(○99という文字コードがない!)だと。世界①②③・・・を外から眺めている空子。ただそこは伽藍!

    そして作者がこの作品にメッセージを込める為に作った設定が3つ。
    ①ラロロリンDNAを持つ人々。優生遺伝子であり彼らは能力が高い。
    ②ピョコルンなる動物。パンダ、イルカ、ウサギ、アルパカの遺伝子が偶然合わさって生まれたとか。結局、人為的にヒトのパーツから作った人間のリサイクル生物だったことが明かされる。性処理、妊娠、子育て、家事を担うようにバージョンアップされていく。
    ③ウエガイコク、シタガイコクと差別化された諸外国。

    そして社会は、
    ①10%の恵まれた人達。ラロロリンキャリアの人たち。
    ②80%のクリーンな人達。怒り、悲しみ、妬み、嫉みなどを持たない層。
    ③10%のかわいそうな人達。社会の底辺。
    の3階層に分離。
    そして物語の最後には④見えない人達がいることが分かる。

    そして作者のメッセージ。あくまで「わたくし」はそう感じた。

    ヒトは、誰もが性別・年齢に関係なく攻撃する。
    暴力、性暴力、権力による上からの攻撃。
    かわいい、かわいそう!という存在からの庇護を強制的に求める下からの攻撃。
    お前ら恵まれているんだから俺らを守れ!という下からの攻撃。
    それは男から女へ。女から男へ。男から男へ。女から女へ。
    社会的強者から弱者へ。弱者から強者へ。
    物語の冒頭、ラロロリンキャリアの人たちは、持たない層からとんでもないいじめを受ける。そりゃ酷くて表現できないいじめ。これ下から上への攻撃。
    ピョコルンが登場し、いわゆる昭和の専業主婦のような役割を担う。弱い弱いピョコルンを虐める。男も女も。これ上から下への攻撃ですね。
    ウエガイコクに対する下からの攻撃。シタガイコクに対する上からの攻撃。

    そしてラロロリンキャリアの人たちは償いの為にピョコルンになって社会奉仕する道を選ぶ。なんか強制的に謝罪を求める今どきのSNS攻撃みたい。
    更に、最後には記憶の調合というワクチンによる温和な性格への標準化が広がっていく。空子の世界99が現実社会として実現した!こわっ!

    気持ち悪~い!

    • どんぐりさん
      え、ぐりとぐらみたい(o^^o)
      え、ぐりとぐらみたい(o^^o)
      2025/09/09
    • shintak5555さん
      でしょ〜。
      一回「グリとぐりさま」ってやろうとしてやめたことがあります!最後に踏み出す勇気がなかった。
      でしょ〜。
      一回「グリとぐりさま」ってやろうとしてやめたことがあります!最後に踏み出す勇気がなかった。
      2025/09/09
    • どんぐりさん
      なんの勇気ですか(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾笑

      なんとでも呼んで下さい笑
      なんの勇気ですか(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾笑

      なんとでも呼んで下さい笑
      2025/09/09
  • 下巻になるとぴょこるんが進化し、価値観がアップデート(笑)された世界。
    空子も以前とは少し違うような感じ。
    やり取りのキレの良さがずっと続くの最高。

    連れ子の波ちゃんは馬鹿だから何もしなくていい、頭のいい人が決めたことに従うスタンスが身につまされる。空子はそっちが楽だから意識的にやってる。
    「馬鹿でいるのは楽ですから。
    自分が綺麗でいられる言い訳さえあれば、いくらでも人に押し付けて楽に生きたいと思ってます。」
    波ちゃんは幼児的な感じで考えなくていいやと放棄してる。

    シロちゃんとキサちゃんがここにきて復活するのが切ない。彼女は存在しないのに…
    たまにサービスでキサちゃんを出すのがせこい(笑)
    ぴょこるんになってしまう手術シーンは完全にギャグでしたね、身体切り刻まられてるのに笑顔でいろとかおかしい。

    今までの村田さんの要素全て入ったようなおそろしい小説でした。
    コンビニ人間とか生命式とか好きな人なら大丈夫。

  • むかーし、むかーし、『コンビニ人間』を読んで以来の村田さんでした
    なので、ほぼはじめましてです


    えーっと、今回の読書は大変でした

    『世界99』上下巻合わせて長い長い!
    仕事が忙しくて読書時間が確保しづらいので、なかなか読み進めれない

    その上、金原ひとみさんの『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』も図書館からまわってきた
    (こちらもそこそこ長い!) 

    最初は同時進行で『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』と『世界99』を読んでいましたが、これは無理だわ!ってことで返却日がきた『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』は諦めました


    『世界99』は、なんとか読み切りましたが、なんでしょうかこれは…
    気持ちの悪い世界です…
    だいぶ気持ちの悪い世界です…

    特に、ピョコルンが気持ちが悪い!
    物語序盤はかわいいキャラ的な立ち位置だったかもしれませんが、無理!
    最初から生理的に無理!

    で、物語中盤でピョコルンの正体がわかると気持ち悪さ倍増!
    やっぱり無理を再確認

    そのピョコルンが家事に妊娠、出産、そして性欲処理に使われる…
    あー、気持ち悪っ!
    もう、ぞっとします!

    けどある意味、ピョコルンの正体は現実の世界でもそーなのかもしれないとふと思ったりして…

    • 1Q84O1さん
      ultramanさん

      諦める
       ↓
      寝る(-_-)zzz
      ultramanさん

      諦める
       ↓
      寝る(-_-)zzz
      2025/08/26
    • mihiroさん
      一休さ〜ん*\(^o^)/*
      読了お疲れ様でした♡♡
      金原さんと村田さんを併読はちょっと無理すぎかも〜笑
      村田さん、今作もぶっ飛んでるっぽい...
      一休さ〜ん*\(^o^)/*
      読了お疲れ様でした♡♡
      金原さんと村田さんを併読はちょっと無理すぎかも〜笑
      村田さん、今作もぶっ飛んでるっぽいですね〜!
      このよう分からん感じ 読んでみたいです〜( ᵒ̴̷͈▽ᵒ̴̶̷͈ )
      きっと撃沈だろうな〜笑笑
      2025/08/28
    • 1Q84O1さん
      mihiroさーん

      あざーす!
      けど、疲れましたw
      そして、併読はやっぱり無理でしたw
      予約本って重なるんですよね〜(ーー;)

      どーしま...
      mihiroさーん

      あざーす!
      けど、疲れましたw
      そして、併読はやっぱり無理でしたw
      予約本って重なるんですよね〜(ーー;)

      どーします?
      撃沈覚悟で読んでみますか?w
      まあまあ長いですよ〜
      2025/08/29
  • 上巻の衝撃のラストから、下巻では一体どんなふうに世界が変わっていくのか、怖いもの見たさで読む。

    人間にとって都合のよい道具として誕生したピョコルンは、更なる進化を遂げていた。
    これは世界99の出来事なんだけど、同時に私たちの世界の話でもあるよね、とも思う。
    ピョコルンという存在を取り巻く世界のなかで、いろんな価値観が生まれて派生して変化していって。きっと世の中ってこんな風に変わっていくんだなって。

    クリーンな人。怒りは汚い感情とされる世の中。確かに怒りをぶつけて相手を傷つけるのはよくないけれど、怒りの感情をなくせばいいという考え方が怖い。どんどん人間らしさが失われていく。ん?人間らしさって?ピョコルンの正体とか考えると思考が停止してそれ以上考えられなくなってしまう。

    効率よく生きること。それを極めた先にあるものは。時間を奪われる雑務をピョコルンに担ってもらう。性欲や出産や育児や介護など全部が雑務と考えられるようになった世界の行く末は…

    こんな世界おかしいと思うのだけど、じゃあ私たちの生きる世界は?と考えると、この世界がありえないとも言いきれないところがまた怖ろしくて。村田沙耶香さん恐るべし。

    • かなさん
      すごい作品でしたよね(゚д゚)!
      村田沙耶香さんの作品って独特でザワザワ感がすごいけど
      でも、途中ではやめられないんですよね(^_^;)...
      すごい作品でしたよね(゚д゚)!
      村田沙耶香さんの作品って独特でザワザワ感がすごいけど
      でも、途中ではやめられないんですよね(^_^;)
      読了、お疲れ様でした!
      2025/12/20
    • ひろさん
      いっきゅうさん♪
      いい子にするからやめてサンタさん~:(;゙゚'ω゚'):ギャァァァアア
      いっきゅうさん♪
      いい子にするからやめてサンタさん~:(;゙゚'ω゚'):ギャァァァアア
      2025/12/20
    • ひろさん
      かなさん♪
      ほんとすごかったですね!!
      あまりにもすごすぎて、ちょっと放心状態でした( ꒪꒫꒪)
      他の村田沙耶香さん作品も気になりますが、時...
      かなさん♪
      ほんとすごかったですね!!
      あまりにもすごすぎて、ちょっと放心状態でした( ꒪꒫꒪)
      他の村田沙耶香さん作品も気になりますが、時間をあけてからにしようかなと思います( ´ᵕ` ;)
      2025/12/20
  • 3.6

    リセット(ピョコルンが人間のリサイクルと判明)後の世界。「恵まれている人」10%、「クリーンな人」80%、「かわいそうな人」10%。遺伝子的に優秀だと認めるラロロリン人は、その能力により高い地位につくが、暗黙的に差別される。死後はピョコルン(アルパカ似の愛玩動物)として再生され、性欲のゴミ箱&子産みマシーンとなる社会。エンディングは実用的輪廻転生用大量均一記憶人間リサイクル製造施設。
    久しぶりに摩訶不思議な物語を読みました。途中で何度か読むのを止めようと思いましたが、物語の行き着く先を知りたくて読み切りました。読了感は???。ですが、ぶっ飛んだ設定、思いもよらない価値観は癖になりそうです。

  • ピョルコンになれる世界が怖く感じた。今まで人が持っていた欲などが一切無くなると感情まで支配されるのか。この世界感がすごくて楽になるのは無になることなのか?辛い方が生きてる感がある。考えされる世界だった

  • 下巻では上巻の終わりから14年後過ぎていて、価値観が変わっています。
    「恵まれた人」(お金持ち・頭が良い人)、「かわいそうな人」(貧乏な人)、「クリーンな人」に分けられ、「汚い感情」は持ってはいけない、と考えている。
    なんだかSNSの世界みたいだ、など他にも例えられるのがこの物語の恐ろしさ。上巻は人付き合いの対処の仕方が中心となっているのに対して、下巻では社会性や人間性を問うています。
    そしてピョコルンはさらに多機能に。上巻よりもさらにピョコルンへの依存度が増え、混沌としています。
    「恵まれた人」であるからには、社会で役に立たなければならない、とか、「クリーンな人」であり続けるのが当然の世の中で、空子の選んだ生き方は…。
    上巻の方がが強烈だったけれど、再読したら下巻の方が面白いかもしれません。

    上巻から登場しているアミちゃんが一番普通に近く、出てくるとホッとします。
    昨日、おなかの調子が悪くて、仕事を休んだ私に「え?晩御飯ないの?」と言った夫。私は母ルンか!と心から抗議したくなりました。
    私の世界は、①裏表のない私の世界 ②夫に対する冷たい私、の2つだけです。

  • 上下巻850ページにおよぶ大作。
    どっぷりとこの世界に浸かって、なんとも言えない疲労感。
    自分のキャラクターをそれぞれの世界に合わせて変えていく空子。名前の通り、自分の性格なんてない。こういう人はいそうな気もするけど、やっぱりいないよな…と。その世界に愛くるしいピョコルンという動物が加わっているのだけど、その扱いにただただ恐怖を覚える。
    設定がかなり奇抜なのに、現実にもこんなことがあるんじゃないかと思わせるような引っかかりが所々にあって、それがより恐怖心に繋がるのかなと思う。
    ずっと不穏で楽しくないのに、引き込まれてぐんぐん読んでしまった。

    • きたごやたろうさん
      「いいね」ありがとうございます。

      大作読了お疲れ様でした!
      でもこの作品は意外とポンポンと、オイラはいけました。
      今、オイラが挑戦中の大作...
      「いいね」ありがとうございます。

      大作読了お疲れ様でした!
      でもこの作品は意外とポンポンと、オイラはいけました。
      今、オイラが挑戦中の大作は手強いです。
      おもしろいけど!
      2025/07/09
    • ねこさん
      きたごやたろうさん、おはようございます♪
      大作は、本自体のボリューム感に怖気づいてしまいます。でも、気がついたらどっぷり引き込まれていて…面...
      きたごやたろうさん、おはようございます♪
      大作は、本自体のボリューム感に怖気づいてしまいます。でも、気がついたらどっぷり引き込まれていて…面白かったですよね。
      今、読んでいる大作のレビューも楽しみにしてますね。
      2025/07/10
    • きたごやたろうさん
      ねこさんへ

      はーい。
      がんばります!
      ねこさんへ

      はーい。
      がんばります!
      2025/07/10
  • ピョコルンの正体というか中身がわかって、世界はリセットされたかのように大きく変わった。
    差別されていたピロロリン人もピロロリンキャリアとして恵まれた生活を営んでいる。
    上巻とは別世界のように穏やかになるけど、こちらの世界の方がむしろ不気味に感じた。
    最後まで読んだけど、私には難し過ぎて理解できない部分があった。

  • 最後近くは、活字から思わず顔を背けるほど
    強烈だった

    妙なリアリティとトンデモ設定が
    融合した奇妙なディストピア
    その世界を生きた空子の一生は、何だったのか
    たくさんの出会いの中でも
    くすりと笑ったり、無意識に人を守ろうとしたり、
    時折垣間見せた空っぽではない心
    他の結末を迎えれなかったのかと
    つい考えてしまう

    読了後の正直な感想は
    白藤さん。。

    ピョコルン、一生忘れられない
    固有名詞になりそう

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著者プロフィール

村田沙耶香(むらた・さやか)
1979年千葉県生れ。玉川大学文学部卒業。
2003年『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)を受賞しデビュー。09年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島由紀夫賞、16年「コンビニ人間」で芥川賞を受賞。
25年に初の長期連載の書籍化『世界99』が話題になる。
その他の作品に『殺人出産』、『消滅世界』、『地球星人』、『丸の内魔法少女ミラクリーナ』、『信仰』などがある。

村田沙耶香の作品

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