みかづき

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 487
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087710052

感想・レビュー・書評

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  • 結構な分量だけど
    ドラマでざっくりかいつまんで予習したので
    良くも悪くも読みやすかった。
    [図書館・初読・3月21日読了]

  • 凄く長い、教育&家族のストーリー!教育に関しては全く興味がなかったし、ゆとり教育以前に関してなんて全く知らなかったので前はこんな事があったのかとか、教育に対する熱さに感心した。まるで実話!!って思ってたんですが、この本はフィクション....凄すぎ....
    調べたらこの本を書くのに2年かかったみたいです。
    資料があったらこんな本が書けるのか....神だなと思った。

    ゆとり教育の話の所から、自分と重ね合わせながら思わず読んでました。 私も塾には行けなかったクチで、思わず同感しちゃった。

  • 長いです。三世代に渡る壮大なドラマです。成長します。最後の方は特に感動します。家族たくさんいればいろんな人がいますが、みんないい人です。そして、みんな、つながっています。

  • 個人のこだわりが子供や孫に影響を与える。
    その時の感情から絶縁なども起きるが
    長い人生において復縁など心の変化が
    読んでて伝わってきました。人は強い。
    人生は何度でもやり直せる。いややり直す。

  •  教育について改めて考えさせられる本。

     教育勅語を暗唱させられた私たちの父母の時代から、戦後の民主主義教育への180度方針転換、団塊の世代を経てゆとり世代、そして貧富の差が広がり教育格差が激しくなる現代まで、塾を営む教育家族大島家3世代を通して、その変遷を描く。

     学校は太陽、塾は月。それもやれどもやれども満ち足りない三日月。
    しかし、最後には対立関係にあった学校と塾が手を結び、子供教育のサポートの強化にのりだす。この50年の間に塾の扱いは学校教育の邪魔をする悪者扱いから、進学塾としてもてはやされる時代へ、そして今、社会は深刻な少子化問題と個々の教育格差の問題をかかえて、新たな教育スタイルを模索している。

     しかしいつの時代でも、塾の創設者吾郎の教育方針は変わらず、落ちこぼれの生徒に優しくきめこまやかな授業をこころがける。そしてその意思を孫の一郎(血は繋がってないが)が受け継ぎ、ちゃんと学校教育を受けられない子供たちを救おうとNPOとして補習塾を立ち上げた。一郎と落ちこぼれ生徒直哉とのやりとりは胸打たれる。

  • ずっと気になっていたのですが本の厚さゆえまた今度…と読むのを延ばし延ばしにしていて、NHKのドラマをきっかけに読み始めました。
    小学校の用務員室に勤務する大島吾郎は宿題が出来ない子や授業についていけない子に補習を行うようになり、やがてその評判を聞きつけた赤坂千明、娘の蕗子、千明の母頼子の女性3人に絡め取られるようにして当時はまだ珍しかった塾をともに営むことになるのだった。「学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在。太陽の光を十分に吸収出来ない子どもたちを、暗がりの中で静かに照らす月でありたい」という理想を掲げて…。
    吾郎と千明夫婦から、蕗子、蘭、菜々美の3人の娘へ、そして孫の一郎へとその意志は形を変えながら紆余曲折を経ながら受け継がれていく。途中、吾郎と千明の塾経営にあたって目指す方向が違うゆえに家族がバラバラになってしまったときもあったが、最終的に一つになっていくところが良かった。教育のあり方には未だに問題点が多いけれど、この物語に出てくるような人達が本当にいるとしたら、日本にはまだ希望があるのではないだろうか。「常に何かが欠けている三日月。教育も欠けている自覚があればこそ、人は満ちよう満ちようと研鑽を積むのかもしれない」の千明の語った言葉に例えられるように、教育にはこれが正しいという形が出来上がっていない。まだまだ改善の余地が多い発展途上だ。貧困層の子供に無償で補習を始めた一郎のやっていることが、民間レベルではなくて国や地方の行政機関で支援できるようになったらいいのに、とも思う。
    読みごたえがありました。

    ちなみにドラマは紆余曲折の部分が端折ってあるので軽いテンポで話しが進みますね。テレビ向けにしてあって面白いとは思いますが、吾郎さん復帰早すぎ!と突っ込んでしまいました。

  • 2019(H31)2.9〜2.17
    読む人の立場や視点によって、いろいろな読み取り方ができる物語だ。
    教育関係者の視点で読めば、日本の戦後教育の変遷とその問題から、現在の教育のあり方、自分自身の子どもへの接し方を顧みるだろう。
    夫婦の視点で読めば、優しく大らかな夫と強い信念で猪突猛進に突き進む妻との、心の通い合いやすれ違いを通して、夫婦の在り方を考えさせられる。
    家族の視点で読めば、親子の在り方、親子のつながりに血の繋がりは必要なのか、子どもを育てるとはどういうことか、など考えさせられる。

    …と考えていくと、この物語は人はどう育ち、どう人を育てていくか、人を育てることを通して自分がどう育つか、という「教育」を通した人間論を、千明と吾郎の視点から描く大河ドラマなのだろう。

  • 三世代に渡りそれぞれの思いややり方で教育に携わる大島一家のお話。強く逞しい女性陣とおおらかで少し頼りない男性陣が絶妙なバランス。時間をかけて悲喜交々を味わいながら読みました。

  • 2019_02_07-013

  • 満ち足りない。 渇望。 飢餓感。 それが教育。
    教育者は、常に飢えて悲観している。世の中は常に間違っている。

    非常に腑に落ちた。

    教育者は、飢えている。教えることに飢えている。生徒がほしくてしょうがない人間なんだ。

    なぜ教えたいのか。それがアイデンティティを保証してくれるから。自尊心を満たすには、生徒が必要なのだ。

    教師というものは承認欲求が強いと薄々感じていた。それは、教育が三日月のように満ち足りないからだと気が付いた。

    教育が誰にでも平等に、同じだけの学力を保証できるなんてことはない。だから社会的使命を感じられる。「人のためになる仕事をしたい」という考えのやつらがこぞって集まってくる。

    皮肉にも、教師が使命を全うすることはできない。教育は不平等である。そのフラストレーションは「社会が悪い」とすり替えられる。

    教育者はだからいつも悲観しているのである。そして不条理に立ち向かうヒロイズムを満たすのである。

    でも、だから人の社会は改善を続けられる。教育があるから変われる。

    完成しないものを積み上げていく「教育」という営みの本質を物語で描いていた。

    教えることは、人間にとって本能的に楽しく、欲求充足になる。教育は精神的幸せを生むことができる。

    この本を読んで教育を考えることは、人間の本質的な幸せを獲得することを考えることにもなる。

    だから子供の成長に携わるのは、止められない。

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著者プロフィール

森 絵都(もり えと)
1968年、東京都生まれの小説家、翻訳家。早稲田大学第二文学部文学言語系専修卒業。
1990年、『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞を受賞し、同作は2008年に映画化もされた。2006年、短編集『風に舞いあがるビニールシート』で、第135回直木賞を受賞。
その後も活躍を続けており、2017年『みかづき』で第12回中央公論文芸賞を受賞、2017年本屋大賞2位。同作は2019年にNHKでドラマ化された。それ以外にも、多数の文学賞を受賞している。

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