みかづき

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 3285
レビュー : 488
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087710052

感想・レビュー・書評

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  • 家族の壮大な物語。飽きる事無く、最後まで一気読み。読み応えがあった。題名の意味を知り、ジワリときた。

  • いやー、面白かった!!まるで朝ドラを見てるようだった。教育に関する理解や情報が特にあったわけではないけれど、わかりやすく状況説明があったのでイメージしやすく、大島家を取り巻く環境や登場人物たちの人間性と人生に入り込みやすくて、とても物語に引き込まれました。遠回りのようで、彼ららしい家族愛にすごく心が温かくなります。1つの思いが引き継がれて、いろんな人にその場にあった形で変わっていきながらも、本質は変わらないような物語。いいですねぇ!

  • 森絵都さんのみかづき。

    森絵都さんの本は『カラフル』を始めとして何冊か読んでいた。
    だから、この小説を読みながら何度も、この本が森絵都さんの本だということを僕は忘れた。
    子供も楽しめる軽めなタッチで、子供を中心とした登場人物の心情を描くのが上手な作家さん。
    良い部分も残しつつ、そんなイメージの覆る読み応えのある一冊だった。

    舞台は高度経済成長期の日本。
    家庭の事情で教師になれず、学校の用務員室で放課後授業をやっていた五郎。ある日とある生徒蕗子の母親千明から目をつけられ2人で「塾」を開くことに。

    この小説が面白いのはいくつか理由がある。

    1つは3世代に渡る一家の様子を描いている点だ。
    五郎と千明、そして千明の連れ子である蕗子。最初は3人で始まる物語が子供世代、孫世代と広がり、やがてはその家族や友人たちにまで。物語を読み進めるうちに人間関係がどんどん奥行きが出ていく感じが何とも心地よい。
    加えて家族間の微妙な葛藤など、それぞれの心情やキャラクターも色濃く描かれているため思わず感情移入してしまう。

    2つ目は「塾」が舞台であるということ。
    本書のタイトルである「みかづき」にも由来をするが、世間から認められて存在する太陽=学校に対して塾は相対するみかづきのような存在。
    学校の授業についていけなかった学生の補助的な役割から始まり、次第に塾に行くのが当たり前の塾乱立時代へと。教育指導法など文科省からの圧力や学校との共存など様々な問題をはらみつつも成熟していく塾のあり方が克明に描かれている。

    塾ならではで面白いなと思ったのは学校とは違い経営な問題もつきまとうこと。
    存在し続けること前提で教育が考えられている学校とは違った塾の立場から考えられた教育というものを新しい視点で考えさせられる。

  •  朝ドラのような大河小説。こういうボリュームのある話は読んでいて楽しい。もっともっと読みたくなる。実際、時間がとんでいて描かれていない部分も、読みたいと思ってしまった。
     しかし、千明の「熱さ」は、「熱い」をこえてエキセントリックというか狂信的というか、読んでいて気持ち悪くなるほど。友人にはなりたくないなぁ(笑)その対極にいる吾郎は、人間臭いところとスーパーマン的なところ、そして青臭さが混ざりあっているが、やっぱり、友達にはなりたくない(笑) 出てくる登場人物は、みんな屈折していて少し変な奴ばかりなんだけど、そんな人たちが教育業界に生きているところが逆に面白い。そのうえ、舞台は学校ではなく、塾であるところなど上手い。
     だれもが、欠けた部分を持っており、そこを満たそうともがいているところが、読む者を引き付ける。単行本で467ページもあるが、一気読みしてしまう面白さであった。

  • 子どもの力を引き出すことに優れた夫と、国が教育を主導しようということに徹底して反発する妻が作った塾。
    三世代が教育という太い絆で紡ぐ、家族の物語。
    これがめっぽう面白かった。

    補習のための塾なのか、進学のための塾なのか。
    昔ながらの寺子屋方式がいいのか、モニターからカリスマ講師が指導する最新式がいいのか。
    一口に塾と言っても、目的も形式も違う。

    うちは、長男に頼んで中三の冬期講習に通ってもらったことと、娘が中三の時一年間通いたいと言って進学塾に通ったくらいで、ほとんど塾とは無縁だったので(そういえば私も塾に通ったことはないなあ)、それぞれの塾にかける思いや、システムなど、興味深く読んだ。

    吾郎と千明、3人の娘と、千明の母、そして孫の一郎。
    ちょっとずつ極端な性格付けをされた彼らは、時代の落とし子だ。
    高度経済成長、バブル好景気、そのあとの長引く不景気、ゆとり世代。

    どの時代も、教育に対する不満があった。
    だから教育に対する情熱があり、夢があるのかもしれない。

    ”教育は、子どもをコントロールするためにあるんじゃない。
    不条理に抗う力、たやすくコントロールされないための力を授けるためにあるんだー。”
    ちょっと日本語的にどうでしょうな文章だけど。

    一族の業のように絡まりあう彼らの教育観に、巻き込まれ流されるように一気に読んだ。

  • んーっ。本屋大賞2位ですか?
    個人的にはそれほど引き込まれることなく、読み進めた感じ。普通面白いと、ページをめくる速度がどんどん上がっていくんだけど、これはなかったなぁ。親子3代、スケールは大きいんだけど、テンポも自分には合わなかったかな。

  • 最初はキツイなーと、なかなか読み進められなかったが、読んでいくうちにどんどん引き込まれ、最後は涙まででてきたので、カフェに居られず車で読んだほどでした。
    塾の在り方は自分や子供に関わる時代のことしか分からず、しかも自分も息子たちもほとんど塾には関わらなかったので、知らないことが多く、遍歴が丁寧に描かれていたので、なるほどと色々思い出すこともありました。
    また、時代の流れが施設も人も実名で出てくるので、自分が生きてきた歴史も感じることができました。
    ドラマ化されるようで、それも楽しみです。

  • 戦後の日本の学校教育の変遷と塾。
    複雑だけれどどうなんだろう。
    教育は豊かな社会のためだった。
    教育が個人のものになった時から大きく変わったように思う。
    が、もう、教育ママでもないし、
    揺るぎない教育への思いもないので
    語れませんな。

    学校と教育と塾と、難しい問題がたくさん。
    私は塾にも予備校にも行ったことがないので
    比較ができない。
    確かに、中学生の頃には塾に行ってないのは
    クラスに一人、二人と少数派だった。
    後半はもう、意地で行かない!みたいになっていた。
    なんの意地なんだ。

    ひとつ言えることは、
    塾も予備校も高い!!!ものすごく高い。
    中学生から高校生になると
    すごーく高くなって、高校生に至っては
    学年上がるごとに天井知らずで値が上がっていく。
    高すぎる!と私は思います。

    そして、小説ですが、
    貧困家庭の子どものための
    無料塾を始める孫の一郎の登場で
    ようやく私はこの話に心が許せた。
    私が劣等生だからでしょうか。

    しかし、この物語の本筋は家族というものだと思う。
    離れても近くても、許すも許さないもない、
    血が繋がっていてもいなくても家族とは摩訶不思議。
    夫婦も子どももみんな。

    家族の話だと思った。朝ドラみたいだね。

  • みかづきのタイトルが持つ意味を語る千明に唸った。

  • 森絵都さんは流れるように文を書く。
    他の人にとってどうかは分からないけど、私にはとても合っていて 読むのが止まらなくなる。

    人間ドラマのようでありながら、教育 そして’塾’の悩みの多い変遷も追えて面白い。

    ちょいちょい時間が飛んだり 語り手が変わるから、たまに混乱するけど。

    “どんな子であれ、親がすべきは一つよ。人生は生きる価値があるってことを、自分の人生をもって教えるだけ。”

    “教育は、子どもをコントロールするためにあるんじゃない。不条理に抗う力、たやすくコントロールされないための力を授けるためにあるんだ。”

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著者プロフィール

森 絵都(もり えと)
1968年、東京都生まれの小説家、翻訳家。早稲田大学第二文学部文学言語系専修卒業。
1990年、『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞を受賞し、同作は2008年に映画化もされた。2006年、短編集『風に舞いあがるビニールシート』で、第135回直木賞を受賞。
その後も活躍を続けており、2017年『みかづき』で第12回中央公論文芸賞を受賞、2017年本屋大賞2位。同作は2019年にNHKでドラマ化された。それ以外にも、多数の文学賞を受賞している。

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