やめるときも、すこやかなるときも

著者 :
  • 集英社
3.79
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本棚登録 : 740
レビュー : 97
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087710526

作品紹介・あらすじ

大切な人の死を忘れられない男と、恋の仕方を知らない女。欠けた心を抱えたふたりが少しずつお互いを知り、日常の中で歩み寄っていく道のりを描く。他者と生きることの温かみに触れる長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 年に一度、声が出なくなってしまう家具職人・壱晴。
    その理由とは…───

    高校時代に亡くした大切な人を忘れられない壱晴。
    家族のために働き続けて、恋愛らしい恋愛の経験がない桜子。
    恋愛に奥手だった上に、好きになった彼の心の中には今も生き続ける女性がいる。
    この難しい恋愛に、くじけてしまいそうになる桜子を応援しながら読みました。

    純粋で、不器用な二人が少しずつ距離を縮めていく様子が、なんかくすぐったいような…
    こんな感じ、久しぶりに味わいました。

    そして何といっても、壱晴の師匠・哲の懐の深さと、後輩に席を譲る柳葉の潔さ、
    この師弟関係が感動的でした。
    特に、哲先生が壱晴の作品を褒めるシーンは涙がこぼれて…。

    また、あの日、ギャラリーを訪れた予備校生は真織の幻だったのでは…
    と思えたり。(想像しすぎかな?)

    木工品が好きで、ひとめぼれしてしまうことがよくあるので、(なかなか手が出ませんが)
    家具工房が舞台というのも嬉しかったです。
    彼らの作った椅子に座ってみたくなります。

    美味しそうな卵サンドも食べたくなりました♪

    タイトルと表紙の美しい桜とともに、
    なんとも美しい余韻が心に残った一冊でした。

    • koshoujiさん
      うさこさん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。いつ返事が来るかなあ、と待っておりました。うれしいです。
      体調が優れないのですか...
      うさこさん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。いつ返事が来るかなあ、と待っておりました。うれしいです。
      体調が優れないのですか。心配しております。
      先ほど、2019年の年が明けました。今年はラグビーワールドカップの年で、9,10月は毎週のように日本各地にラグビーを見に行くことになりそうです。
      また、明日1月2日は私たちの母校が久しぶりに準決勝で宿敵明治と戦いますのでお見逃しなく。NHKで放送があります。

      さて、昨年末12月30日に、昨年の出来事の中で最も嬉しいことがありました。前にお話ししたかもしれない、高校時代にランちゃんにラジオで名前を呼ばれたときのエピソード。

      昨年はキャンディーズ結成45周年という事で、午後10時から東京のFMラジオでキャンディーズ特番があり、43年前のそのエピソードが大きく紹介されたのです。(^O^)/
      私とそのパーソナリティの方が知り合いになった縁も紹介されています。

      今さらながら、高校時代の甘酸っぱい思い出を聞くのも気恥ずかしいですが、是非お聴きいただければありがたく。録音してyoutubeにアップしたので下記URLからどうぞ。
      https://www.youtube.com/watch?v=tMTj52tT2xs

      そのエピソードについてお話してなかったとしたら、その元になっている、ランちゃんが「仙台のアイザワマサヒデクン」と私の名前を呼んだ実際の音源は下記URLから聞けます。5分過ぎに出てきます。<(_ _)>
      https://www.youtube.com/watch?v=VRekh12HkK0

      歌は、最近がんがんアップしています。チャンネル登録者が1000人にならないとyoutubeからお金が入って来ないので……。
      では、取り急ぎ今年もよろしくお願いします。ちなみに学校は楽しいです(笑)。
      2019/01/01
  • 良かった。読み終わった瞬間、良かったと素直に思えた。

    三十二年も生きていれば、人は皆それぞれの事情を抱えているし、脛に剥がせない瘡蓋の一つや二つ持っていたり、劣等感を抱えて自分を卑下したり、と色々あるはずだ。
    この人と一緒にいたら、抱えている暗い出来事に対して正面から向き合える。
    そんな特別な相手が側にいることこそが大事なことだと思う。

    物語の中で彼女はよく彼を「背負う」と言っていたけれど、そういう一方的なことではなく、共に寄り添い二人で手を繋いで歩んで行ってほしい。
    やめるときも、すこやかなるときも、その命ある限り、ね。

  • 恋愛小説を読んでも最近では感動することもなくなってる自分が、こんなにのめり込んで読んで共感して涙を流した本は珍しい。最高の作品。

  • 窪美澄さんの長編は読み応えがあって良いですね。少し重いくらいが窪美澄さんってカンジ。

    過去に大切な人を亡くした壱晴と
    まともに恋愛をしたことのない桜子の物語。

    壱晴の過去に迫って行くまでがいちばん引き込まれました。
    ただ、壱晴の桜子への想いの変化が少し唐突で、説得力に欠ける気がして、そこだけ少し残念でした。

    やめるときも、すこやかなる時も人生を共にするというのは、大変だけど素晴らしいことですね。

  • これまで生と性がテーマになることが多かった窪さんの作品とは違った色合いですが、私はこの路線かなり好きです。過去のうまくいかなかった恋愛を引きずっている家具職人の壱晴と、32歳で未だ処女の恋愛下手な桜子の2人が近付いていく描写は初々しくて、もどかしさもあり、遠い昔に忘れてしまった感情を思い出させてくれました。いつもの閉塞感もあまり感じず、人を好きになること、生きることの意味を伝える言葉が胸に沁みました。

  • 昔の恋人を忘れられない壱晴と、恋愛の仕方を知らない桜子。
    他の登場人物もどことなく影があるんだけど、不思議な調和で物語が進んでいく。
    真織と桜子の父娘関係はやるせない。。
    壱晴は、真織のことが忘れられないにしても、桜子が自分にはないものを持っているところに惹かれたんだろうな。

    窪作品2作連続でヒットだったから図書館で借りまくります...!

  • この手の小説を読むと、自分の人生なんて穏やか過ぎる! と思ってしまう。ま、激しけりゃいいと言うもんでもないだろうけど。
    もっと情熱的に心の赴くままにという激しい人生もそれはそれで楽しいのか。本人的には。周りは引っ掻き回されそう。
    心に傷がある人と付き合う、すべてを受け入れるということは難しそう。自分を受け入れてもらえれば、相手も受け入れられるのか、相手を受け入れたから、自分を受け入れてもらえたのか。

  • 過去のトラウマや家庭の事情、命の儚さなどテーマは暗くなりがちだか、しっとりとした穏やかな空気が物語全般に流れていると感じた。
    そして、少女小説や少女漫画を読んでいる様な爽やかさも。
    身動きが取れなくてどうしようもないと感じても、周りを見回せば意外な所から道がのびている事もあるんだな〜。
    とても面白かったのですが、敢えて言うなら女性の方の主人公の魅力がもっと引き出されていたらいいなと。

  • もう少し読み応えが欲しかった。冒頭は期待を持ったものの、プロットの割にどうしても最後まで主人公二人の"生の厚み"みたいなものを感じ得なかったのが残念。
    ###
    普通だったら☆3つ付けているだろうところ、前々作"さよなら、ニルヴァーナ"に著者が注入したであろうエネルギーを非常に高く評価しているため期待値が高くなっている感あり。

  • よくある高校生時代に好きだった女の子が亡くなってしまって現在も引きずってる男が過去を断ち切って現実と向き合うお話。ヒロインの女の子も30歳で処女で痛い感じで、、、この手の話は飽きたしワンパターンだし正直全く好みではなかった。
    題名が素敵だから楽しみにしてただけにがっかりだな。恋愛小説の鉄板が好きな人は絶対好きだろうし、泣ける!という人も多いだろうなぁ。映画化とかしそうな典型的パターンかな。
    ただ、全く好みじゃないしなりゆきも見えてるしいつもの窪さんのがいいー。

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著者プロフィール

窪美澄(くぼ・みすみ)
1965年東京都稲城市生まれ。カリタス女子高等学校卒業。短大中退後、広告制作会社勤務を経て、出産後フリーランスの編集ライターとして働く。2009年「ミクマリ」で第8回R-18文学賞大賞を受賞し小説家デビュー。
2011年、受賞作収録の『ふがいない僕は空を見た』(新潮社)で第24回山本周五郎賞受賞、第8回本屋大賞第2位。同作はタナダユキ監督により映画化され、第37回トロント国際映画祭に出品。2012年、『晴天の迷いクジラ』で第3回山田風太郎賞受賞。2018年『じっと手を見る』で直木賞初のノミネート。

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