琥珀の夢 上 小説 鳥井信治郎

著者 :
  • 集英社
4.05
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本棚登録 : 539
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087711233

作品紹介・あらすじ

ええもんには底力があるんや。品物も、人も底力や! 13歳で丁稚奉公に入り、大阪船場商人の魂を叩きこまれた信治郎。20歳の春、鳥井商店を開業し、葡萄酒の製造販売に情熱を傾ける――。サントリーの創業者・鳥井信治郎のひたむきな日々。

感想・レビュー・書評

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  • 立身出世譚が好きだ。

    エネルギー、前向きさ、行動力、好奇心、オープンマインド、努力、根性、集中力、、、

    前向きな力が湧いてくる。

    冒頭。鳥井信治郎と、ある少年が出会う場面。
    自分でも何故だか分からないが、いきなり涙が出てしまった。

  • サントリーの鳥井信治郎の話、劇的な逸話は出てこないけど他人より意識や姿勢や行動力が少し上回っていてそんな彼を認めてくれる人達が居る。伊集院静の書いた人物伝だから山場の多い小説かな?と思ったけど素直に静かに進んでいく。薬種商店に奉公に入ったスタートから自分の店を持つことになる寸前までの上巻。商いの町 大阪が舞台なので現在の企業の前身が幾つも出てきて馴染み易い。極貧から大成した立志伝が多いなか、鳥居さんの場合は割合に恵まれた環境のもとで大成した人だったようですね。

  • 創業者は偉いですね。
    並みのサラリーマンとは情熱が違います。
    ホンマの話かどうかですが百円の使い方も豪快でいいですね。
    今でこそジャパニーズウイスキーは全世界で愛されますが
    それを世に出した商品力・開発力は見習うものがあります。

  • 大坂は船場が商人の街であることは、秀吉の時代まで遡る。その船場・道修町で薬問屋の丁稚奉公から始め、世界のサントリーまで昇りつめたのは創業者・鳥井信治郎だ。
     社名の由来は、お天道様(日輪)と鳥井、カタカナにすれば、サン・トリイである。
    日本有数の酒造メーカーとて順風満帆であったわけではない。勿論、紆余曲折があり幾多の試練を乗り越えた。
     著書の上巻で一度だけ出てきたワードは、「余市」という地名、それが彼の商人としての逆説のキーワードであることは物語をお読みになり確かめて頂きたい。NHK朝ドラの「マッサン」も参考になりますね。
     若かりし頃、仕事の修業は大阪を拠点に選びました。
    (ここから大阪弁)僕自身は、以前お酒を飲んでましたんや、嫌いになった訳ではありまへん。お誘いがおましたら、スコッチだけ飲めまっさ。
     お酒好きには堪らなくおもろい、そして皆に元気が出る作品、お薦め本でおま。
     どうぞお気張りやして、ごめんやっしゃ!

  • 今年の上半期一番の小説でした。夢に向かって一途に邁進する主人公。刺激を受けずには入られません。夢を持つこと。人との出会い。感謝の気持ちを持ち、見えないところでの施しを行う姿勢に感動しました。

  • 国産ウイスキー造りは周囲からは猛反対にあっていた。そんな時、関東大震災が起きる。瓦礫と化した東京を見て、信治郎は誓う。「わてが日本をええ国にするんや。ウイスキーを作ってみせる」。

  • サントリー創業者の物語。上巻は、信治郎が薬問屋さん丁稚奉公に始まり会社を起こすまで。経済小説でもなく深い人情物でもなく、固くならずに読み進められた(しかし、舞台は大阪、関東人の私にとって、大阪の言葉でスラスラと読めなかったところもあるが)。いくつかの面で、大成する人は違うなと思うところがありましたが、いきなり、船に乗ってしまうなんて。本当かどうかわからないけれど、そういうタイプの人なのねって。商いについて、陰徳について、興味深かったです。下が楽しみ。

    • くりりんさん
      はじめまして。
      とてもサントリー創業者の物語が気になった感想でした。
      難しい話かと思いきや読みやすそうで気になります。

      今更ですが、フォロ...
      はじめまして。
      とてもサントリー創業者の物語が気になった感想でした。
      難しい話かと思いきや読みやすそうで気になります。

      今更ですが、フォローありがとうございます!

      本棚の本イコール感想があるなんて!素晴らしいです!!
      2017/11/04
  • 明治時代の頃の話で、大阪弁で書かれていることもあり読みづらいと思いきや、とても引き込まれる展開。文章も過不足ない表現でとても読みやすい。サントリー創業者の信念をしるいい機会になりました。

  • 面白いです。続きが読みたいと思えました。昔のことなので、少し読みにくい所もありますが、それは気にならないほど引き込まれるものがあります。

  • 松下幸之助は自転車の丁稚時代に鳥井の店に出入りしていた

    店を開いた当初は缶詰でも炭酸水でも何でも手を出した

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著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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