放課後ひとり同盟

著者 :
  • 集英社
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087711424

感想・レビュー・書評

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  • 「ストーリーテラー」が切なくて良かったです。

  • 表紙を見て、
    スポーツ系の話かと思いきや、
    現代社会の話題を取り込んだ作品だった。

    もし、皆の周りにこういう子がいたら?
    どうする?
    どう接する?
    と、問いかけられている気分。

  • 「永遠についての証明」と同じく、勉強のためにこの作家を読もうとか、他の人が読んでいたからとかではなく、純粋に自分のための読書で良書に巡り会えた感じがする。

    連作短編集で、小学校か高校、または大学生が舞台になっている。例えば1つ目と2つ目の短編は同じ高校の同じクラスの話であって、登場人物も共有されている。2つ目の「怒る泣く笑う女子」の主人公の弟が最後の短編の主人公になっている。それぞれでも読めるのだろうけど、全て順に読むとより楽しめる気がした。
    最初は、主人公が感じている内容を書きすぎ(説明しすぎ)ているようにも感じた。でもこの本はたぶん、ここに登場するのと同じ高校生くらいの読者を想定しているのではないかとも思う。今大人な自分がするような思考法を高校生の時にとっていたかというと、そうではないのと同じように、作者が、高校生くらいの主人公たちの視点に立って描いているため、今の自分の立場で読むともどかしかったりする場面もあるのかもしれない。
    この本に出てくるのは、「黒いぐるぐるみたいなものを体にためちゃう人」で、そういう人ほど「根が優しかったり繊細」であるような人たち(最終話)。両親が離婚していたり、家庭に問題があったり、性同一障害だったりとか、ちょっとぞっとするようなストーカー気質?の主人公とか、特殊なケースが多いな、とも思ったが、屈託がある状態でしか生きていけないようなものを抱えている人たちをうまく描けていると思った。

  • いわゆる「普通」とはちょっとずれた(ように見える)10代を主人公とした短編の5連作。10代の単純なようで複雑な内面がよく描けているように感じた。5話それぞれで登場人物がオーバーラップする構成も面白い。ところどころくすりとさせられる表現があるのもよかった。最終話の「僕とじょうぎとぐるぐると」が一番ずしりときた。

  • ゆる~くつながった連作短編集。
    なんともいえないおもしろさだった。

    「怒る泣く笑う女子」の三崎ちゃん。つらい来し方だったけど、びっくりしながらも受けとめてくれる人たちにめぐりあえてよかったね。その受けとめてくれる人たちも、みんなそれぞれへんてこなのが、ほかの短編からもわかるし。ヘンって、受容器を大きくする要素なのかも。

    最終編の、三崎の弟のやつもよかったなー。

    「ストーリーテラー」の相田クンの話も、なんかあやうくて心に残った。ストーリーテラーと妄想、現実を受けとめるか現実から逃げるか、なんていうことの境界線はほんとうに細くて、あやふやなものなのかもしれない。

  • どれも優しい話だった。
    人間は、傷ついてもきっとまた歩き出せる。

著者プロフィール

1991年長野県生まれ。信州大学人文学部中退。2014年『気障でけっこうです』で第16回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『今夜、きみは火星にもどる』『おとめの流儀。』『こちら文学少女になります』『ぼくのとなりにきみ』『ぼくらはその日まで』『悲しい話は終わりにしよう』『放課後ひとり同盟』『友情だねって感動してよ』がある。

「2019年 『行きたくない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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