- 集英社 (2018年7月5日発売)
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感想 : 10件
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784087711462
作品紹介・あらすじ
アジアの「土地」をテーマにした幻想短編集。チベットの僧院で、少年僧が土地と経典の歴史に触れる「そしてまた文字を記していると」、京都の大学で日本と海外の留学生の視点が交わる「国際友誼」など、全5編。
感想・レビュー・書評
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初めて読む作家のせいか、文体に馴染むのにちょっと時間がかかってしまった。ジョルジュ・バルビエの表紙絵、そしてたしか山尾悠子がツイッターで紹介されてたので、きっと自分の好き系だろうと思って手に取ったのだけど、ややとっつきにくかったかな。
収録作品中で一番長い「天蓋歩行」は、輪廻転生テーマ、かつて巨大樹だった頃の記憶を持つ男の転生の話だけど、読みながら何度もウトウトしてしまい…無関係だけど『ブンミおじさんの森』という映画のことなど思い出しました。とても芸術性が高く、美しい映画なのだけど、どうしても途中で寝てしまう…。
いちばんとっつきやすかったのは日本が舞台の「国際友誼」で、他作品でも頻出する、突然のアルファベット表記、漢字にアルファベットのルビなどが、言語がテーマのこの作品では生かされていたと思う。台湾が舞台の「Jiufenの村は九つぶん」は、地名の由来譚ぽくてわりと好みでした。
※収録
……そしてまた文字を記していると(チベット)/Jiufenの村は九つぶん(台湾、九份)/国際友誼(日本、京都)/天蓋歩行(マレーシア、クアラルンプール)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
チベット、台湾、日本、インド、マレーシアと、アジアを舞台に綴られた幻想的な短篇集。文章から漂うどこか冷静な目で見つめる感覚が心地よい。それでいてぼやあっとした印象も受けるので不思議だが、読んでいる間は静謐なひとときを堪能できた。ただ何となく、好き嫌いの分かれそうな作家だなと思った。
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詩的な文章で朗読したくなるような言葉遣い。多分文豪作家の本を読んでいなかったら挫折していた言い回しや意味不明な文。意味が分からなくても現実を忘れてその世界へと入っていけたのは盆休みに読みこんだ乙女の本棚のおかげかも。
最後の輪廻の話が全然意味が分からなかったし、分からないのに1番長い話で挫折。 -
不思議な雰囲気だった〜!少し読みにくかったけど、前に読んで断念した幻想小説よりは景色とかが頭に浮かんで読めた方かも。
「……そしてまた文字を記していると」の外がすごく明るくて、主人公のいる僧院が薄暗いコントラストが目に浮かんでかなり好きだった。 -
文章が装飾過多で読みにくい。独特な空気感漂う短編集。
どの短編も内容まで装飾過多になってて、話に入っていくのが難しい。 -
樹木の話と、海からくる未来を見る男の子の話がよかったな。
手元において時々読みたい感じの本だ。 -
百年か一年か一日、ほんの数分を書物のなかで過ごしたように思う。
書物は鏡。一点に静止しながら時空のすべてを映しとる。円環的につながった過去・現在・未来のあらゆる事象を同時に映現する。既視感と未視感。はるかな過去を追っていくといつの間にか未来に到達してしまう。わたしはかつて砂であり、海であり、木であった。脈打つ血の音が地の底を流れる水の音として聞こえてくる。わたしは記憶を渡されたのだ。かなたから、あなたから。
ふり返ったとき遠く時間の向こうに、命脈のうちに、わたしの黄金の季節が侵されずにあればそれでいいのです。 -
2018-7-29
著者プロフィール
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