- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087711561
作品紹介・あらすじ
「今日は、で〜れえ暑いねぇ」。
岡山弁が飛び交う奉還町商店街で、雑貨カフェ「セワーネ(岡山弁で大丈夫という意味)」を営んでいるあゆみ。
夫の雅彦は毎日大忙しだ。福男になりたくて西大寺裸祭りに参加するものの失神。早く帰宅したいから部長を辞めさせてくれと社長に直訴。妻のためだ。
一昨年に発見された乳がん。手術も治療も順調だが心配でならない。雅彦の行動はすべてあゆみを元気づけたい一心からだ。
雅彦の愛の“暴走"は日々加速する。そしてある日、雅彦はあゆみのために“で〜れえ(すごい)"ことを思いついた!!
ユーモラスな筆致ながら、夫婦や家族のあり方を問う、川上ワールド全開のハートウォーミングな家族小説。
あなたはここまで妻を愛せますか!?
【著者略歴】
川上健一(かわかみ・けんいち)●1949年青森県十和田市生まれ。県立十和田工業高校卒業。77年『跳べ、ジョー! B・Bの魂が見てるぞ』で第28回小説現代新人賞を受賞し作家デビュー。90年『雨鱒の川』刊行後休筆。2001年『翼はいつまでも』が「本の雑誌」年間ベスト1に選ばれ、翌年、第17回坪田譲治文学賞を受賞。青春小説、スポーツ小説を数多く手がける。
感想・レビュー・書評
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岡山弁(?)で全編進んでいく。なんかすごくコテコテな方言を敢えて使ってるような?岡山のかた、普通にこんな感じでしゃべります?
でも、方言って没入すると本当にかわいい。
ストーリーはちょっと予測できてしまうけど、全体としてほんわかした空気に包まれていて、良い読み心地。
ガンになって、5年生存率90%という数字をどう受け止めるか、それはその人がいままでどのように生きてきたかによる。
ちょっと、主人公の考え方は自虐的すぎるかなぁと思う部分もあるけれど。
ガンになったことで全てのことがありがたく幸せに感じることもできるのか。
そして、どんな人も心からのありがとうという言葉を待ってるのかもしれない。
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「朝ごはん」に続き2冊目の川上さん。
登場人物、皆良い人。
でも、良い人過ぎて、印象が薄いのが残念。 -
奉還町商店街での温かな人間模様。
ほっこりしたい人に最適!
「一生懸命さと笑顔を忘れなければ夢は叶う」
そうだといいなぁ。 -
岡山の言葉に馴染みがないので会話のテンポに馴染めなかったものの
乳がんを患ったあゆみが夫の愛でパワー充電してるのにほっこり -
3.5
東京でフリーのデザイナーをしていた主人公・あゆみは、妊娠を機に恋人と破局、さらには流産と心身共に疲弊したタイミングで、両親と二人の姉の身勝手な要請を受け入れ帰岡。奉還町商店街で雑貨カフェ・セワーネを営むが、あゆみを溺愛する夫・雅彦と息子・悟史との幸せな生活もつかの間、乳がんに侵されてしまう。
手術は成功するが、治療の副作用や戻らない体力、さらには再発の恐怖と闘いながら、微妙な関係の両親の世話、そしてセワーネの営業と奔走する。
そんなあゆみを支え、何とかして励まそうとする雅彦のトンチンカンな頑張りや、商店街の人々の暖かいサポートの物語。
◯難波あゆみ
◯難波雅彦 あゆみの夫。
電子機器の営業。
◯難波悟史 あゆみの息子。高二
◯岸本弘高 雅彦の後輩。
セワーネ常連のマッチョ。