小説という毒を浴びる 桜庭一樹書評集

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087711677

作品紹介・あらすじ

読書は本当に自由なもの。
思いっきり誤読したっていい。

少女小説からミステリ、古典から現代のベストセラーまで、本に溺れる愉しさ。
約15年分の書評を通して、桜庭一樹の人となりが見えてくる。
著者初の書評集。

【著者略歴】
桜庭一樹( さくらば ・ かずき )
1999年「夜空に、満天の星」(『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーディアン』と改題)で第1回ファミ通エンタテインメント大賞に佳作入選。シリーズ、『推定少女』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』などが高く評価され、注目を集める。2007年『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞、08年『私の男』で第138回直木賞を受賞。その他の著書に『少女には向かない職業』『荒野』『ばらばら死体の夜』『ほんとうの花を見せにきた』『じごくゆきっ』などがある。

感想・レビュー・書評

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  • 作家、桜庭一樹さんの約15年分の書評集。

    倉橋由美子さんの『聖少女』、神林長平さんの『小指の先の天使』、シャーリー・ジャクスンの『ずっとお城で暮らしてる』、パトリック・ネスの『心のナイフ』の解説から始まり、週刊誌で連載された4人による“リレー読書日記”の著者の分だけ抜粋したものや様々な媒体に掲載された書評、最後は道尾秀介さん、冲方丁さん、綿矢りささん、辻村深月さん達とのそれぞれの対談。

    すごく面白かったです。
    その日の夜は興奮冷めやらず、で、なかなか寝付けなかったくらい。(寝る前の読書は危険(笑))
    著者が好きな作品ばかりを紹介しているのか、毒舌とかはあまりないです。
    ジャンルはミステリや幻想小説、海外小説が多いかな。
    個人的には映画も面白かったヴァージニア・ウルフの『オーランドー』のちくま文庫版が特に気になった。
    対談ではミステリ談義をする道尾さんのものと、読書遍歴を語り合う綿矢さんのものが興味深かった。

    毒々しくも乙女チックな表紙イラストはヒグチユウコさん!

    “「みんなで小説という毒を浴びてもっとずっと悪い人間になろう!”」p104

    • まことさん
      5552さん♪おはようございます!

      最近全然書店に、行けてなくて発売されているのを知りませんでした。ご紹介ありがとうございます!やっと...
      5552さん♪おはようございます!

      最近全然書店に、行けてなくて発売されているのを知りませんでした。ご紹介ありがとうございます!やっと読めました。
      書店に行っても、田舎の書店なので、この本置いてなかったかもしれないです。
      桜庭さんの、書評は、本当に面白くて、私も大好きです♡
      ホント、寝不足になりそうですよね(*^^*)
      2019/09/08
    • 5552さん
      まことさん、おはようございます♪

      この本、読まれたのですね!
      私は桜庭さんの小説以外の本ははじめてだったのですが、読書日記も出されて...
      まことさん、おはようございます♪

      この本、読まれたのですね!
      私は桜庭さんの小説以外の本ははじめてだったのですが、読書日記も出されてるんですね。
      そちらも気になります。
      積ん読がどんどん増えますね(^_^)

      2019/09/08
  • 桜庭一樹さんの読書日記はおそらく全部読んでいるのですが、この書評集が出ていることは、レビューを拝見するまで知りませんでした。ご紹介ありがとうございます。

    以前拝読した読書日記によると、桜庭さんは、毎日、紀伊國屋書店の新宿本店に、歩いてお散歩に行かれて何冊も本を買われるとか。なんてうらやましい読書環境の方だろうと憧れていました。(今は引っ越しされたそうですが)
    桜庭さんの書評は、なるべくして作家になられたんだなあ。本当に本がお好きなんだなあ。という本に対する愛で満ち溢れているように思います。
    そして、自分もこの人の様にどん欲に読みたいと思います。

    主な書評はミステリーや幻想系の作品。ホラーや怪奇系、SF、海外作品。かなり古い昔の作品も。
    幻想系やSFは私は苦手な分野ですが、桜庭さんの書評にかかると「面白そう!」と絶対思ってしまいます。
    自分だったら絶対に選ばない系統の作品。他のブックガイドにあまり載っていない作品を挙げてくれているのも魅力です。
    以前の日記や今回の書評にも載っている、シャーリィ・ジャクスンの『くじ』、トマス・H・クックの『緋色の記憶』などはだいぶ前に買って、まだ積んであります。
    この書評集を読んでいると、時間がいくらあっても足りないと思ってしまいます。
    でも、桜庭さんは、書評した以上の、凄い量の本を読まれているのですよね。驚異的です。

    でも、桜庭さんの書評は面白いので、書評を読んだだけで、読書した気になってしまう私には要注意の本でもありますが…。

    • やまさん
      まことさん
      おはようございます。
      いいね!有難うございます。
      やま
      まことさん
      おはようございます。
      いいね!有難うございます。
      やま
      2019/11/24
    • まことさん
      やまさん♪こんにちは!
      いつも、いいね!コメントどうもありがとうございます(*^^*)
      やまさん♪こんにちは!
      いつも、いいね!コメントどうもありがとうございます(*^^*)
      2019/11/24
  • 私にとって桜庭一樹さんは"息をするように本を読む人"。
    だから、桜庭さんが本について書いている文章を読むと、めちゃめちゃ本を読みたくなるのです。
    本書は2005~2019年までの桜庭さんの解説や書評、読書日記などをまとめたもの。
    インプットの量もアウトプットの量もすごいなぁ…と改めて憧れのため息をつきつつ、読みました。

    特に海外小説は、読んだことのない著者の作品を自分から選ぶことが少ないので、桜庭さんのおかげで読みたい作品が増えてうれしいです。
    『ドルリー・レーン』シリーズ、読みたいです。
    道尾秀介さんとのミステリについての対談もおもしろくて、次はミステリを読もう…と決意しながら読了。

    余談ですが、桜庭さんが本について書いた本を読んだあとは、海外小説やミステリ、SFなどを読みたくて仕方なくなります。
    そして、本屋さんで自制が効かなくなって、お財布の紐がゆるゆる…という副作用がある気がします。
    それもまたよし。

  • 読み始めたら、私と全然読書傾向が違う!う〜ん、大丈夫かなと思いながら読んでいたら、とんでもなく引き込まれて、止まらなくなってしまい、気がつくと真夜中になっていました。
    「聖少女」倉橋由美子や、「ロリータ」を語られて、読んでいないし、この手の「小説の毒」を飲みこむ嗜みも、勇気もない私には、何のことやら?になるかと思ったら、違っていました。
    桜庭さんの語りに引き込まれて、そういう考え方もあったのか!と私が思ってもみなかったところを突かれてハッとしたり。
    高校生の時、鳥取県で作者がどんな思いで本を渇望していたのか、なんていうエピソードが混じっていて、なお濃厚で面白い。私が読まなかった翻訳小説、ホラーやミステリの面白さを語ってくれる。この紹介だけでも十分楽しめました。
    でもそれ以上に、知らない本のことを、これでもかと熱く語られても、こんなに面白いのは、ミステリやホラー小説の謎解きに至る過程をどう表現するかという技法に関わっているのかなぁ。桜庭さんの、いくつか読んだ小説の構成が巧みだったことが思い出されました。
    紹介する本を読んでいなくても、こんなに面白い読書案内、柚木さんの「名作なんかこわくない」以来でした。

  • 『本の雑誌』のウェブサイトで、上半期の注目本にランクインしていて、隣の区の図書館まで借りに行って読了。未読の作家さんで、お名前と作品名だけ知っていて、書評なら喜んで読むよとほくほくしてページを開いた。結果は大当たり。実に幅広く、愛しい乱読をなさる方だと思った。ヒット作をたくさんお持ちの作家さんなので、当然読むこともお好きなのは当然かも知れない。解っちゃいるけど。それにしても。

    「いやーー!よくぞ読んでらっしゃる!」

    ご自身のお作に影響を与えた読書も公開しておられて、どんな軌跡を描いて、ご自身の読書歴が進んでいかれたか、豊富に紹介された本を見ていると、よく分かるのがいい。

    ミステリやサスペンス、他にも。色んなジャンル。知っている書名が結構登場し、あれをお読みになったなら、これはどうだろう、あれはどうだろう、私と同じものもお読みだろうか、他にはどんな感想を持たれたのか…等々、書かれていない読書を想像させてくれるのも好もしかった。

    シャーロッキアンで、可愛いキャラを脳内で登場させながらホームズを読んでいたなんて、愛らしく『それを今の筆力で物語化したらどんなに面白いだろう。いつか書いてもらえないだろうか。』と考えずにはいられない。

    ご自身のお作についても、ゴリゴリと宣伝する感じはなく、ごく控えめに、対談の中に出てきたり、地の文にちらほら顔を出す感じ。控えめで、けれど自作にきちんと自信をお持ちなのが、読んでいて気持ちが良かった。こんなに読み巧者の方の本なら、絶対面白いなと感じたし、派生してあれもこれも、いろいろ読みたくなる。

    なにか読みたい。知らないものを。

    そう思わせるのだから、天下一品の書評集である。

    桜庭作品は、手を伸ばせずにいたけれど、『GOSICK』も『赤朽葉家の伝説』も『伏』読んでみよう。がっしりした小説を好む方が、どんなヒット作を書かれているのかにも興味が湧くではないか。

    装丁も非常に美しく、カバー絵がとても気に入ったので、これを読んでも、お手に取られるかを迷う方は、ジャケ買いでお読みになっても大丈夫。ほんとに面白いから。きっと、いそいそと本屋さんや図書館に向かうなり、あの本確かここに、とガサゴソし始めること請け合いなので。

    私?桜庭さんの、他の読書日記を探して読むのですよ。GOSICKも借りに行くのですよ!ああ、出てきた本を気が済むまで借りて、何か読みたい!

  • 毒を喰らわば、、、

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    読書は本当に自由なもの。
    思いっきり誤読したっていい。

    少女小説からミステリ、古典から現代のベストセラーまで、本に溺れる愉しさ。
    約15年分の書評を通して、桜庭一樹の人となりが見えてくる。
    著者初の書評集。
    https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-771167-7

  • 書評本は柚木麻子の「名作なんかこわくない」(あと三浦しをんの「好きになってしまいました。」の活字沼でひとやすみ章)以来。

    出だしの聖少女書評で「ウワー!絶対この本読みたい!!」という気持ちにさせられた。


    「読書は多様性があるべきだし、誤読も読書の醍醐味。誤解をおそれずにいえば誤解されるのもまた作家の仕事のうち」という言葉には、どんな読み方をするのも自由だ!と太鼓判を押してもらった気持ちになった。


    大好きな小野不由美の悪霊シリーズが紹介されててめちゃくちゃテンション上がってしまった。バイブルです。

  • 桜庭一樹さんの読書日記シリーズが好きなので、この本にも手を出しました。読む前から予想していましたが、この本を読んだことで、やはり読みたい本が増殖しました。(^^;
    2005年〜の本が紹介されていますが、すでに絶版になり古本でしか入手できない本があることに驚きました。書店で見つけた気になった本は、できる限りその時に買っておこうと、あらためて思いました。

  • 桜庭一樹の書評集。一番好きな作家の感想を読めるのは嬉しすぎる。この中で紹介されてる作品が桜庭一樹の独特な世界観を作ったのかなと思うと全て読みたくなる。夢中で読んでる作家が夢中で読んだ本を読みたい。

    書評は普段の作品とは違って個人的な気持ちが綴られているのが大きな魅力だと思う。桜庭一樹がどんな気持ちで人生を歩んでいるのか、この本を読んだことで少し知れた気になって嬉しくなった。

  • 読書は本当に自由なもの。
    思いっきり誤読したっていい。

    少女小説からミステリ、古典から現代のベストセラーまで、本に溺れる愉しさ。

    約15年分の書評を通して、桜庭一樹の人となりが見えてくる、著者初の書評集。

    んもう、タイトルも、装丁も、中身も、ことごとく素晴らしい!!♥

    あれこれ読みたくなっちゃったけど、とりあえずは伊坂さんと、道尾さんの再読から〜www

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著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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