本と鍵の季節

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087711738

作品紹介・あらすじ

堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。
そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが……。

放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。
爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ、開幕!

【著者プロフィール】
米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)
1978年岐阜県生まれ。大学卒業後、書店員勤務の傍ら小説を執筆。
2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)
奨励賞を受賞してデビュー。『氷菓』をはじめとする古典部シリーズはアニメ化、漫画化、実写映画化され、ベストセラーに。
2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。
2014年『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。
『満願』と2015年刊行の『王とサーカス』はそれぞれ三つの年間ミステリランキングで1位に輝き、史上初の2年連続3冠を達成した。

感想・レビュー・書評

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  • 高校二年生で図書委員の僕、堀川次郎と松倉詩門の織り成す連作短編ミステリー。
    ミステリーは日常の謎から「これはどう見ても犯罪だ」と思われるものまで多岐にわたります。
    「913」では図書室の分類記号を全く知らなかった元図書委員の女子高生が登場しますが結末はかなり驚きました。(そのあと女子高生が普通に学校に通っているのにも驚きました)
    「ない本」も二人の推理の過程が面白かったのですが、結末からするともう少しストーリーに趣があればよかったと思います。
    最後の二編「昔話を聞かせておくれよ」と「友よ知るなかれ」は松倉の父親に関係した重大な事件へとつながります。松倉詩門とは一体どういう人間なのか、高校生ながら心の内に隠された秘密が判明します。松倉が僕に主張したことは胸に響きました。ラストは「えっ、ここで終わりなの?」と思いましたが、それでよかったのかもしれません。

    • やまさん
      まことさん
      おはようございます。
      いいね!有難う御座います。
      野伏間の治助 北町奉行所捕物控 シリーズの8作目です。
      長谷川卓さんの...
      まことさん
      おはようございます。
      いいね!有難う御座います。
      野伏間の治助 北町奉行所捕物控 シリーズの8作目です。
      長谷川卓さんの本は、「戻り舟同心」シリーズの新装版が出てから読み始めたのかな?
      はっきりは覚えていませんが、新刊が出たら読んでいます。
      読んでいて面白いです。
      中でも一番は、「嶽神」の上下巻です。
      真田忍者、伊賀忍者は出て来るは、そして武田家の遺金をめぐって壮烈な戦いです。
      是非読んでみてください。
      やま
      2019/12/10
    • まことさん
      やまさん♪おはようございます。
      こちらこそ、いつもありがとうございます!
      お薦めありがとうございます。
      でも、残念ですが私は時代小説は...
      やまさん♪おはようございます。
      こちらこそ、いつもありがとうございます!
      お薦めありがとうございます。
      でも、残念ですが私は時代小説は『うちの旦那が甘ちゃんで』あたりが、たぶんやっとだと思います。(^^♪
      2019/12/10
  • 人気の無い高校の図書室の図書委員の堀川次郎と松倉詩門のもとに持ち込まれる相談事の謎をこの二人が鮮やかに解いていく。手掛かりがあちらこちらに散りばめられていて、その見つけ方も思わずなるほどと思わされるもので、作者の持っていき方は実に上手い。ただ、解決しても結構苦みが残るものではあるが。このあたりは、この作者の持ち味だろう。それにしても、この二人は高校生にしては頭が良すぎるし大人びていることよ。詩門の弟が礼門で父親が**で来るとは、高尚だよねえ。

  • 高校の図書委員の2人が次々と推理して、本と鍵にまつわる事件を解決していく話。
    たまたま委員会が同じになった2人が、くだらない話をしたりして、気が合って仲良くなって、協力していく様子がよかった。

    深く考えずにものを言ってしまう堀川次郎。
    内に何か秘めたものをもつ松倉詩門。
    2人のキャラと関係性、距離感、いいな。

    米澤穂信の本を単体として読むのは初めて。
    ミステリーというよりどちらかというと青春小説。
    高校生らしくて爽やかで、確かにほんのりビターな作品だった。

  • 図書委員の高校生が
    謎を解いていく短編集


    つまらないわけではないのですが
    うーん、ちょっとクセがあるのか
    謎解き自体が好みじゃないのか
    思ってたより楽しめず、でした。


    米澤さんの作品は
    Iの悲劇が面白かったので
    他のも読んでみてるのですが
    なかなかハマらずですね。。

  • 「図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全6遍。」(帯のことば)

    日常の謎を解く連作短編集。気がつくとグイグイ読んでしまってました。高校生ふたりが主人公ですが、ビターというか暗い部分があって、お話的には少し重めだったりも。
    開かずの金庫の謎、「絶対に」というひとことから導き出される推理!隠しておきたいことまで言葉の違和感から解いてしまう…それが幸か不幸か。

    背が高くて顔がいい皮肉屋の松倉詩門と僕(堀川次郎)ふたりの距離感が程良いです。続き読みたい!

  • 図書委員の高校生二人組が、持ち込まれる謎を解いていく連作短編。

    堀川次郎はたまたま図書委員として一緒になった松倉詩門と何となく気が合い、当番を一緒にやっている。
    性格は違い、最初は距離もある二人。
    背が高く顔のいい松倉にちょっとコンプレックスもある堀川の、「ほどよく皮肉屋」と松倉を評するセンスもなかなかですね。

    平凡なようでそうではない堀川と、そんな堀川を幸せな奴だと感じているような、ちょっと陰がある松倉。
    ある日、図書委員を引退した先輩女子が、家の問題の謎を解いてくれと依頼してくるが。
    行って見ると、どこか不審な気配が?

    日常の謎から、犯罪と言えるもの、自身に関わるものまで。
    バラエティありながら、ひと気が少ない図書館の雰囲気をどこか漂わせて。
    高校生にしては落ち着いていて知的で、でもやはり初々しさもある二人の様子が新鮮です。
    切なさも含むラスト。

  • 米澤先生の〈古典部〉シリーズが本当に大好きなので、他の作品も絶対ハマる!と思い、図書館で本書を借りました。
    読んでみた結果、想像以上に刺さりました。

    主人公たち2人の周りで起こった全部で大まかに5つのプチ(?)事件を2人で力を合わせて解決していくという、今作も〈古典部〉シリーズと同じく、青春ミステリーものでした。

    主人公たちの性格がまた憎めない感じだったのも良くて、ちょっぴりダークな部分が各章の最後に見え隠れするのも良かったです。

    やはり米澤先生の本のいいところは、物語の中の細かなヒントを見落とさなければ、読者も謎解きに参加することができるというところです。まあ、私の場合はおかしいなと思うことがあるだけで、自力で解決はまだできないのですが…。

    今作で1番びっくりしたことは、10円玉の表面は、平等院鳳凰堂の側だったことですかね。

    続編の2作目ももうすでに借りてあるので、読むのが楽しみです。

  • 表紙がすき。なぜかこの本を読むと江戸川乱歩を思い出す。 ・・・何故?

  • 6つの連作短編。

    先日(8日前)「Iの悲劇」を読み終え、気になっていた本書も続けて手にしてみました。

    4日前に読み終えた桜木紫乃さんの「ホテルローヤル」と同じような連作短編物なので、わりとサクッと読み終えました。

    著者の作品はこれで4冊目の読了となりましたが、終わり方がスッキリしないのも一つの特徴なのかな。

    そんな感じで☆3つって評価です。

    本作の主人公は高校で図書係をしている堀川(僕)が主人公なのだが、同じ図書係の松倉とのW主演でいいと思います。

    そんな2人が「本」と「鍵」にまつわる謎解きをしながらストーリーは進んでいきます。

    ラストの「昔話を聞かせておくれよ」と「友よ知るなかれ」2話は松倉の過去(昔話)から今に繋がる最大の見せ場。

    最後の盛り上がり感は高揚しましたが、図書室で待つ堀川のもとに松倉は現れるのでしょうか...

    ...

    ラスト描ききって欲しかったぁ(><)



    説明
    内容紹介
    堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが……。

    放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。
    爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ、開幕!


    【著者プロフィール】

    米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)
    1978年岐阜県生まれ。大学卒業後、書店員勤務の傍ら小説を執筆。
    2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)
    奨励賞を受賞してデビュー。『氷菓』をはじめとする古典部シリーズはアニメ化、漫画化、実写映画化され、ベストセラーに。
    2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。2014年『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。
    『満願』と2015年刊行の『王とサーカス』はそれぞれ三つの年間ミステリランキングで1位に輝き、史上初の2年連続3冠を達成した。
    内容(「BOOK」データベースより)
    堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが…。図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    米澤/穂信
    1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で第五回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞を受賞してデビュー。『氷菓』をはじめとする古典部シリーズはアニメ化、漫画化、実写映画化され、ベストセラーに。11年『折れた竜骨』で第六四回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。14年『満願』で第二七回山本周五郎賞を受賞。『満願』と15年刊行の『王とサーカス』は、それぞれ三つの年間ミステリランキングで一位に輝き、史上初の二年連続三冠を達成した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 「さよなら妖精」に続いて、2作目の米澤穂信さん。

    今までよく読んでいたミステリーというと、宮部みゆきさんや東野圭吾さんで、晩ご飯の支度を忘れてページをめくってしまう感じだったが、この作品はゆったりと読めるミステリーだった。
    つまらない、というのではなくじっくり味わうタイプとでもいうのだろうか…。
    表紙と中身がベストマッチ!(変な英語)だと私は思う。

    高校生とは思えない思考力と落ち着きのある、二年生図書委員松倉と堀川。頭が切れる2人が、身近なところでおこるちょっとしたトラブルに推理を働かせる、短編仕立て。
    頭はいいが、ちょっとズレたところのある男子というのは、なかなかツボである。

    タイトルに「本と鍵」とあるように、ミステリーを解くために「本と鍵」が文字通りキーとなる。
    鍵がかかわる最後の二編は、うーむもう少し背景を知りたかったなぁ…。2019.11.13

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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