本と鍵の季節

著者 :
  • 集英社
3.74
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本棚登録 : 3256
レビュー : 403
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087711738

作品紹介・あらすじ

堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。
そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが……。

放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。
爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ、開幕!

【著者プロフィール】
米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)
1978年岐阜県生まれ。大学卒業後、書店員勤務の傍ら小説を執筆。
2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)
奨励賞を受賞してデビュー。『氷菓』をはじめとする古典部シリーズはアニメ化、漫画化、実写映画化され、ベストセラーに。
2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。
2014年『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。
『満願』と2015年刊行の『王とサーカス』はそれぞれ三つの年間ミステリランキングで1位に輝き、史上初の2年連続3冠を達成した。

感想・レビュー・書評

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  • 高校二年生で図書委員の僕、堀川次郎と松倉詩門の織り成す連作短編ミステリー。
    ミステリーは日常の謎から「これはどう見ても犯罪だ」と思われるものまで多岐にわたります。
    「913」では図書室の分類記号を全く知らなかった元図書委員の女子高生が登場しますが結末はかなり驚きました。(そのあと女子高生が普通に学校に通っているのにも驚きました)
    「ない本」も二人の推理の過程が面白かったのですが、結末からするともう少しストーリーに趣があればよかったと思います。
    最後の二編「昔話を聞かせておくれよ」と「友よ知るなかれ」は松倉の父親に関係した重大な事件へとつながります。松倉詩門とは一体どういう人間なのか、高校生ながら心の内に隠された秘密が判明します。松倉が僕に主張したことは胸に響きました。ラストは「えっ、ここで終わりなの?」と思いましたが、それでよかったのかもしれません。

    • やまさん
      まことさん
      おはようございます。
      いいね!有難う御座います。
      野伏間の治助 北町奉行所捕物控 シリーズの8作目です。
      長谷川卓さんの...
      まことさん
      おはようございます。
      いいね!有難う御座います。
      野伏間の治助 北町奉行所捕物控 シリーズの8作目です。
      長谷川卓さんの本は、「戻り舟同心」シリーズの新装版が出てから読み始めたのかな?
      はっきりは覚えていませんが、新刊が出たら読んでいます。
      読んでいて面白いです。
      中でも一番は、「嶽神」の上下巻です。
      真田忍者、伊賀忍者は出て来るは、そして武田家の遺金をめぐって壮烈な戦いです。
      是非読んでみてください。
      やま
      2019/12/10
    • まことさん
      やまさん♪おはようございます。
      こちらこそ、いつもありがとうございます!
      お薦めありがとうございます。
      でも、残念ですが私は時代小説は...
      やまさん♪おはようございます。
      こちらこそ、いつもありがとうございます!
      お薦めありがとうございます。
      でも、残念ですが私は時代小説は『うちの旦那が甘ちゃんで』あたりが、たぶんやっとだと思います。(^^♪
      2019/12/10
  • 人気の無い高校の図書室の図書委員の堀川次郎と松倉詩門のもとに持ち込まれる相談事の謎をこの二人が鮮やかに解いていく。手掛かりがあちらこちらに散りばめられていて、その見つけ方も思わずなるほどと思わされるもので、作者の持っていき方は実に上手い。ただ、解決しても結構苦みが残るものではあるが。このあたりは、この作者の持ち味だろう。それにしても、この二人は高校生にしては頭が良すぎるし大人びていることよ。詩門の弟が礼門で父親が**で来るとは、高尚だよねえ。

  • 「さよなら妖精」に続いて、2作目の米澤穂信さん。

    今までよく読んでいたミステリーというと、宮部みゆきさんや東野圭吾さんで、晩ご飯の支度を忘れてページをめくってしまう感じだったが、この作品はゆったりと読めるミステリーだった。
    つまらない、というのではなくじっくり味わうタイプとでもいうのだろうか…。
    表紙と中身がベストマッチ!(変な英語)だと私は思う。

    高校生とは思えない思考力と落ち着きのある、二年生図書委員松倉と堀川。頭が切れる2人が、身近なところでおこるちょっとしたトラブルに推理を働かせる、短編仕立て。
    頭はいいが、ちょっとズレたところのある男子というのは、なかなかツボである。

    タイトルに「本と鍵」とあるように、ミステリーを解くために「本と鍵」が文字通りキーとなる。
    鍵がかかわる最後の二編は、うーむもう少し背景を知りたかったなぁ…。2019.11.13

  • 図書委員の2人の男子高校生が様々な謎を解く連作短編。
    こんな高校生いないだろ?とも思うが、それは野暮。
    二人が最後まで友情を維持できるのか?
    続編は、無いんだろうなあ。

  • 高校の図書委員の堀川と松倉が先輩や後輩から持ち込まれた謎を解く日常ミステリ、と思わせておいて実は苦い真相が隠れている短編集。本と鍵が軸になっている枠の中で小さな違和感からの推論を積み重ねて真相に辿り着く過程は手堅い。真っ直ぐな堀川と斜に構えた松倉の性格の差からのアプローチの違いも面白い。苦味は金庫の番号を特定する「913」から効いているけど「ない本」「昔話を聞かせておくれよ」が絶妙。二人の友達とは言い切れない微妙な関係だからこそ「友よ知るなかれ」の結びが良かった。その後が知りたいような知りたくないような。

  • 図書委員の男子高校生二人が、日常のミステリとも言えるちょっとした謎を紐解いて行く短編集。
    明るく爽やかさいっぱいで解決かと勝手に想像していたので、この展開は戸惑いつつも逆に意表を突かれた気分で楽しめた。
    二人の推理トークはバランスが良く、読んでいて気持ちがいい。
    最後の二話は何とも読み応えあり。友を想う気持ち…それこそ鼻の奥をツンとさせながらビターチョコレートを口にしたような読後感。

    • まことさん
      くるたんさん♪おはようございます!
      夕べ読了しました。
      この作品はブクログで知ったのですが、この作品のレビューがたくさん流れてきたときに...
      くるたんさん♪おはようございます!
      夕べ読了しました。
      この作品はブクログで知ったのですが、この作品のレビューがたくさん流れてきたときにくるたんさんのレビューも流れてきていて、いいね!させてもらいました。
      さすが、ミステリーに慣れているとこういう風に書くのかぁ。上手だなあ。と毎回思います。私は感想よりあらすじになってしまって、ネタバレとかネタバレすれすれです。
      この作品、最後は続きがあるのかと思いましたが、これで終わりなんですね。
      余韻のある終わり方でしたね。
      2019/12/09
    • くるたんさん
      まことさん♪
      おはようございます♪
      コメありがとうございます♪もう読了されたのですね♪
      二人の推理トーク、高校生とは思えないキレ者同士のトー...
      まことさん♪
      おはようございます♪
      コメありがとうございます♪もう読了されたのですね♪
      二人の推理トーク、高校生とは思えないキレ者同士のトークでしたね♪

      ミステリはレビューがほんと、難しい。悩みますよね。

      そしてこの余韻、しんみりしますね。また会えることを願ってしまいます( ´ `。)+°
      2019/12/09
  • 図書委員の二人が依頼されたり、遭遇した事件の謎を解く。
    二人のやりとりが小気味よいが、気があっているが、微妙に捉えきれていない関係の描写が妙にリアルに感じられた。謎とき部分は、少し気になる点もあったが、そう感じた点が実は著者の思うツボに入っていたところもあって、上手くハマってしまった。
    個人的には、後半の3作がよかった。それぞれの感情に伴った言動によって、人間性が描かれていて、そこで二人について人間味を感じることができたと思う。

  • この著者の作品には、しばしばビターという表現がされるような気がする。気がするだけで、俺の気のせいかもしれないけど。ただ、本書を読み終えて、やっぱりビターという印象を持ったんだよね。決して明るくはない。でも暗いかといえば、ユーモラスだったりする。描かれているのが、高校生の日常だからかなぁ。いや、俺自身、高校生だったことはあるし、決してバカにしているわけではない。

    この著者の本を読んで、過去の印象でいえば、思春期のイタさを上手に描く人だな、と思ったものだった。それは舞台が高校だから、というわけでもないと思う。

    ビターって、苦みのことかもしれないけれど、でも本書の印象は苦い、ではないのだ。やっぱりビターなんだよね。チョコレートとかコーヒーに感じるような、どこか甘さを感じさせる苦み。

    それは過去、自分が通りすぎた時間を思い起こさせるからかもしれない。苦いんだけど、通り過ぎた身としては、どこかかぐわしい甘さも感じてしまうような。

    もうひとつ。この著者はしばしば現代社会の病巣も盛り込むことがあるのだった、なんてことを感じた。他の作品が、どんなだったかはユーゴ情勢くらいしか思い出せないけど。

    本書でとりあげられたのは、子どもの貧困、といったところだろうか。物語の最後の方で彼が言った言葉は、どこかつらいというか、それこそ苦いものだったかもしれない。でも、いつかそれが、甘さとか切なさを伴いつつ、思い返せるものであってほしい。なんか、そんなことを感じちまったなぁ。

    適当に思いつくままに書いてしまったので、このあたりのレビューはいつか推敲したいな。

  • これはこの先も続くのか?このままかな。
    高校二年の図書委員2人。ともに頭が切れる曲者。
    難題をスマートに解決してしまう。
    そして、まさかの友人の秘密を知ってしまう事に。

    黙っておきたい出来事も、突然言葉にしてしまいたくなる間柄。
    なあなあな感じじゃなく、いい距離感でいたのに。

    本当にこの先の2人が知りたい。

  • 米澤穂信の得意な高校生もの。今回は図書委員であるが、学生っぽさは微塵もない、少し変わった高校生である。まあ、高校生である必然性はなく公共図書館の司書であっても成り立つ展開であるが・・。しかし、本書の特筆すべきは、キャラクタではない。日常の謎というジャンルに属するが、その中でも推理の論理展開が際立っている。見事だ。無理線ギリギリのところで納得感を保っており、「おぉ、そういうことか」と納得させられてしまう。さらに、「いやぁ、それはいくら何でも」とラインを飛び越えたものについては、きっちりその違和感に決着をつけるどんでん返しが用意されている。流石は米澤穂信だ。見事としか言いようのない。全体的にビターな感じがアクセントになっており癖になりそうな物語である。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞しデビュー。11年『折れた竜骨』で日本推理作家協会賞、14年『満願』で山本周五郎賞を受賞。『満願』は同年の年間ミステリランキングで三冠をとるなど、話題を呼んだ。近著に『王とサーカス』『真実の10メートル手前』『いまさら翼といわれても』『Iの悲劇』『本と鍵の季節』『巴里マカロンの謎』などがある。

「2021年 『黒牢城』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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