平成大家族

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 376
レビュー : 98
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712032

作品紹介・あらすじ

家族のあれこれ知っていますか。父が、母が、子が、祖母が。4世帯家族の混線連作小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 父母、祖母、長男、長女一家、次女の8人の大家族。
    それぞれにいろいろな問題がある。
    夫が事業に失敗し、自己破産し出戻った長女、不妊が原因で離婚に至った直後に別の人の子を身ごもった次女、ひきこもりの長男、祖母は軽度なようだか認知症を患い、家族のゴタゴタに不満を抱える母、息子との関係修復がままならず我関せずを決め込む父。
    どこかにありそうな話のオンパレード。
    しかし、著者の筆にかかれば、クスッと笑える家族小説となり、案外幸せだよねと思わされます。

    どんなトラブルも、解決しない事はない。
    緋田家の未来も明るいものと思える終わり方が良かったです。

  • 平成が遠くなる前に読んでおこうと思って手にとった本。
    それぞれの事情が重なって大家族になった緋田家のお話。
    「長いお別れ」と同じように、章ごとに語り手が移っていくタイプの展開で、色んな視点で家族を見れて面白かった。
    「長いお別れ」でもそうだったけど、中島さんの描く家族って理想的とかではないけど、そこはかとない結束力を感じてすきだなあ。
    家族の中でも白黒つけられないことはたくさんあって、それを無理に突き詰めるよりグレーなまま一緒にいることを選ぶような、見えにくい優しさがあるというか。

    ドラマ化したら誰に演じてほしいか、というの特にないんだけど、藤代さんだけ完全に「告白」の頃の橋本愛のイメージで読みました。

  • 最初のうちは、龍太郎の視点に同調して、身勝手な家族にイライラする気持ちがあったけど、それぞれの心情がわかるとそうでもなくなる。家族ってそういうものだよなーってすごく実感した。
    良かった。

  • 新元号が令和に決まってからこの平成大家族を読み終えた。
    いろいろあってそれなりに生活しているのが家族だなと思った。
    令和になっても家族いろいろでしょうね。

  • 装丁/大久保伸子 装画/曽根愛

  • この平成時代にこれほどの大家族はなかなかいないだろうな。
    結婚して出ていった娘が戻ってきたり(これはありそう)、また出ていったり。引きこもりの息子が出てくるようになったり。これだけ人数がいれば、毎日いろんなことがあって飽きることがないだろうなぁ。羨ましいわ。
    人数が多いと意見の食い違いや衝突もあるだろうけど、それも何もないよりは刺激的ということで(笑)。

  • 並行して「老後破産」のNHK特集を見ていたら、義母と静かに老後の暮らしていたら、収入のない30代後半の息子と孫2人が戻ってきて、急に6人家族になって、義母は認知症がひどくなってることもあって家計は赤字となる という話をしていた。

    この本も同じ趣旨ですね。娘二人が旦那の失業、娘本人の離婚で4人戻ってくる。すでに長男は引きこもりだし、祖母は認知症という設定。鋭く今の状況を映してる内容だ。昭和の大家族と違って平成の大家族は現代の不幸ここに極めり、ライフラインとしての家族だ。

    人称を変え、その一人一人の生活ぶり、心情を丁寧に描いている。個人的にこういう内容のものを「日常生活ディテイルもの」と呼んでいる。どこまで日常をリアルに切実にディテイル豊かに描写できるかが腕の見せどころだ。

    ヘビーな状況なんだが少しオフビート、脱力系の展開が面白い。まぁこういう展開の仕方も一つのパターンではあるが。こんな状況だってそれなりに希望はあるのさというコンセプトだ。引きこもりの人が結婚にこぎつけるなんて少し無理があるとこなんだろうが、日常生活ディテイルものとしての範疇を壊すことはなく肯定される感じが心地よい。あー、そういう意味ではうまく夢物語を語っているのかもしれない。またこれからの作品が楽しみな作家が増えた。

  • 軽い物語かと思ったが意外と重いというか深いというか、タケおばあさんの思い出話の手をつないでいた話とか、確かにあれを聞いていたら「しーーん」となってしまうだろうなと思う。家族ってハナレグミの歌のように、友達のようでいて他人のように遠い。不思議な関係。

  • 中島京子も不思議な作家。現代っ子なのにいろんな時代の登場人物を描く。これはある家族。それぞれに問題を抱えながら成長し結果、互いに支えになる。過程が面白い。

  • 面白かった。
    どの話もどこかしら「あるある、わかる〜」な部分があって、楽しめた。
    大きな事件は起こらないが(最初からみんなトラブルの塊みたいなもんだから)ラストは全員落ち着くべきところに落ち着いて、良かったなと思う。

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著者プロフィール

中島京子(なかじま きょうこ)
1964年東京都生まれの作家。『FUTON』でデビュー。著書に『小さいおうち』(直木賞)、『かたづの!』(河合隼雄物語賞・柴田錬三郎賞)、『長いお別れ』(中央公論文芸賞)等。2019年5月15日、新刊『夢見る帝国図書館』を刊行。

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