転身

著者 :
  • 集英社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712186

感想・レビュー・書評

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  • おおう、難しい…淡々と進んでいくふしぎな日常…

  • ひらがなの「る」を書こうとしたら最後の返し部分をとめにできなかった。突き抜けて螺旋をぐるぐると描き、その上に自分が乗せられている錯覚に陥った。
    目覚まし時計が現在の時刻を知らせるのに、どれほど年月が経ったかわからない。突然、よどみなく流れていた水が止まってしまった。後ろを振り返ると、遠く、遥か遠くまで来たことを悟り、はっとする。
    ころころ転がる。ゆらゆら揺れる。
    ある場所に留まらない、あるかたちに定まらない命。
    むかしの記憶を閉じ込めたまま海を漂い、長い旅を続ける流氷でさえいつか溶けてしまうのだろうか。 それでも、生きた跡は消してくれるな。

    私はここにいます。あなたはどこにいますか。
    《2014.10.14》

  • 詩みたい。
    独特な世界観と綺麗な文章で好きでした。
    読んでいると映像が見えた。

  • この、読んでいる間の心地よさはなんだろう?細大漏らさず受け止めたくなる。惹かれる。

  • 難解だ…。アイヌを取り扱ってるので(アイヌって言葉は出てこないけどアイヌですよね…?)割合好きです。和人の思い描く理想的なアイヌっぽいのが…とてもファンタジックですね…。

    流されるまま、職場仕事を点々とする主人公とアザラシや鯨を先祖に持っていて、人間だったりアザラシだったりする人たち(はっきり書かれてないけど、そんなニュアンスだったかなと…)の転身を徒然と、ストーリーらしいストーリーはなく書き綴る…って感じの本。

  • 独特の文体。
    静かに、ひたひたと水が寄せるような感覚。
    読み進めて行くと、ゆったりと水中をたゆたうような感覚に。
    私の言語能力では感想を書くことが難しい・・・
    不思議な物語。

  • 映画をみているような最後 音にのみこまれた

  • 詩の選者などもしておられるハイレベルな詩人の蜂飼耳さんが書かれた初めての長編小説。・・・・と言われているほどには長くないけれど。 
    アルバイトだの同僚だの普通の一般社会の女の子であったはずの主人公が・・・・・
    全編キラキラ美しい言葉いっぱい いつの間にやら不思議な世界に引きずり込まれてしまう。
     

  • 鶏を飼っている女の子が、バイト先で出会った女の人について、
    マリモを丸めに行く話。

    淡々と話が進んでいくところがよかった。
    深く考えないで読めるタイプの話だと思う。

  • 修辞区や比喩が響きあって共鳴して、一つの歌を聴いている感じがした。とてつもなく余韻を残す物語だ。

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著者プロフィール

詩人。1974年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。詩集『いまにもうるおっていく陣地』(1999年・紫陽社)で、第五回中原中也賞を受賞。現在、詩作の他、「週刊朝日」「図書新聞」などにエッセイを連載。

「2003年 『ひとり暮らしののぞみさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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