逝年 Call Boy 2

  • 集英社 (2008年3月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784087712247

みんなの感想まとめ

人生の満足度を測る鍵は、自分の好きなことにどれだけ集中できるかにあるというテーマが描かれています。主人公は、周囲が就職活動に追われる中、自身の情熱に忠実に生きる姿勢が印象的です。彼は人々の心に寄り添い...

感想・レビュー・書評

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  • 大好きなことに集中する。セックスでなくてもぜんぜんかまわないけれど、そういう時間をどれだけたくさん一生のうちにつくれるか。富でも名声でもなく、それが人生の満足度を計る鍵だとぼくは思う。


    この青年はすごいなぁと思う。周りが就職活動をしている中、自分だけはブレずに自分の好きなことに対してひたむきに取り組んでいる。
    「人間好きなことだけやって生きていけないよ」っていう言葉をよく耳にするけど、そうやって好きなことを我慢して生きていったら、いつか後悔してしまいそうだなと思った。

  • 純粋。

    タイトルに惹かれて、手に取った。
    ここで描かれる少年は人の気持ちを受け止め、その人を笑顔にさせる仕事をしている。だけど、世間からは後ろ指を指されるような仕事でもある。
    汚い仕事とはなんだろう。ここでの少年はとても純粋だ。人の原点とはこういうことではないのかと思う。発展しすぎて見失ったものを、人が行う本来の行為で取り戻している、というか。

    衣良さんの小説はこういう性を扱う場面になると、ぐんと透明感を増すような気がする。

  • 女であることのつらさを思う本の後で、女であることの歓びも存在することを感じました。
    私の女としての一生は…?
    色んな女性がいて肯定的にとらえているのですが特に年齢を重ねた女性を好意的に表現されているのがわたし的には嬉しいところです。
    「生きているって、自分の体をとおして誰かを感じて、なにかを分けあうってことだったんだね。」

  • 松坂桃李主演の映画にもなった「娼年」の続編。主人公リョウは娼夫。
    リョウが務めるクラブ・パッションのオーナー御堂静香が逮捕された後の物語。AIDSを発症した御堂静香、性同一障害のアユム。気づかないだけで、本当はそんな人たちは傍にいるのかもしれない。
    性は自由なのか、と考える必要はなく、物語として綺麗に読み進むことができる作品。単純に性描写だけを求めていてはいけません。リョウが女性を描写するところ、心理面で女性を大切にしているところ、そこが素敵です。
    それにしても、死ぬまで性を求める静香って凄いですね。ビックリです。でも最期は、愛する人のぬくもりを感じたいという思いは、わかるような気がします。

  • 著者初期の傑作「娼年」の
    続編にして完結編。

    娼夫として働く青年・リョウは、
    女性の快楽の奥に何を見るのか。

    主人公を通して描かれる
    女性の心理描写が相変わらず凄まじい。
    女性社会にいる自分ですら参考になる(何様?)

    一作目ほどのインパクトはないけれど、
    淡々と流れる文章とストーリーの美しさは秀逸。


    -相手の幸福が、自分にとって不可欠な状態を愛という-


    逝と、性と、セックスについて、
    もう一度真摯に考えてみませんか。

  • 前作の「娼年」を読んでから主人公のリョウは女性の心を理解する素敵な男性になったと感じた。
    身体を売る仕事は卑しく思えても、著者が描くとその人生そのもの苦しみや葛藤がきれいに並べられて愛おしく感じる。
    また自分の未熟な価値観が1つ階段を登ったように成長した気持ちになる。

  • 「娼年」のその後のお話。
    間がかなりあったので読み返してから読みましたが、読み返す必要もなかったかなと思いました。
    過去の話はあまり出てこないので、「過去」と「現在」がばっちり分かれているので、成長したその後のストーリーが楽しめました。

  • 娼年が気になっていたものの、貸出中で待っていられなかったためⅡとなるこちらから先に読んだ。
    おそらく『娼年』の最後で摘発されたのであろうクラブの再建過程とオーナーである御堂静香の死までを描いている。
    テーマがテーマだけに生々しい話が多いものの、描かれ方があっさりとして過度ないやらしさがなく、そのせいか嫌悪感がわかずに済んだ。
    中盤、アユムが親との確執を乗り越える場面は現実ではこうスムーズには進むまいと薄っぺらく感じたものの、全体として淡々とした感じがよく、花の香の香水のような清潔で甘い味わいがあった。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99084259

  • 「あなたが今悲しいのなら、その悲しみをわたしに感じさせて。ふたりで分けあって、その色をもっと深い色にする。わたしはわたしの身体をとおして、リョウくんの悲しみを感じたい」
    「ぼくたちは、心を分けあうために、身体を重ねる」
    心を揺さぶられる言葉です。

  • 女性が年齢を重ねることをネガティヴにとらえるひとに、そういうことではないのだと諭してくれる作品。官能的な描写が多いが、そこにある真実を彷彿とさせ、生きることの意味を問う。

  • 娼年を読んで「娼夫の経験を通じた人生観の形成は可能なのか?」と疑問を持った自分の考え自体が、「普通の壁」を越えられていないからなのかも?と感じた。

    「異質」を排除し破壊することは、本当に正しいことなのか。「異質」側に立ったとき、こちら側が「異質」になっている。だから、通じ会えない。多様性の必要性が叫ばれる今、じっくり考えたいと思った。

    鴻巣友季子さんの解説も秀逸でした。

  • 仕事は非合法かもしれないが、許せるレベルというか存在意義はあると思う。

    主人公のリョウとオーナーの御堂静香の純愛は美しかった。

  • 104:あー……「娼年」の続編ということでむちゃくちゃに期待してて、でも肩すかしだったらどうしようと恐れてもいたんですが、ふつうによかった。ただ、結末が明らかなのでどうしても静かな暗さがあるというか……。何かあと少しだけ、ほんの少しだけ光が欲しかった。どうでもいいけど、リョウ君は佐々木海人だなあと思ってしまった次第。

  • 石田衣良さん著で、松坂桃李主演映画の話題作の第2弾!

  • 『娼年』の続編。『逝年』は、前作に比べるとかなり説教くさく、正直官能小説をみているような感覚もなかった。

    しかし、前作でやって欲しくなかった事が、今回やってしまった。しかし、『逝年』ではやってよかった!

  • 「娼年」の続編作品です。
    全くもって現実味はないのだけど、ゆるゆると悲しく穏やかな物語でした。

  • なかなかおもしろかった。男性の作家が描く性描写って、女性から見ると一方的というか暴力的な感じが多い。でも、この小説ではすごくやわらかい感じがする。
    『心を分けあうために身体を重ねる』『生きているって、自分の身体をとおして誰かを感じて、なにかを分けあうってことだったんだね』この言葉にはとても心を揺さぶられた。娼夫って聞くとただ性欲を満たすための存在って感じるけど、リョウくんみたいに相手の心の傷を癒してくれる存在なら神様みたいに思えるだろうなあ。

  • 映画「娼年」の出来が良かったので、続編を読む気になった。起承転結で言えば、承に当たるような作品で、静さんが逮捕されてから再度クラブ・パッションを立ち上げてからの話になり新しい仲間メグミや性同一障害のアユムも加わったが、出所してきた静の病状が悪化し最後の別れのSEXをすることになることで逝年という題になったようである。しかしまだまだ色々な性の形の物語がありそうで、さらに続編が出ておりそれも読まざるを得ないだろう。

  • なんだかおかしいと思ったら、娼年の後、逝年の<1>があったみたい。
    理解できないことばかりだったけど、御堂静香への愛というか忠誠心というか。
    心を打つものもあった。
    ーーー
    リョウ、二十歳の夏。恋愛にも、大学生活にも退屈した日々を送るなか、ボーイズクラブのオーナー・御堂静香に見出され、とまどいながらも「娼夫」の仕事を始める。やがて、リョウは女性たちのなかにひそむ、さまざまな欲望の不思議に魅せられていく…。性愛の深淵を透明感あふれる筆致で描く長編小説。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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