逝年

著者 :
  • 集英社
3.35
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本棚登録 : 1155
レビュー : 197
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712247

作品紹介・あらすじ

リョウ、二十歳の夏。恋愛にも、大学生活にも退屈した日々を送るなか、ボーイズクラブのオーナー・御堂静香に見出され、とまどいながらも「娼夫」の仕事を始める。やがて、リョウは女性たちのなかにひそむ、さまざまな欲望の不思議に魅せられていく…。性愛の深淵を透明感あふれる筆致で描く長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 純粋。

    タイトルに惹かれて、手に取った。
    ここで描かれる少年は人の気持ちを受け止め、その人を笑顔にさせる仕事をしている。だけど、世間からは後ろ指を指されるような仕事でもある。
    汚い仕事とはなんだろう。ここでの少年はとても純粋だ。人の原点とはこういうことではないのかと思う。発展しすぎて見失ったものを、人が行う本来の行為で取り戻している、というか。

    衣良さんの小説はこういう性を扱う場面になると、ぐんと透明感を増すような気がする。

  • 松坂桃李主演の映画にもなった「娼年」の続編。主人公リョウは娼夫。
    リョウが務めるクラブ・パッションのオーナー御堂静香が逮捕された後の物語。AIDSを発症した御堂静香、性同一障害のアユム。気づかないだけで、本当はそんな人たちは傍にいるのかもしれない。
    性は自由なのか、と考える必要はなく、物語として綺麗に読み進むことができる作品。単純に性描写だけを求めていてはいけません。リョウが女性を描写するところ、心理面で女性を大切にしているところ、そこが素敵です。
    それにしても、死ぬまで性を求める静香って凄いですね。ビックリです。でも最期は、愛する人のぬくもりを感じたいという思いは、わかるような気がします。

  • 著者初期の傑作「娼年」の
    続編にして完結編。

    娼夫として働く青年・リョウは、
    女性の快楽の奥に何を見るのか。

    主人公を通して描かれる
    女性の心理描写が相変わらず凄まじい。
    女性社会にいる自分ですら参考になる(何様?)

    一作目ほどのインパクトはないけれど、
    淡々と流れる文章とストーリーの美しさは秀逸。


    -相手の幸福が、自分にとって不可欠な状態を愛という-


    逝と、性と、セックスについて、
    もう一度真摯に考えてみませんか。

  • 前作の「娼年」を読んでから主人公のリョウは女性の心を理解する素敵な男性になったと感じた。
    身体を売る仕事は卑しく思えても、著者が描くとその人生そのもの苦しみや葛藤がきれいに並べられて愛おしく感じる。
    また自分の未熟な価値観が1つ階段を登ったように成長した気持ちになる。

  • 「娼年」のその後のお話。
    間がかなりあったので読み返してから読みましたが、読み返す必要もなかったかなと思いました。
    過去の話はあまり出てこないので、「過去」と「現在」がばっちり分かれているので、成長したその後のストーリーが楽しめました。

  • 104:あー……「娼年」の続編ということでむちゃくちゃに期待してて、でも肩すかしだったらどうしようと恐れてもいたんですが、ふつうによかった。ただ、結末が明らかなのでどうしても静かな暗さがあるというか……。何かあと少しだけ、ほんの少しだけ光が欲しかった。どうでもいいけど、リョウ君は佐々木海人だなあと思ってしまった次第。

  • 石田衣良さん著で、松坂桃李主演映画の話題作の第2弾!

  • 『娼年』の続編。『逝年』は、前作に比べるとかなり説教くさく、正直官能小説をみているような感覚もなかった。

    しかし、前作でやって欲しくなかった事が、今回やってしまった。しかし、『逝年』ではやってよかった!

  • 「娼年」の続編作品です。
    全くもって現実味はないのだけど、ゆるゆると悲しく穏やかな物語でした。

  • なかなかおもしろかった。男性の作家が描く性描写って、女性から見ると一方的というか暴力的な感じが多い。でも、この小説ではすごくやわらかい感じがする。
    『心を分けあうために身体を重ねる』『生きているって、自分の身体をとおして誰かを感じて、なにかを分けあうってことだったんだね』この言葉にはとても心を揺さぶられた。娼夫って聞くとただ性欲を満たすための存在って感じるけど、リョウくんみたいに相手の心の傷を癒してくれる存在なら神様みたいに思えるだろうなあ。

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著者プロフィール

石田 衣良(いしだ いら)
1960年東京生まれの小説家。フリーター、広告代理店でのコピーライターを経て、36歳のときに一発祈念して執筆活動を開始。
1997年、『池袋ウエストゲートパーク』で第36回オール讀物推理小説新人賞、2003年『4TEEN フォーティーン』で第129回直木賞、2006年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞、2013年『北斗 ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。
多くの作品がドラマ・映画化されている。代表作に、ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「下北サンデーズ」、映画「アキハバラ@DEEP」、「娼年」。
2015年にウェブ個人誌『小説家と過ごす日曜日』を創刊するなど、メディアをまたにかけて活躍を続けている。

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