観月観世

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 16
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712513

作品紹介・あらすじ

満月に集う六人の男女、人の世を語り死を想う。二十五年にわたり書きつがれた傑作連作小説。

感想・レビュー・書評

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  • 毎月、満月の日に耳の不自由な老婆の家を訪れる大人たち。
    「観月会」は名前のように月を愛でるのが目的でもなければ、会話が目的というわけでもないという風変わりな会。
    少しばかりの酒と肴。
    そして、交わされる会話は本当の事でもいいし、作り事でもいい。
    大体、毎月と言っても人が集まらなければ自然消滅という自由なその会の主催者は、会員制のテニスクラブの会長、宇佐美。
    彼が気に入った人に声をかけ、彼の都合が悪ければ何年も開かれることはない。
    そんな「観月会」で交わされる会話は、友人の秘密、死生観、異国の宮殿の話、社会主義について・・・。
    そんなとりとめもなく、結論も出ない話が延々と交わされる。
    そしてこのお話自体も・・・。
    普通だと退屈に思われるお話なのに何故か魅力がある。
    登場人物の口を借りて語られる曽野綾子さんの考えにハッとしたり共感したり・・・。
    最初にギョッとしたのは、一般的に差別用語と言われる言葉がサラッと飛び交っていること。
    それも意図的なもの、確固とした考えのあってのものだというのが読んでいると分かりますが、それに対して不快に感じる方もいるだろうと思います。
    この「観月会」という会のように、浮世離れした静かな雰囲気の漂うお話でした。
    私もこの観月会に参加したい!
    チビチビ酒を飲み、肴を食べて、人の会話と波音を楽しみたいな~と思う作品でした。

  • 数名で月を観る会、中心となる話し手が各回ごとに替わり、明かりを消してじっくり話に耳を傾ける。主宰者の宇佐美老人の過去も明かされる。ほの暗い中での話しは、明るい話題はないが、様々な国の話は興味深い。25年にわたって書き続けられたという。深い味がする。

  • 不定期に集う月見の会には、名前も職業も経歴も異なる五、六名の会員が毎回集まる。その中の一人が主に語り、人々は電灯を消した月明かりの中でその話を聞く。そんな観月会のよもやま話を二十五年間にわたって作者が書き続けたもの。

  • 満月の日に開かれる観月会での話やそこに会話を楽しむために集まってくるメンバー。職業、姓名・・・嘘でもいいし明かしても明かさなくてもいいという風変わりで何物にも縛られない人達。そんな集まりがあってもいいかなぁ!

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著者プロフィール

一九三一年東京都生まれ。作家。聖心女子大学卒。一九七九年ローマ法王よりヴァチカン有功十字勲章を受章、二〇〇三年に文化功労者、一九九五年から二〇〇五年まで日本財団会長を務めた。一九七二年にNGO活動「海外邦人宣教者活動援助後援会」(通称JOMAS)を始め、二〇一二年代表を退任。『老いの才覚』(KKベストセラーズ)、『人間にとって成熟とは何か』『人間の分際』(ともに幻冬舎新書)など著書多数。

「2019年 『不惑の老後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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