- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087712711
感想・レビュー・書評
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小説フランス革命の第二巻、主人公的存在はパリでの民衆の放棄を先導したカミーユ・デムーラン。民衆の放棄が成功してバスティーユは陥落したが、その後の革命は迷走する様子が描かれる。
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時間がかかってしまい、途中脱落しそうになったが。
ミラボーの視点で革命の始まりが描かれている。 -
民衆に人気のある平民大臣・ネッケルの罷免により、群集の怒りは頂点に。
弁護士カミーユ・デムーラン率いる暴動がパリで勃発。バスティーユが民衆の手によって陥落した。
しかし、勝利の余韻もつかの間、なかなか前進しない革命に、パリ市民から不満の声が上がり始める。
一度ハマると抜け出せない世界ですね。
「革命」という言葉と行為がそそるのか、読者の気持ちをガッツリつかんで話さない作者の技か。いずれにしても、途中ではやめられないシリーズです。
前作「革命のライオン」から引き続き、ミラボーとロベスピエールの活躍から目を話せません。
その一方で、パリの民衆を率いて暴動を率いるべくミラボーに焚きつけられたカミーユもまた、今までとはまったく違う人物であるかのように、生き生きと恐れをしらないかのように、バスティーユの陥落までこぎつけます。
普段は非力であるけれども、いざというときの民衆の力の巨大さ。
なんて言ったらいいんだろう・・・・・
自分が、バスティーユ陥落の現場に参加しているような気分になったりしました。
かたや一方で、議会において新生フランスを立ち上げるべく奔走しているミラボーとロベスピエールですが、「急ぎすぎている」と言ったミラボーの言葉に共感を覚え、しっかりとした体制を作るためには、ロベスピエールにもミラボーの真意を理解して欲しいと切に願った次第です。 -
歴史書ではなく歴史小説としてのフランス革命、第2巻です。
デムーランを唆し、ミラボーの思惑通り革命が起こります。
しかし、想定外の出来事が筋書きを大きく変えていきます。
フランスがどこへ向かうのか、もはや誰にもわかりません。
混沌の時代、各々の思いが陰謀へと昇華していきます。
第3巻にも期待します。 -
2巻はデムーランが主役!フランス革命の幕開け、バスティーユ陥落から国王一家がパリに移る1789年7月12日から10月6日までの出来事を描く。デムーランが「武器を取れ」って演説し、それが導火線となってパリ市民の間に火を付けた形となり、バスティーユ陥落につながったなんて全然知らんかった…猛反省。口先だけの自信がない吃音のデムーランがね、まさかね、って。ここでもミラボーがデムーランの内にある猛々しさを見いだし、焚きつけると、デムーランは操られたかのように、パリ市民を扇動し始めて、すでにパリにくすぶっていた「空気」がブワッと膨らむ!この一連の描写は力強く、生々しい。フランス革命は後半の女たちのベルサイユ行進もそうだが民衆の圧がすごくて、そこが明治維新と違うのかな。
民衆が本当に欲しいのは理想ではなく今日のパン。パンを求めて時代という巨大な石をゴトッと動かすのは民衆。大きく動いた巨石が変な方向に勢い良く転がらないように突っかい棒をしたりしながらゆっくり進ませたいのが議員。民衆の力と議員のかじ取りがかみ合うのが理想なのだろうが、タイミングが合わない時もあって、歴史は動いてしまったものをどう収拾するのが次善か、ということの繰り返しのような気がする。
ミラボーは革命初期の立役者として本書でも暗躍するが、次第に民衆の力や理想に燃える議員の熱意と乖離を見せ始める。彼にとってフランス国王は不仲だった父であり、国王に革命を認めてもらいたかった。そこが彼の根っこで、不変の部分だったと思う。たとえそれが時代の流れと一致してなくても。 -
前巻で成立した国民議会に限界を感じたミラボーとロベスピエールはヴェルサイユを離れ、パリへ。パリで革命の声を上げることを企む。
そんな彼らの前にネギを背負ってやったきたカモが、カミーユ・デムーラン。恋人の前でミラボーにさんざん罵倒されたデムーランは怒りにまかせて、パリ民衆を焚きつけ、バスティーユ牢獄を襲撃する。
歴史的にはバスティーユ襲撃はフランス革命のはじまりを象徴する有名な事件なのだが、小説ではあっさりとした描写。もうちょっと迫力がほしいし、襲撃を知ったルイ16世の日記と有名なセリフに関するエピソードもない。第1巻もそうだったんだけど、この小説では、ルイ16世があまり登場しない。作者が嫌っているから?
一方、好待遇を受けているのは、ミラボー伯爵。ルイ16世も隣国のオーストリアもミラボーに大きな期待を寄せて、第2巻終了。次巻でもミラボーの活躍を予感させる。 -
ベルばらでは端役に過ぎなかったミラボーがとても魅力的に描かれていて、革命の立役者になっていて、反対に、ベルばらでは颯爽とした革命のリーダーだったロベスピエールが、本作では小賢しい頭でっかちの若者になっているのが面白い。かの有名なバスティーユ陥落も、その後のヴェルサイユからパリへの国王一家の移動も、本作ではなし崩し的な勢いでなされたことという描かれ方で、面白く思った。革命の初期には共和制ではなく立憲君主制が志向されていたのはおそらく史実なのだろうと思うのだが、それも初めて知ることで、興味深かった。その後の混迷…ロベスピエールの恐怖政治、国王一家やロベスピエール達革命の志士自身の処刑、ナポレオンの台頭、王政復古など…を考えると、改めて納得できることも多かった。
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デムーランやロベスピエールの描かれ方は、矮小に過ぎる感じもするが、これがこの著者独特の物語の方法なのだろう。 また、これまでに思っていたほどには革命は一気になったのではなく、バスティーユ以後にも様々な確執があったのだ。
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バスティーユ陥落、フランス革命のメインイベントだよね。
なんかオスカルが「撃て~」って言ってる印象強いんだよな(^_^;)関係ないけど。
女性がヴェルサイユ行進した経緯が、思ってたのよりほのぼのな感じだった。実際こんな感じだったのかな??
あのころの市民が、こんなに大それた革命やっちゃうなんて、時代のうねりってすごいなって感じた。小さな積み重ねが次第に大きくなって、、、的な。
ルイはまだ王としての権威があったんだな。やっぱヴァレンヌ逃亡事件が大きかったのかも。
続きが楽しみだわさ