魚神

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 602
レビュー : 146
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712766

感想・レビュー・書評

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  • ダ・ヴィンチで官能特集に入っていたけど
    この作品を「官能」というジャンルに入れるのは
    どうかなぁ…勿体ないと思う。
    (とか言いつつ官能に魅かれたのは紛れもない自分だけど)

    白亜とスケキヨの物語で舞台の中心は廓。
    カルマチックで業にまみれて、うたかたの世界。
    心情が丁寧に描かれていてページをめくる手が止まらなくなった。

    雷魚と白亜とスケキヨと白亜(輪廻)
    父と娘、母と息子が生み出す濃縮されてゆく業が
    たまらなく切ない。

    欲を言えばスケキヨサイドを掘り下げてほしかった。
    スケキヨのキャラが薄くて勿体ない。魅力不足。

    私は蓮沼にたまらなく惚れた。破滅的だな~。

    • vilureefさん
      こんにちは。

      先日読んだ「あとかた」が良かったので他の作品をと思って調べたらこの作品が出てきました。

      これは時代物?それともファ...
      こんにちは。

      先日読んだ「あとかた」が良かったので他の作品をと思って調べたらこの作品が出てきました。

      これは時代物?それともファンタジー?
      「あとかた」が現代の恋愛しょうせつだったので驚きました。
      色んなジャンルをかける作家さんなんですね。
      読んでみたい作品です(^_-)
      2014/01/26
    • まっきーさん
      vilureefさん

      こんにちはー。
      初めての千早さんの作品でしたが、これで「小説すばる新人賞」を受賞なさっています。

      最近...
      vilureefさん

      こんにちはー。
      初めての千早さんの作品でしたが、これで「小説すばる新人賞」を受賞なさっています。

      最近、新人さんなのにすごい作品を書く作家さんが多いなぁ~と驚きまくりです。

      個人的にはすごく好きな世界観で、たぶんファンタジーに入ると思うのですが、純粋なファンタジーではないと思います。

      「あとかた」私も読みたいなぁ~と思ってチェックしているのですが、図書館になくって(TωT)

      気になる作家さんが次々とドンドン作品を出すので追いかけるのも大変ですね(o^∀^)


      2014/01/26
  • 『魚神』千早茜

    宇野亜喜良さんの表紙が素晴らしい。このイラストが、内容の雰囲気を語り尽しているとまで思う。

      「恐ろしさと美しさを兼ね備えているものにしか価値は無いよ。」スケキヨのこの言葉が、いつまでも脳裏に響く。

    ねっとりとした空気、どろりとした手触り。島を取り巻く水の匂い、苔や植物の匂い、遊女達の匂い。

    夢食いの貘や雷魚伝説が伝わる島に捨てられた美貌の姉弟。伝説の遊女の名を継ぐ姉・白亜と弟スケキヨ。互いだけに気を許し、分かち難く生きてきた二人。しかし、スケキヨは、その美貌ゆえ、悪評高い裏華町に売られてしまう 。離れ離れになり動揺した二人は、ある晩の出来事を境に仲違いする。成長した白亜もまた遊郭へ売られ、やがて島一番の美しい遊女となるが、スケキヨを失って、感覚を失った人形の様に身をひさぐ白亜。が、彼女は遊郭の女郎や裏華町の男達を通じて徐々にスケキヨへと近づいて行く。一卵性の双子の様に惹かれ合いながら、拒絶を恐れ近づけない姉弟。二人が再び巡り会うとき、島に何が起きるのか…。

    妖しく、おどろおどろしい物語であるはずなのに、全く嫌悪を感じない。何故、この作家は、こんなにも妖艶に、暗闇から濃厚な香りが漂う様な文が書けるのだろう。
    美しいけれど見てはいけない物に魅入られてしまった様な、この後ろめたい感覚は何だろう。この本は、自分だけがこっそりと読んでいたい、あらすじを追っても意味が無いと言う気がして来る。
    たちこめる、様々な香りに酔っても、現に戻る術を用意してから読まないと、心の中の隠しておきたいもう一人の自分が、神隠しに会う、そんな感じの本だった。

  • 読み終わった後も未だに胸の鼓動がとまらない。

    得たいの知れないひたりと忍び寄る恐ろしさ、神秘さがつきまとう。
    そして矛盾してるんだけど、そこにはなぜかリアルさもある。
    そこに惹きつけられて離れられない。

  • 図書館。

    質感のある水のようなどろっ、でもないけど
    さらさらでもない、独特の世界。

    スケキヨっていう名前がどうも違う作品の印象が
    強すぎてマイナスだったんだけど(笑)、そして
    結末も読めてしまうところもあったけれどなかなか
    興味深い作品。

  • まどろみの世界で凛として綺麗。そんなイメージの物語でした。少し狂気の混じった綺麗な愛情に、くいっと引き寄せられてしまいます。痒いところに手が届いているというのか、読んでいて気持ちの良い作品でした。好みは分かれると思いますが別世界の空気に浸からせてくれることは間違いありません。

  • 悲しいとか、寂しいとかそんな感情じゃなくてもっと自分を突き上げるこの気持ちはなんなんでしょう

    きっと二人は神なんだ
    感情が乏しいことも、浮き世離れした美しさも、きらびやかな景色も、二人にのし掛かる残酷なまでの境遇も、周りを圧倒させるもの全て
    重く暗いが所々に滲む朱が綺麗で美しい
    嫌いじゃない
    蓮沼が好きです


    2011/09/06

  • 本土に見捨てられたとある小さな島に生まれついた主人公白亜とスケキヨ。二人は商品になる年齢になると廓などの裏産業に売られ、離れ離れになる。姉弟として育ったけれど、おそらく血は繋がっていない二人のお話。
    ちょっと白夜行みたい。
    ちりばめられたキーワードや舞台設定は魅力的なんだけど、筋の運びがいまいちなんというかすっと行き過ぎているのに無駄に説明的な(世界観を補強しようとしている)文が多くて世界に入り込めないまま終わってしまったなあ。こういう世界書くならきらびやかで美しい部分ばかりじゃなく、目を背けるような汚さも提示されないと嘘くささが鼻につく。

  • 湿度の高い幻想小説だなぁ。梅雨時にちょっとしめった物置のほったらしになってるソファーに座ってランプの明かりの元で読んだりすると雰囲気最高なんだろうな。
    渡鹿野島を思い出させる娼妓の島、海と血と白粉の臭いが立ちこめる、太陽が似合わない世界での淫靡な随想。いつの時代のどこの場所か(日本ではあるんだろけど)かも分からない舞台設定と、個性があるのに際立たせない登場人物の描き方もあいまって、心地よくけだるい仕上がりとなっている。

    普段俺は「粘液質な人間にはなりたくないなぁ」と思っているのだけど、その俺の粘液部分にジワッとくる作品だった。たまにはこういう耽美で、「エロ」というより「艶」な雰囲気の小説も良いもんだ。せやけど、続けてはいらんな。

    それと表紙、なんとかならんかなぁ

  • 深い眠りから目覚める前の心地よい微睡みを味わうように、白亜とスケキヨの世界にとっぷりと浸りました。いつまでも目覚めたくないと抗うように終わりを迎えるのがとても惜しかった。いつまでもとろとろと絡まれていたかった。とても心地の良い時間でありました。
    遊郭という場所の甘く濃密な色香と腐臭漂う島の空気が混ざり合いそれは不可思議な妖艶さを増します。そこで織りなす島の独特な世界が読み手をとろりと溶かすように魅惑させていくのです。

    かつては一大遊郭が栄えたという閉ざされた孤島。夢を見ているような幻視の世界。運命を定められた姉弟の引き裂かれる悲しみは想像を超える痛々しさ。互いに強く惹かれ合い求め合いながら、身を焦がす思いを心の片隅にしまい込むのですが、常にその影を追い求める情念さにこちらまでもが切なくなってしまいます。
    白亜をめぐる男たちも魅力的。スケキヨのように儚げな中性的な男性も素敵ですが、私はより男らしさやその生々しさをまとった剃刀男・蓮沼の存在が圧倒的でした。白亜と蓮沼の出会い、再会、そして…その関係性が進むごとに官能的な匂いが立ち込めて何ともいえぬ思いが生まれ出てうっとりしていました。
    そういう意味でも萌え要素充分あり、なのです。

  • 表紙が宇野亞喜良さんということと、泉鏡花賞を受賞したということでずっと気になっていた本です。

    <!ネタバレしています!>



    それまでろどろとしていたのに、最後に近づくにつれすんなり話が進んでハッピーエンドだったのでいいの?とは思ったけれど、悲しい結末だと重すぎるのでまあよかったのかなーと。

    わたしの読みが足らないのか、白亜の伝説と実際の話の関係性がいまいちよくわかりませんでした。
    白亜は白亜でスケキヨが雷魚だったということでしょうか。

    「島」と「本土」の存在や「登録」、「身分証」といった言葉が何かを暗示しているのかなと思ったのですが、そうでもないようです。
    身分証は焼印もしくは刺青のようなものみたいですが、それと島というワードから島の人はみんな本土で罪を犯して島流しになったのかな?とも思ったのですが・・・。
    もう少しその辺の解説がほしかったです。
    (こちらもわたしの読みが甘いだけかもですが。)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      文庫になったので、近々購入
      私も宇野亞喜良+泉鏡花賞を受賞なので気になっていました。。。読むのが楽しみ!
      文庫になったので、近々購入
      私も宇野亞喜良+泉鏡花賞を受賞なので気になっていました。。。読むのが楽しみ!
      2012/07/07
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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2019年 『夜に啼く鳥は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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