宵山万華鏡

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 832
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713039

感想・レビュー・書評

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  • 「働く人の目の前で、日の高いうちから飲む麦酒はうまいなぁ。背徳的な味がするよう……」

    阿呆な計画に巻き込まれ、宵山の夜を駆け巡る仲間たち。年中行事により頻繁にバスの運行予定は狂うわ、観光客は多いわ、平日でも山伏御一行に遭遇するわ、帰路はいつもニッキの香りに満ちているわ…京都、先月まで通っていたけれどまことに油断ならないところである。
    宵山の夜、しれっとした顔で妖が紛れ込んでいてもおかしくない。
    宵山金魚、宵山劇場がたまらなく素敵。金太郎に睨まれて宵山様のところまで引っ立てられたい!

    千と千尋✖きつねのはなし✖夜は短し〜 な世界観。ところどころ、ひやりと怖かった。

  • 祇園祭の宵山様は、変幻自在で神出鬼没♪ 目くるめく森見ワンダーランドで、頭の天窓が開きました。
    ストーリーがあちこちでリンクするのが楽しい。再読したら新発見があるかも。
    「宵山金魚」から「宵山劇場」への流れが好き。被害、じゃなくて、もてなしを受けた藤田君、仕掛人の乙川さん、小長井、丸尾、高藪さん、岬先生、山田川、みんないい味出してた。
    あんなにお茶目だった乙川さんが、「宵山迷宮」では怪人物に…。一体何者?

  • 京都の祇園祭宵山で起きる摩訶不思議な出来事の数々。

    バレエお稽古の帰りに寄り道した宵山ではぐれてしまった姉妹。
    同級生の乙川にまんまと騙された偽宵山作戦。
    偽宵山作戦に駆り出された人たちの奮闘。
    かつて宵山で姿を消してしまった従姉妹と叔父の行く末。
    繰り返す日々に悩まされるときに乙川に差し出した物によって助かった画廊。

    赤い浴衣を身にまとって、ひしめき合う人たちの合間を泳ぐようにすり抜けていく女の子たち。
    ふてぶてしい顔をした妖怪じみた超金魚。

    現実のなかに入りまじった奇怪なものたちの世界。

    どこからが現実でどこまでが異世界なのか、境界線が曖昧になりつつも、祭りの喧騒を感じて魅力的だった。)^o^(

  • お久しぶりの森見さん。

    森見作品に限っては「阿呆」と「くだらない」が
    最大級の褒め言葉だと思っているのですが(笑)
    今回は阿呆はすっかり影を潜め、妖しい雰囲気の短編集。

    こういう感じのもすごく好きだわ~♪
    系統的には「きつねのはなし」に似ているかな。
    京都という土地の持つ魔力を存分に堪能できるお話です。

    読み進めていくうちに、宵山の奥へ奥へと誘われるような…
    赤い浴衣を着た女の子達に付いて行きたくなるような…
    何とも不思議な吸引力のある作品です。

    プッと笑えるお話もあれば、ちょっぴり怖いお話もあり。
    連作短編集になっていて、お話がリンクしているのが面白い。
    また京都に行きたくなりました。

    余談ですが、孫太郎虫をググってしまった事に後悔(笑)

  • ちょっと不思議な話。と思ったら、どうも大掛かりな舞台装置と役者による悪戯らしい。と納得したら、奇妙な空間が混ざっている。
    一見、宵山を舞台にした短編集のようだが、1話1話がどこかで重なっている。夢現が曖昧な話も、同一時間軸における群像劇のような書き方も、私好み。宵山を見た(行った?)ことはないが、祭りの夜の、なんとなく非現実の入り混じっていそうな妖しげな雰囲気が、そのまま閉じ込められている気がする。
    そして、つい先日、「聖なる怠け者の冒険」を読んだ身としては、実は同時進行でぽんぽこ仮面騒動が起こっているのかしらと、想像してみたくなる。

  • 一風変わった友人と祇園祭に出かけた「俺」は“宵山法度違反”を犯し、屈強な男たちに捕らわれてしまう。次々と現れる異形の者たちが崇める「宵山様」とは?(「宵山金魚」)目が覚めると、また宵山の朝。男はこの繰り返しから抜け出せるのか?(「宵山迷路」)祇園祭宵山の一日を舞台に不思議な事件が交錯する。幻想と現実が入り乱れる森見ワールドの真骨頂、万華鏡のように多彩な連作短篇集。
    「BOOK」データベース より

    京都に住んでいると、閉じ込められたと錯覚するくらい時代が変わっても変化しないものがあるということを感じることがある.そんなことを思い出す一冊.

  • 表紙の絵が、森見氏の頭の中って感じw
    きっとこんなこと考えてるんだろうな~って。

    京都、宵山に関する短編集です。
    皆少しずつリンクしています。
    短編集なのに、さっき読んだような・・・デジャヴのような・・・・
    この感覚は、『四畳半神話体系』に似てる感じ。

    宵山劇場では、
    乙川の壮大な釣り(騙し)行為に笑ってしまいましたが、
    段々とファンタジー要素が強くなってきて、
    最後の宵山万華鏡で最初に戻る感じです。
    この不思議な感覚は森見ファンじゃなくても、クセになると思う。

    それにしても、表紙絵がタマラナイw

  • 爽やかな読後感。

    発売当初,綺麗なイラストの装丁に惹かれたものの,読めずにやっと今。

    ネタバレ無しで読んだので,初めは世界観についていくのが大変だった。
    読み進めるうちに感覚を理解し追い付いた感じ。
    何度か振り替えって伏線を確認した。

    こういう「短編が実は繋がっている」系がわりと好きなので,ワクワクしながら読めた。
    けど,もっと繋がれるところ繋げてもよかったんじゃないかなぁとも。ほんのちょっぴり物足りない。

    けど,読んでいると目の前に情景がぶわっと広がってきて魅力的な景色を見せてくるので,宵山を訪れてみたくなった。

    イラストそのままに原作そのままに,アニメ化希望。

  • 京都祇園祭りが舞台。

    同じ日に起きた出来事を様々な視点から描いた、ミステリーな、ファンタジーでもある作品。森見さん得意のドタバタ劇や、細かいところを執拗に突いてくるところが個人的に大好き。
    美術監督の山田川が打ち合わせの際に、高藪先輩に「奥州斉川孫太郎虫」を食べさせることになる場面は、特に笑えた。「オレは虫なんか食えねえよ・・」心優しい先輩の愚痴を簡単に退け、明るい顔になる山田川、それに伴い泣きそうになる心優しい高藪先輩のくだりは、もう最高!!

    また、『夜は短し歩けよ乙女』の作品とも関連性もあり、森見ファンには堪らない1作品でした。

  • 綺麗な夢心地で楽しめました。
    お祭りのきらきらと、不思議な心地と、ふとしさ怖さとがぐるぐるまわりながら、迷路のようでした。訳がわからない!(笑)
    金魚と劇場が楽しかった。金魚玉きれいだな~。

著者プロフィール

森見登美彦(もりみ とみひこ)
1979年奈良県生まれの作家で、京都を舞台にした作品が多い。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。2006年に『夜は短し歩けよ乙女』で本屋大賞2位、山本周五郎賞などを受賞し注目を集める。2010年『ペンギン・ハイウェイ』で2010年日本SF大賞、2014年『聖なる怠け者の冒険』で第2回京都本大賞、2017年『夜行』で第7回広島本大賞をそれぞれ受賞。2010年に『四畳半神話大系』がTVアニメ化、2018年8月に『ペンギン・ハイウェイ』が劇場アニメ化された。2018年11月に『熱帯』を刊行し、第160回直木賞、2019年本屋大賞にノミネートし、第六回高校生直木賞受賞。

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