WILL

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 1489
レビュー : 280
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713220

作品紹介・あらすじ

言えたはずの言葉が胸の中に積もっている。聞けたはずの言葉をいつも虚空に探している。30万人の心に沁みた『MOMENT』から7年。ほんとうに大切なものは、いつも側にあると気づいた。待望の書き下ろし小説。

感想・レビュー・書評

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  • 洗練された文章に、丁寧なキャラクター造形。
    きれいに解決されたはずのACT.1を、2と3のエピソードを通して成長したヒロインに
    ACT.4では新しい視点から、もっと美しい解決へと導かせてしまう構成力。

    どこをとっても上手すぎて、普通だったら嫌味に感じられそうなくらいなのに、
    物語の底を常に流れている人間への信頼が上手さをふんわりと包み隠して
    最後の2行ではぽとぽと涙がこぼれ、「負けました!」と言いたくなるような。

    前作『MOMENT』で、死が迫った人の最後の願いを叶える主人公の神田を
    静かに見守る幼なじみとして登場した森野が、今回のヒロインなのですが

    『MOMENT』の、神田視点で見た森野のクールで現実的な印象と
    この『WILL』での、森野自身が語る森野の、お節介で情に篤く、意外に乙女な実像との
    ギャップの描き方が、とにかくすごい。絶妙です!

    前作で、「うん、森野はかなりのツンデレね♪神田への純情がにじみ出てるもの」
    と思ってはいたものの、あの隙のない黒衣の下に、
    これほどの奥ゆかしい愛情を隠していたとは。

    あれから7年たって、森野が飛び込んでこられるよう、家族から離れて
    単身アメリカに渡り、あたたかく待ち続ける神田も

    死者を騙って貶めるような行為は、葬儀屋である自分にとって
    売られた喧嘩に等しい、と、亡くなった人やその家族のために奔走する森野も

    ついでに(?)、両親を亡くした森野を10年以上、頼りになる従業員として、
    そして生きている守護霊、あるいは(いい歳のおじさんだけど)幸せを運ぶ妖精のように
    見守り、支え続けてくれた竹井も、なんていとおしいことか!

    森野の亡き父が言ってくれたように
    そう、未来は、いつだって意思と一緒にあるのです。

  • こちらにも本多氏のサインが。どうやら手放したのは同じ人らしい。

    前作「MOMENT」で神田の幼馴染の葬儀屋として存在感を放っていた森野。今回は彼女が主役である。

    若くして葬儀屋という特殊な家業を継ぎ、社員は石地蔵のような竹井のみ。人手不足に悩み、消去法でバンドマンの桑田を採用するも、妙な相談ばかりが持ち込まれて。。。

    「MOMENT」では冷静で口の悪い、どこかドライなキャラクターとして描かれていた彼女がその後神田と恋愛関係になり、不器用ながらも可愛らしい女性へと変身を遂げている。

    恋は人を変えてしまうものだなぁ。

    勝手なキャスティングだけれど森野は一青窈さん、神田は瑛太で想像。竹井さんは誰がいいかな・・・悩みます。。

    読後は心地よい「やられた!」感。BGMはそのまんま、中島美嘉さんの「will」でどうでしょう。

    • まろんさん
      一気に2冊も本多さんのサイン本を手にいれるとは!
      やっぱり本の神様に愛されてますね、hetarebooksさん♪

      前作にくらべて、ほんとに...
      一気に2冊も本多さんのサイン本を手にいれるとは!
      やっぱり本の神様に愛されてますね、hetarebooksさん♪

      前作にくらべて、ほんとに森野の可愛らしさ、いじらしさが際立っていましたよね。
      私もあれこれ脳内キャスティングしましたが、森野に一青窈は思いつきませんでした。
      すごいすごい(*'-')フフ♪

      ちなみに、中島美嘉さんの「will」はカラオケに行くと必ず歌います!
      こんな豆知識、いりませんよねぇ(笑)
      2013/02/22
    • hetarebooksさん
      まろんさん♥♡

      うふふ、本の神様と美味しいものの神様には溺愛されています♪=*^-^*=

      中島美嘉さんの「will」、十八番なの...
      まろんさん♥♡

      うふふ、本の神様と美味しいものの神様には溺愛されています♪=*^-^*=

      中島美嘉さんの「will」、十八番なのですね♪私は「will」を口ずさんでいたつもりがいつの間にか「その後へ 君の名を綴っていいか~♪」って中島みゆきさんの「with」を歌っちゃってました(笑)

      これだから中島みゆき祭りの合唱コンクールは・・・!

      ちなみに母は森野は柴崎コウと言って譲りません。
      2013/02/25
  • 11年前に両親を事故で亡くし、家業の葬儀店を継いだ森野。29歳になった現在も、寂れた商店街の片隅で店を続けている。葬儀の直後に届けられた死者からのメッセージ。自分を喪主に葬儀のやり直しを要求する女。老女のもとに通う、夫の生まれ変わりだという少年―死者たちは何を語ろうとし、残された者は何を思うのか。ベストセラー『MOMENT』から7年、やわらかな感動に包まれる連作集。
    「BOOK」データベース より

    死、の後に明らかになる想いがある.その人と接していたときには分からなかった想いを知ることもある.
    死、をどう消化するかは人によって違う.それは生きるということを考えるときにすっと染込んでいくときもある.
    死、は予定されて、または突然に訪れる.故人の想いを引き継いで歩いてゆく人もいる.
    考えてもどうにもならないことがあり、突然に、ああ、と納得することがある.
    葬儀は亡くなった人がその生を終えて、扉を閉めるのを手伝う行為であり、生きている人が、納得するための儀式である.生きていた存在は人々の心とともにあり、死は未来とともにある.

  • 「MOMENT」の7年後、
    病院で清掃のバイトをしていた神田君に代わり、
    亡き両親の後を継いだ葬儀屋の社長、森野が主人公。

    言葉は乱暴だけど、
    やさしく、温かい森野が、
    いろんな人をおくりだし、いろんな人に接して
    ようやく両親の葬儀を受け入れる、
    とても感動的な話だった。

    そして、私の中に、
    森野を通して神田くんの良さが染み渡った。

    いい男だよぉ。

  •  『MOMENT』の続編というか、主人公が神田から森野に変わった姉妹編とでも言おうか。へぇ、神田と森野はそういう関係になったのかと嬉しく思いながら読むも、物語はちゃんとした作りで、連作短編集のような構成でも、一話一話が切なかったり愛おしかったりする作品群。
     相変わらず綺麗な文章で、すっきりした読後感をもたらしてくれたが、個人的には『チェーンポイズン』には勝てないと思ったので、★4つ。

  • MOMENTの七年前のお話。森野の話し方が好きです。考え方も。29歳にして葬儀屋の社長。持ち込まれる謎は多種多様。決して気持ちのいいものでは無いものもあるけど、「もう放っておけ」「ぶっ飛ばす」とか言い切る森野がたまらなく好き。私も彼女のような友人がいたら相談して自分の重荷を預けてしまうかもしれない。自分の両親の葬儀のやり直しから後…ずーっと涙が溜まったままでした。いい人に恵まれるのは本人がいい人だからだと改めて思います。温かなお話でした。

  • 未来ってのは、いつだって
    意思と一緒にあるってことだな。

  • まず装丁がキレイです。
    タイトルと装丁がピッタリです。

    物語は、
    MOMENTの7年後。
    主人公は前作の主人公、神田の
    幼なじみの葬儀屋の娘であり社長である森野。

    葬儀屋に持ち込まれる不思議な出来事。

    仏様が旅立ち
    安らかに眠れるように、
    残された人々が
    安心して人生を送れるように、
    森野は不思議な謎を
    解き明かしていきます。


    「台風みたいな男だと思う」

    「悲しみはいつだって一人だけのものだ。
     たとえ同じ事で泣いている人が隣にいてくれたところで、
     それは自分一人だけのものだ。」

    「けれどその馬鹿馬鹿しさを含めて、
     私はその人たちが愛しかった。」

    「たぶん、この人たちはもっと信じるべきだったのだ。
     自分が相手を思う気持ちが、相手の中にもあることを。
     きっと、ただそれだけでよかった。」


    人間らしくて、不思議で、悲しくて、でも愛があって、
    読んだあとは、ほろっとさせてくれるようなお話でした。


    クールな森野が可愛くて、
    台風みたいな男の神田はとってもいい男です。笑

  • ■MOMENT読んで、結構経ちすぎてて繋がり感じれなかったけど、感慨深い作品になりました。この本読みはじめた日にジョブズが亡くなりました。近い人の死を感じたときにたまたま読んだ本。
    葬儀屋の社長、森野。携わった葬儀後に残ったものとか、想いとか、を解析していくストーリー。残されるのは家族だから、家族と人生とか生き方の話。しんみり。

  • 『MOMENT』の7年後。 
    世間知らずで人間としてかなり未熟だった森野(この『WILL』では主人公)は、だいぶ成長したように思う。

    葬儀社を継いだ彼女の周りには、わけありな人たちがやって来て、それなりに興味をそそられた。中身も結構おもしろかった。

    でも、私にとってはツッコミどころもたくさんあった。
    そもそも、2週間に1回程度の電話で、数千キロの超遠距離恋愛を維持できるものか。

    それなりに楽しめたが、感動したり共感したりはできなかった。

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著者プロフィール

本多 孝好(ほんだ たかよし)
1971年、東京都生まれ。弁護士になるため慶應義塾大学法学部に入学したが、大学4年生の時、同じ学部の金城一紀に小説執筆を依頼されたことがきっかけで、作家を選択肢に入れる。弁護士になるか迷っているさなかの1994年、「眠りの海」で第16回小説推理新人賞を受賞し、作家となることを決心。
以降、1999年『MISSING』で単行本デビュー。
2008年短編集『FINE DAYS』に収録された『イエスタデイズ』が映画化されたのを皮切りに、『真夜中の五分前』、『ストレイヤーズ・クロニクル』、『at Home』など映画化された作品多数。その他代表作として、『MOMENT』など。

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