わたしの蜻蛉日記

  • 集英社 (2009年11月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784087713237

作品紹介・あらすじ

兼家さま、毎日毎晩わたしだけを愛して。
美しく文才のある姫君は、藤原氏本流の子息に見初められ、誰よりも幸せになるはずだった…。プライドと嫉妬に悩まされた女は筆におのれを託し、救済を求める。瀬戸内氏の解釈で甦える私小説の元祖。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

愛情と嫉妬が交錯する女性の心情を描いた作品で、道綱母の複雑な感情が鮮やかに表現されています。彼女は美しさと文才を持ちながらも、夫に対する独占欲や嫉妬に悩まされ、自己を見つめ直す姿が印象的です。著者は道...

感想・レビュー・書評

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  • 蜻蛉日記の現代語訳を読む前にこちらを読みました。
    出だしは、蜻蛉日記の解説本のような印象でしたが、ところどころ現代語訳なのか、本文から想像を膨らませた小説風なのか(現代語訳を読んでないので分からないのです)が入り、寂聴先生の解説や調べたことや感想などが入ります。
    結構、この文章の主語は道綱母なのか、寂聴先生なのか、しばらく読まないと分からないところもありました。また、蜻蛉日記を最後まで解説しているわけではなく、そこが残念です。

    女性の小説家として、道綱母に寂聴先生は自分を重ねて見てる部分もかなりあるのかなとも思いますが、道綱母に結構辛辣な批評も加えています。

    道綱母の兼家への愛情は、嫉妬と独占欲が表に出ていて、穏やかなところがあまりないようでしたが、結婚して子供もできて長い年月経っているのに、褪せない恋情だなぁと驚きます。普通だったら、めんどくさい女ということになるでしょうが、兼家としてはそこが可愛かったのかな。美人で才能のある女性にこんなに想われているというのも自慢できますしね。

    道綱母がいろいろ苦しむのは、もちろん兼家の多情のせいもある。今の時代と比べれば、結婚制度のあり方がそもそもなので、多くの女性たちは不安定な立場で苦しんでいた。その中でも、道綱母は、プライドが高すぎて、可愛く甘えられなかったり、素直になれなかったり、いろいろ我慢できなかったり、と性格の問題も大きかった。誰と結婚してもうまくいなかったのかもしれないです。

    私としては、道綱にとても同情してしまいます。この本を読む限りは、穏やかな母になる努力はなかったようなので。つくづく恋愛体質の道綱母でした。蜻蛉日記の続きより、道綱のその後ってどうだったんだろう、幸せな結婚とかできたのかな~と、なんだか心配になったりして。

    とりあえず、そのへんも含めて現代語訳を読んでみたいです。

  • 痛快、痛烈。人として、女として、物書きとして分析し書いている。
    町小路の女は夕顔、嫉妬深いは六条御息所、車争いの場面など、30年後に書かれた「源氏物語」への影響はなるほどと納得だ。8年ほど前に藤原家への興味から「蜻蛉日記」を読んだが、大胆な行動をする女性、嫉妬と寂しさに身悶える女性の印象を持ったことと、一夫多妻制の中での夫婦の在り方、女性の生き方が気になったのみでこんなに深読みはしていない。今度は寂聴視点で再読してみよう。

  • 道綱母の、愛しの兼家への恨み辛みをぶちまける『蜻蛉日記』を、延々と丸々1冊、寂聴流に解説するというお得な1冊。
    しかしまあ兼家の女って、少なくても9人はいたらしい。メトロもクルマもない京の街で、物忌みやら方違えやらで行動の制約も多く、故実有職やら儀礼儀式でがんじがらめの中、特に御簾の中の女の情報なんて極端に少なかったろうに、タフだわあ。

    ところで「ぼうぼわの君」って、ボーヴォワールのことですよね?

  • たしか丸谷才一の『輝く日の宮』を読んでからだと思うが、『蜻蛉日記』のことが気になっていた。たまたまこの本を見つけたので読んでみたが、ますます道綱母に興味を持ってしまった。六条御息所を彷彿とさせる嫉妬心。
    順を追って解説しているような書き方なので、これを読んだだけでも、蜻蛉日記を大かた読んだ気になる(全部を網羅しているわけではないが)。原書を読むための導入としてもいい本だと思う。

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著者プロフィール

1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で女流文学賞、92年『花に問え』で谷崎純一郎賞、11年『風景』で泉鏡花賞を受賞。2006年、文化勲章を受章。2021年11月、逝去。

「2022年 『瀬戸内寂聴 初期自選エッセイ 美麗ケース入りセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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