遥かなる水の音

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713275

感想・レビュー・書評

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  • 遺灰をサハラにまいて欲しいという遺言を叶えるべく、異国を旅する四人。登場人物それぞれの視点をめぐりながら進んでいく物語は、繊細で切ない。
    旅路の描写はとても鮮やかで、異国情緒たっぷり。

  • ある青年が亡くなります。
    亡くなった彼-年の離れた姉-彼のパートナーのフランス人男性-友人の男女-現地ガイドの男性
    6人が交代で語り部になります。
    それぞれ色々と秘めた想いがあります。
    旅が進むうちに、自分の心に葛藤しながらも見つめていき、自分の気持ちに素直に向き合います。
    この旅が5人にとってとても良い経験になった事が良かった。

  • サハラは、砂漠って意味。砂漠砂漠(´▽`)人智を超えし神の創り給うたものを観に行きたい。

  • 表紙が綺麗だった。いちばん最初に目に付くとこのイメージで読み始める。まぁ村山由佳らしいそれとなく‥話は進む。サハラに行くという大事で話しを盛り上げてはいるが、相変わらず読者が想像を膨らませる書きよう。周の病気も多分性交渉による不治の病なんだろうな。ただ物語の視点が転々とし過ぎて非常に判りづらい。ただこの視点=水の流れに置き換えているんだろう、作者は。しかしながらちょっと長文にし過ぎたんじゃないかな?まとまり着かなくなっちゃった感が否めない。若しくはじっくり数日かけて読むべき作品なのか。速読した僕には少なくとも得るものは少なかったな。

  • 死者の声を聞けてしまう青年・周が、病気でもうすぐ亡くなるというシーンから始まる小説。

    周の遺言は、自分の遺灰をサハラ砂漠に撒いてほしいということ。
    死者の声も聞こえないだろう、死者の命さえ存在しないであろうサハラ砂漠で、死んだあとくらいはゆっくり眠りたいと。

    結婚への価値観の違うフランス人男性とパリで一緒に暮らしている周の姉・緋沙子。
    周と一緒に住んでいた同性愛者のジャン・クロード。
    周の友人であり思い人でもある浩介と、その恋人結衣。

    この不思議な組み合わせで、サハラ砂漠へ旅をする。


    近しい人が亡くなったことを、どう受け止めるのかという問題と、生きている自分が今持っている悩み(それはもちろん今と未来のためにある)が、ひとりの人間の中で交錯し、旅する時間の中で変化していく様子が、旅の風景の描写とともに描かれている。
    誰かを失ったとき、物語ほど早く受け止めて立ち直れるものではないと思うけれど、人の想いや考えの変化する様子、関わり合いを味わうことができる作品。

  • パリからサハラへ、旅をしている気分にはなるのだけれど、そこが強すぎてなかなか心情に向かないのが難点。同じような旅の描写がある『翼』のような、あまり視点が変わりすぎない方が僕の好み。ジャンもあまり好きなキャラでないかな…。異国間は楽しめるし、ストーリーもシンプル(どんでん返し度は低い)で、思うに満ち足りた時に、少しずつじっくり読む小説かな。

  • 約束と愛。

  • こういうの好きだわ~。
    今まで読んだ村山由佳の作品で一番いい。
    亡くなった人の遺灰を砂漠にまきに行くって
    ありがちなお涙ちょうだい的でどうかと思ったが
    こんなに素敵な作品だったとは…
    こういうどこかへ連れて行ってくれる作品って
    読んでて楽しいし、周(アマネ)たちも魅力的で一緒に旅に
    言ってる気分も味わえてよかった。
    砂漠行きたい!ヘンナ書いてもらいたい!

  • 亡くなったひとりのナイーブな青年の遺言どおり、サハラに散骨しにいく姉・恋人・友人。
    その旅をとおして彼らは・・・
    モロッコに行きたくなるなぁ。

  • どことなくファンタジックで、展開が冗長で、なかなか読みにくい。やりたいと思ったことは、後々やろうと思わずにいまやること。そうなんだけども、これがむずかしいよなあ。
    いろんな立場のひとが、孤独感やさびしさと向き合いながら自分を見つめ直していく。それがきれいな文章で書かれてあって、響くものは響いたのだけど、いかんせんちょっと長かったかな、と。ちょっと入り込めなかったなあ。

    (344P)

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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