太陽のパスタ、豆のスープ

  • 集英社 (2010年1月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784087713329

作品紹介・あらすじ

注目の著者が贈る、明日への「リスト」の物語
突然、婚約破棄を言い渡され目の前が真っ暗になった明日羽は、叔母に、やりたいことやほしいもののリスト作りを勧められる。ひとりの大人の女の子の、本当の成長の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「出来るだけ選んでいく。こうありたいと願うほうへ。」それが文字になって記されているのが、ドリフターズ・リスト。
    そして、「こうありたいと願うことこそ私をつくっていく。」その橋渡しの役目を担うドリフターズ・リスト。

    婚約者の譲に突然婚約破棄され失意のどん底にいたあすわ(明日羽)に、叔母のロッカ(六花)がやりたいこと、楽しそうなこと、ほしいものを「あすわの、明日へのリスト」に全部書き出すことを勧める。
    このリストは『ドリフターズ・リスト』と言う。溺れるものはワラをも掴む…溺れていたあすわの場合、掴んだのはワラではなくこのリストであった。

    一.食べたいものを好きなだけ食べる、
    二.髪を切る、
    三.ひっこし、
    四.おみこし、
    五.たまのこし

    このリストにあげた「たまのこし」は、譲との結婚よりを超える結婚への執着心のように感じる。
    そして、リストはすぐに第二弾として、更新される。

    一.きれいになる(髪を切る、エステに行く、服を買いまくる、化粧品を揃える)
    二.鍋を買う
    三.おみこし
    四.玉の輿

    まずは髪を切ったあすは。髪を切りに幼馴染みの京の待つ美容院に迎う電車の中で、顔を上げていた。暗い窓に映る自分の顔を見て、「今私はちゃんと顔をあげている」と気付いた。
    「顔を上げて、上を向いていよう。それだけで気持ちを鼓舞することができる。」これもリストの成果であろうと思う。会社では髪をきったことも指摘をうけず、気軽に会社で話題にしてもらえないような痛々しい存在になったと、思い込む。それでもこの短い髪で堂々と前を向いていようという前向きな気持ちにかわっている。
    また、エステの帰り道、きれいになるとはどういうことかを考える。「はっきりしたものが見えているときは、気づかない。はっきりしているように見えるものこそ疑ったほうがいい。化粧をしたらきれいになれるか、高い服を着ればきれいになれるのか。そして、そういうきれいを私はほしいのか。うん、とうなずいてしまいたい私を引きとめる私がここにいる。こんな、誰でも思いつくような手軽な答できれいになろうなんて、十把一絡げのきれいにしか近づけないだろう。もっと、質問をしよう。ちゃんと、自分を知ろう。」と、少しずつ意識の変化も生まれてくる。この考えがとても素直で、刺激を受ける。

    こうしてドリフターズ・リストに「こうありたい自分」を書いて実行していくことで、今までの自分を見つめ直すことになるのだ。
    失恋から立ち直っていくためにリストに書き留めたひとつひとつを「受け入れる」、「実行する」。単純なとこであるが、それにより少しずつ気持ちが変化していく。そんなあすはの心の変化を感じる場面、場面は、あすはの心と私の心がリンクしたように感じた。

    そして、またリストが更新される。
    五.やりたいことをやる
    六.ぱーっと旅行する
    七.新しいことをする

    そして、最後にキーワードが加わる。

    八.豆

    どんどん、どんどん更新されていくリスト。サルヴァトーレの店長・桜井恵からリストは不可能リストだと言われつつも、その指摘から自分の弱さを見つめなおす。そうして、最終的には「自分を探したって始まらない。私には何にもないんだから。探すんじゃなくて、新しく付け加えるのだ。そうして、なりたい自分になる」というところまでたどり着く。『あすは、ばんざーいだ!』

    ともすれば私なんて…と、他人と比較して、自分を卑下しがちであるが、そうではなくてこうありたい、こんな自分でいたいと願うことが、人生を過ごすために重要であると教えてくれる。前向き人生のための必要なエッセンスが散りばめられている一冊であった。

    こんな気持ちで毎日を過ごしていきたいと思う。

    追伸: タイトルの太陽のパスタは、本作を読むと「え〜、ここにフォーカスするの?」と、思ってしまうが(太陽のパスタではなく、太陽風のパスタだった…)、だからこそその素朴さがかえって新鮮なる。豆のスープって、どうして宮下奈都さんの作品には豆がよく出てくるのだろうか?

  • 結婚目前に婚約破棄された、あすわ。
    失意のどん底のあすわに叔母のロッカさんは「やりたいことや、楽しそうなこと、ほしいもの、全部書き出した明日へのリスト」を作ってごらんと言う。
    リストを作り、一つずつ消していこうとしたが、何をやっても虚しさが残るだけ。
    別の人に「リストなんて作るもんじゃない」と言われればまたフラフラしてしまう。
    そんな時、会社の同僚の郁ちゃんが休みの日に打ち込んでいるものを知る。それは“豆“。
    やりたいことリストも作れない自分に“豆“が見つけられるか?自分と郁ちゃんとの違いって何だろう?
    足掻いても足掻いてもなかなか“豆“は見つけられない。読んでいるこっちも、もうそろそろお話的に見つかってもいいんじゃないか?なんてイライラしてくるくらい(笑)
    でも、これがリアル!
    “豆“なんてそうそう見つけられない。あすわだけじゃない、みんなそうだと思う。
    「あとから思えばあれが豆だったという出来事も、この一週間に起きているのかもしれない。それを活かせるかどうか、気づかずにやり過ごしてしまうかどうかは私自身にかかっている」
    それに気づいたあすわは、もう“豆“を半分手にしかけているんじゃないかと思う。
    どこまでもリアルでとてもいいお話だった。

  • 久しぶりの宮下奈都さん。彼女の著作はほのぼのと幸せな気持ちになれる信頼感がある。本作は、どことなく群ようこさんの「れんげ荘」シリーズや「パンとスープとネコ日和」シリーズの雰囲気に似ている気がする。

    主人公の明日羽にすごく共感できた。歳もほぼ同じ。結婚が破談になり初めて実家を出た明日羽が日常の料理や洗濯といったことの大変さに気付いていくところや、自分にとっての「豆」は何なのか見つけられずに「このままでいいのかな」と焦る気持ち、分かる分かる。私も結婚するまで実家暮らしで、全て母に任せきりだった・・・汗 同時にそうした「毎日」に関わることに時間をかけることが、生きている実感や喜びを得るということにも最近気付いた。そんな今の自分の気分にぴったりな本だった。

    ・がんばれるときに、がんばれる人が、がんばればいいんだと思うよ
    ・まず自分のことをかわいく思えなかったら、周りの人を愛しく感じることもできないんじゃないかしら
    ・ひらめきがなくても、じわじわわかっていけばいいんだよ
    ・私が選ぶもので私はつくられる
    ・できるだけ選んでいく。こうありたいと願うほうへ。
    ・そこにあると思うだけで私に力をくれるものがある

  • 婚約破棄をきっかけに「自分のために」生きていく女性の話。力をもらった。

    女性のひとは、もちろん全員じゃないけれど、結婚や出産が人生の大事な節目だと考えていると思う。私もそのひとりだ。
    パートナーを得て、ともに生きて、支え合う。
    それはとても素敵な人生だけれど、それありきになってはいけない。
    突然ひとりで生きていかなくてはならない状況になっても、だいじょうぶな状態にしておくことが大切なのだなと思った。

    ドリフターズリスト。
    いま、私が作成するとしたら、まず何を書こう、と考えた。
    「とりあえずぱーっとお金を使って、おいしいものが食べたい」とまず思い浮かんだ。
    この本に沿うとすると、だめだめな内容と書き方である。
    はっきりと明確に、正しい書き方で書けるような生き方をしたい。
    やりたいことを、ちゃんとやりきれる根性もほしい。ずっと持ち続ける心も。

    身振りや肩書きなんて気にしなくていい。この空の下にはたくさんの、いろんな人がいる。20代はみんな焦るもの。
    そう思うと私も気持ちが楽になった。

    毎日料理と向き合うこと。その心を持つこと。
    そして人生のどん底にいるときこそ、美味しいものを食べることが必要なのだ。

  • 破談になるって、相当キツイだろうな…
    でも、能天気なおばさんと共に、なんとなーく、ゆるい感じで克服(と言うほど大袈裟じゃない気がする)して、とても面白かった。
    人生の中で、何を重点にするか…人それぞれの考えで良いよなって思えた小説。
    とても好きでした❤️

  • 2歳の娘が台所で鍋に耳をかたむけている。
    「おとうちゃん、なんかぷつぷつ言いようよぉ」
    研いだ米が水を吸う音を聞いているのだ。

    この音に最初に気がついたのは妻だ。
    それから僕と娘を台所に呼んで音を聞かせてくれた。
    娘はこれが気に入ったらしく、米を研ぐたびに「ぷつぷつ」をせがむようになった。

    冬の寒い時期は、春夏よりも米の吸水に時間がかかる。
    聞き比べたわけではないが、ゆっくりしっかり吸い上げるので微かに音が聞こえるのかもしれない。些細なことだが待っている時間も楽しい。

    いかに自分が日常の些細なことではあるが大切なことを疎かにしているかに気づかされる。
    悪気はないのに知らぬ間に他人を傷つけている。
    日々の小さな齟齬が降り積もって、いつの間にか取り返しのつかないことになっている。
    毎日を丁寧に暮らすということは、人の心の機微にも繋がることなのだろう。
    主人公のあすわにもそういう部分はあったのかもしれない。
    なんて、男の立場から『譲さん』にも同情してみる。

    それにしても、婚約破棄された後でも元恋人を「彼」でも呼び捨てでもなく『譲さん』と呼ぶ、あすわの心根の優しさ。
    そして登場人物全員がチャーミング。
    それは例えば、ある種のキーワードで一括りにしてしまいがちな『京ちゃん』という人物を一人の人格として普通に描く、作者宮下奈都さんの世界を見る目の温かさ、まっとうさによるものだろう。

    いわゆる「キャラ」と呼ばれる画一的なものではなく、みんながいろんな面を持って生きている。
    『郁ちゃん』の「豆」
    『市さん』の「レース編み」
    『お母さん』の「イタリア語」
    『お兄ちゃん』の「ワイン」
    サルヴァトーレの桜井さんだって、しゅっとした美人の見た目だけど同い年で失恋もたくさん経験している。
    なんとなく『暮しの手帖』や『クウネル』の読者層を勝手にイメージしていた『ロッカさん』がまさかのアレだし。
    お父さんだって会社の上司や同僚だって、読者の僕らだって「キャラ」なんてものはなく、たくさんの側面を持って生きている。

    宮下奈都さんの小説を読むと元気が出てくる。
    それはけっして右腕に力こぶをつくる類いの元気ではない。
    すべての生命を育む太陽のごとくやわらかであたたかく、小さくても滋養に富む豆のように体の内側から活力を湧かせる。
    きちんと生きようと思う。

    (しかし『太陽のパスタ』は予想外だったなぁ。)

  • 結婚2ヶ月前にふられてしまった若い女性がしだいに立ち直り、成長する様子をナチュラルに描いた話。

    あすわ(明日羽)は、ベビー服の会社の事務をしている。
    婚約者の譲さんに「僕たち合わないみたいだね」と言われてしまう。
    いつ頃から別れを考えていたのかと苦しむことに。
    10歳年上の叔母ロッカ(六花)さんは変わり者で、ひょうひょうとしているが、何かと気に掛けてくれる。
    ロッカさんの前でわんわん泣いてしまった後、何をやりたいかを全部書き出すドリフターズ・ノートを作るように勧められる。
    「食べたいものを好きなだけ、食べる、髪を切る、ひっこし、おみこし」などと最初は書く。
    お祭りが好きらしい。

    髪をベリーショートにしたら、会社では誰も触れない。それほど痛々しいのか。
    引っ越しはすぐしようとロッカさんにリードされ、近くの1DKに越す。良く一緒に食事するようになる。
    ロッカさんの作った「太陽のパスタ」はトマトが入っていて、アイデアは良いが、伸びきったまずい物だったというのが、面白い。
    ジュリーのコンサートに行ったロッカさんは「がんばれなくても、ええんちゃう」とジュリーの真似をしてくれる。

    鍋を買う、毎日使う、などとリストは増えていく。
    ル・クルーゼの鍋を買うのだ。料理の本に載っているものをすべて作ろうとしたのは挫折するが。
    エステに行く、と書いて、リンパドレナージュ初体験。

    会社で一番仲の良い女の子・郁ちゃん(渡邊郁未)とも微妙な距離感がある。
    週に一度、金曜日には二人だけでランチに行くことにしていた。
    楚々として可愛らしい郁ちゃん。
    叔母に誘われて出かけた青空市場で、郁ちゃんが豆の店を出しているのに驚く。とても美味しい豆スープ。
    郁ちゃんはどうやって豆を見つけたのだろう。自分にとっての豆はあるのだろうか。

    学生時代からの大事な友達・京は美容師で忙しく、気軽には呼び出せない。
    本名は京介だがスカートをはいて生きている。
    とても綺麗で何でも出来るのだが、家族とは上手くいっていない様子。

    一人暮らしに慣れ、料理のレパートリーが増えていったり。
    家に戻ったときに有り難みを実感したり。
    仕事に新鮮さを感じたり。
    あらすじだけでは何ということもなくなってしまうが、ちょっとしたユーモアをまじえていく具体的なエピソードのつなげ方がうまくて、細部のリアリティがよく出ているのね。
    いじいじしたり、駄目さを再認識したり、内心はそう明るくはいられないけれども。
    そうそう…生きていく感覚ってこうなんだよね…と納得。
    応援したくなります。

    初出2008年「青春と読書」
    2010年1月単行本発行。
    著者は1967年福井県生まれ。2004年デビュー。

    • kwosaさん
      「そうそう…生きていく感覚ってこうなんだよね…」に共感。

      sanaさん

      遅ればせながら花丸とフォロー、ありがとうございます。
      sanaさ...
      「そうそう…生きていく感覚ってこうなんだよね…」に共感。

      sanaさん

      遅ればせながら花丸とフォロー、ありがとうございます。
      sanaさんの膨大な量の蔵書(?)に驚くと共に、その魅力的な本棚にわくわくしています。
      どうぞこれからもよろしくお願いします。
      2013/01/13
    • sanaさん
      kwosaさん、
      こんばんは☆
      花丸&フォロー&コメント、ありがとうございます~!
      kwosaさんのレビューは独特で、素敵ですね~。
      楽しみ...
      kwosaさん、
      こんばんは☆
      花丸&フォロー&コメント、ありがとうございます~!
      kwosaさんのレビューは独特で、素敵ですね~。
      楽しみに拝見します。

      膨大な蔵書ですか~? あはは、読んだのは確かですが! こんなふうに全部目の前に並んでいるわけじゃありません。ブクログは所有欲をいくらか満たしてくれるところもありますね。
      魅力的な本は、ほんとにたくさんありますよね~。
      よろしくお願いいたします♪
      2013/01/14
  • 独身時代に読みたかった。
    そう感じさせる話だった。
    婚約者との破談に打ちのめされても、ドリフターズリストを手がかりにどうにかひとすじの光を見い出す。どうにもならない苦しみがあっても、人はどうにか生きるものだ。無難な方へと流されて生きる人には決して味わえないものがある、そう言われている気がした。

  • 主人公と私とは、年齢も環境も違うけれど、生活していくなかでの気持ちの流れとか、共感できる部分がたくさんあって、一気に読めた。
    自分が主人公ぐらいの年(30歳前後?)のときの気持ちともリンクするし、現在(仕事をやめて休んでいる)の気持ちとも合うところがあって・・・結局成長してないのか、私(^^ゞ?

    事件もないし、夢物語でもないし、日常と言えば日常だが、そこからちょっとだけ、前に進めた、という感じの物語。

  • いいなあ!!
    と、思わず声に出して言ってしまうほど、この本の主人公あすわは
    たとえ挙式直前にあっけなく婚約破棄されようが、
    それを補って余りあるような素晴らしい家族や友人に愛されている。

    娘に「明日羽」と希望に満ちた名前をつける両親を始めとして
    やつれた妹に、唯一の得意料理の甘くないホットケーキを大量に焼いてくれる兄や
    男性として生まれながらも女性としてしなやかに生きている幼なじみの京、
    食糧危機に目を向けて豆料理を浸透させようと
    ささやかにがんばっている、会社の同僚の郁ちゃん。

    殊に、人の話を聞いているのか聞いていないのかわからなくて
    伸びきったゴムのようなスパゲティを
    「太陽のパスタ」と言い切って食べさせようとするくせに
    家族よりも早くあすわのただならぬ様子に気づき
    毎日ご飯時にご飯をたかりに来た風情で、
    あすわを気遣い、外へと連れ出し、おおらかに見守る叔母のロッカさん♪

    ロッカさん愛読のジャンプを毎週買って、毎晩おいしいご飯を用意して待ってるから
    ぜひ私ともお近づきになって!と言いたいくらい素敵な人だ。

    辛い時には「ドリフターズ・リスト」
    (漂流する者たちの指針となるリスト)を書いてごらん、と
    ロッカさんに言われたあすわが
    広告の裏に書きつけた「やりたいこと」に挑戦し、修正しながら
    「こうありたいと願うことこそが私をつくっていく」と思えるようになり
    「そこにあると思うだけで力をくれる、一切れのパン」が
    いつも自分のまわりにいてくれた人たちであると気付くまでの
    あたたかくて、おいしくて、やさしい物語。

    読み終えたら、黄色いル・クルーゼのお鍋で
    色とりどりの豆をコトコト煮たくなること請け合いです♪

    • kwosaさん
      まろんさん

      「ああ、いい本を読んだなぁ」というのが素直な感想です。そしてこの本を「いい」と言える人間で良かったなぁ、と思っています。
      今年...
      まろんさん

      「ああ、いい本を読んだなぁ」というのが素直な感想です。そしてこの本を「いい」と言える人間で良かったなぁ、と思っています。
      今年を締めくくるにふさわしい幸福な読書でした。いろんな気持ちが胸にあふれてきて、レビューを書くにはまだまだ熟成期間が必要なようです。

      読後の余韻に浸りながら、まろんさんの素敵なレビューを拝読。おもわずコメントをしてしまいました。

      2013年が、まろんさんにとって素晴らしい一年でありますように。
      良いお年をお迎えくださいませ。
      2012/12/31
    • まろんさん
      kwosaさん☆

      あけましておめでとうございます。
      ひ弱な私は、年末にひどい風邪をひいて寝込んでいたので
      ベッドの中でうんうんうなりながら...
      kwosaさん☆

      あけましておめでとうございます。
      ひ弱な私は、年末にひどい風邪をひいて寝込んでいたので
      ベッドの中でうんうんうなりながら、
      kwosaさんはじめ、ブクログ仲間さんたちの温かいコメントにとても励まされました。
      ありがとうございます!

      ひとがひとを当たり前のように温かく支え、
      誰かのおなかを満たすために、丁寧にコトコトお豆を煮る。
      そんな素敵な物語で2012年を締めくくったkwosaさんのこと、
      きっと2013年も心に残る本との出会いがたくさん待ち受けていることでしょうね。

      この本を「いい本」と素直に評価してくださるkwosaさんに出会えた昨年は
      私にとって、とてもうれしい年でした。
      今年も、本への愛情がひしひしと伝わってくる素敵なレビューを楽しみにしています。
      私も、寝込んでレビューが途切れないよう、今年は少し身体を鍛えてがんばりますので
      どうぞよろしくお願いします(*^_^*)
      2013/01/01
  • 美味しそうなタイトル!と思って読んでみたら、パスタは思ってたのとだいぶ違った。

    主人公の身に降りかかったことは相当に辛かっただろう。それでも周りの人たちのお陰もあって前を向いていけたのはよかった。
    なんとなく前を向いて、そしてふわっと終わった印象。それが悪いのではなく、きれいにまとまるよりも現実味があるのかなと思った。

  • 太陽のパスタ、豆のスープ/宮下奈都
    ●ドリフターズ・リスト…波間に漂う人間が流木に縋るように、それを支えに生きていくためのリスト
     
    婚約を破棄されて、自信をもてない主人公にすごい共感した。「私には何もない」っていう不安。ラストは前向きになれます。リストってそんな意味があったんだって納得。



    個人的には登場人物の中で幼なじみの「京」が一番好き。だって主人公がリストを書いて焦ったり自分らしくもないことに挑戦したり右往左往しながら成長していくのに、物語の序盤で一番大事なことさらっと言ってるから。

    「自然にしていればいい。ちゃんと黄色を選べたんだから。そのうちあたまがゆるんで、身体も心もゆるんでくるよ。慌てることないよ、あすわはあすわだから。」

    このセリフ!あすわ気付いてほしい!
    一番あなたのこと分かってる人がここにいるのって、読み直してから思いました✨


  • 羊と鋼の森を読んで
    神様の遊ぶ庭に続く3冊目の宮下奈都。

    いつも溢れている優しい世界。
    宮下奈都の作品を読むと、出てくる料理を食べたくなる。
    今回は豆!
    そしてル・クルーゼを手に入れたくなる、
    いつも単純でこんな自分に呆れる。

    失意のどん底から、主人公明日羽「あすわ」が
    少しづつ元気になっていく
    何もできずじっと見守った。

    いつもながら登場人物が魅力的。
    六花さん
    郁ちゃん、京さん。


    本文よりー
    穏やかな気持ちで息ができるようになった。私がそう望んだからだ。
    緩やかによろこび、そっと悲しむような
    穏やかな毎日を今は求めたいと思う。
    感情に振り回されすぎないで、やりたいことを
    こつこつとやれるように。
    この作者どハマりしてる。今年はこの人漬け。

  • 確か、深海にすむ『アンコウ』だったと記憶しているのだが…。

    オスが
    「このメスにしよう…」と、生涯の伴侶を決めると、
    メスの体にピッタリとくっつき、
    方時も離れず、
    やがてメスの体の一部として同化に至ってしまう…。

    と、言う恐ろしい魚は。

    本書を読んで感じたのは
    すでにメスの体の一部となりかけていたオスが
    何を思ったか、突然!
    メリメリッと離れて行き、
    メスの体には大きな穴がぽっかりと空いてしまった状態・・・。

    この恐ろしい程、醜くて鋭い痛み。
    有りえない痛み。
    決して経験したくない痛み。

    じわじわと涙を浮かべるメスのあんこう。
    (物語の主人公は普通の女性です。)

    その傷口はいつか塞がるの?
    すっかりオスの形にえぐられてしまった、その傷口は…。
    あー、
    つらすぎて
    つらすぎて
    見ちゃいられない。

    でも、
    「致命傷じゃないよ。」

    そんな風に思ってくれる人達が次々にオロナインを
    塗ってくれる。(←あくまでイメージ。)

    早く治りますように、
    肌をさすり、柔らかい包帯を巻いて。

    こんな風に
    こんな風に

    人は立ち直っていけるんだ。

    少しずつ、元気になっていける物語。

    主人公の名前が好き。

    明日へ羽ばたく『明日羽』あすわちゃん。

    昨日が再び戻ってくる事はないし、
    今日もいつかは終わってしまうもの。

    視線が明日を向いていれば、
    腹の傷口見る事もそのうち忘れちゃうよ、と仕向ける周りの人達のキャラも好き。

    • kwosaさん
      MOTOさん

      本棚に花丸ありがとうございます。

      MOTOさんは『太陽のパスタ、豆のスープ』を読んでいらっしゃるのかな?
      と本棚を覗きにき...
      MOTOさん

      本棚に花丸ありがとうございます。

      MOTOさんは『太陽のパスタ、豆のスープ』を読んでいらっしゃるのかな?
      と本棚を覗きにきたら、
      あれ? このレビュー読んだことがあるぞ。
      しかも一番好きなレビューだ。花丸ボタンも押しているし。
      『犯罪』のレビューも素晴らしかった。
      何度読んでも面白いレビュー。
      僕はすでにMOTOさんの大ファンでした。

      遅ればせながらフォローさせてください。
      2013/03/07
    • MOTOさん
      kwosaさんへ

      こちらこそ、花丸たくさんありがとうございます。

      あまりにも過分なおほめの言葉を頂いちゃって、
      今、心臓がちょっとふるふ...
      kwosaさんへ

      こちらこそ、花丸たくさんありがとうございます。

      あまりにも過分なおほめの言葉を頂いちゃって、
      今、心臓がちょっとふるふる震えて…
      (ん?心臓は元々震えているものでしたね♪^^;)

      いや、とにかく大変嬉しいです!
      私もkwosaさんもレビューを読み、
      (世の中にはこんな面白いレビューを書ける人がいるんだなぁ~)
      と、感心しながら、読ませて頂きました。

      これからゆっくり他のレビューも読ませて頂きたいので、私もフォローさせて下さい。
      今後ともよろしくお願い致します。
      2013/03/08
  • 早く家に帰って続きが読みたい!!と思う本に久々に出会えた。
    やりたいことに向かって前を向いてキラキラしてる人、ストイックに努力してる人、そういう人と自分を比べては落ち込んで、でも心機一転弾みをつけて全く別の方に新たな一歩を踏み出そうとするけど結局自分に合わず躓いて…。
    明日羽のそういうぐらぐらした気持ちにすごく共感できて、今このタイミングでこの作品に出会えて良かったと思った。
    自分を支えてくれる土台は、見栄じゃなくて毎日のこつこつした積み重ね。そして自分が選んだもののひとつひとつが、こうありたいと願う自分へ繋がるのかも。
    落ち込む日もしんどい日もあるけど、明日羽と一緒に自分にとっての「豆」を見つけていって、少しずつ前に進みたい。

  • いろんな評価があるみたいですが、私は好きな小説。
    最近のイチオシです。

    他の作品もこの作者さん、読みたくなりました。

    肌合いがいい感じのする文章です。

    あの本の空気に浸りたいなって思ったら
    読み返すようなおはなし。

    身体をぽかぽかと温めてくれそうなタイトルに惹かれ、
    主人公「あすわ」の置かれた状態に、ちょうど人と別れて
    がっくりきていた私が共感して読む気になりました。

    婚約を突然破棄されたあすわ。
    風変わりな叔母のロッカさんに促され
    「実現したいことのリスト」を作って
    一人暮らしを始めます。

    好きだった人が永遠に去っていく。
    それだけでも結構キツイ事です。

    あすわは自分が、結婚という状況を求めていただけだって
    感じたかもしれませんが、私からは、何だかんだでやっぱり
    好きだったように見えました。

    だから青天の霹靂だったんでしょうね。
    呆然とした彼女の顔が見えるようでした。

    アテにしていた未来って、どんな未来なのか。
    自分が創った未来じゃないと、担保はないのですけど
    普段はみんなそんなこと忘れてるんですよね。

    あすわ本人は途方に暮れてますし悲しいはずだけど、

    あすわを取り巻く人たちは
    とてもゆるるか。

    あすわの叔母、ロッカさんも、友達の京や、郁ちゃんも。
    両親も、お兄さんも。

    起きてしまったことは消せないけど、
    ゆっくり回復していくしかありません。

    責めたり騒いだりしない様子が、じわりと沁みて
    読者の心にもふうっと息をつかせてくれます。

    どこかとぼけた語り口ですが、一人の時間と
    誰かとつながる時間をゆっくり往復することで
    悲しみは穏やかに痛みを静めていくよう。

    ドリフターズ・リストを作ったって、どうにもならないよぅ。

    と言いたいようなことは、私にも時折やってきます。

    苦しい時は、静かに苦しんで、ちょっとずつ心地いい方に
    そうっと動くのがいいんだなあって、この本を読むと
    すとんと納得がいきます。

    太陽のパスタも、豆のスープも美味しそうな言葉ですが
    そんな時は日常のことを一個ずつ、ちょっとずつやって
    おなかの温まる綺麗な彩りのものを、ゆっくり食べるのがいい。

    そんな当たり前のことが、丹念に綴られています。

    答えの出ないことをいじり回すより、したいようにしながら
    普段のことをちゃんとこなすのがいいんですよね。

    自分を回復するきっかけがリストなのであって
    それまでの自分に何が欠けてて、何が余分だったか
    じっくり聴いてあげるためのものとして、リストがあって。

    動き出し始めたら、好きな場所にでも
    そっと置いて日向ぼっこさせてあげればいいのかも。

    温かいスープの香りや、そばにある好きなことを
    思い出したくなったら、また読み返したいような。

    仲のいい誰かの声が聞きたくなるような。
    そんな気持ちになる一冊。

    懐かしい感じの小説でした。

    表紙が文庫本の方が作品に合ってると思うので
    購入するならそっちにしようっと。

    • kwosaさん
      北城紫苑さん

      フォローありがとうございます。

      宮下奈都さんの小説には、気持ちのよい空気感がありますよね。
      最近、気に入っていて何冊か読み...
      北城紫苑さん

      フォローありがとうございます。

      宮下奈都さんの小説には、気持ちのよい空気感がありますよね。
      最近、気に入っていて何冊か読みました。
      これからも追いかけていきたい作家さんです。

      いろいろ面白い本を教えてください。
      これからもよろしくお願いします。
      2013/04/16
    • 瑠璃花さん
      kwosa様

      コメントをどうもありがとうございました。
      こちらこそ、よろしくお願い致します。
      他の方の読書に心の躍る影響を受けるのは
      と...
      kwosa様

      コメントをどうもありがとうございました。
      こちらこそ、よろしくお願い致します。
      他の方の読書に心の躍る影響を受けるのは
      とても素敵なことですね。
      ひとりで読んでいるのでは気がつかない
      発見や出会いがあってブクログが大好きです。

      宮下さんも私のやってるブログとつながって
      くださってる方のご紹介で読んだのですよ。

      どうかご一緒に本の世界を
      巡らせて頂けますように。

      ありがとうございました^^
      2013/04/17
  • 婚約破棄から立ち直るまでの話。
    すごくネガティブになってしまったり、落ち込んでしまったりした時に、この本を読んだら一緒に立ち直れる気がする。
    なぜだかゆっくりしか読め進められなかった。でも、何に焦ってるかわからない自分を落ち着かせるような感じだった。

  • 初めて読む本だと思ったのに、2/3くらいまで読んだところで、再読に気付きました。どれほど忘れっぽいのか、記憶喪失なのか…。
    辛いことがあったばかりのあすわ、ドリフターズ・リストを通して、少しずつ前に進もうとしている。リスト効果なのか、あすわ自身の力なのか。
    食べ物には生きる力があるのは間違いないと思うけど。

  • 周りの人が頑張っていて、私だけ何もしてない、と焦るのは20代だけではない。30代でも、40代でも焦る。
    それに毎日をちゃんと、丁寧にすごすのは以外と難しくて、未だにできていない自分にムキーッとなるのだ。

    ロッカさんの存在が素敵だった。
    きっと、ロッカさんだって色々あるだろうに、そんな片鱗は全く見せず、明日羽に寄り添っていて、本当に叔母さんの鏡だね!
    私もそういう叔母になりたい。なろう。

  • 失恋して立ち直りたい人にオススメとあり、読んでみた。
    前向きになれ読んで良かったと思った。
    私も時間はかかるけど、今の状況にピリオドを打って前に進んでいこうと思った。

    一人暮らしで料理して、掃除して、洗濯してっていう生活が懐かしくまたやりたいなーと思った。

    ロッカさん素敵やし、私にとっての豆を探したいと思う。

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著者プロフィール

1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年、第3子妊娠中に書いた初めての小説『静かな雨』が、文學界新人賞佳作に入選。07年、長編小説『スコーレNo.4』がロングセラーに。13年4月から1年間、北海道トムラウシに家族で移住し、その体験を『神さまたちの遊ぶ庭』に綴る。16年、『羊と鋼の森』が本屋大賞を受賞。ほかに『太陽のパスタ、豆のスープ』『誰かが足りない』『つぼみ』など。

「2018年 『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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