桐島、部活やめるってよ

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  • 集英社
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本棚登録 : 3943
レビュー : 935
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713350

感想・レビュー・書評

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  • 刺さる。刺さる。青春を通過したならきっと誰もが刺さる。何よりも重い黒。本当に一番輝く 白いキャンパスを純粋に描いてる人のこと。17歳でなくても、その周辺の年齢である今 読んだことにすごく意味を感じられた。自分も中学生のとき、高校生のときの階級制度に苦しんだし、いじめよりも、この階級の下や上について悩むのが 今の時代のリアルな悩みなんだと思う。
    ダサい。か 、ダサくないか。で決まる この階級から 思いっきりハミ出してしまったから、ほんとに しんどい学生時代送ってるけど、朝井リョウの言葉はほんとに刺さりすぎた。
    映画とは、違う構成ですぐに読み終えてしまった。が、読み応えはバツグンだった。

  •  カレー沢薫女史は本書を読んで内臓が内側から爆発するくらいの衝撃を受けたらしい。
     内 臓 が 内 側 か ら 爆 発…!彼女はスクールカースト最下層にいたというが(そしてそれをネタに飯を食ってる)、恐らく「上」にいたであろうわたしも、等しく全関節が外れるほど衝撃を受けた。
     目立つ人は目立つ人と仲良くなる、この判断だけは誰も間違わないとイケてない男子が考える描写があったが、不思議なことにどこの学校でもどんな時代にも変わらずあるスクールカースト。ゆえに幅広い人が共感できる(そして内臓を破裂させる)のだろう。そして、自分の高校時代を思い出し、竜汰は誰々っぽい、梨沙はあの子っぽい、と頭の中で当てはめていく作業を必ずするはずだ。
     そして「上」の子は「上」の子なりの、「下」の子は「下」の子なりの感想を持ち、いずれにしても暗澹たる気持ちにさせる。わたしは新卒で入った会社でも、200人以上の同期と出会い、無意識にふるいにかけていたことにはたと気付いた。わたしの周りには目立つ外見を纏った友だらけだが、残念ながら楽な関係ではないのかもしれない。成長していない自分が情けなく、「上」にいることで失っている何かに気づく(主人公と同じメンタル)。

    “竜汰のこぐ自転車の荷台から振り返って見る高校は、地球にそのままずっしりと突き刺さっているようで、揺るぎない。目には見えない根をはって俺たちを守ってくれている場所は、どれだけ熱い太陽に照らされたってほんの少しも溶けない。”
     高校なんてただの箱。そんな世界が全てだとおもうのが17歳。つまらないことがつまらないと気付いたのはいつだったんだろう。

     文字はただ紙面に踊る暗号で、言葉はその組み合わせなのに、著者の文章には色や温度があるみたい。自分より若い作家さんはまだ少ないので、新鮮。

  • 高校生って大人の入口なのかもしれないな、と思った。どこに行くかは自由だけど、もうすでに自分のレール(これをスクールカーストで表現してるのかな)はあるんだという自覚もある。

    高校という狭い世界でやっていくにはちょっと窮屈になってきているさまざまな登場人物たちの心情が、キラっと光るようでした。

  • まあ、もうこういうのはいいや。子ども向け。

  • 読む進めるのに時間がとってもかかってしまったのは、
    人物たちとの時間差が大きすぎたのか?
    はたまたナイフのような切り口だったからか?
    途中までは全然内容が入って来なくて
    なんなんだ?って思っていたのだけど、
    検索して主題を再確認してなんとか読み続けるうちに
    だいぶ楽になったのは、
    やはり、実果、宏樹、涼太の辺りからか。
    と書くと自分の「立ち位置」がわかってしまうのかも。
    だからしんどかったんだろうか。
    大人になったら、大したことじゃないと思える反面、
    大人になっても社会には「立ち位置」がある。
    前にマスコミで言われた「ママカースト」なんてまさしくそうだし、
    男の世界だってある。親分と子分だってそうだよね。

    でも、主題はそこじゃない。
    自分の軸を持っている事が一番大事って事なんだと思う。

  • バレー部の「頼れるキャプテン」桐島が、突然、部活を辞めた。
    それをきっかけに田舎の県立高校に通う5人の生活に、小さな波紋が広がっていく。
    野球部の宏樹。バレー部の風助。ブラスバンド部の亜矢。ソフトボール部の実果。映画部の涼也。
    カーストで上にいるものと下にいるもの。


    焦りとか苛立ちとか、もんもんとしたものを抱えている彼らの姿を見ていて、自分を思い出す。
    辛かったよなぁ。この時期。

    全く大人ではないけれど、一応1人の大人として、彼らに若いってすごいことで、きらきらしてて、どんな可能性だってあるんだよ…。なんて、そんなこと言えないなぁと思った。
    そんなこと、言ったところで聞き流されるだけだけど。

  • 読もう、読もうと思いつつ、青春コンプレックスの私にはどうも開くのが躊躇われる小説でした。
    満を辞して…というか覚悟をきめてようやく読みました(笑)

    感想はと言うと、思っていた程ダメージも少なく、けれど高校生の日常や機微が丁寧に描かれた良い話だと思いました。
    「桐島」が部活をやめる、ということを軸に揺れるそれぞれの少年少女たち。
    桐島本人が一度もでてこない構成は斬新で面白かった。
    主に、スクールカースト下位の高校生に焦点があてられていて、そのことでまた一筋縄ではいかない青春をよく現せているな、と感じました。
    まぁ私の通っていた高校には、茶髪や化粧をしている人、下位の人物を貶すような雰囲気はなかったのですが。
    あー高校生にもどりたい。

    最後の宏樹の章が心に残りました。
    もしかして朝井リョウ自身がモデルになっているのでは…?と勘ぐってしまう程、これは朝井リョウがとにかく書きたかった部分なんだなと感じました。
    何にでもなれる、大きな未来が広がっている、でも自分は何をしたいのか、どうすればいいのかも分からない。
    まだ小さな世界の中にいる彼らが抱く、漠然とした焦燥感、虚無感が、私には手に取るばかりです。

    朝井リョウって、どの作品でもこのテーマを描いてるような気がする。
    何者かになりたくてもがく若者、みたいな。そういうの好き。
    とりあえず桐島部活やめたらあかんでー!

    • aida0723さん
      そう、桐嶋、部活やめたらダメ!って思いました。熱いものを持ってる奴がやめたらいかん!
      そう、桐嶋、部活やめたらダメ!って思いました。熱いものを持ってる奴がやめたらいかん!
      2015/07/26
  • 桐島、出てこないんかい。
    クラスの人間関係でなんとなく序列のようなものが出来るのは分からなくないけど、あいつ確かウチのクラスだったよな、というくらい無関心にはならないだろ。
    と、良く分からないところがあった。

  • ちょうど実家で片付けしてたら高校2年のときにクラスで作った文集が出てきたこともあってか、なんか懐かしく思いながら読んだ。あの頃もこんな風に目立つ子目立たない子っていたし、部活に熱中してキラキラしている子だっていたなあ、って。そして作中の校長に近い年齢になって、『無限の未来』とか『真っ白なキャンパス』とかがどういうものなのかをようやく理解するんだよなあ。

  • 「桐島、部活やめるってよ」
    高校生によくある風景。


    映画にもなった本作を遂に読みました。朝井リョウ作品は、なかなか人気のようで予約待ちでしたが、ようやく。


    読む前にちらっと噂を聞いていましたが、桐島は出てこないんですね。所謂、これは「田村はまだか」パターンである。


    そんな当人が居ない中で進む物語は、現代の高校生の学校社会をものの見事に描いていると思います。イケてる、イケテないでお互いを位分ける、努力をバカにする風潮、バカにしながらも上手く自分を表現出来ずに悪ぶり拗ねる所、周りに流され、学校社会をやり繰りする性質など正に今も現存する事象だと思います。


    良く言えば、これらは高校生らしいとか誰もが経験する(誰もでは無いと思うが)こと。しかし、厳しく言えば、単なる甘えであり、未熟そのものと言えます。


    そんな未熟や甘えを前面に出す高校生を、私は好きになれませんが、本書を嫌いにはなれません。


    なぜなら、自分にイライラしながらも前進しようとする奴もいるからです。最後、一歩踏み出す姿はとても素晴らしい事。踏み出したからには、未熟から成長して欲しい、そう思います。


    因みに、映画と小説、どっちが面白いのだろう。小説は、個々の感情の揺れは絶妙に描かれているけど、テンポは淡々と刻まれていく。そんなテンポを映画でも保っているのだろうか。

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著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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