桐島、部活やめるってよ

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  • 集英社
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本棚登録 : 3943
レビュー : 935
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713350

感想・レビュー・書評

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  • 既に映画化されている作品。

    バレー部の部長だった桐島君が部活を辞めた事で
    少しずつ変化していく心境・状況を
    何人かの生徒ごとに展開していきます。

    将来に対して漠然と感じる不安。
    華やかな『上のレベル』とされる同級生に対する卑屈な思い。
    叶わない切ない恋心。
    そして女の子特有の、仲間でいる安心感。
    その逆の不安感、などなど。
    高校生特有の感情や、悩みや、苦悩などが綴られています。
    この本では取り上げられていなかった
    『沙奈』や『絵里香』や『かすみ』にも
    きっと、周りの友達は知らない悩みを抱えているのでしょうね。

    高校生は高校生なりに、大人にはわからない
    色んな事を考え、悩み、少しずつ成長していっているんだろうな。

    『自分の高校時代はどうだったかなあ?』
    と色々思い出してしまいました。


    ただ…

    この本を読んで共感したり、考えさせられたりするには
    私は大分年を取り過ぎたようです。。。
    高校生の時に読むと、また違った感想なんでしょうね。

    けど、よく考えたら、本を読む年齢によって
    感じ方が変わるのは当たり前の事で…
    今の私が面白いと感じる本を高校時代に読んだとしても
    きっと面白いとは思わなかっただろうな。

    そう思うと、作家さんが年を重ねて、作風が変化していくのと同じように
    私達読者も、年を重ねながら、感じ方を変えていくんですね。

    自分の年齢にドンピシャな本ばかりを読むのではなく
    あえて、違う世代の本を読む事も、大切なのかも?
    と改めて感じました。
    (結構、読むのに苦労しますが…)

  • うーん。良い。やはり青春群像劇がわたしはすきだ。
    一番感情移入したのは、沢島亜矢かな。

  • 30年以上前の高校生活がまるで昨日のことかの様に思い出させてくれる作品でした。何気ない高校生活の一部をオムニバス形式で多面的に記述しつつ、思春期の悩みや葛藤が見事に描かれていると思います。

    高校は一人一人の人生の交差点であるということを改めて感じました。個々人それぞれが色々な思いを抱えながら生活をして、不安を持ちつつ将来を探っていく様子が見て取れました。
    クラスには目立つグループや目立たないグループがあることや、校長先生のお話、体育館、グラウンド、駅前のマックetc.ストーリーを追いかけながらも、頭の中に描かれてるものは、間違いなく自分の母校であり教室であり校庭でした。

    ストーリー以上の刺激を与えてくれる希有な作品だと思います。

  • 高校生の世界で渦巻く、嫉妬や優越感やなんか違うって気持ちがとてもリアルでした。桐島が部活をやめて、ちょっとずつ変わり始める生徒たちの日常。ラストの菊池君の章はうるっときましたが、明日から頑張ろうと明るい気持ちになります。

  • スクールカーストを多方面から表現した小説。

    高校という世界のなかでイケてるグループの中心人物である桐島。
    彼がバレー部を辞めることは色んなひとに影響を与える。

    仲のいい友人とだけ話す世界でも、別のグループにも影響を与え合ってる。

    見た目がいいやつはイケてる?運動部は文化部よりイケてる?
    空気読めるやつはイケてる?イケてる彼女がいるやつはイケてる?

    上のグループとそれに続く下のグループ、階層のように存在するスクールカースト制度。

    誰もが経験することだと思う。超あるあるだと思う。確かにみんな無意識に格付けし合ってる。わかる。

    でも、授業中、サッカーで無意識に無視される下位グループは本当にイケてないのか。
    彼らだって自分の世界を持ってる。オタクっぽい彼らはかっこつけずにやりたいことやってる。

    最後、イケてるグループの菊池くんが映画部を持ち上げたのはちょっと違うと思う。
    がんばってるひとは輝いている!的な表現。媚びてる気がした。

    カースト制度を扱うならナードまで描いてほしかった。
    どん底にも世界はある。青春とかそういうイケてる言葉で片付けてほしくない。

  • 同じ文を何度も繰り返すところ、比喩を多用するところが
    村上春樹に似ているなぁと思いました。
    だから好感が持てたのかも ^^ /
    章ごとに主人公が変わるところは、1Q84みたい。
    最初と最後に同じ人を持ってくる構想がすき。

    この小説中何回もあった、
    主人公が思いをめぐらせているところに「」を挟んで
    その思考回路を中断させるような書き方。
    たっぷりと臨場感を持って楽しめるすごくいい方法だと思いました。

    私の場合中学のときにひしひしと感じた
    暗黙の了解であるヒエラルキー、
    その上に感じる劣等感や優越感、虚無感。
    もう一度読まないと上手く説明できないけれど、
    とにかく共感した一冊でした。

  • 作者を知らなかったら若い女性かな?と
    思ったかもしれない。
    文章が優しくて瑞々しい。
    感受性が豊かなのかな~

    「桐島」本人は出てこず
    その周りの生徒たちを通して描かれる、
    学校という当たり前に存在していたのに
    今となっては不思議な空間での物語。

    学校が世界の全てで、
    そこでのヒエラルキーが全てのように
    思えた時代。
    何かに一生懸命になれている人が
    一番輝いてるんじゃないか、
    きれいじゃないか?
    そう苦悩する姿は「何者」にも
    共通しているかもしれない。

  • 原作読んで映画見た。
    映画もよかったけど、原作派。

    桐島本人はでてないのに、題名になるくらい
    その学校で大きな存在ということを表せるのが
    すごいなと思った。

    高校は今思えば格差やらなんやらある場所で、
    たしかにこの本みたいな感じだなと思った。
    上の人たち、下の人たち
    精一杯生きている様子が書かれていて
    終わり方もしゃんとしていて好き。

  • +++
    バレー部の「頼れるキャプテン」桐島が、突然部活をやめた。それがきっかけで、田舎の県立高校に通う5人の生活に、小さな波紋が広がっていく…。野球部、バレー部、ブラスバンド部、女子ソフトボール部、映画部。部活をキーワードに、至るところでリンクする5人の物語。第22回小説すばる新人賞受賞作。
    +++

    「桐島、部活やめるってよ」というタイトルなのに、桐島は人の話にしか出てこない。桐島が部活をやめたことで始まる物語なのだが、主人公は桐島ではなく、別の五人の同級生たちなのである。桐島が部活をやめたからと言って、彼が属していたバレー部以外の生徒の何かが変わるわけではないのだが、部長として輝いていた桐島の突然の退部は、ほかの者たちの心にも小さな波紋を広げ、考えるきっかけを与えたように思われる。流行やカッコよさの基準はわたしの時代とは違うが、生徒間の歴然としたランク付けやクラスのなかでのアイデンティティに悩む様子は、おそらく不変のものではないだろうか。ばかばかしくて一生懸命で、自分のなかだけでもがいている高校時代が懐かしくなる一冊である。

  • 学校が世界の全て。
    クラス内の上と下。痛くなるほど共感した。
    この狭い世界の中で何に怯え、もがいてるいるのか。ほんとその気持ち分かる。

    グループという派閥に組まれたまにメンバーチェンジ。上に舞い上がったり下に蹴落とされたり。自分の立場がどうであれ、それぞれの派閥が懸命に今を生きようとしている。切ないのに切ないのにキラキラしてる。

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著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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