光媒の花

著者 :
  • 集英社
3.60
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本棚登録 : 1874
レビュー : 383
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713374

作品紹介・あらすじ

もう、駄目だと思った。それでも世界は、続いていた-少女は無限の想像力でこの世界を生き延び、少年はたった一つの思い出にしがみつく。一匹の蝶が見た悲しみの先に広がる光景とは…渾身の連作群像劇。

感想・レビュー・書評

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  • 6作からなる短編集で、それぞれの話が少しずつ繋がっている。どの話も切ない印象を受けたが、希望の光が見える感じだったので後味は悪くなかった。

    余談だが…内容を知らないまま、この本と先日読んだ森見登美彦氏の「美女と竹林」を一緒に借りたのだが、どちらの本にも竹(笹)の花は数十年に一度一斉に咲き、咲いた後の竹(笹)は枯れてしまうという事が書いてあって、その偶然さに驚いた。

  • 尊敬する大好きな人が道尾さんにハマっていると言うので、
    よし!道尾さんフェアだ!と久しぶりに借りてゆっくりと読みました。

    一匹の蝶が道先案内をしてくれるように、話が繋がっている
    隠れ鬼、虫送り、冬の蝶、春の蝶、風媒花、遠い光
    の6章で構成されるお話でした。

    最初はダーク&ホラー色が強いのかな…と思いましたが
    だんだん光り輝く作品が多くなり「風媒花」「遠い光」で
    人って見えない絆で繋がっているんだな~と心が温かくなりました。
    「遠い光」読み終えてからじんわりと涙が出てきました。

    目に見えないけど、こうやってみんな繋がって生きているんだよね。。。と
    ジーンときました。

    伏線の回収が美しくきれいで、さすが道尾さん!と
    思わず拍手してしまいました。

    • まろんさん
      『ノエル』がとても素敵だったので、気になっている道尾さん。
      次は何を読もうかな~と迷っていたのですけれど
      まっき~♪さんがオススメなら、この...
      『ノエル』がとても素敵だったので、気になっている道尾さん。
      次は何を読もうかな~と迷っていたのですけれど
      まっき~♪さんがオススメなら、この本にしようかな(*'-')フフ♪
      私も便乗して、道尾さんフェア突入☆になってしまうかも(笑)
      2013/02/22
    • まっきーさん
      まろんさんへ

      『ノエル』人気ですね♪
      さっそく予約しなきゃ!

      結構ヘビーな内容が多い道尾さんですが、『光媒の花』は、序盤ダークのダークか...
      まろんさんへ

      『ノエル』人気ですね♪
      さっそく予約しなきゃ!

      結構ヘビーな内容が多い道尾さんですが、『光媒の花』は、序盤ダークのダークから、だんだん明るくなっていくような展開でした。
      読んだ後、清々しくなりました。

      まろんさんも道尾さんフェアどうぞ参加して下さい(o^∀^)
      2013/02/22
  •  六つの短編の主人公が入れ替わり、少しずつ話が繋がりミステリー要素も含めた連作になっている。
     それぞれの登場人物の秘められた過去。忘れられない記憶や深い闇を抱えて、必死で生きる人たちを描いている。
     悲しい境遇の少女が紙袋を裏返して「世界を全部入れちゃうことだってできるんだよ」といった言葉があまりにせつない。
    風媒花、虫媒花という例えもよくできていると思った。全体的にシリアスで重い内容だが、最後に一筋の光や希望がみえているのがよかった。

  • 数人の人生が重なりながら展開していく。

    高校男子が社会人女性に抱く甘い期待と緊張感は
    男として『分かるなぁ~』とほほ笑んでいたら
    本心はとっくに見抜かれていて事態はとんでもない方向に、、、。

    連動した各章は、心が痛かったり、寂しかったり 切なかったり
    少し希望を感じたりでした。

    一気に読んでしまいました。いや、これは面白かったです。

  • 一話が40ページ前後の六話の短編集です。しかも一話ずつリレーされていて最後の話が振り出しの話に繋がっています♪
    どれもが文体も内容も切ないような物悲しいようなホロリとしてしまう話です。
    たくさん出てくる童謡の歌詞も効いてますね。

  • *認知症の母とひっそり暮らす男性の封印された過去。ホームレス殺害に手を染めた小学生兄妹の畏れ。病に伏せる姉を見舞う、配送ドライバー青年の誤解・・・、一匹の蝶が見た、悲しみの先に広がる光景を描いた6章の群像劇。大切な何かを必死に守るためにつく悲しい嘘、絶望の果てに見える光を優しく描き出す、渾身の感動作*

    これは・・・もうお見事としか言いようがない。哀しく儚くやるせなく、救いがないかと思いきや、物語が進むにつれ、その先にある微かな光や希望や優しさがふわりと舞うような光景。陰があるから、ほんの少しの陽でもあたたかい。心にしんと染み入る読後感。また、素晴らしい本に出会ってしまった。

  • 「鏡の花」を読んでから本作を読むと、とても安心する。
    その安心とは、「連作短編の正統派」を読んだという安心感。
    前作の登場人物が次の回の主人公になる。そうやって鎖のようにつながっていく連作は、ひとつの安定した世界を基盤にしているから、安心して読んでいられるのだ。
    今まで連作短編とはそういうものだと思っていたから、「鏡の花」を読んだときは視界がぐにゃっと歪むような不安に襲われたのである。

    小説の構成はノーマルだが、それぞれの物語は決して穏やかなものばかりではない。崖っぷちを、危なっかしい足取りで歩いているかのような、はらはらする物語が多い。
    それでも、道尾さんの作品は、どこかに必ず光がある。全方位的な、善意あふれる温かい光ではないけれども、ぎりぎりのところで救いになるような、細くて強靭な光である。その光が、私の心にキリキリと差し込んでくるから、痛みと安堵とかすかな希望で、涙が溢れてくるのだ。

  • 道尾さんの作品は初めてだったが惹きこまれてしまい2回読んだ。伏線が素晴らしい。
    「母の知性は、日向に落とした飴玉のように、ゆっくりと溶けていった。」
    洒涙雨(さいるいう)=七夕に降る雨
    風媒花、虫媒花。
    道夫さんの作品をもっと読んでみたいと思った。

  • こういう短編が少しづつ繋がっている小説が好き。

    あ!この人!って気づくときが楽しい。笑

  • 短編集ではあったが、全体を通して関連性を感じさせる作りになっていて、短編があまり好きではない私も、抵抗なく読めた。むしろ、どう関係しているのかを探すために楽しめた。

    隠れ鬼の中の、「母の知性は、日向に落とした飴玉のように、ゆっくりと溶けていった」の表現を読み、「あぁ、やっぱり道尾さんいいなぁ」としみじみと思ったのと同時に、更にぐっと引きつけられた。
    この表現の優しいようで切なく哀しい感じがとても好きで、飴玉をもって知性を描く事で、幼児性も感じさせる。ゆっくりと溶けるという言い方がとても哀しく、止められない事だと思わせる。
    なんて、自分の解釈を書くと偉そうに見えてしまうけど、本当にこの一文で「読んで良かった」と思ったから記録しておく。
    勿論、ここだけでなく後に続く話も面白かったし、読後は満足している。
    解説でも書かれていたが、私も道尾さん独特の手法というか、書きっぷりにハマっている1人で、ぬるっとした気持ち悪さというか、スーッと切り込まれてゾクっとする感じというか、なんと表現したら良いかわからないが、それを短編全てで感じられた事がとても心地良かった。

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著者プロフィール

道尾 秀介(みちお しゅうすけ)
1975年、兵庫県生まれの小説家。玉川大学農学部卒業。会社員生活を続けながら小説を執筆しており、2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。
2007年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞。2009年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。2010年、『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞受賞。『光媒の花』で第23回山本周五郎賞受賞。2011年、『月と蟹』で第144回直木賞受賞。直木賞にはこの作品で5回連続のノミネートだった。
その他代表作として『向日葵の咲かない夏』があり、文庫版は100万部を超えるベストセラーになった。『カラスの親指』は映画化された。
ほか、横溝正史ミステリ大賞、新潮ミステリー大賞の選考委員を務める。

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