そこへ行くな

  • 集英社 (2011年6月24日発売)
3.22
  • (7)
  • (43)
  • (71)
  • (19)
  • (3)
本棚登録 : 374
感想 : 75
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784087713985

作品紹介・あらすじ

直木賞作家の珠玉の7篇
長年共に暮らす男の秘密を知らせる一本の電話、中学の同窓生たちの関係を一変させた401号室での出来事…誰かのささやかな行為に突然、日常を切り裂かれる人々の物語。名手の手腕に酔う一冊。

みんなの感想まとめ

人々の日常が予期せぬ出来事によって揺さぶられる様子を描いた短編集で、各短編が持つ独特の余韻が印象的です。著者の巧みな筆致により、物語はどれも読みやすく、まどろっこさを感じさせつつも心に残ります。特に、...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • なんだか独特のまどろっこさの残る短編集。
    文章が上手いからか読みやすかった。
    井上荒野さんの作品は何冊かしか読んでいないけど、他も手を出してみようかなあ。

  • 短編それぞれ、最後ぽいっと放り投げられる感じ。「そこに行くな」という本の名前、ぴったりだと思った。それぞれのラストのさじ加減が井上荒野さんぽく感じ、印象的だった。きれいにまとめることもできただろうけど抑えたところがいい感じ。
    やりきれない、かけちがい、ゆがみ、関わらないほうがよかったのについ「そこに行」ってしまったから、起こらなくていいことが起こって、収束できないまま…でも生きてることはこんなことの繰り返しでもあるとも思う。人との関わりも、きれいにピタリと答えが出るものでもないし。

    最後の「病院」だけ毛色が違うのは、初出掲載誌が違うからか。

    井上荒野さん、いつも深いなぁと思う。
    私はまだまだ読みきれてない。

  • 遊園地:夫の秘密、本当はあやしいと思ってたし、気づきたくない気持ちが細やかで。続きがあったら読みたい。
    ガラスの学校:仲の悪い姉妹が悲しすぎるが母の死で少し変化し始めたのが救い。
    ベルモンドハイツ401:同窓生が集まってのいわゆる乱交だけど、もやっとした終わりだなーと。
    サークル:追っかけだった自分を認めたくない感じが痛々しくもあり、最後は前に進める感じで希望がもてる。
    団地:その団地を選んだ時からそこへ行ってしまったわけだね。
    野球場:貸しグラウンドの事務員とみんな関係をもってしまった話。あり得ない話だけど空恐ろしいわね。
    病院:この本で一番しみじみと読んだ短編。母が弱って行く様子と僻地の友達。主人公の男の子はきっと素敵な大人になる。

  • ちょっと大人の短編集。
    個人的には最後の「病院」が好きだった。
    生きるって、ある意味、残酷なことなのかもしれない。
    その残酷さとうまく折り合いをつけながら、生きていかなければならない。

  • 日常に潜む”不穏”を浮き彫りにする小説。
    普段は意識にのぼるかのぼらないか、くらいの不穏さなんだ。わざわざそこをあぶり出す。
    もやもやする、気持ちの悪い作品。

  • どうなるの というレビューが多いが私は好き
    後に考えさせてくれるものが小説かと。

  • 不安から猜疑心へと変わる様子が、読んでいてキリキリしてくる。誰もがそこへ行ってはいけないと知りつつ、真実が知りたいから、自分が納得したいから傷つく結果が見えていても、もしかしたら?と僅かな望みを込めて行く、そんな短編。暗く重たい内容が多かったですが、良い作品だと思いました。

  • 人の心の機微を描かせたらぴか一の作家。さりげない日常に毒を盛ってくる。

  • 短編集。絶妙に後味の悪い、それでいてどことなく友情めいたものを掻き立てる、独特な読後感の連作だった。結構セックスの話をしてくるが、嫌な類のいやらしさはなく、落ち着いて読めた。読みやすい文章なので、同じ作者の他の作品も読んでみたい。

  • ★購入済み★

  • 最後の「病院」
    家族みんながいるリビングで読んでで、読み終わってひとりになってから、じわじわと染みる。

    読後幸せになる話ではないけど、自分の中にずっしり残る話だった。

  • うーん、なんかモヤモヤする話。
    あまり好みではないかな。
    何がいいたいのかイマイチ伝わってこない。
    最後の「病院」が一番印象的。

  • なんとも表現しにくい読後感…。
    文中の言葉にもあった〈嫌な感じ〉。確かに読みながらそれを味わっていた。
    けれど、毒で毒をあぶり出すかのように、これは私だ…そんな気持ちがところどころから零れてきて、苦々しく、また、少し心がスッとしたりもする。
    最後の「病院」の行方は…良い風に受け取りたい。
    陰気で嫌な感じ、でもどこか遊び心も添えられたような、シュールに描かれた短編集。

  • 読解力が足りないのか、えっ終わり?という作品が多く感じた。
    最後の
    病院
    これは辛い話だけどきちんと終わる。

  • この筆者は初めてかな。
    人間のブラックな部分が見え隠れして面白い。
    他の作品も読んでみよっと。

  • 場所がテーマとなった短編集。

    最初の話を読み終えた時に、え?これで終わり?と拍子抜けしましたが、全体的にそんな感じの話ばかりで、後半は、そのスタイルにも慣れ、逆に想像力が刺激され、楽しめました。

    嫌な気持ちになる話が多いけれど、ちょっと癖になる感じが、私は嫌いではないです。

    最後の「病院」だけは、きちんと結末があり、良い感じにまとまっていましたが、そこまでの過程が辛くて、息子を持つ身としては、読むのが辛かったです。

  • あきちゃった
    以前に、なんかのショート・ショートで読んだような透明感がなかったのが原因だと思った。

  • 本屋お勧め本。日常に潜む悪意や棘を上手く活かした短編集。さらっと読めたけど、残るものはなかった。

  • 最初からとても、本に影響されて心に黒い感情がうずまいてた
    とにかく、明るくはならない小説だった(笑)
    タイトル通り「そこへ行くな」と思わずにいられない場所へいく感じ
    人間の嫌な感情を見せられてる

    でも、きれいごとだけの世界じゃないって
    当たり前に存在してるかもしれない世界ではあるんだろうなと思う


    別の本で気持ちをあげたくなる一冊でした(笑)
    そう思わせる上手い本とも言えるのカナ?

  • 7編からなる短編集
    タイトルの「そこへ行くな」というのがテーマになってるのだが、そこへ行ったり、行かなかったり。
    結末はどれもゆるい感じ。
    だけど不思議と物足りなさがない。
    さみしい気分になった「遊園地」「ガラスの学校」
    同窓会って、こんなのもありなの?「ベルモンドハイツ401」
    なんとなーく不気味な感じがする「団地」「野球場」
    最後にそうきたか~。女って怖い「サークル」
    最初は閉塞感たっぷりだったのに、さわやかに終わった「病院」

全68件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1961年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。1989年「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞、2004年『潤一』で島清恋愛文学賞、2008年『切羽へ』で直木賞、2011年『そこへ行くな』で中央公論文芸賞、2016年『赤へ』で柴田錬三郎賞、2018年『その話は今日はやめておきましょう』で織田作之助賞を受賞。他の作品に『もう切るわ』『ひどい感じ 父・井上光晴』『夜を着る』『リストランテ アモーレ』『あちらにいる鬼』『あたしたち、海へ』『そこにはいない男たちについて』『百合中毒』『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』『小説家の一日』『僕の女を探しているんだ』『照子と瑠衣』『猛獣ども』『しずかなパレード』などがある。

「2025年 『私たちが轢かなかった鹿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井上荒野の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×