オーダーメイド殺人クラブ

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 629
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714036

感想・レビュー・書評

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  • 中2のリア充!?女子、アンがクラスの冴えない昆虫系男子、徳川に「私を殺して...」と殺人を依頼するお話し。女子同士のドロドロな感じが初めは、読んでいて辛かったけど学校では、全く話さないアンと徳川がひっそりと会って殺人計画の相談をしている時は、恐ろしいことを話しているのになんか2人の会話が笑えました。
    後半は、涙が止まらず最後は、とっても爽快感のあるお話しでした。

  • 一気に読めた。
    というか、最後まで読まないと寝れないと思った。
    鷲掴み。衝撃。

    クラスでは目立つ女子のグループに属する「リア充」のアン。
    少年事件の新聞記事を切り抜き、人形の臨床写真を飽くことなく見続け、自分の「事件」を夢想する。
    絶対に話すことがないと思っていた「昆虫系」の徳川に頼む。
    「私のこと、殺してくれない?」

    私、思い出した。
    あのころは、些細なことに落ち込んで、小さい世界が全てだった。
    朝一緒に登校する友達がいないときは、周囲の目が気になったり
    友達が休んだときには、お弁当誰と食べようと朝から悩んだり
    体育のバスケで、狭いコートの中ただ目立たないように走っていた時間の長いこと。
    もう死にたいって思ったり、明日が来なければいいのにと思ったり、
    親なんか嫌いで、でも家から出ることもできない自分も嫌で、
    不満ばかりで、びくびくして、空気を読めなくて落ち込んで、
    けっこう毎日がいっぱいいっぱいだった。

    仕事に疲れるばかりの社会人になった今は、
    あぁ、あのきらきらした中高時代に戻りたい・・なんて思ってたけれど、
    勝手に楽しかった思い出だけに美化しちゃってた私と違い、辻村さんは、
    あの頃のそういう感情や空気感をありのままに覚えているのだろう。
    鮮烈に、抉って抉って抉りまくってきた感じ。

    「中二病」。
    人間的にも精神的にも未熟で、
    でも未熟だとは思われたくなくて、
    精一杯強がって、勝手に傷ついて、知らないうちに傷つけて。
    周りの大人は大変だと思うし、誰もが通る道だとも思うけれど、
    通る本人はいつだって「初めて」の道なのだ。

    万人受けするとは思わないが、ガツンとくるものがある。
    最近は、辻村パターンなるものができてきてるなと思っていたけど、
    これはいつもみたいな「ドンデン」はなく(軽くはあるけど)、
    本当にストレートに青春の暗部を書ききっている。
    徳川も、今までになかったタイプかも。
    リアルすぎて怖かったりもするが、是非一読されたい。

  • 2020/02/27読了
    #このミス作品12冊目

    なかなか振り切ったストーリーだが
    それでもリアルさが伝わった。
    とりあえず女の子って面倒くせー。

  •  死に漠然と憧れることって、たしかにある。生命エネルギーがあふれてこぼれそうな中学生のころは特にそうだ。リア充女子の小林アンが、死に憧れたのは、今に危険がないからなんだろうな。命に危険がないからこそ、現実から程遠い死に憧れたりするんだろう。そのことに、アンは気づくべきだと思う。母親のこと、ぼろっかすに言う前に。親いないと、中学生は生きられないのに。ただ、私も中学生のときはアンと似たり寄ったりの考えしかしてなかったから、アンのこと悪くいえない・・・

     「私のこと殺してくれない?」と頼まれた徳川勝利が、「いいの?」と即答したのは驚いた。「本気か?」と思ったけど、本気じゃなかった。徳川くんはアンのこと好きだったのか。普通の男の子だ。表現の仕方が独特なだけの。徳川くん目線で話が進んでいたら全然作風が変わっていたんだろうな。

     女と男はこんなにも違うのか。少女Aと少年Aは、別世界の住人なんだろうなあ。そして、一線を越えられなかった少女と少年は、こうやって大人になっていくんだな。
     かつて私も感じた狂気に、大人になって再会できた気がした。なんだか懐かしくなった。

  • 徳川はずっと、どんな気持ちでこの事件に協力していたのだろう。猫の件だって河瀬の事だって、本当は。ずっと、アンに気付かれなかった想いを、彼はどんな風に抱え込んでいたのだろう。読み終えた後で、そればかりをひたすら考えた。この、何とも言い表しがたい彼の想いごとすべて抱きしめたい。
    死のうと、殺そうとしていて立てていた計画だったのに、互いが互いの生きる理由になるなんて。でも、長い時間がかかったけれど、徳川は徳川のやり方で約束を果たしたんだって、考えていいよね?これからだ、これからまた2人はうんざりするような長い時間を紡いでいくのだろう。あの頃とは違う小林アンと、徳川勝利と。それがどうしようもなく、愛しい。殺せないのなら、死ねないのなら、生きるしかないんだ。

  • 殺され願望のリア充少女と少年A候補の昆虫系男子の物語。タイトルの通り、少女の殺され方について吟味するなかで中学生らしい胸糞悪い出来事が連続する。リカーシブルとか少女には向かない職業とかもそうだが、そもそもこの女子中学生ものは読み続けるのがめちゃくちゃしんどい。なかなか感情移入できないし、とにかく胸糞悪くて長い。勿論、予定調和のようですが、本作はハッピーエンドで終わるが、少年の立場から考えると、ああなるほどなぁと最後によくわかる仕掛けでした。やっとここで感情移入できました。よかったね。中学生の死に損ないは余生とか言っときながら、けろっと忘れちゃう感じ。それを皮肉った結末の小説、麻耶雄嵩でありましたね

  • 忘れたい黒歴史をつきつけられるような本。
    前半はドロドロした女社会にうんざりしたけど、斜に構えて自分は特別だと信じてる主人公がだんだん現実に染まっていくところがとてもリアルでよかった。読後感もすがすがしい。
    あと欠点がない人がほぼいないところもよかった。(河瀬を除く。たまにいるな、顔が良くて性格もいい男の子‥)
    忘れた頃にまた読みたい。

  • 一組の中学生カップルが、“死”に向かって進む一冊。
    一人は殺す側に、一人は殺される側に。

    変わっているのは、殺される側の女子が、
    “理想的な死”を演出してもらおうとの依頼をしている点。

    人々の記憶にいつまでも刻まれるような、
    そんな“死”を迎えたいとの想いに突き動かされて。

    さて最後、彼らは“死”をどのように迎えるのでしょうか。

    ハリネズミのような痛い青春の群像と、そう感じました。
    自分の時はここまで“死”を考えていなかったなぁ、とも。

    どこか冷めたような、それで熱いような、
    そんな人の描かれ方も含めて、なんとも辻村さんらしい、そんな一冊。

  • 死にたいと思えば思う程、まだ生きていたい自分に気づく。わたしはアン程強く死を夢想したことはないし、意識したこともない。でも、死にたいと思っていた時期が、わたしにもある。
    何か大きなきっかけがあったわけでもないけれど、今それなりに楽しく生きていて、前みたいに死にたくなることもなくなった。本当に死ななくて良かったと思う。そんな勇気は、わたしには全然ないんだろうけれど。
    今思えば小さなことだとしても、当時の自分にとっては大きくて、一生懸命だった。中二病だったとしても、馬鹿にしたくないな。あのとき死にたいくらい悩んだわたしがいて、今のわたしがいる。

  • 「私のこと殺してくれない?」

    自分は人とは違う
    母親を、教師を、友人たちを内心馬鹿にし
    それでもそこから外れることを恐れ。
    死に強烈に惹かれる

    中学2年の男女がヒソカに練った殺人計画

    まぁようするに、強烈な中二病なんだけど
    ここまでガッツリ正面切って描かれると
    もはや「参りました」と言うしかない
     
    希望が覗いたラストが好き

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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