怪物

著者 :
  • 集英社
3.18
  • (6)
  • (47)
  • (71)
  • (25)
  • (3)
本棚登録 : 281
感想 : 62
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714104

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 定年間際で時効になった未解決事件がどうにも気になる刑事。
    彼は、「死」の匂いを嗅ぐことができる。
    しかし、犯人を捕まえることができなかったことに憤りを感じていた。

    定年まで残すところ僅かとなった頃、行方不明の夫を探している妻子を見かけ、とても気になり自分なりに調べ始める…

    そこから考えてもなかった展開に何度も驚かされた。
    圧倒される展開である。。
    驚愕とはこのこと。
    まさしくタイトルの「怪物」。
    誰を指しての「怪物」か…。見事だ。

  • 長くなるので、
    もしよかったら、こちらをご訪問下さると
    嬉しいです。 → http://tschuss12.jugem.jp/?eid=178

  • 教えてくれ。おまえはいったい、何なんだ!?
    <死>の匂いを嗅ぐ刑事。
    誰にも理解されない。誰かに話すことすらできない。その絶対的な孤独を書こうと思いました。by福田和代
    というのが帯コピー。
    定年まであと一ヶ月と目前に迫った老刑事(香西)が、若き亜臨界水の研究者(真崎)と関わったことで闇に捕らわれ、引きずり込まれていく。真崎の狡猾で巧妙な罠から、逃れれる者が、果たしているのだろうか?誰もが抱く心の闇に、正義の真意の在処を問いただす。その巧みな誘導ともいえる手法に、あらがえる者はいないだろう。香西の行動は罪だが、悪意はなく、正義ともとれる。が、やはり罪なのだ。
    死の匂いを嗅ぐ という設定でもっと痛快に怪物をあぶり出す話を期待していたが、全く違っていた。しかし、これはこれでOKだ。淡々とした幕引きこそ、定年で独り身の香西にふさわしいとすら思えた。

    真崎の勤める日本循環環境ラボラトリという会社のゴミ処理システム
    水に圧力をかけ、水温を374度(臨界)する。この臨界水は液体でも気体でもない、両方が入り混じってる。それは、有機物を溶かしやす水である。骨をも溶かす・・・
    化石燃料も少なくすみ、二酸化炭素の排出量も少ない。まさしく夢のゴミ処理方法である。現実にこんなプラントは存在するのだろうか?
    ちょっと調べてみることに・・・・
    大阪府立大学内に処理量4t/日の連続亜臨界水処理プラントが実在。他にも色々あるようだ。

  • 後半に連れてだんだん面白くなってきた。

  • 福田和代氏の「碧空(あおぞら)のカノン 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート」を読んだ。面白かったので、続けてランダムに選んだ作品が、これだ。死体をごみ焼却施設の亜臨界水で溶かすという話は昔もあった。がこれは、それを更に何人もの死体処理に使う話だ。主人公の刑事葛西が、どんどん刑事の道を外れて行く。最後はどうなるのだろう?と思っていたら更に道を外す所つまり、新たな殺人と死体処理へと向かう所で終わっている。この先はどうなるのだろう?

  • 未解決事件があったら気になって刑事を定年しても調べ続けてしまいそう。
    しかし、他人のためだと思って取った行動がどんどんおかしな方向に向かっていくよ。誰かに話しさえしていれば、こんな物騒なことにはならなかったのかも。道を外れて何もかも自分で処理しようとしたところに無理が……。多分、そのときは必死でわかっていないのだろうけれど。こんな怪物みたいな人間にはなりたくないな。

  • うーん…途中まではかなり引き込まれたんだけど…なんかこうハードボイルドな終わりがいまいち好きになれず。主人公の自己満足っぷりがなんかしっくりこなかった。

  • 2016.11.11 読了

    なんという 後味の悪さ!!



    定年間近の 老刑事 香西(こうさい)。
    彼は 生き物が死ぬ直前に発する
    〈死〉の匂いが 嗅ぎ分けられる。

    小さな頃からで 信じてもらえるわけがないから、
    誰にも言ってない。

    刑事の勘ということで、
    その匂いのおかげで 迷宮入りになりそうな
    事件でも 香西が こいつが犯人と言い張り、
    捜査(証拠をつかみ)し、解決に導いたことも
    多々ある。

    けど、香西は 犯人だと確信しているにもかかわらず、
    唯一 証拠をつかめず 時効がきてしまった事件がある。

    青白い顔で 人の顔をまともに見れない
    大学生 堂島昭。
    こいつが 時効になるのを見計らったように
    政治家として選挙に立候補する。

    そこから 話が動いてゆく。

    別の事件で 橋爪という男が 行方不明になる。



    二つの事件が 複雑に絡み合う。


    最初 タイトルの「怪物」は
    わかりやすい “こいつ”が 出てくる。

    それが、ある時から 誰が「怪物」なのか
    わからなくなってくる。

    誰しも 精神のバランスをとって
    生きている。
    けど、その精神状態は 果たして
    “まとも”なのか。。。?

  • 前半は警察小説。
    途中からガラリと雰囲気が変わり……あれよあれよと引き込まれ、胸くそ悪くなりつつも読むのを止められず……結末へ。

    題の通り、この世の片隅で人知れず蠢く“怪物”に出会った老刑事……、彼が新たな“怪物”の仲間入りを果たすまでの物語。

    胸くそ悪くなりつつも最後まで読み切らせられる筆者の筆力には感銘を受けるが……はっきり言って好きなハナシじゃあないな。

    ★2つ、5ポイント半。
    2016.04.06.古。

  • 期待の割にイマイチ…
    なんか無理やりだった。
    ゴミ処理施設、便利〜

全62件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

福田和代一九六七年、兵庫県生まれ。金融機関のシステムエンジニアとしての勤務を経て、二〇〇七年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。主な著作に『TOKYO BLACKOUT』『ハイ・アラート』『怪物』『迎撃せよ』『潜航せよ』『生還せよ』『繭の季節が始まる』『梟の一族』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

福田和代の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×