- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087714111
感想・レビュー・書評
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ロンダリングとは元は洗濯する、洗浄する、綺麗にするという意味。ここでのロンダリングは不動産ロンダリングだ。つまり事故物件に雇った誰かを1ヶ月住まわせることにより、その後はその物件を事故物件だと公表しなくても良いという仕組み。この仕組みは以前友人から聞いて知っていたが、それを職業としている人がいるのは本当の話なのかな?
主人公は自身の不倫により離婚し居場所がなくなった事からロンダリングを始めた女性。作り笑いしかできず、全てに投げやりだった主人公が、少しずつ自分を取り戻していく。その序盤といった感じ。読みやすくて、あっという間に読めた。内容も大きな波はないものの面白かった。原田さんの他の話も読んでみたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
賃貸物件で派手な騒動や死者が出た場合、不動産屋には次の入居者にそこが「事故物件」であることを説明する義務がある。ただし、入居が決まり、誰かが住んでしまえば、次から説明責任はなくなる。不動産価値を下げないため、不動産屋の依頼に従い事故物件に住む仕事が「ロンダリング」だ。自らの不貞で離婚をし、居場所をなくしたりさ子はロンダリングを仕事とし、住まいを転々と変えて生きている。
感情の起伏を感じさせない彼女が、次第に感情を取り戻していく再生の物語。都会にはいまもどこかにりさ子のようにひっそり、事故物件に移り住むひとがいるのかもしれない。 -
所謂事故物件に一定期間誰かが住まう事で、次の居住者には事故につい説明する必要もなく何事もなかったかのように貸し出すことができる。
事故物件に住まい浄化することをロンダリングと呼び、その仕事をしている東京在住の女性のお話。
ロンダリングという設定がもう面白い。
主人公はいたって普通な訳あり女性。
ロンダリングという謎の仕事と、淡々とした女性のリアルな心の声のギャップがいい。
なのにドロドロした感じがない不思議。
原田ひ香さんの本、もっと読みたいです!
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賃貸住宅のワケあり物件を浄化(ロンダリング)するために、
一定期間住むお仕事をしているりさ子。
そうすることで次の住人に、いわくつき物件の説明義務がなくなるらしい。
そんな空恐ろしいお仕事を、特に不安に思うこともなく
淡々とこなしているりさ子。
離婚されて一人になって、感情も失ってしまったのでしょうね。
深く人と関わることを避け、作り笑いを浮かべて…。
そんなりさ子が、
マイペースでずけずけ物を言う、大家の真鍋夫人、
定食屋「富士屋」の亮とかかわるようになり少しづつ自分を取り戻していく。
真鍋夫人、苦手なタイプではあるけれど、
こういうおせっかいも時には必要なのかも。(特に今の世の中)
そして「富士屋」の定食が、それはもう美味しそうで♪
亮に相談されて新メニュー作りをするくだりがとても好きです。
やっぱり人間は”きちんと食事すること”が基本なんですね。
根無し草のような日々から、立ち直ることができそうで良かったです。-
こんばんは(^-^)/
あ〜、原田ひ香さん、なかなか読めない…。
私の代わりに杜のうさこさんが読んでくれているようで嬉しい←図々し...こんばんは(^-^)/
あ〜、原田ひ香さん、なかなか読めない…。
私の代わりに杜のうさこさんが読んでくれているようで嬉しい←図々しい(笑)
面白そうな作品だね。
怖がりの私には物件のロンダリングは無理だわ。
美味しそうな食事、前向きな話、いいね〜♪
とても参考になりました。ありがとう(*^^*)♪2016/01/22 -
けいたんさん、こんばんは~♪
なんかすごくお久しぶり~♪
元気だった?
あはは、図々しくないよ!
いくらでも代わりに読んじゃ...けいたんさん、こんばんは~♪
なんかすごくお久しぶり~♪
元気だった?
あはは、図々しくないよ!
いくらでも代わりに読んじゃうよ~(笑)
けいたんさんもやっぱり怖がりさんなんだね!
私も超がつくほどの怖がり(>_<)
無理!無理!と言いながら読んでました。
あいかわらず定食屋さんの場面には食いつく私です(笑)
原田ひ香さん、読みやすくて好きかも。
あ、でも前に読んだ『母親ウエスタン』は少しう~ん…だったかな。
また読んでみてね(*^-^*)2016/01/25
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面白い設定だった。
事故物件に住んで部屋をロンダリング(洗浄する・浄化する)する仕事が実際にあるのかどうかは知らない。
主人公の内田りさ子は、離婚後何もかも失って事故物件のロンダリングの仕事をするようになった。怖い物語かと恐る恐る読み始めたらそうでもなく、興味深く一気に読んだ。
この仕事は誰にでもできるものではない。その点で、りさ子は肝が据わっているのかと言えばそういうわけでもなく、自分自身を失いかけている部分があった。生きているけど生きていないような生活だった。
そんなりさ子を、健全な生活へと引き戻してくれたのがロンダリングの依頼をした大家の真鍋夫人と定食屋の亮だ。お節介ともいえるが、人情味のある二人。周囲の人々と深入りせず生きていくとは言え、時にそのような人との関わりも必要なのではないか。
タワーマンションのロンダリングに入った件は、急な話の展開とコンシェルジュの強引で不自然な流れから、んん?という感じだった。が、賢明な亮の行動と、先輩同業者の菅を助けたいという一心から、りさ子に生気が戻ってひとまずホッとした。亮とりさ子の関係はこの先どうなるのだろう…と、いい意味で期待するところで終わってしまったが、続編があるようなのでぜひ読みたい。 -
帰る場所を失った主人公が行き着いた先は訳あり物件に住み、部屋を浄化するロンダリングの仕事。
処世術として作り笑顔を覚え仕事先で出会った人との関わりで、少しずつ主人公自身も浄化されていく。
いつか心からの笑顔が自然と出るようになればと思いました。 -
「事故物件いかがですか?」の前作にあたるお話。
しっかり食べて、規則正しい生活をすることがどんなに大切なのかを思い知らされる。豚のこしょう焼きを食べてみたいと思いました。行きつけの定食屋さんというものが欲しいものです。 -
菅さんがいなくなった理由にあんまり納得いかなかったが、話の流れは面白くて、食い入るようにして読んでしまった。
タワーマンションをロンダリング中に亮が出前を持ってきてくれるところは、亮かっこいい!と思ってしまった!
りさこ子と亮がうまくいってほしいなー! -
自らの不倫で帰るべき家を失い、生きる気力も乏しくなった女性・りさ子の再生物語。
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それにしても実に奇抜なことを思いついたものだと感心しました。
事故物件住宅に一定期間住むことで「事故物件」というネガティブ評価を浄化するというハウス(ルーム?)・ロンダリングとでも呼ぶべき仕事。
いかにもありそうな職業設定。その目の付け所の良さには脱帽です。
そして、事故物件のロンダリングを行いつつも、自分の過去のロンダリングをしていたことにりさ子が気づく終盤はサスペンスタッチに転調。
この緊張感漂う展開でクライマックスを演出した構成もよかった。
亮との恋物語は描かれませんでしたが、そこがまた作者らしい筋立てのように感じて、自分としては好もしく思いました。 -
1日でさくっと読めちゃいました。
不動産ロンダリングって初めて聞いたけど、実際にもある仕事のようです。
変死や殺人事件が起きた物件は次の入居者に説明責任があるそうですが、不動産屋が用意した人物が入居して一定期間暮せば、その次の入居者には説明する必要がなくなる。
そうして事故物件も問題なく貸せると。
りさ子は、不倫の末にバツイチになり、生きることに無関心になっていて、淡々とロンダリングをこなしていた。
けれど、谷中でロンダリングに入った部屋で出会った真鍋夫人や行きつけの定食屋・富士屋の亮と関わって少しずつ変わっていく。
生気を取り戻したようになったりさ子だけど、
急きょ、いわくつきの丸の内スカイガーデンレジデンスに入居することに…
亮との関係が変わりかけているときだったのに、
また元の生気のないりさ子に戻ってしまうと
読みながらハラハラしていたら、また亮の登場!!
亮と話したことで、
ロンダリングを消極的に捉えていたりさ子が
それを自分の仕事として、自分の能力として
受け入れた上に、自発的に富士屋の手伝いもすると決意する。
さらに
ロンダリングの先輩の菅さんの一件を解決したことで、
りさ子は自信を取り戻したように思えた。
ロンダリングは浄化という意味だけど、
いつの間にか、りさ子のことも浄化して再生させてたんだなと感じました。
清々しいラストでした◎